後付けできる?空室対策&家賃アップに有効な「追い焚き機能」のリフォーム内容と費用

監修岩野 愛弓

  • 公開日:
  • 2019年12月25日
  • 更新日:
  • 2019年12月25日
後付けできる?空室対策&家賃アップに有効な「追い焚き機能」のリフォーム内容と費用
水道代やガス代の節約にもつながり、人気設備の上位にある「追い焚き機能」。入浴時間がバラバラになりがちなファミリー向け物件の場合は、特に喜ばれる機能のひとつです。今回は、空室対策として追い焚き機能のリフォームを検討している大家さんに向けて、追い焚き機能の仕組みや詳細、リフォームにかかる費用などを中心にわかりやすくご紹介していきます。

目次

追い焚き機能ってどんな機能?

追い炊き機能とは、冷めたお風呂のお湯を一定の温度に再び温める機能です。近年は追い炊き機能も便利な使い方が増えていますので、今回は、追い炊き機能について詳しく解説するとともに、人気が高まっている理由などについてもご紹介していきます。

追い焚き機能の仕組み

追い炊きには、「循環釜直結方式」と「給湯方式」の2つの方式があります。さらに、循環釜直結方式は、「自然循環方式」と「強制循環方式」とに分けられます。

循環釜直結方

循環釜直結方式は、浴槽と風呂釜を配管でつなぎ、循環させることでお湯を温めます。このうち「自然循環方式」は、浴槽に循環口が2つあり片方の口からは冷えた水(お湯)を取り込み、もう片方の口からは風呂釜で温めたお湯を出すという仕組みです。「強制循環方式」は、浴槽に循環口が1つだけあり、冷えた水(お湯)を取り込むことと温めたお湯を出すことを1つの口で強制的に行う仕組みです。以前は循環口が2つの浴槽が多くありましたが、近年は循環口が1つの浴槽が多くなっています。

給湯方式

給湯方式は、浴槽に温かいお湯を新たに加えるもので、「足し湯」「差し湯」ともいいます。自動で保温などができる追い炊き機能がなかったときには、冷めたお湯を温める方式として多く採用されていました。近年の追い炊き機能は、給湯方式と循環方式の両方の機能を持ち合わせたものが広まってきています。

追い焚き機能の内容

追い炊き機能の中でも、強制循環方式は、「全自動(フルオート)」と「自動(オート)」という給湯器が自動で浴槽のお湯の温度を管理してくれる便利なシステムがあります。全自動(フルオート)は、あらかじめお湯の温度と量を設定しておくことで、自動で適温・適量のお湯はりをしてくれます。さらに、一定時間は適温・適量をキープするために自動で追い炊きや保温、足し湯をしてくれるという優れものです。自動(オート)は、全自動(フルオート)とほぼ同じ機能を持っており、自動で適温・適量のお湯はりをしたり、一定時間は適温キープのために追い炊きや保温をしたりしますが、自動の足し湯機能はありません。どちらも、自動湯はりのスイッチを押すだけで、適量で水が止まり、保温もしてくれます。

追い焚き機能が人気設備の理由

賃貸物件を探している入居者に追い炊き機能付きが人気なのは、次のようなメリットがあるためと考えられます。

時間を気にせず入浴できる
追い炊き機能があることで、お湯はり後に保温をしてくれたり、万一お湯が冷めたときでも温め直しができたりと、自分の都合に合わせて快適な入浴ができるのは大きなメリットのひとつです。追い炊き機能がなければ、時間が経過するごとにお湯の温度が下がってしまうため、ファミリー世帯では、適温で入浴できるタイミングを合わせるために、家族同士で時間を調整する必要がでてきます。単身者であっても、お湯はり後にすぐ入浴しなければならないなど、不便に感じることもあるでしょう。追い炊き機能付きなら、いつでも適温で入浴ができます。

お湯はりが自動でできる
全自動や自動の追い炊き機能付きであれば、浴槽の栓を閉めてスイッチを押すだけで、設定温度と設定湯量でお湯をはり、一定時間は適温をキープしてくれます。お湯の量を何度も確認したり、温度が下がらないか心配したりすることがありませんので、他の家事をするにも効率的です。

浴室リフォームと追い焚き機能リフォームの違い

浴室リフォームをしても、そもそも給湯器が追い炊き機能を持ち合わせておらず、追い炊き機能が付かない場合があります。浴室だけをリフォームしても追い炊き機能付きに自動的に変わるわけではありませんので、混同しないように注意しましょう。

