床リフォームの費用を減らしたい大家さんへ。床材の特徴と耐久性を解説します

監修河野 陽炎

  • 公開日:
  • 2019年08月08日
  • 更新日:
  • 2019年08月08日
床リフォームの費用を減らしたい大家さんへ。床材の特徴と耐久性を解説します
フローリングであれば20年前後、畳であれば15年前後と、わずかではありますが、床材によってリフォームするタイミングに差があります。大家さんであれば、リフォーム回数は減らしたいと思うものかもしれませんが、その場合、どのような床材を選べばよいのでしょうか。この記事では、床リフォームを検討している大家さんに、床材の種類と特徴について、耐久性にフォーカスを当てながらお伝えしていきます。

目次

床材によって変わるリフォームタイミング

床材は、めくれや剥がれ、キズ、汚れが目立つようになったり、汚れが落としにくくなったり、歩くと床がきしむ、へこんだり、ぶよぶよとしている部分がある、という場合は寿命がきているサインと言われており、廊下やドア付近など、毎日歩く場所や、台所、脱衣所、洗面所など水に濡れやすい場所、玄関の近くなど砂ぼこりが舞い込みやすい場所は、床材の傷みが進行しやすい傾向にあります。

たとえば、フローリングに使われる木材のなかには、さまざまな樹種があり、樹種によってシロアリへの耐性や腐りやすさ、乾燥のしやすさ、割れやすさなどが異なります。さらに無垢フローリングと複合フローリングでも、耐久性には違いがあります。

以下では床材の種類と耐久性について説明していきます。

床材の種類と耐久性

床材の種類によって耐久性はどのように変わるのでしょうか。リフォームのタイミングと合わせて見ていきましょう。

フローリング

フローリングには無垢フローリングと複合フローリングがあります。

無垢フローリングは、木材をそのままフローリング材にしたもので、表面にキズがついた場合、その部分を削り落とすことで美しい面がよみがえります。そのため、耐久性が高く、耐用年数としては30年以上と言われています。

一方、複合フローリングは合板などの表面に化粧材を張り合わせてフローリング材としたものです。フローリング表面についた傷を削って対処することが難しい点や、合板と表面の材料を張り合わせる接着剤に寿命がある点が、複合フローリングの耐久性を決定しています。寿命はおおむね10~15年と言われているため、この時期を目安にリフォームを検討すると良いでしょう。

また、フローリングに使われる木材には、腐りにくい樹木やシロアリの害に遭いにくい樹木などがあります。

腐りにくいとされる樹木の例:チーク、ヒノキ、ケヤキ、マホガニーなど
シロアリの害に強いとされる素材の例:チーク、ヒバ、ローズウッドなど

フローリングの張り替えにかかる費用は、おおむね次の通りです。

張り替え工法重ね張り工法
1畳3~6万円2~5万円
4畳7~14万円5~10万円
6畳9~18万円6~14万円
8畳10~20万円8~18万円

クッションフロア

クッションフロアはビニール製のシート状床材で、クッション性があり、木目や石目などさまざまなデザインがあります。また、耐水性に優れているためシミになりにくく、複合フローリングに比べて費用が安く抑えられることが特徴です。

施工はシートを貼り合わせて行うため、継ぎ目処理剤の寿命がくるとクッションフロアがめくれあがるなど、フローリングに比べて耐久性が低く、10年も経てば、シートのはがれやめくれが目立つようになってしまうため、10年になる前にリフォームを検討することをおすすめします。クッションフロアを張り替えるための費用は、おおむね次の通りです。

張り替え工法重ね張り工法
1畳2~6万円1~4万円
4畳4~8万円3~5万円
6畳4.5~10万円4~5.5万円
8畳6~12万円5~10万円

カーペット

カーペットは、他の床材と比較すると耐久性が低く、黒ずみ、日焼け、色あせなどが目立つようになったり、重い家具によるへこみが戻らなくなったりなど劣化しやすい床材です。寿命は5~6年ともいわれておりますが、カーペットはダニが発生しやすいこともあるため、状態によっては耐用年数を待たずとも早めにリフォームすると良いでしょう。カーペットの張り替えにかかる費用は、おおむね次の通りです。

張り替え工法重ね張り工法
1畳1~1.5万円0.8~1万円
4畳5~10万円4~5万円
6畳5.3~12万円4.5~6.5万円
8畳8~16万円6~12万円

コルク

コルクは柔らかく、そのまま使用するとキズがついた場合、補修することが難しいのですが、表面加工を施して、摩擦やキズへの耐性を高めたコルクタイルが販売されており、腐食しにくく、ダニを寄せつけない性質をもっています。

コルクタイルが、その性能を維持できる期間はおよそ50~70年にも及ぶと言われていますが、いったんコルクに傷がついた場合、削る、磨くなどの方法では対処できないため、退去時のタイミングで状況を把握し、判断するのが良いでしょう。

コルクタイルの張り替え費用は、本体+施工費あわせて9,000~20,000円/m2で、6畳(約10m2)の施工費は9~20万円で、フローリングの張り替え工法と同程度と考えられます。

フロアタイル

フロアタイル(塩ビタイル)は、木目調や石目などデザインが豊富であり、床にボンドを塗って並べていく方法で施工します。キズがつきにくく、湿気を吸い込みにくいため、耐久性に優れています。キズがついたり、へこんだりした場合も、その部分だけを交換することができます。汚れやホコリを落とすことも簡単なので、メンテナンスがしやすい素材です。

フロアタイルの寿命は10年と言われています。ただし、10年たてば全く使えなくなってしまうというよりも、表面の状態が悪くなり質感が落ちてくる時期が10年、と考えると良いでしょう。フロアタイルの張り替え費用は、おおむね次の通りです。

