目次
リフォームにかかる費用はどのくらい?
アパート経営において空室問題は避けられません。新築のアパートに比べ、古いアパートはどうしても空室率が高くなる傾向にあり、空室が多くなると当然、家賃収入も減りますからキャッシュフローも悪化してきます。
リフォームは空室対策として有効な方法ですが、アパートの規模感、部屋数によって費用は大きく変わり、外壁、内装を含めてすべてのリフォームを行うと数百~数千万の費用が必要になってきます。以下にてリフォーム箇所ごとにかかる費用について見てみましょう。
リフォームは空室対策として有効な方法ですが、アパートの規模感、部屋数によって費用は大きく変わり、外壁、内装を含めてすべてのリフォームを行うと数百~数千万の費用が必要になってきます。以下にてリフォーム箇所ごとにかかる費用について見てみましょう。
外壁塗装
外観の印象を大きく変える外壁塗装は、木造又は軽量鉄骨造の場合、2階建てアパート(500m2)で200~300万円ほどです。これに足場代が1m2あたり600~800円加わるイメージです。この金額はあくまで一例ですが、耐久性のある塗料、汚れの付きにくい素材を選択するなどで、価格は上昇することもあります。
室内のリフォーム
アパート1室のリフォームをする場合、例えば築25年以上であれば、通常、賃料1年半分程度、最大でも賃料3年分がひとつの目安と言われています。家賃が5万円のアパートの場合では、5万円×12か月×3年=180万円が一室のリフォームにかけられる最大の費用となるのです。
水回りのリフォーム
バランス釜など、古い浴室を集合住宅型ユニットバスに変更するのにかかる費用は50万円ほどです。トイレは便器交換で30万円、キッチンに関しては、古いキッチンから新しいものに交換(ベーシックタイプ・ガスコンロは入居者が準備)するものでも30万円前後は必要になってきます。
リフォームには多額の資金が必要
上述の通り、アパートのリフォームには多額の資金が必要となります。そこで利用したいのがリフォームローンです。以下では、リフォームローンの金利相場について説明していきます。
リフォームローンの金利相場
賃貸アパート用のリフォームローンの金利についてですが、東日本銀行では2019年3月現在、変動金利で3.5%です。東日本銀行では、過去3年間の入居率が90%を超えている場合や、セキュリティに係わる設備導入資金として借り入れる場合などでは、金利を0.5%下げています。記載は一例となりますが、条件を満たすことで金利を下げられる余地はありますので、いくつかの金融機関、ハウスメーカーなどに確認してみましょう。
以下では、東日本銀行の賃貸アパート用のリフォームローンを例に諸条件について詳しくみていきます。
以下では、東日本銀行の賃貸アパート用のリフォームローンを例に諸条件について詳しくみていきます。
審査基準
審査基準として、まずは申し込み可能年齢があります。20歳以上65歳以下、完済時の年齢が満75歳以下と制限されています。審査でチェックされるところは主に下記の点です。
今まできちんとアパート経営をしていたのか、そして現在、借入金があるならば返済が滞りなく行われているかは必ず見られていると考えておいてよいでしょう。
今まできちんとアパート経営をしていたのか、そして現在、借入金があるならば返済が滞りなく行われているかは必ず見られていると考えておいてよいでしょう。
借入可能額
借入可能額に関しては、例えば、無担保で借入する場合ならば1,000万円まで、それ以上の金額、例えば、数千万円から数億円が必要な際は有担保型での借入になるでしょう。有担保・無担保どちらを扱っているかは金融機関・ハウスメーカーによっても違いますので見比べてみましょう。
自分がどのくらいの借入金を必要としているかをしっかり把握してから、借りるところを決めるようにしてください。
自分がどのくらいの借入金を必要としているかをしっかり把握してから、借りるところを決めるようにしてください。
返済期間
返済期間も金融機関によって異なります。例に挙げた東日本銀行では、最長15年としていますが、その他の金融機関では、担保や連帯保証人を立てるリフォームローンの場合は最長で30年というところもあります。また、借りた人(この場合は大家さん)に万が一のことがあった時、返済が免除される団体信用生命保険に加入できない場合は借入期間が最長15年です。