また、大きさや仕様にもよりますが、浴室そのものには手をかけず、給湯器を追い炊き機能付きに交換した方が、費用負担は少なくなるケースが多いです。給湯器だけを交換する場合は、配管の長さや機能によって費用がかわりますので事前に確認しておきましょう。

追い焚き機能のリフォーム内容

浴室を追い炊き機能付きにリフォームしたときの工事内容や費用について、具体的にご紹介していきましょう。

1.配管工事から必要な追い焚き機能リフォーム

追い炊き機能付きの浴槽にするには、温度が低くなったお湯を循環させるために給湯器と浴槽をつなぐ配管工事が必要で、浴槽側に循環するための穴がなければ、新しく穴を開けます。そして、給湯器は追い炊き機能付きのものを選びましょう。配管が長くなればなるほど費用もかかりますが、工事費はおおよそ30~60万円程度が目安になります。

2.給湯器交換のみのリフォーム

浴槽側に循環するための穴が開いていて、給湯器までつながる配管が設置されているなら、追い炊き機能付きの給湯器に取り換える工事のみで完了します。給湯機の機能や容量にもよりますが、工事費はおおよそ20~40万円程度が目安になるでしょう。

3.浴槽交換を含むリフォーム

追い炊き機能を使えるようにするには、給湯器と浴槽を配管でつなぎ循環させるための穴が必要ですが、浴槽が木や石など、容易に穴を開けられない素材の場合、浴槽を交換するリフォームとなります。浴槽のみを樹脂製のFRP(繊維強化プラスチック)や人工大理石で作られたものに変えて追い炊き機能付きにした場合、工事費はおおよそ30~60万円程度が目安です。浴槽だけではなく、浴室ごとユニットバスに変える場合は、工事費はおおよそ70~150万円程度かかります。

追い焚き機能が後付けできる浴槽・できない浴槽

追い炊き機能は、基本的には後から付けることができますが、給湯器と浴槽をつなぐ配管が必要になるため、マンションなどで構造体のコンクリートに穴を開けて配管しなければならない場合、工事ができない可能性もあります。また、給湯器と浴室の距離があまりにも離れている場合は、配管をするために他の部屋を解体する必要もでてきます。物件のタイプによって設置条件に違いがありますので、事前にしっかり確認しておきましょう。

追い焚き機能リフォームでどれくらい家賃アップが可能?

浴室を追い炊き機能付きに変えたときには、どのくらいの家賃アップが見込めるのでしょうか。スマイティで東京都足立区の1LDKで追い炊き機能付の物件の家賃相場(※)を調べてみると、7万円代後半~が多く見受けられました。一方、同じエリアで追い炊き機能がない物件は、6~7万円代前半が多くなっていました。立地条件や他の部分の設備条件が異なる場合もありますが、おおよそ5000円~1万円程度は、家賃アップが可能な範囲ではないかと考えられます。

※家賃相場調査条件:足立区/築20年以内/駅徒歩10分以内/追い炊き付き(2019年12月時点)

なお、スマイティでは、住所や駅、設備を条件に家賃相場を調べることができますので、ご自身のエリアの家賃相場も調べてみましょう。

追い焚き機能リフォームの注意点

追い炊き機能リフォームを行うときは、入居者に配慮することが必要です。給湯器の取り付けや、配管を行う際に、大きな騒音を出すことがあります。鉄筋コンクリート造りのマンションなどで穴開けをするときには、大きな振動が起こる可能性が高いため、事前にいつまで工事を行うか、入居者へ周知することが大切です。また、工事を行う時間帯が朝の早い時間や、遅い時間にならないように、ゆとりを持って計画することが必要です。

まとめ

今回は物件選びの条件として人気がある追い炊き機能について、概要やリフォームの種類、かかる費用の目安などについてご紹介しました。追い炊き機能は、ファミリー層でも単身者でも同じように注目度が高く、入居率をアップさせるには効果的な設備といえます。リフォーム費用と家賃アップのバランスを図りながら、追い焚き機能リフォームの検討をしましょう。
岩野 愛弓

監修岩野 愛弓

【資格】宅地建物取引士

注文住宅会社に15年以上従事し、不動産売買業務の他、新築・リフォームの内外装
、家具・建具造作の現場監修を行う。オリジナルデザインの住宅を数多く経験。不動産・住宅専門の執筆活動も行っている。

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