【大家さん向け】収益改善にもつながる賃貸アパート・マンション向け防犯カメラと選び方

2024.01.19更新

この記事の監修者

岩野 愛弓

岩野 愛弓

【資格】宅地建物取引士

【大家さん向け】収益改善にもつながる賃貸アパート・マンション向け防犯カメラと選び方

セキュリティ対策の一環で防犯カメラの導入を考えている大家さんに向けて、防犯カメラの種類や設置方法などをご紹介します。

目次

防犯対策が求められる時代

最近のニュースをみていると、事件や事故などの早期解決の手段として、防犯カメラが大きな役割を担っていることが分かると思います。以前であれば、公共施設や道路などに設置されている公的な防犯カメラ以外に、コンビニエンスやスーパーの駐車場など一部の商業施設で防犯カメラが取り入れられていました。

しかし、年々防犯カメラが事件や事故の解決につながる事例が多くなってくると、一般の個人住宅やアパート、マンション、自営の店舗などでも防犯カメラが取り入れられるようになってきています。防犯カメラの台数が全体的に増えていることで、より一層、防犯カメラに記録されるケースが多くなり、今では事件、事故解決のためには必須の要素であるといえるでしょう。

賃貸住宅に防犯カメラを設置検討する理由

防犯カメラを賃貸住宅に設置するとどのような効果があるのか、設置を検討する理由についてご紹介していきます。

1.居住者に安心して暮らしてもらうため

アパートやマンションに防犯カメラが設置してあると、常に「監視の目」となるので、入居者が安心できる暮らしにつながります。防犯カメラは無人ではあるものの、「有人管理人の代わり」と捉えることができます。

不審者の出入りや駐輪場、駐車場での迷惑行為などについて、「記録」として残るため、万一の事件・事故、入居者同士のトラブルなども含めて、後からきちんと確認できる安心感もありますね。

2.犯罪防止につながるため

防犯カメラを設置することで、犯罪を計画しようとしている人に抑制効果が働き、結果的に犯罪を未然に防ぐことへつながります。敷地内はもちろん、敷地の前にゴミを不法投棄したり、外から物を投げ込んだりするなどの行為も、防犯カメラがあることがわかると、犯罪行動をあきらめる可能性があります。

3.犯罪者に対する威嚇行為のため

防犯カメラには、侵入があったときにライトが付くものや、音が鳴るものなどがあります。このような機能がある防犯カメラは、犯罪を計画している人に対して「無言の威嚇行為」を与える効果が期待できます。

近づいたときに、急に明るくなったり音が鳴ったりすれば、相手に「監視されている」という意識が生まれ、犯罪を未然に防いでくれるかもしれません。カメラがある場所に「防犯カメラ作動中」というプレートを掲示して、意図的に意識させているケースも多いです。

防犯カメラの種類と選び方

次に、防犯カメラにはどのような種類があるのかを、選び方とともにご紹介していきます。

基本的な種類

防犯カメラには、次のような種類があります。

・ボックス型カメラ
・ドーム型カメラ
・赤外線センサーカメラ
・ワイヤレスカメラ
・ウェブ送信カメラ
・隠しカメラ
など

ボックス型カメラは、玄関や屋外などで設置されることが多い、ごく一般的なカメラで、カメラの形をしており、「映している」というアピール効果も高いものです。ドーム型は、エレベーターの天井などにも設置されており、カメラの存在感はそれほど大きくありません。撮影範囲は比較的広いのですが、どの角度を映しているかは、外側からはわかりにくくなっています。

遠赤外線センサーカメラは、人などを感知したときにカメラモニターが動くシステムなどがあり、24時間監視し続けるよりも映像の保存時間が少なく、保存内容をチェックする手間などの負担が削減されます。ワイヤレスカメラは、カメラの設置場所と離れたところでも、場所を選ばず設定されたモニターを通じて状況を確認することができるため便利です。

上記で紹介した種類のほかにも、いくつかの防犯カメラの種類があります。どのような効果があり、どのような使い方をしたいか、検討しておきたいですね。

機能で選ぶ

防犯カメラには、夜間撮影が可能なものや雨風のある外部でも可能なものなどさまざまな機能があります。ここでは防犯カメラの機能面についてご紹介します。

高画質のカメラ搭載

画質のよいカメラとは、画素数が高いカメラになります。画素数が高いと、画像が鮮明で車のナンバーなども認識しやすくなります。カメラを設置しても画像が悪く重要な部分を読み取ることができなければ効果がありませんので、画質も重要なポイントです。

防滴型のカメラ

屋外に防犯カメラを設置するときには、雨や風、積雪などでも耐久性のある防滴型カメラがおすすめです。天候に左右されずしっかり機能します。

夜間も撮影可能なカメラ

赤外線照射の機能や高感度の機能を持つことで、夜間でも撮影することが可能です。灯りの少ない夜間は、犯罪につながりやすい環境なので、カメラのランプが点灯するカメラなどは威嚇効果も期待できます。

長時間の撮影が可能なカメラ

長時間の録画機能を持つカメラは、録画が上書きされることを防ぎます。せっかくの防犯カメラも録画時間が短いものでは、肝心な部分が録画されていなかったということにもなりかねません。中には1か月以上の録画機能を持つ機種もあり、運用の際、非常に安心感があります。

