戸建て賃貸の管理業務を委託するならどんな業者がおすすめ?

2024.07.02更新

この記事の監修者

逆瀬川 勇造
逆瀬川 勇造

AFP/2級FP技能士/宅地建物取引士/相続管理士

戸建て賃貸の管理業務を委託するならどんな業者がおすすめ?

自主管理から委託管理に変更を検討している方に、戸建て賃貸の管理を委託する場合に選ぶべき管理会社の特徴をお伝えします。

戸建て賃貸は自主管理のイメージが強いですが、
管理会社に一部を委託する、という選択肢もあります。

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目次

戸建て賃貸の管理業務とは

戸建て賃貸の管理業務は、アパートやマンションのように廊下、エントランスといった共用部分がなく、それらの清掃や点検といった業務が必要ありません。基本的には、入居者が自ら庭を掃除したり、ガーデニングを楽しんだりするなど、自分の家のように手入れしてくれるのが一般的です。ただし、入居者募集業務については不動産会社に依頼した方がよいでしょう。

ここでは、戸建て賃貸の管理について、以下の2つに分けて解説します。

・入居者募集業務
・建物管理業務

入居者募集業務

空室になっている時に、その空室を埋めるために、不動産会社に入居者募集を委託する必要があります(知人や親戚など、あてがある場合は不要です)。戸建て賃貸は、一般的に、「1度入居すると長期間住んでくれるが、空きが出ると次が決まるまで時間がかかることがある」といった特徴があります。

長期間住んでくれる理由としては、ファミリー層の入居が多いことが挙げられます。一方で、次が決まるまでに時間がかかることがある理由としては、アパートやマンションと比べて個別性が高く、実際に見学してから気に入る、気に入らないが分かれるといったことが考えられるでしょう。

なお、入居者募集業務の費用については、管理費のように「家賃の〇%」ではなく、入居を決めてくれた時に仲介手数料として、家賃の半月~1月分を支払うといった形になります。また、入居者管理業務として、入居者に対する督促業務等もありますが、アパートやマンションとは異なり、基本は1戸なので自主管理してもよいでしょう。

とはいえ、督促業務は心配が多いため、そうした入居者管理業務を管理会社に委託してもよいですし、入居者の家賃滞納時に立て替え払いをし、督促も代わりに行ってくれる家賃保証会社を利用するのもおすすめです。

家賃保証会社については、以下の記事でも詳しく説明しています。

建物管理業務

建物管理業務に関しては、戸建て賃貸の場合、日常的に取り組まないといけないことはありません。ただ、「配管の不具合で水漏れした」など緊急性の高いことに関して、サラリーマン大家さんなど、他に仕事を持っている場合は、すぐに対応できない可能性が高いのではないでしょうか。

こうした、もしもの時のクレーム対応として、管理会社に管理を委託することを検討してもよいでしょう。

戸建て賃貸は自主管理する大家さんが多い

入居者募集、入居者管理、クレーム対応など、多くの部分でアパート・マンションの管理業務をする必要があるのにも関わらず、戸建て賃貸は自主管理を検討されることが多いです。これには、どのような理由があるのでしょうか?

世帯数が限られている

まず、戸建て賃貸は、アパートやマンションと比べて世帯数が限られていることが理由として挙げられます。1棟の建物に対して、複数戸・複数世帯が混在するアパートやマンションであれば、次々と発生する出来事について、とても1人では対応しきれないこともあります。

しかし、1棟の建物に対して、1世帯しか住まない戸建て賃貸は、そうした意味では管理に手間がかかることがありません。

管理箇所が少ない

戸建て賃貸は、アパート・マンションのような共用部分の日常清掃業務の必要がありません。また、共用部分がないため、電気設備や換気設備等各種設備の維持管理も不要です。

居住期間が長い

戸建て賃貸はファミリー層の入居が多く、1回の入居期間が長いのが一般的です。そのため、退去の際の退去清算、退去立ち会い、その後の修繕の回数が少なく、自主管理でも十分対応可能です。

自主か委託か、どうやって管理方法を決めればいい?

