ゴミステーションを検討する大家さん急増中!集合住宅におすすめのゴミボックス7選

2024.01.19更新

この記事の監修者

いしわた さとみ

いしわた さとみ

【資格】宅地建物取引士/二級建築士/既存住宅状況調査技術者/ホームステージャー

ゴミステーションを検討する大家さん急増中!集合住宅におすすめのゴミボックス7選

この記事では、ゴミボックスの設置を検討している大家さんに向けて、その選び方や設置方法、注意点などをご紹介します。

目次

ゴミ出しも入居を決めるポイントの1つ

最近では敷地内にゴミステーション(ゴミ置き場)が設置されているかどうか」も選択基準の1つとして、部屋探しをされる入居者が多いようです。ゴミステーションにこだわりのない方でも、物件周辺に散乱したゴミを目にしてしまうと不安を感じるものです。

地域住民の物件自体への心証も悪くなりかねないので、入居者確保の観点からも、建物の維持管理とあわせて気を付けたいですね。一定の戸数以上の集合住宅にゴミステーションやゴミボックスの設置を義務付けている自治体もありますが、コンパクトなゴミボックスであれば費用もそれほどかかりませんので、戸数に関わらずゴミ置き場の設置を検討してみてはいかがでしょうか。

ゴミボックスを設置した方が良い理由

なぜゴミ置き場が物件選びのポイントとなるのでしょうか。その理由について見ていきましょう。

1.衛生を保つため

ゴミ置き場のイメージとして、まず始めに思い当たるのは「におい」ではないでしょうか。ゴミ置き場がなければ生ゴミのにおいは広範囲に広がりますが、ゴミ置き場を設置することである程度のにおいは抑えることができます。

ゴミボックスがない場所では、かぶせたネットの網目の間からカラスや猫が入り込み、路上にゴミが散乱してしまうことがあります。その様子は見た目にも不衛生ですし、生ゴミがあると動物ばかりか虫まで集まってきます。物件の印象や入居者の安全・衛生のためにもゴミステーションはきちんと隔離しておくことが望ましいでしょう。

2. トラブル回避のため

アパート・マンション専用のゴミ置き場がないということは、誰でも簡単にゴミを置いたり、あさったりすることができるという状況です。動物や虫が集まってくるほかに、同じゴミステーションを利用する近隣住民とのゴミ出しトラブルなどが発生する可能性も少なくありません。

また、早朝のひと気のない時間帯に1人でゴミを捨てにいくことに抵抗を感じる方は意外と多いそうです。このような点から、物件専用のゴミステーション(ゴミボックス)があるというのは、安心感を入居者に与えてくれます。

ゴミステーションを設置する際の注意点

ゴミステーションを設置したことによってトラブルが発生することもあります。自治体のルールを基に管理会社と相談し、入居者がルールとマナーを守れるようトラブル対策をしっかり決めておきましょう。

ゴミ出しに関するルール

ゴミステーションやゴミボックスを設置する際に、入居者は24時間ゴミ出しOKなのか、ゴミ出しの当日早朝までにゴミ出しをするのか、また粗大ゴミや大型ゴミの出し方など細かくルールを決め、入居者にも事前共有しましょう。

また物件の外にゴミステーションを設置した場合、入居者以外が無断にゴミステーションを利用できないように施錠をするなどの対策も必要です。

ゴミステーション内の定期清掃

ゴミステーションを設置すると、ゴミボックスの種類によっては臭いがゴミボックスの中にこもってしまったり、ゴミ袋から漏れたゴミで汚れたりといった問題が生じます。

臭いや汚れが動物や虫などのエサになり巣を作られてしまっては物件の印象が悪くなってしまいます。そのためにも管理会社と相談のうえ、管理人や清掃会社に依頼するなど定期的な清掃を行い、清潔を保つようにしましょう。

ゴミボックスの種類

ゴミボックスは材質や形状・サイズなど、実にさまざまなタイプのものがあります。今空いているスペースに設置可能で、入居者が安心してゴミ出しをできるのはどのようなタイプのゴミボックスなのか、考えてみましょう。

ネットタイプ

スチールのメッシュで囲われたタイプのゴミボックスです。折りたたみ式でコンパクトなものが多く、比較的安価なので手軽に導入でき、簡単に設置・洗浄できるのが特徴。風通しがよいので中ににおいがこもりません。

今までゴミを1か所に積み上げてカラスネットで覆っていたけれど、ゴミの山が崩れて中身が散乱するなど衛生面での悩みを抱えているマンション・アパートの大家さんにおすすめです。においが外へ流れやすいので、建物からできるだけ離れた回収のしやすい場所に設置しましょう。

囲いタイプ

周りの壁をコンクリートやブロックで造作し、既製の屋根と扉を設置するタイプのゴミボックスです。コンクリートブロックで三方を囲い、カラスネットで覆うだけの簡易的なものもありますが、屋根と扉できちんと仕上げたものは衛生面や安全面においてポイントが高いです。それだけでなく、ひと目見ただけではゴミ置き場とわかりづらく景観に溶け込みやすいというメリットもあります。外観にこだわったマンションや、敷地に余裕がなく建物に近接してゴミステーションを設置する必要がある場合にもおすすめです。

