所有している賃貸物件を事務所可に変更する場合の手続きと注意点

監修いしわた さとみ

  • 公開日:
  • 2020年09月18日
  • 更新日:
  • 2020年09月18日
所有している賃貸物件を事務所可に変更する場合の手続きと注意点
ファミリー向けのマンションを経営しているけれど、少しずつ退去が増え、空室を埋めるのも難しくなってきたとお悩みの大家さん。原因との1つして、時代とニーズの変化が考えられます。現代社会のニーズや入居者の利便性を考慮すると、賃貸マンションは必ずしも住宅専用である必要はないのかもしれない。事務所として使用したいという需要に応えていくのはどうだろう。そうお考えの大家さんのために、事務所可物件の特徴や、住宅専用から事務所可へ変更する際の注意点・手続き方法について説明していきます。

広い物件を事務所利用に変更する場合
住居専用と異なることを十分に理解しましょう

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目次

マンションの事務所利用の需要とは

少子高齢化という問題解決に向けて、国では年齢・性別を問わず誰もが活躍できる「一億総活躍社会」への取り組みが進められています。そこで求められるのが、フレックス制やリモートワーク、フリーランスといった働き方の多様化です。なかでも、近年フリーランス人口は増加傾向にあり、今後、小規模な事業者向けのオフィス需要はますます高まってくることが予想されます。

そこで期待されるのが、マンションの事務所利用です。オフィスビルよりも安い家賃で借りることができ、落ち着いて仕事のできる環境は、個人経営の会社やフリーランスにとって最適なオフィス環境だといえるのではないでしょうか。

事務所可とは

事務所可物件とは、個人事業主や小規模な法人がオフィスとして使用することのできる物件をいいます。物品販売店や飲食店などの店舗は含まれません。住宅専用の物件を事務所可物件に変更した場合、何か変わるのでしょうか。家賃設定や注意点について見ていきましょう。

事務所可にした時の家賃設定

マンションの事務所利用は、住宅専用で利用するよりも第三者の出入りがイレギュラーになる分、防犯上の不安や入居者トラブルのリスクが増える可能性があります。借主が事業主であるという点に加え、そのようなリスクを見越して、家賃を高めに設定しておくとよいでしょう。それでも、借主にとってはオフィスビルを借りるよりも家賃負担は少なくすみます。

また、退去時の原状回復費用については、住宅専用の場合、通常使用における損耗については貸主が負担するのが一般的です。しかし、事務所の場合は床や壁の張り替え、パーテーションや間仕切りの撤去、配線・設備機器の撤去など、すべて借主負担で原状回復するのが一般的です。そのため、住宅専用の賃貸物件よりも敷金は高めに設定されます。事務所専用として貸す場合、それがマンションであっても原状回復費用は100%借主の負担とすることが可能です。

事務所可にした時の注意点

住宅専用のマンションは、建物の種類が「共同住宅」で登記されているはずです。事務所として賃貸するためには、まず建物の登記を「事務所」に変更しなければなりません。

また、事務所可物件に変更する場合、既存入居者への配慮がもっとも重要となります。セキュリティの観点からも、不特定多数の人の出入りがある業種は受け入れが難しいでしょう。不特定多数の出入りがない場合でも、防犯上のリスクをおさえるためには、入居付けのしにくい1階だけを事務所可にするなど、解決策を考える必要があります。

そして、事務所可物件に変更するうえでとくに注意したいのが税制面です。

事務所可にした場合の税負担

居住用物件の場合、固定資産税と都市計画税で住宅用地の特例を受けることができます。

具体的には、1戸あたり200平米以下の部分の税額が固定資産税1/6、都市計画税1/3に減額。200平米を超える部分については固定資産税1/3、都市計画税2/3に減額されます。用途が事務所になると住宅用地の特例を受けることができなくなり、税額が上がることになります。また、住居を貸し付ける場合の家賃や敷金、礼金、保証料、更新料などはすべて非課税ですが、事務所として賃貸する場合、退去時に入居者へ返還されない家賃、礼金、更新料は消費税の課税対象となります。

事務所兼住宅(SOHO)とは

「SOHO」は「small office/home office」を略した用語で、ITを活用して自宅や小規模なオフィスで仕事をするワークスタイルをいいます。企業と業務委託契約を締結するなど、個人的に受注して仕事をするという点が、会社に雇用されながら在宅で勤務するテレワークと異なります。最近では、コワーキングスペースやシェアオフィスを利用するフリーランサーも増えていますが、落ち着いて仕事のできる環境を整えたい、プライバシーを重視したいというフリーランサーには自宅オフィスが好まれます。

入居審査にあたって、もっとも重視すべきは業種です。事務所兼住所としての利用を許可する場合でも、第一に守るべきは入居者の生活上の安心です。信頼のおける業種であるか、公序良俗に反していないかという点は必ずチェックするようにしてください。最近では自宅マンションでサロンや教室を開業する主婦の方も多いようですが、人の出入りがイレギュラーになるとクレームやトラブルが増える可能性があるため、注意が必要です。