張り替え工法重ね張り工法
1畳4~7万円3~6万円
4畳5~9万円4~8万円
6畳5.5~10万円5~6.3万円
8畳8~15万円6~10万円

畳は、「畳床、畳表、畳縁」からできており、畳床は20~25年使用できるといわれています。一方、畳表は5年ほど使用した時点で一度裏返し、さらに5年ほど(使い始めから10年ほど)経過した時点で新しい畳表に交換すべき時期がきます。畳縁やさまざまな色柄を選ぶことができます。紫外線などの影響で色あせることがありますが、畳縁だけを取り換えることも可能です。

畳の色あせ、日焼け、擦り切れがひどくなったり、汚れが落ちにくくなったりした場合にも、畳表の交換をすべき時期かもしれません。カビやダニが発生している場合は、畳床も含めた新調を検討しましょう。畳は、使用する畳表、畳床にグレードがありますので、どのグレードの品物を選ぶかで、費用が大きく異なることもあります。

内容新調表替え裏返し
1畳1〜3.5万円0.5〜2万円0.4万円前後
4畳4~14万円2~8万円1.6万円前後
6畳7~20万円3~12万円2.4万円前後
8畳9~28万円4~16万円3.2万円前後

床材を選ぶ際に確認すること

さまざまある床材ですが、選ぶ際にはどのようなことを確認しておけばよいのでしょうか。

床リフォームの目的は何か?

・古くなった部分を新しくするだけでよい?
・手入れが簡単な床に変えたい?
・防音性や保温性など機能を重視したい?
・床リフォームにかかる費用や手間を減らしたい?
・入居者ターゲットのニーズに合わせた内装に変えたい?

工期はどのくらいか?

・床リフォームを行うことで、空室になる期間はどのくらいか?
・リフォーム完了後に入居者を迎え入れる準備は、いつからどう進めるか?

床リフォームの費用と資金繰りについて

・床リフォームに総額どのくらいの費用がかかるか?
・家賃で回収するのにかかる期間はどのくらいか?

次回の床リフォームまでに今回かかる費用を回収できるような資金計画を立てましょう。

ケーススタディ

床リフォームの目的に合わせた床材選びの例をご紹介します。

ケーススタディ1 リフォーム回数を減らしたい場合

リフォーム回数を減らしたい場合は、床材の耐久性に注目しましょう。耐久性は床材ごとに異なるため、どの床材を使うかでリフォームの頻度も違ってきます。今年リフォームを行った場合に、今後30年間にどのくらいリフォームが必要になるかを比較検討してみましょう。

床材耐久年数30年間で必要なリフォーム回数
無垢フローリング30年以上0~1回
複合フローリング10~15年2~3回
クッションフロア10年3回程度
カーペット5~6年5~6回
コルクタイル50~70年0回
フロアタイル10年以上2~3回
畳表 10年
畳床 20~25年
畳表の裏返し 3回
表替え 3回
新調 1回

リフォーム回数を減らした場合は、無垢フローリングやコルクタイルなどが適していることが分かります。

ケーススタディ2 リフォーム費用を減らしたい場合

床リフォームは1度だけではなく、床材の寿命が来るごとに行うものです。1度のリフォーム費用を抑えることができても、20年、30年といった単位でみると、トータルの費用がかえってかさむという床材もあります。

まず、6畳の部屋を1度リフォームした場合の費用を比較してみましょう。

床材費用(張り替え工法の場合)
フローリング9~18万円
クッションフロア4.5~10万円
カーペット5.3~12万円
コルクタイル9~20万円
フロアタイル5.5~10万円
畳表の裏返し 2.4万円前後
表替え 3~12万円
新調 7~20万円

1度のリフォーム費用を抑えるためには、クッションフロアやフロアタイル、カーペットを選ぶと良いことがわかります。

続いて、リフォームが完了したばかりの部屋に、今後30年間に必要となるリフォームの回数と、費用の総額を試算しましょう。

床材30年間で必要なリフォーム
回数
費用の総額
無垢フローリング0~1回0~18万円
複合フローリング2~3回18~54万円
クッションフロア3回程度13.5~30万円
カーペット5~6回26.5~72万円
コルクタイル0回0円
フロアタイル2~3回11~30万円
畳表の裏返し 3回
表替え 3回
新調 1回
畳表の裏返し 7.2万円程度
表替え 9~36万円
新調 7~20万円
合計 23.2万円~63.2万円

30年間のリフォーム費用は、無垢フローリングやコルクタイルなど耐久性の高い素材のほうが、費用を抑えられる可能性が高いことがわかります。

ケーススタディ3 DIYする場合

大家さん自身がDIYで床リフォームをすることもできます。DIYに適した素材としては、クッションフロアやフロアタイルがあります。費用も他の床材に比べて抑えられるでしょう。

クッションフロア(重ね張り)フロアタイル
1畳数千円~数千円~
4畳1~1.5万円0.6~2.5円
6畳1.5~2万円1.2~2.6万円
8畳1.8~2.8万円2.3~4万円

まとめ

床材の耐久性についてお伝えしてきました。床材の耐久性はキズがつきにくい、汚れにくいといったことにつながってくるため、リフォーム頻度に影響してきます。また、費用も大きな差が出てきますので、床リフォームをする際には、床材の見栄え・耐久性も大切ですが、資金計画もしっかり立てて行うことが行うことが大切です。
河野 陽炎

監修河野 陽炎

【資格】3級FP技能士

3級FP技能士資格を持つライター、コラムニストとして、生命保険や医療保険、金融、経済などの執筆実績が多い。次々と発売される商品や、改正の相次ぐ税制、法律が1人の生活者にどう影響を与えるかの視点を大切にする。

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