空室を利用して分散型サ高住を始めるためにしておくべき準備

2024.08.01更新

この記事の監修者

逆瀬川 勇造
逆瀬川 勇造

AFP/2級FP技能士/宅地建物取引士/相続管理士

空室を利用して分散型サ高住を始めるためにしておくべき準備

空き室を活用して分散型サ高住の整備を検討している方へ、概要と必要な準備についてご紹介します。

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目次

サ高住の特徴

分散型サ高住についてお伝えする前に、まずはサ高住についておさらいしておきましょう。サ高住とは「サービス付き高齢者向け住宅」のことで、バリアフリー対応に加え、「安否確認サービス」と「生活相談サービス」を提供します。有料老人ホームの利用者は要介護者が多いですが、サ高住は介護認定なしの方や軽度の要介護者を対象としています。

また、有料老人ホームが最初にまとまった資金を支払う必要のある契約形態であるのに加え、サ高住の多くは賃貸借契約となっています。高齢者向け施設の中には民間企業が運営できないものもありますが、サ高住は民間でも運営可能で、また、始めるにあたり手厚い補助金を受けられることから人気を集め、2011年に制度が開始してから2019年まで全国で7,360棟244,917戸と急速にその数を増やしています。

分散型サ高住とは

サ高住の中には、分散型サ高住と呼ばれるものがあります。サ高住は安否確認サービスや生活相談サービスを提供する必要があり、これまではサ高住の敷地内か、もしくは敷地に隣接する建物にサービスを設置する必要があったものが、2015年4月1日に共同省令の改正で規制緩和され、サービス事業所から500m以内であれば別の建物でよいこととなりました。

これが分散型サ高住です。このことにより、活用されていない一戸建てやマンションの一室など空き家の活用が期待されています。

2018年10月時点で空き家は846万戸

2019年4月26日に発表された住宅・土地統計調査によると、2018年10月1日時点の総戸数は6242万戸に対し、空き家数は846万戸と全体の13.6%となっています。空き家の戸数と空き家率は増え続けており、前回調査の2013年に比べると空き家戸数は26万戸(3.2%)、空き家率は0.1%上昇しています。なお、1993年には空き家数は448万戸、空き家率は9.8%だったので、25年でおよそ2倍程度にまで増えていることが分かります。

国立社会保障・人口問題研究所の「日本の世帯数の将来推計(平成25年版)」によると、2023年の空き家数は1,405万戸、空き家率21.1%、2033年の空き家数は2,166万戸、空き家率は30.4%となるなど今後増え続けることが予想されています。上記データはやや古く、2018年の将来予測が空き家数1,083万戸、空き家率17.0%となっているため、空き家数の伸びは予測よりかなり緩やかになっていることが分かります。

とはいえ、人口が減少する中、総住戸数が増えている現状を見ると、今後、空き家数、空き家率共に増え続けることは避けられないことでしょう。

分散型サ高住は、こうした日本の空き家問題に対するための政府の施策の一つと言えます。

分散型サ高住に必要な条件

分散型サ高住にするにはどのような条件を満たすとよいのでしょうか?

建物

分散型サ高住については、以下のような条件を満たす必要があります。

・1戸あたりの床面積は原則25m2以上
・居間、食堂、台所等、高齢者が共同して利用するために十分な面積を有する共用の設備がある場合は18m2以上とすることができる
・台所、水洗便所、収納設備、洗面設備、浴室を設置すること

上記条件を満たしていれば、一戸建てやアパート、マンションの違いなくサ高住用の施設とすることができます。

設備

分散型サ高住はバリアフリー対応とする必要があります。バリアフリーの基準には以下のようなものがあります。

・床に段差を設けないこと
・廊下幅78cm
・出入口の幅(居室75cm以上、浴室60cm以上)
・便所や浴室、階段に手すりを設置すること
・3階以上の共同住宅には手すりを設置すること

こちらも、設備要件を満たしていれば建物の形態に条件はなく、また通常のサ高住と分散型サ高住との間に違いはありません。

分散型サ高住の注意点

分散型サ高住は通常のサ高住と異なり、敷地内もしくは隣接する土地にサービスを提供する施設を設置する必要はありませんが、サービスを提供する施設からそれぞれの施設までの距離を500m以内とすることが要件となっています。

空室を分散型サ高住にするメリット

分散型サ高住は、主に空き家や空室を活用することを目的に規制緩和されましたが、空き家や空室を分散型サ高住にするにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

空室対策になる

分散型サ高住は賃貸マンションの1室で空室となっているところをサ高住の施設とすることもできることから、空室対策の有効な手となります。高齢者向け施設は通常の賃貸物件より立地に左右されにくいという特徴があり、通常の賃貸経営には利用できない部屋でも活用しやすいという点で大きなメリットとなるでしょう。

補助金が受けられる

分散型サ高住は通常のサ高住と同様、補助金を受けることができます。住宅を改修してサ高住施設にする場合、共用部分の工事やバリアフリー化に係る工事、用途変更に伴い法令に適合させるための改良工事のための費用に限り、工事費用の1/3、1戸あたり150万円の補助を受けられます。

分散型サ高住の事例

分散型サ高住の事例として登場することの多いのが徒歩11分に立地する「ゆいま~る高島平」です。ゆいま~る高島平は、11階建てのマンション内に点在する空き室30室を全面改修して誕生。安否確認サービスなどの実施にあたるスタッフはこの棟と向かい合わせに建つ建物の1階の一室で待機しています。

ゆいま~る高島平が設けられたマンションは築40年以上で、新築当時は隆盛したものの、現在では高齢化が進み、高齢化率は50%超。空き室も目立つ状況でした。ゆいま~る高島平は分散型サ高住の制度を導入して空室率を改善し、全国的なサ高住のモデルとなっています。

空き室をサ高住にするために必要な準備

最後に、空き室をサ高住にするために必要な準備についてお伝えしていきます。

申請方法

サ高住の申請をするためには、都道府県ごとに設置されたサ高住窓口に書類を提出する必要があります。登録自体は要件を満たしていれば書類を提出するだけでよく、受理されれば登録通知が発出されます。

その後、補助金を受けるのであれば補助金の交付申請手続きに進む必要があります。

設備改修

所有している建物の空き室がサ高住の要件に足りない部分については設備改修工事を実施する必要があります。手すりの設置工事等であればそう大きな金額はかかりませんが、廊下幅の拡幅工事やエレベーター設置工事が必要な場合には、多額の費用がかかることとなります。

また、スタッフの常駐場所についても規定の500m以下に納まるよう計画する必要があります。

補助金を受ける場合

補助金を受ける場合、サ高住の登録通知が発出された後に各種書類を揃え、交付申請書を提出する必要があります。また、事業着手については補助金の審査がおり、交付決定通知が発出されてからとなる点に注意が必要です。

まとめ

分散型サ高住について、その概要や成り立ち、建物や設備の基準、補助金などについてお伝えしました。

基本的な内容については通常のサ高住と同じものと考えて問題ないでしょう。築古の賃貸物件を運営されている方など、分散型サ高住を導入することで強力な空室対策となる可能性があります。通常の賃貸物件をサ高住施設に改修するには、多額の費用がかかることもあるため、補助金の額や改修後の賃料なども見ながら検討するとよいでしょう。
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この記事の監修者

逆瀬川 勇造
逆瀬川 勇造

AFP/2級FP技能士/宅地建物取引士/相続管理士

明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。大学在学中に2級FP技能士資格を取得。大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
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