事務所可と事務所兼住居(SOHO)可の契約の違い

ここからは、「事務所可」の物件と「事務所兼住居(SOHO)可」の物件の特徴や契約内容の違いについてみていきましょう。

事務所可の契約

「事務所可」物件は、居住用ではなく事業用として賃貸契約を結びます。借主が法人として登記する分にも問題ありません。小規模な法人や士業の事務所のほか、資料やサンプル、機材が多く広い場所を必要とする業種で利用されます。

節度を守って利用してもらうため、寝泊りはしない、業務以外の用途には使用しないなど、使用の範囲や最低限のマナーについては必要に応じて管理規約で定めておくとよいでしょう。ほかの入居者への迷惑や防犯上の問題だけでなく、事務所可物件は住宅用の火災保険ではなく事務所や店舗向けの保険に加入することになるため、用途以外に使用することで、万が一火災や破損・汚損などの損害があった場合に補償が下りない可能性もあるのです。

また、事務所利用についてのルールには法的な強制力がないため、必要に応じて特約を結ぶ必要があります。一般的な禁止事項や解約条項のほか、2章でご説明した原状回復費用の負担についても明記しておきましょう。また、家賃や礼金、更新料が課税対象となるため、その点も踏まえた家賃設定を心がけましょう。

事務所兼住居(SOHO)可の契約

「事務所兼住居可」物件については、基本的には住居用と変わりありません。登記の用途を変更する必要もありませんし、賃貸契約も居住用で問題ないでしょう。家賃に課税されることもありません。入居者の法人登記を許可するか否かは大家さんの判断によりますが、何らかのトラブルがないとも限りませんから、あらかじめ登記は不可としておく方がよいでしょう。

広いスペースを要さず、インターネット環境があれば自宅の一室でも仕事ができるデザイナー、ライター、イラストレーターなどのクリエイターや、プログラマー、エンジニアなどの職種が主なターゲットとなります。

注意点としては、「住居」としての範囲を超えての使用です。打ち合わせや称して頻繁に来訪者があったり、ホームページや広告に住所を記載する、屋号の表札を出すなど大々的に宣伝したりということがあると、入居者トラブルやクレームにも発展しかねません。

従って、SOHO希望者に対しては、

・法人登記不可
・広告、宣伝に使用しない
・屋号表示は不可

など、禁止事項を定めた規約を作成し、明確にルールを示しましょう。退去時の原状回復費用についても、忘れずに特約で定めておいてください。

住居専用から事業用に登記を変更する際の流れ

事務所可物件に変更するためには、住居専用から事業用へと登記の変更を行います。手続きの流れやかかる期間、費用についてわかりやすく説明していきます。

手続き方法

不動産登記法第44条第1項で定められた事項(第2項、第6号を除く)に変更が生じた場合、所有者は変更のあった日から1か月以内に建物表示変更登記を行う必要があります。マンションの用途変更は、同法第44条第1項3号で規定する「建物の種類」の変更に該当するため、変更登記を行います。

手順は以下のとおりです。

1.法務局で登記簿上の「建物の種類」を確認します。
2.必要に応じて、変更後の利用状況がわかる写真や書類を準備します。
3.申請に必要な書類を作成します。
4.管轄の法務局へ申請書を提出します。
申請書提出から、1~2週間程度で登記が完了します。

必要書類

次に、建物表題変更登記に必要な書類について説明します。

□登記申請書
管轄の法務局で様式をもらえます。

□所有者の住民票
個人の場合は住民票ですが、法人の場合は代表者事項証明書などを添付します。

□所有権証明書
建築確認通知書、検査済証、固定資産税評価証明書など、何を添付するかによって1~2点必要となります。

□変更の状況がわかる書類
事務所としての利用状況がわかる写真や書面が必要になる場合があります。

変更の内容によって、必要な書類は異なります。くわしくは管轄の法務局で確認してください。手続きを土地家屋調査士や司法書士に依頼する場合は、委任状が必要です。この場合、別途5万円前後の報酬を支払う必要がありますが、自分で変更する場合は、登記簿や住民票を請求する際の実費のみで手続きできます。

また、建築確認を要するような増改築をともなう用途変更の場合は現地調査や図面作成が必要となりますので、土地家屋調査士へ相談してください。

まとめ

フリーランスやSOHO、テレワークという多様なワークスタイルが定着しつつある昨今、住居専用物件から事務所可、事務所兼住居可物件に用途を変更することは、競合物件との差別化や空室対策としても大変有効です。ただし、防犯上のリスクや入居者間のトラブル、クレームといった管理上の問題もあります。また、税負担が増える、登記変更の手間がかかるといったデメリットもあります。

まずは「事務所可」「事務所兼住居可」の違いをよく理解し、どちらのスタイルであれば受け入れ可能か、注意点も含めて管理会社と相談しながら、ご自身の物件にあてはまるのかを検討してみてはいかがでしょうか。

広い物件を事務所利用に変更する場合
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いしわた さとみ

監修いしわた さとみ

【資格】宅地建物取引士/2級建築士/既存住宅状況調査技術者/ホームステージャー

建築設計事務所、不動産会社、建設会社等での勤務を経て、現在は不動産・住宅・建設ライター、住宅営業、建設CADオペレーターとして活動。実家は建築屋。主婦で3児の母。

※紹介されている情報は、記事公開当時の内容です。法律改正等により内容に変更がある場合もございます。

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