屋根タイプ

全方位が壁と屋根でしっかり囲まれており、正面の引き戸を開けてゴミを出し入れするタイプのゴミボックスです。屋根のないゴミ置き場では、冬場、雪が積もるとゴミ袋が埋もれてしまいますし、上部や正面の扉から出し入れするタイプのゴミボックスでは、積雪によって扉の開閉ができなくなってしまうことも。その点、雪の影響を受けにくい屋根タイプのゴミボックスは降雪の多い地域にも適しています。大容量で、開閉してもゴミがなだれを起こしにくいため、居住者の多いマンションにもおすすめです。完全密閉のものはにおいがこもりやすいため、一部がメッシュになっているものやパンチングの空気穴がついたものを選択しましょう。

扉タイプ

最近のゴミボックスの多くは、カラスや猫などによるイタズラ防止のための扉が付いています。かがまずに立ったままゴミ出しや回収が行えるよう、屋根部分や正面の上部にある扉を開けてゴミの出し入れをするタイプのものが一般的です。スライド式の扉は見た目や使い勝手もよく、共用階段の下など上部スペースに余裕がない場所でもゴミの出し入れがしやすいと人気です。

物置タイプ

居住者の多い大型マンションや、何棟かのアパートが共同で利用するのに適したゴミボックスです。一般的な物置との違いは、においがこもるのを防ぐための空気穴がついていること。動物や虫からゴミを保護するのと同時に、景観を維持する役割も果たしてくれます。ただし、大型なので設置にはある程度のスペースが必要です。敷地に余裕があるか、もしくはプランニングの段階であらかじめ配置を計画しておく必要があります。

ゴミ置き場の設置基準と申請

マンションやアパートなど共同住宅のゴミ置き場は、誰でも自由に設置できるというわけではありません。全国の各市町村などによって決まりがあり、地域によっては関係所管との事前協議や申請書の提出が必要な場合もあります。東京都調布市を例に挙げると、ゴミ置き場の設置について以下のように定められています。

4戸以上の集合住宅または延床面積100平方メートル以上の事業用建物を建築される予定の事業主等の方は、ごみ置場の設置について、ごみ対策課と、事前の打ち合わせ、事前協議確認書の提出が必要です。

引用:ごみ置場の設置|調布市

かつ、完了検査後、収集希望日の2週間前までにゴミ収集の申し込みを行うこととされています。また、設置の基準として以下に該当している必要があります。

1.道路に面した敷地内
2.段差及び傾斜のない場所
3.周辺環境や交通状況、近隣との関係性やゴミ収集に配慮した場所

参考:ごみ置場の設置|調布市

ゴミ置き場の設置を検討される際には、事前に市区町村や所管となる各機関に確認を行うようにしましょう。

種類別:ゴミボックスおすすめ商品

ここからは、おすすめのゴミボックスを種類別にご紹介していきます。

【ネットタイプ】テラモト:自立ゴミネットⅡ 折りたたみ式 緑 730L

折りたたみ式の自立ゴミボックス。組み立てが簡単なのでスムーズに設置できます。上部を開閉できるほか前扉も開くのでゴミの出し入れも楽に行えます。狭いスペースにも設置可能。四方がメッシュ張りなので、外からゴミボックスの中の状況を把握しやすく、居住者のゴミ分別意識を高めることができるのもメリットの1つです。
メーカー株式会社テラモト
商品名(型番)自立ゴミネットⅡ 折りたたみ式 緑 730L(DS-261-115-1)
材質ネット部分(蓋含む):ターポリン、支柱:FRP、取手・枠:ポリエチレン、鉛、鉄
容量730リットル(580リットルもあり)
大きさ1500×880×600mm
定価69,850円

【囲いタイプ】四国化成:ゴミストッカー EF型

屋根と扉がセットになった高さ調節可能のゴミストッカー(ゴミボックス)で、世帯数が少ない集合住宅にも最適です。開けやすく取り出しやすいように上面がななめになっており、上にゴミを置かれる心配がありません。また、ガスダンパー部分にはゴミ袋の噛み込みを防ぐ専用カバーが付いていて、ゴミ袋が破けて周辺に散乱しないようになっています。
メーカー四国化成工業株式会社
商品名(型番)ゴミストッカー EF型(GSEF-1812GM)
材質パネル:銅板、メッキ鉄線 上蓋:アルミ
容量1400リットル (連棟ユニットもあり)
大きさ1800×1260×900mm~
定価248,000円~

【扉タイプ(1)】四国化成:ゴミストッカーWP型

木の風合いと温かみのある柔らかな形状が魅力の、おしゃれなデザインが人気の木質系ゴミボックス。木目調の部分は本物の木ではなく、デッキなどにも使用される木質樹脂なので、耐久性に優れていて、お手入れも簡単です。もちろん水洗いも可能。内側の見えない部分は、軽量かつ外部サッシにも使用されるほどの耐久性を持つアルミ製です。おしゃれなデザインで簡易鍵が付いているため、外観や景観の良さを重視し、同時にセキュリティも担保されています。
メーカー四国化成工業株式会社
商品名(型番)ゴミストッカーWP型(GWP2-1814-08MB)
材質木質樹脂
容量1,250リットル(1040リットル・1460リットルもあり)
大きさ1800×1350×800mm
定価336,000円

