高齢者入居に積極的な大家さんなら押さえておきたいリフォームの基礎知識

2024.07.18更新

この記事の監修者

逆瀬川 勇造
逆瀬川 勇造

AFP/2級FP技能士/宅地建物取引士/相続管理士

高齢者入居に積極的な大家さんなら押さえておきたいリフォームの基礎知識

高齢者入居を目的にリフォームを検討中の大家さんへ、リフォームの種類と費用について、補助金情報と合わせてご紹介します。

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目次

高齢者入居を空室対策の一手に

内閣府の「令和6年版高齢社会白書」によると、2023年10月1日時点の総人口1億2,435万人のうち、高齢者人口は3,623万人。総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は29.1%となっています。

いわゆる団塊世代(1947年~1949年)の人達が2015年に65歳以上となったことで、高齢化率は上昇しており、今後も増えていくことが予想されています。

同データでは、将来推計も算出されており、高齢者の人口は2045年にかけて3,945万人まで増える一方で総人口は減り続け、高齢化率は増えていくことが予想されています。2070年には高齢化率は38.7%にまで上昇。2.6人に1人以上が65歳以上、約4人に1人が75歳以上となるのです。

こうした流れから、今後、賃貸経営においては高齢者入居を空室対策の一手に考えることが重要になっていくでしょう。

高齢者がもっとも事故に遭う場所は住宅

空室対策の一手として、高齢者向け入居を考慮する際に覚えておきたいのが、高齢者がもっとも事故に遭う場所は住宅だということです。

平成29年度版高齢社会白書」によると高齢者の住宅内での事故発生率は全体の77.1%です。また、居室内での事故発生場所は、居室において65歳以上の方は45%、階段において18.7%と、高齢者の事故に遭う割合が高くなっています。

高齢者が必要とする設備

高齢者入居を進める上で、以下のような設備の導入を検討するとよいでしょう。

・手すりの設置
・床の段差の解消(バリアフリー)
・滑りにくい床材等への取り換え
・コンセント位置の変更
・断熱材や全館空調の導入
・引き戸など使いやすい扉への取り換え
・トイレの介護リフォーム

高齢者の健康状態で必要な設備が変わる

高齢者向けリフォームでは、高齢者全般に適したリフォームだけでなく、高齢者の健康状態ごとに必要な設備を変えることも検討するとよいでしょう。

具体的には、杖が必要な人や車いすが必要な人に向けて床材や廊下やトイレの幅を変えることなどが考えられます。

高齢者入居に備えるリフォームの種類

ここでは、実際に高齢者向けリフォームをする際の費用と合わせて、各リフォーム内容について触れていきます。

手すりの設置

廊下や階段、玄関、トイレなどに手すりを設置することで、室内を移動しやすくなり、また移動中の転倒を防止する役目を果たします。

手すりの費用相場は1mあたり5,000~7,000円程度+工賃(30,000~50,000円)を考えておくとよいでしょう。ただし、手すりにどのような素材を採用するかによって費用は異なります。

バリアフリー工事

リビングやトイレ、浴室、玄関などの段差をなくしたり、スロープを設置したりする工事で、転倒防止と、将来を含めた車いす利用に向けた対策を講じることができます。

バリアフリー工事はどのような工事をするかによって金額が変わりますが、たとえば玄関前の階段をスロープへ変更する場合、50万円程度以上かかることを想定しておいたほうがよいでしょう。

床材の変更

居室や廊下、LDK等の床材部分を滑りにくい素材に変えることで転倒防止すると共に、いざ転倒した時にケガをしないような素材にするなどケガ防止につなげることができます。

また、床材を変更するのもよいですがカーペットを敷き詰めるのでも対策できるでしょう。

カーペットを敷き詰めるだけであれば6畳程度の広さを5万円程度の費用で済ませられますが、床材を変更するとなると(床材の素材によりますが)6畳で15万円程度はかかることを想定しておいた方がよいでしょう。