融資対象となる物件の構造などで返済期間が変わる可能性もありますので、金融機関などでローンの話を聞く際には物件の条件等も確認しておいてください。
融資対象となる物件の構造などで返済期間が変わる可能性もありますので、金融機関などでローンの話を聞く際には物件の条件等も確認しておいてください。
金利
リフォームローンの金利も一般の住宅ローンの金利と同様に「固定金利」「変動金利」があります。2019年4月時点の情報となりますが、一例として固定金利は、おおよその金利は0.95~1.61%ほど。あるハウスメーカーの大家さん向けリフォームローンでは1.31%となっています。
変動金利は、長期もしくは短期プライムレートの見直しに準じて変わるものですが、上記、東日本銀行の例で紹介した通り、3.5%程度と考えておいた方がいいでしょう。金利は、毎月見直しを行う金融機関もありますので、常に最新の情報を得るようにしましょう。
変動金利は、長期もしくは短期プライムレートの見直しに準じて変わるものですが、上記、東日本銀行の例で紹介した通り、3.5%程度と考えておいた方がいいでしょう。金利は、毎月見直しを行う金融機関もありますので、常に最新の情報を得るようにしましょう。
担保の有無
続いて担保の有無です。担保がある場合、借入金額が大幅にアップします。例えば、数億円単位の借入をしたい際は担保が必ず必要だと考えておいてください。また、担保だけでなく連帯保証人も求められることもあります。金利は担保がある方が低くなると考えておいてよいでしょう。
担保がない場合、借入金の上限も1,000万円ほどと限られてきます。ただ、担保もですが連帯保証人も不要であることが多いため、書類の準備等が簡単であるともいえるでしょう。金利は担保ありの場合よりも高くなる場合が多いです。
担保がない場合、借入金の上限も1,000万円ほどと限られてきます。ただ、担保もですが連帯保証人も不要であることが多いため、書類の準備等が簡単であるともいえるでしょう。金利は担保ありの場合よりも高くなる場合が多いです。
リフォームローン利用時に押さえておくべきこと
リフォームローン利用時には、どの金融機関で申し込むのかを決めないといけません。では、どのような点を押さえておくとよいのでしょうか。
複数の金融機関を比較
借り入れるところを決める際は、複数の金融機関を比較してください。各金融機関によって借入期間や担保の有無が違うためです。
優遇条件の有無を確認
優遇条件を確認することも忘れないでください。例えば、同じ金融機関で他のローンを利用中の場合や、アパート入居率の高さによって金利が優遇されることもあります。店頭に表示されている金利とは全く変わることもありますので、担当者とよく話し合ってみましょう。
まとめ
大家さんのためのリフォームローンについて見てきました。リフォームをすることで空室率の減少や家賃収入の増加が期待できますが、リフォームには多額の資金が必要です。
いくらローンを利用できるからといっても月々返済をしていかなければなりませんし、現在、他のローンを返済しているならば、返済額が上乗せされることにもなり、キャッシュフローの悪化につながる可能性も否めません。
リフォームローンを利用する場合は、今ある資金の確認と返済が始まった後の生活資金についても考慮しながら、返済計画をしっかり立てて利用するようにしましょう。
いくらローンを利用できるからといっても月々返済をしていかなければなりませんし、現在、他のローンを返済しているならば、返済額が上乗せされることにもなり、キャッシュフローの悪化につながる可能性も否めません。
リフォームローンを利用する場合は、今ある資金の確認と返済が始まった後の生活資金についても考慮しながら、返済計画をしっかり立てて利用するようにしましょう。
この記事の監修者
たじり ひろこ
2級FP技能士/証券外務員第一種
証券会社営業、生命保険会社営業サポート、銀行コールセンター等複数の金融機関勤務経験あり。2016年末からライターとして活動し、主に金融系サイトで執筆。