賃貸経営をはじめる時にチェックしておきたい「サブリース」を詳しくご紹介

監修キムラ ミキ

  • 公開日:
  • 2019年04月24日
  • 更新日:
  • 2019年04月24日
賃貸経営をはじめる時にチェックしておきたい「サブリース」を詳しくご紹介
賃貸経営を考えたとき、多くの方が不安要因の1つとして挙げるのが、空室リスク。空室リスクに対するいくつかの対策方法の1つに「サブリース」があります。今回は、賃貸経営を検討している方に向けて「サブリース」の仕組みや注意点について詳しくご紹介いたします。

目次

近年のサブリースに関する話題

賃貸経営に関心がある方であれば、最近、サブリースをめぐるトラブルが大きくメディアで取り上げられたことをご存知の方も多いのではないでしょうか。それぞれのトラブルにおいて何が問題であったかを整理しておきたいと思います。

【シェアハウスをめぐるトラブル】

このシェアハウス業者は、シェアハウスの販売の他、そのシェアハウスのサブリース事業も行っていましたが破たん。それによって様々な問題が明るみに出ました。

本来、シェアハウスの大家さんに対して支払われるサブリース賃料は、実際に入居者から支払われる賃料を下回ります。しかし、トラブルに至ったシェアハウスのサブリースでは、入居率に関わらず、入居者から支払われる賃料を上回るサブリース賃料を、30年定額で完全保証することをうたっていました。その中には、低廉なシェアハウスを実際の価値よりも高額な価格で販売し続けることによって成り立つ、いわば自転車操業的なビジネススキームとなっているケースもありました。

サブリースはどういう仕組みなのか

空室リスクに対する対策方法の1つであるサブリース。サブリースとは、そもそも、どのような仕組みなのでしょうか。サブリースとは、サブリース業者が賃貸物件の所有者から賃貸物件を借り上げて、サブリース業者が入居者を募り、入居者から家賃収入を得ます。賃貸物件を一棟丸ごと借り上げて、サブリースを行うことを一括借り上げとも言います。

サブリース業者と入居者が賃貸借契約を締結し、賃貸物件の大家さんは賃貸物件の空室の有無を問わず、サブリース業者から賃料(サブリース賃料)を支払われることになります。賃貸物件の所有者に支払われるサブリース賃料は、入居者がサブリース業者に支払う賃料より一定の額を差し引いて、サブリース業者から大家さんに支払われることになります。サブリースには、空室リスクを回避することができる等のメリットがありますが、デメリットもあります。

サブリースのメリット

サブリースのメリットを整理してみましょう。

空室、滞納リスク回避

サブリースの一番のメリットは、空室リスクを回避することが挙げられます。また、入居者がいても、家賃を支払ってもらえない時には滞納リスクも生じます。サブリースを活用することで、そのリスクはサブリース業者に移転します。サブリースを活用しない場合と比較すると、家賃収入は減少することになりますが、サブリース契約に定められた一定の収入を得られることは大家さんにとって大きなメリットです。

管理を代行してもらえる

サブリースを活用することにより、入居者募集や賃貸契約の締結、家賃回収、入居者対応などの管理業務をサブリース業者に代行してもらえることになります。手間のかかる管理業務をプロに一括して任せることができることも大家さんにとってのメリットと言えます。

確定申告が楽になる

賃貸経営を行うと確定申告が必要となります。サブリースを活用することで、上記のように管理業務はサブリース業者が行ってくれることになるため、大家さんは入居者の入退去時にかかる費用などの計上が不要です。そのため、確定申告にかかる収支管理が簡便になるという点も大家さんにはメリットとなります。

