賃貸アパートをリフォームする際の費用相場|コスト削減のコツも解説します

2024.07.24更新

この記事の監修者

キムラ ミキ
キムラ ミキ

AFP/社会福祉士/宅地建物取引士/金融広報アドバイザー

賃貸アパートをリフォームする際の費用相場|コスト削減のコツも解説します

アパートのリフォームを考えている大家さんに向けて、費用を抑えて効果的にリフォームを行う方法やポイントなどをご紹介します。

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目次

賃貸アパートのリフォームの費用相場

賃貸アパートのリフォームの費用相場についてご説明します。今回、ワンルーム1戸あたりの費用相場を想定していますので、所有するアパートの規模と照らし合わせて考えてみるとよいでしょう。

今回は、ワンルームを想定しているので入居者層は単身世帯ですが、所有する物件によっては入居者層が異なり、入居者が求める設備や水準も異なります。所有する物件の入居者層のニーズをくみとり、適したリフォームをコストバランスも含めて考えてみるとよいでしょう。

キムラ ミキ
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お風呂リフォーム

賃貸アパートで採用されているユニットバスの寿命は、一般的には15~20年程度です。入居者の利用状況にもよりますが、コーキング部分の劣化や浴槽にヒビやサビが発生しているなどの様子が確認できる時にはリフォームの検討時期といえるでしょう。

交換するほどの劣化がない時には、部分的な変更(浴室塗装、壁などの張り替え、浴室ドア交換、浴室暖房乾燥機の設置、手すりの設置など)でイメージアップを狙うのも一案です。
リフォーム項目費用相場
ユニットバス交換50~100万円
シャワー交換2~5万円
浴槽交換10~50万円
部分的に変更5~20万円

トイレリフォーム

トイレの交換時期は10~15年程度です。便器そのものに問題がなくても、パッキンなどゴム系素材の劣化によって水漏れや排水のつまりなどトラブルが生じる可能性があります。また、トイレの交換に伴って壁床の張り替えが必要な場合もあります。

便器本体の交換ではなく便座を交換したり、DIYで大家さん自らリフォームを行ったりすることで、費用をおさえることも可能です。
リフォーム項目費用相場
便器交換50~60万円
便座のみ交換2~10万円
壁床の張り替え5~10万円
バリアフリー化3~10万円

キッチンリフォーム

キッチンの交換の時期は利用頻度にもよりますが、10~20年が目安です。キッチンに関するリフォームの項目と費用目安は以下のとおりです。
リフォーム項目費用相場
ミニキッチンの交換30~50万円
システムキッチンの交換90~160万円
換気扇の交換1.5~6万円
コンロの交換8~10万円

内装リフォーム

和室から洋室へ変更するなど、内装リフォームの費用相場は以下のとおりです。今回想定しているワンルームより広い部屋の場合、間取り変更を行うことも可能です。建材やデザインによって、費用相場には幅が生じます。
リフォーム項目費用相場
和室から洋室20~100万円

壁紙クロスの張り替え

壁紙クロスの張り替えは5~10年が目安です。あまり費用がかからないリフォームの1つですが部屋のイメージを大きくアップさせることができる方法でもあります。費用相場は壁紙クロスの素材や機能性によって異なります。
リフォーム項目費用相場
壁紙クロス張り替え4~8万円

床材の張り替え

床材の張り替え時期は10~15年が目安です。床にはがれやきしみが見られるなど、不具合が生じた時は交換のタイミングです。工法(張り替え工法、重ね張り工法)や床材の種類によって費用相場が異なります。
リフォーム項目費用相場
フローリング6~18万円
クッションフロア4~10万円
カーペット4~10万円
フロアタイル5~10万円

共用部リフォーム

生活に便利な設備を共用部に設置することで入居者の生活利便性が向上し、物件の魅力をアップさせることができます。その一例と費用相場は以下のとおりです。
リフォーム項目費用相場
ゴミボックス20万円程度
宅配ボックス60~100万円
サイクルポート7~30万円
郵便受け(集合型)5000円~1万円(1戸あたり)
※6戸で3~6万円

外壁・外装リフォーム

外壁や外装リフォームは住環境を良好に保つために必要なリフォームです。ただし、費用も大きいため計画的にリフォームを実施する必要があります。おおむね外壁や外装リフォームは10~15年を1つの目安として計画を立てておきましょう。
リフォーム項目費用相場
外壁塗装200~300万円(1棟)
屋上防水100~150万円(1棟)
ドア取替え8~10万円 ※撤去工法除く
鉄部塗装5~30万円 ※部位によって異なる

リフォーム費用をおさえる方法

リフォームは部位や工法、使用する建材などによって、費用が大きくかかります。リフォーム費用をおさえる方法をご紹介します。

材料や設備のグレードを検討する

コストパフォーマンスも踏まえて材料や設備のグレードを検討しましょう。家賃や周辺類似物件のグレードと照らし合わせながら、必要以上にグレードが高い材料や設備となっていないか、コストバランスを慎重に検討しましょう。