【扉タイプ(2)】ナカノ:ダスポン スライドシリーズSD-2090(M-Type)

メタリックなボディで入居者や内見者を魅了する、オールステンレスのスタイリッシュなゴミボックス。2018年にはグッドデザイン賞を受賞しました。ステンレス加工の技術を最大限に発揮し、利用者や回収業者の声を反映してつくり上げた形状はとても使いやすく機能的。その外観により周囲の景観を損なわないだけでなく、オールステンレスの清潔感、オプションで鍵をつけることもできる安心感から、デザインにも機能性にもこだわりたい入居者からは、高評価が期待できそうです。超小型から大型まで6つのサイズ展開で、コンパクトなアパートから大型マンションまで設置可能です。
メーカー株式会社ナカノ
商品名(型番)ダスポン スライドシリーズ SD-2090 M-Type
材質ステンレス鋼(SUS304)、特殊亜鉛鋼板(ZAM)
容量約2150リットル(他サイズあり)
大きさ2000×1400×900mm
定価-

【屋根付タイプ(1)】ヨドコウ:ダストピット DPMA-2200

奥行きが浅く、跳ね上げ・スライド式の扉で大容量ながら省スペースを実現した据え置きタイプのゴミボックス。前面上部からゴミを出し入れするため、ゴミ出し・回収が容易です。スチール製のゴミボックスは一般的に扉も重くなりがちですが、このダストピットは握りやすいハンドルとガススプリングを採用した軽い上ぶたで、簡単に開閉することができます。前部の腰板と床は取り外しが可能なので、ゴミの回収がしやすく掃除も楽に行えます。
メーカー株式会社淀川製鋼所
商品名(型番)ダストピットMタイプ DPMA-2200
材質ガルバリウムカラー鋼板、亜鉛めっき鋼管・粉体塗装仕上げ
容量2,200リットル(1850リットルもあり)
大きさ1840×1800×900mm
定価24,000円

【屋根付タイプ(2)】ヨドコウ:ダストピット DPH-2608

ウォークインタイプの大容量ゴミボックス。全方位の壁がパンチングになっているため風通しがよく、ボックスの中にイヤなにおいがこもりません。枠組みはヨドコウが独自開発したプレコートカラー鋼板。スチール製ながら錆に強く耐久性にも優れています。広い開口を確保できる引き分け戸で、開閉がスムーズなステンレス製の下レースを採用。ゴミ出しや回収の際に出入りしやすい工夫が随所に施されていますね。床には別途土間コンクリートを施工する必要がありますが、内部に立ち水栓を設置することで掃除もしやすくなり、ピット内をいつまでも清潔に保つことができます。
メーカー株式会社淀川製鋼所
商品名(型番)ダストピットHタイプ DPH-2608(一般型)
材質プレコートカラー鋼板、前面、側面、後面に丸穴パンチング
容量15世帯~
大きさ2650(有効開口幅1160)×2305×855mm
定価545,000円(積雪型もあり)※別途組立費がかかります

【物置タイプ】 タクボ物置:クリーンキーパー CK-1808

9種類のサイズバリエーションを持つ、物置型の大型ゴミボックス。特殊亜鉛鋼板に高級焼付塗装を施した錆に強く耐食性に優れた材質に、屋外使用でも砂でレールが目詰まりするトラブルの少ない連動吊り戸と、機能性は抜群です。吊り戸にはパンチングの空気穴が開けられているため、生ごみのにおいが充満する心配もありません。その空気穴は子どもが指を入れて怪我をしたり、外からタバコが投げ込まれたりという事故のないよう、細心の配慮のもとで設計されているところもポイントです。ゴミの管理がしやすく、外からは内部がいっさい見えないため、周囲の景観を乱すこともありません。
メーカー株式会社田窪工業所
商品名(型番)クリーンキーパー CK-1808
材質特殊亜鉛鋼板(ZAM)、亜鉛鉄板、ガルバリウム鋼板、AAS樹脂
容量約400リットル~
大きさ2110×1832×890mm(外部寸法)
定価160,600円(結露減少型もあり)※別途組立費がかかります

まとめ

衛生面、安全性、そして近隣トラブル対策。こうしたさまざまな理由から、アパートやマンションへのゴミ置き場設置を求める入居者が増えています。今回ご紹介したゴミボックスの種類を参考に、入居者のターゲット層や居住世帯数、地域、建物の外観や周辺環境も考慮しながら、予算に応じて最適なゴミボックスを選びましょう。

この記事の監修者

いしわた さとみ

いしわた さとみ

【資格】宅地建物取引士/二級建築士/既存住宅状況調査技術者/ホームステージャー

建築設計事務所、不動産会社、建設会社等での勤務を経て、現在は不動産・住宅・建設ライター、住宅営業、建設CADオペレーターとして活動。実家は建築屋。主婦で3児の母。

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