コンセント位置の変更

車いすが必要になったり、あまり動き回らない生活になったりするとコンセント位置を利用しやすい場所に変更することも考えましょう。

コンセントの移設工事や増設工事は、既存のコンセントからの距離が近い場合には10,000円~15,000円程度で済みますが、遠い場合には20,000~30,000円程度かかることもあります。

断熱材や全館空調の導入

高齢者の住宅内での死亡事故で多いのがヒートショックです。

ヒートショックは寒暖差の大きい住宅内を移動する際に血管が収縮を繰り返し、失神や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こしやすくなります。特に暖房の効いた居室と冷たい廊下やトイレとの寒暖差、浴室において湯船の中と外戸の寒暖差などで引き起こされます。

これを防ぐためには、建物全体の断熱性を高めて廊下と居室等との寒暖差をなくすか、居室だけでなく廊下や浴室も温める全館空調を導入するなどするとよいでしょう。断熱施工は、床と壁、天井どの範囲に断熱材を施工するのか、また断熱工法はどうするのかなどによって異なりますが、安くとも50万円程度、場合によっては200~300万円かかることもあります。

また、全館空調もどのメーカーの設備を利用するかによって異なりますが、本体費用と設置費用を合わせて100万円以上かかります。

なお、双方実施するとより効果を高めることができます。

引き戸等使いやすい扉への取り換え

開き戸から使いやすい引き戸やアコーディオンカーテンなどに取り換えする工事です。費用は50,000円/1カ所程度を想定しておくとよいでしょう。

トイレの介護リフォーム

車いすでもトイレを使えるよう広さを変えたり、手すりを設置したりするなど、トイレの介護リフォームも考える必要があります。

トイレが従前のものより広くなる場合には、そのスペースをどこから持ってくるかなども考える必要がありますが、工事費用の相場としては概ね50万円以上かかると考えておくとよいでしょう。

高齢者向けリフォームの事例

高齢者向けリフォームを実施する場合は、サ高住など、高齢者や要介護者向け施設との違いについても意識することが大切です。

これらの施設は全ての設備が高齢者や要介護者向けに作られています。設備面で勝つことは難しいでしょう。一般の賃貸物件に高齢者向けリフォームを施す場合は、どういった人に利用してもらうために高齢者向けリフォームを実施するかを考えることが重要です。

ここからは、過去に高齢者向けリフォームを実施して成功した方の事例を紹介します。

この方は、手すりの設置やカーペットを敷く、トイレや廊下の幅を広くするといったリフォームを実施しました。これらの工事は高齢者向けにも使えるだけではなく、手すりがついて移動しやすくなったり、廊下やトイレが広くなったりすることで高齢者でなくとも快適に使えるというメリットが生まれます。

上記のようなリフォームを実施することで「高齢者向け」をアピールしつつ、一般向けにも入居者募集を行い、空室率を改善することができたそうです。

リフォーム費を抑えるための補助金申請方法

介護リフォームには、工事内容によっては高額な費用がかかりますが、リフォーム費用を抑えるために補助金の利用も考えましょう。

たとえば、高齢者や障害者、子育て世帯等の住宅の確保に配慮することを目的とした「住宅セーフティネット制度」では、都道府県に高齢者や障害者などの住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅として登録すると、登録住宅の改修に対して補助を受けることができます。

一定の要件を満たした工事を行う場合、改修工事費用の一部が補助される「住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業」などもあります。募集時期が決まっているため、定期的に確認しておくとよいでしょう(2024年1月10日時点)。

まとめ

高齢者向けリフォームについて、必要なリフォームや費用相場、実施事例、補助金制度などを解説してきました。

時代の流れから言って、今後、賃貸物件に高齢者向けリフォームを施すことで空室改善につなげられる可能性は高くなっていくでしょう。高齢者入居を促進させるためには、高齢入居者が居住する上でどのようなことに困難を感じていて、それを解消するためには何が必要かを考えながらリフォームを進めていくことが大切です。
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この記事の監修者

逆瀬川 勇造
逆瀬川 勇造

AFP/2級FP技能士/宅地建物取引士/相続管理士

明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。大学在学中に2級FP技能士資格を取得。大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
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