まとめて発注する

リフォーム業者にまとめて発注することで、割引を受けることができる場合があり、リフォーム費用総額を抑えられる可能性があります。ある程度まとめて発注できるようにリフォームの計画を立ててみるとよいでしょう。

補助金や助成金を利用する

補助金や助成金を利用することで、リフォーム費用の自己負担を経験できる場合があります。しかし、補助金や助成金にはさまざまな種類があり、どれが所有するアパートのリフォームに適用できるのか分からないこともあるでしょう。

補助金や助成金の予算には限りがあるため、悩んでいるうちに締め切られてしまったということにならないように、リフォーム業者に相談や見積もりを依頼する際に、どのような補助金や助成金が利用できるのかについてもアドバイスを受けておくとよいでしょう。

長期優良住宅化リフォーム促進事業

長期優良住宅化リフォーム推進事業は、既存住宅(集合住宅含む)の長寿命化や省エネ化などに資する性能向上リフォームや子育て世帯向け改修に対する支援を行う事業です。補助率はリフォーム費用などの3分の1となっており、集合住宅の場合、補助限度額は最大250万円/戸となっています。

住宅エコリフォーム推進事業

住宅をZEHレベルの高い省エネ性能へ改修する取組(二重サッシ、断熱材挿入など)に対して行われる事業です。補助率は40%で、最大350,000円/戸の補助を受けられます。

リフォームに使える補助金があるからリフォームするのではなく、何のためにどのような効果をねらってリフォームをするのかを考える意識が大切です。所有する物件に必要なリフォームとは何か、信頼できるパートナーと一緒に考えてみましょう。

キムラ ミキ
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リフォーム業者は複数を比較する

リフォーム業者は、必ず複数の業者に相談、見積もり依頼を行い、内容や価格の比較検討を行いましょう。またその際、疑問や不安に真摯に対応してくれる業者であるか否かも確認しておきましょう。
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賃貸物件向けのリフォームローン

賃貸物件向けのリフォームローンは、「無担保型」、「有担保型」に分かれますが金利水準や審査基準など融資条件は、金融機関によって異なります。複数の金融機関に相談し、融資条件がよいリフォームローンを活用しましょう。

リフォームローンの選び方について、詳しくは下記リンクをご参照ください。

アパートリフォームの成功のポイント

アパートのリフォームを効果的に行い、成功させるためのポイントをご紹介します。

入居者満足度を意識する

入居者満足度向上のために、有益なリフォームかどうか意識してみるとよいでしょう。トレンドは時代によって変化します。賃貸設備ランキングなどを確認し、求められている設備や間取りなどを知り、トレンドをとらえたリフォームを考えてみましょう。

リフォームの費用対効果を考える

リフォームの費用対効果を考えることは、とても重要なポイントです。リフォームを行った後の設定家賃をいくらにするのか、そしてどれくらいの期間でリフォーム費用を改修していく予定なのか、シミュレーションを行いましょう。

リフォームによる利回り(1年間の家賃上昇額÷リフォーム費用×100)が高いほど、リフォーム費用の回収期間が短くなります。

たとえば、リフォーム前の家賃が5万円、リフォーム後の家賃を7万円に設定し、200万円のリフォーム費用をかけた場合、1年間の家賃上昇額は24万円となりますので、利回りは12%となり、8年ほどで回収できることになります。しかし、適切なリフォーム出なかった場合、想定していた家賃を得られずにキャッシュフローが悪化する可能性もあるため、慎重にシミュレーションを行う必要があります。

出口戦略を意識する

リフォームを機に、出口戦略も意識してみるとよいでしょう。アパート経営は、自ら永遠に続けることはできません。売却や相続などにより、誰かにバトンタッチする時期が必ずきます。リフォームによって物件価値を高め、「欲しい」と思われる賃貸物件に育てていく意識も大切にしておきましょう。

まとめ

適切なリフォームは築年数を経た物件の価値を高めるだけでなく、入居者満足度向上に持つながるため、アパート経営のキャッシュフローも良好にします。とはいえ、リフォームには費用もかかります。日頃から、入居者からの声に耳を傾けたり、退去時の確認を行ったりしながら、適切なリフォームを実施していけるように大家さんとして計画を立てていきましょう。

アパートのリフォームは計画的に進めましょう

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この記事の監修者

キムラ ミキ
キムラ ミキ

AFP/社会福祉士/宅地建物取引士/金融広報アドバイザー

日本社会事業大学 社会福祉学部にて福祉行政を学ぶ。大学在学中にAFP(ファイナンシャルプランナー)、社会福祉士を取得。大学卒業後、アメリカンファミリー保険会社での保険営業を経て、(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わった。その後、2008年8月より独立し、現在、自社の代表を務める。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
●また、具体的なご相談事項については、各種の専門家(税理士、司法書士、弁護士等)や関係当局に個別にお問合わせください。