ここまでご紹介してきたように、戸建て賃貸は日常清掃業務がないこと等を理由に、自主管理を検討される方が多いですが、一方で、家賃督促業務やクレーム対応など、管理会社に任せた方が安心できる部分もあります。自主管理か管理会社への委託か、管理方法はどのように選べばよいのでしょうか。

戸建て賃貸管理よくあるパターン

自主管理か管理会社への委託か、どちらを選ぶべきかという問題に対し、ここではパターンごとにおすすめの管理体制をご紹介していきたいと思います。具体的には、保有物件の近くに住んでいるか、遠方に住んでいるかで管理方法を変えることをおすすめします。

近距離に物件を所有している場合

まず、保有物件が居住地から近い場所にある時は、入居者募集については委託し、建物管理については自主管理する方法がおすすめです。

建物管理については日常清掃業務がないため、何らかの問題が起きた時の対応が主な仕事となりますが、近場に住んでいたら、その対応もしやすくなります。家賃滞納への督促も、普段から顔を合わせていたら対応しやすいでしょう。

遠隔地に物件を所有している場合

一方、遠隔地に住んでいる場合は入居者募集についても、建物管理についても、管理会社に委託することをおすすめします。遠方に住んでいて問題となるのは、何か問題があった時の対応です。

配管の破裂など大きな出来事から、鍵を失くしたといった比較的小さな出来事まで、遠方にいると適切な対処が難しいはずです。入居者としても、すぐに対応してくれる管理会社が近くにいた方が安心でしょう。

入居者募集業務は委託するべき?

基本的に、入居者募集業務については、すでに入居者のあてがある場合を除いて管理会社に委託した方がよいでしょう。

管理会社に入居者募集をお願いすると、不動産情報サイトに物件情報を掲載してくれて、案内業務~契約業務等、全て行ってくれます。これらの業務を、家賃の半月~1カ月分程度でやってくれるのですから、委託する価値はあるでしょう。

管理を委託するならこんな業者がおすすめ

ところで、管理を委託する業者はどのような基準で選べばよいのでしょうか?

入居者募集業務のみ委託する場合

入居者募集業務のみを委託する場合、営業力や広告力のある会社を選ぶことが大切です。具体的には、大手不動産情報サイトに多数の物件を掲載していたり、地元でテレビCMを放映していたりする会社であれば、普段からたくさんの問い合わせがあることが考えられるでしょう。

もちろん、単に広告力があるだけではだめなのですが、広告にお金を使えるということは「儲かっている」可能性が高く、つまりは、たくさん契約を決めているはずなのです。

入居者募集業務、建物管理業務の両方を委託する場合

入居者募集業務と建物管理業務の両方を委託する場合、先ほどと同じく、営業力や広告力のある会社であるのに加えて、管理実績の多い会社を選ぶようにしましょう。戸建て賃貸で管理会社に管理を委託する際、管理会社に期待するのは主に、「突発的な問題が起きた時の対応」や「家賃督促業務」です。

いずれの問題に対しても、管理の経験が豊富な会社の方が適切に対応してくれる可能性が高いと言えるでしょう。なお、入居者募集業務と建物管理業務の管理委託に関しては、それぞれ別の管理会社に委託することも可能です。

業者に委託しても任せっきりはNG

管理業務に関し業者に委託するにしても、業者に任せっきりにしてしまうのはNGです。何らかの問題が起こった際には、管理会社からの報告を受けると共に、可能な限り自分でも物件状況を確認するようにしましょう。

また、建物や設備が劣化したり、時代遅れになったりしている場合には、修繕を施したり、新しいものに替えたりなど、投資することで空室を埋めやすくなりますし、また、家賃を高くできる可能性もあります。

さらに、入居者募集に際しては、入居者を見つけるのに苦労しそうなのであれば、先に担当者と話をしておき、「入居を決めてくれたら仲介手数料とは別に広告費を出す」といったインセンティブをつけることで、入居者をつけるのに一生懸命になってくれます。このように、管理会社に委託するにしても、大家さんにできることはいろいろあることを知っておきましょう。

まとめ

戸建て賃貸の管理業務について、その特徴やおすすめの管理方法などお伝えしました。戸建て賃貸は、共用部分がないことから日常的な清掃・点検の必要の必要がなく、自主管理を検討される方が多いです。

しかし、自主管理では突発的に起こった問題等に対処しづらく、入居者が困る可能性があることは知っておいた方がよいでしょう。特に、保有物件と大家さんの居住地が離れている場合には、管理会社への委託を検討することをおすすめします。

戸建て賃貸は自主管理のイメージが強いですが、
管理会社に一部を委託する、という選択肢もあります。

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逆瀬川 勇造
逆瀬川 勇造

AFP/2級FP技能士/宅地建物取引士/相続管理士

明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。大学在学中に2級FP技能士資格を取得。大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
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