広角に撮影できるカメラ

広い範囲の撮影が可能な、広角カメラを搭載した防犯カメラなら、撮影したい箇所をしっかりと記録することが可能です。駐車場など屋外の広い場所にもおすすめです。

予算で選ぶ

防犯カメラは、一括で購入する方法とリースで支払いをする方法があります。また、機能によって価格帯も変わるので、おおよその目安をご紹介します。

・録画機能付き・・・1~3万円程度
・屋外設置可能・・・1~4万円程度
・赤外線機能付き・・・5~8万円程度
・広角撮影・・・1~8万円程度

赤外線機能や広角撮影機能などの防犯カメラは、機種によっては高額なものがあります。機能と用途のバランスを検討して選択しましょう。

設置場所で選ぶ

防犯カメラは設置場所と機能を上手に組み合わせることで効果的に活用できます。それぞれのおすすめタイプをご紹介します。

エントランス

玄関やエントランスは、入居者の他にも宅配便や郵便配達の人が出入りするため、防犯カメラは必須な場所です。基本的には、カメラ型のスタンダードな防犯カメラですが、映す方向によっては、逆光で見えにくくなるためドーム型カメラもおすすめです。

エレベーター

エレベーター内も、不審者の侵入や事件事故などをチェックするために、防犯カメラの設置が必要な場所です。エレベーター内を広く撮影するために、広角撮影機能があるカメラがおすすめです。

駐車場

駐車場、駐輪場は外部に面していることがあるため、外から簡単に侵入できる可能性があるエリア。入居者の出入りの少ない場所であるため、死角になりやすく防犯カメラを積極的に活用したい場所です。夜は明るさが不足することがあるので、夜間でも撮影可能なカメラがおすすめです。

防犯カメラの商品をご紹介

ここからは、防犯カメラを商品別にご紹介します。なお、今回紹介する防犯カメラはエントランスにおすすめの商品です。ぜひ参考にしてください。

1. パナソニック 監視カメラ WV-S4550L / WV-S4150

パナソニックは、建材から家電まで幅広い商品の開発・販売をしている住宅設備メーカーです。

商品の特徴

約5メガピクセルまで可能な高解像度の魚眼映像撮影が可能で、赤外線照度を搭載し、最大で半径10m先までの撮影が可能になっています。魚眼レンズは360度全方位をカバーできるため、撮影場所を選ばすに活用できる点がポイントです。エントランスでは、不特定多数の人が、いろいろな方向から出入りをしますので、できるだけ広い範囲がカバーできる魚眼レンズはおすすめです。

メーカーパナソニック株式会社
商品名(型番)WV-S4550L/WV-S4150
タイプ360°全方位ネットワークカメラ
屋外・室内
価格オープン価格

2.マスプロ電工 モニター&ワイヤレスHD カメラセット WHC7ML、WHC10ML

マスプロ電工は、防犯カメラのほかにも家庭用アンテナ・チューナーなどを取り扱う会社です。

商品の特徴

200万画素の鮮明なフルハイビジョンに対応しているワイヤレスモニター付きの防犯カメラです。misroSDカードレコーダーを内蔵で、撮影した映像の録画が可能となっています。夜間や屋外で使用できる点もポイントです。エントランスなど外部に面している場所は、夜間でも人物などが特定できる明るさが確保できない場合もありますが、夜間でも撮影可能な機能があれば、1人暮らし向け賃貸でも防犯カメラとしてしっかりと安心感をアピールできます。

メーカーマスプロ電工株式会社
商品名(型番)WHC7ML、WHC10ML
タイプワイヤレスカメラ
屋内
価格オープン価格

3.アルコム RD-CA241Vドームカメラ屋内用220万画素 広角対応 SONY CCD

アルコムは、防犯カメラを専門に取り扱う会社で、自社で修理も受け付けています。

商品の特徴

高画質で広範囲の撮影が可能なドーム型の防犯カメラです。撮影範囲は、2.8mm~12㎜まで調節が可能なバリフォーカルレンズを搭載し、映したい場所に応じて撮影範囲の調整ができます。また人物の顔が暗くなりやすい場所や照明やノイズによるちらつきなども自動補正してくれる点がポイントです。

メーカー株式会社アルコム
商品名(型番)RD-CA241V
タイプドーム型カメラ
屋内
価格23,320円(税込)

防犯カメラを設置する前に必要なこと

防犯カメラを設置するときには、次の点に気を付けておきましょう。

・事前に防犯カメラの設置を説明する
防犯カメラを設置することで、入居者は安心感がある一方「監視の目」があることに不安を感じることも考えられます。カメラの導入は「防犯目的であること」を理解し、事前にきちんと入居者へ報告するようにしましょう。また、カメラがどこにあるかわからないと不安になりますので、設置場所を掲示するなど工夫が必要です。

・個人情報の取り扱いに注意する
録画したデータは、外部に漏洩しないようにしっかりと管理をする必要があります。特にインターネットを利用して操作をしたり、録画をしたりする場合にはセキュリティ対策をしっかりとする必要があります。

セキュリティ面があがると資産価値も高まる

防犯対策をしていることで、賃貸物件の防犯性が上がり、資産価値が高まることにつながります。犯罪のリスクはどの賃貸でも抱えていることではありますが、抑制となる対策が取られているかどうかで、実際の犯罪行動に至るかどうかの差が生まれます。セキュリティがしっかりしている賃貸は、入居率の向上につながるため、結果として空室対策にも効果的です。

まとめ

防犯カメラは、今やアパート・マンションでは多く採用されている防犯対策のひとつです。事件・事故の早期解決はもちろん、犯罪を未然に防ぐ効果が期待できます。入居者の防犯意識は高まっていますので、空室対策として防犯カメラの設置を検討し、収益改善へうまくつなげていきたいものです。

この記事の監修者

岩野 愛弓

岩野 愛弓

【資格】宅地建物取引士

注文住宅会社に15年以上従事し、不動産売買業務の他、新築・リフォームの内外装、家具・建具造作の現場監修を行う。オリジナルデザインの住宅を数多く経験。不動産・住宅専門の執筆活動も行っている。

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