サブリースのデメリット

サブリースには、メリットもありますが、デメリットもあります。デメリットについて、整理しておきましょう。

サブリース業者倒産のリスク

サブリース業者が倒産すると、サブリース賃料を受け取ることができません。サブリース業者が入居者と締結した賃貸契約は大家さんが引き継ぐことになります。これは空室リスクも大家さんに移転することを意味します。つまりサブリース時の賃料は入居率に関わらず支払われますが、サブリース業者が倒産してしまうと、賃料収入は入居率に応じて変動するため、満室経営が続いていた場合には自主経営として建て直しの道はありますが、入居率が低い場合には、賃料収入は減少することになり、赤字になることもあります。

また、サブリース業者が入居者から預かった敷金を引き継ぐことができない可能性もあります。その場合、入居者が退去する際、敷金の返金が生じる場合には大家さんの自己負担が必要となることもあるでしょう。

収益性

サブリースを活用することで、空室リスクを回避するなどのメリットはあるものの、本来の家賃を下回るサブリース賃料を受け取ることになるデメリットもあります。また、サブリースを活用しない場合、周辺の家賃相場に合わせて賃料上昇が見込める場合があります。また、礼金収入を得ることもできますが、サブリースを活用する場合、礼金収入はサブリース業者の収入となります。

このように収入の最大化ができないことはサブリースのデメリットになります。

入居者の審査ができない

入居者募集や入退去の手続きなどは、サブリース業者が行うことになります。そのため、大家さんが自ら入居者を選ぶことはできません。サブリース業者としては、入居率に関わらず大家さんにサブリース賃料を支払う必要があります。そのため、サブリース業者によっては、入居者審査のハードルを低く設定することもあるでしょう。大家さんとしては、好ましく思わない入居者が入居する可能性もあります。

サブリースの注意点

サブリースのメリット・デメリットを踏まえた上で、サブリース活用の検討をする際に注意しておきたいポイントがあります。

家賃保証の件

サブリース賃料は、入居者からサブリース業者が受け取る家賃から一定の費用を差し引いて支払われます。もしも、サブリース業者が受け取る家賃を上回る家賃保証がうたわれている場合は、なぜそのような家賃保証ができるのか、納得いくまで説明を受けましょう。また、サブリース賃料の収入で、賃貸経営のキャッシュフローが成立するかについても大家さんが自ら確認しておきましょう。

免責期間の件

免責期間とは、家賃保証を行わない期間のことです。免責期間には、新築時における全部屋について家賃を免責する期間、そして入居者が退去した際の家賃を免責する期間(以下、再免責期間)の2種類があります。

新築時における全部屋について家賃を免責する期間は、入居者募集を行ってもすぐに入居者が決まるとは限らない等の理由から設けられているのが一般的です。また、再免責期間は、ハウスクリーニング等のメンテナンスを行ったり、再び入居者募集を行って入居者が決まったりするのに時間を要するという理由から設けられています。免責期間は、会社により異なりますが、1~3か月程度が一般的です。

家賃保証の見直しの件

サブリースでは、数年ごとにサブリース賃料の金額見直しを定めていることが一般的です。当初提示された家賃が保証されるのがいつまでなのか、その後、どのようにサブリース賃料の金額が変化していく可能性があるのか、サブリース業者にシミュレーションを依頼、または類似案件の事例確認をしておきましょう。

解約の件

大家さんからサブリース契約の契約期間中に解約を申し出ると、違約金を求められる場合があります。一方、サブリース業者から解約を申し出た場合、違約金が発生しない契約内容になっていることが多いでしょう。サブリース契約の中途解約について、どのように規定されているかを確認しておきましょう。

修繕費用などの件

サブリース契約には、建物や部屋の修繕については、サブリース業者もしくはサブリース業者が指定する会社が行うことが契約条件になっていることもあります。その場合、修繕費用がサブリース賃料から差し引かれるため、さらに賃料収入は低くなります。その賃料収入で、賃貸経営のキャッシュフローが成立するかについても大家さん自ら確認しておきましょう。

サブリース業者を選ぶ時のポイント

サブリースの活用を検討する際、注意しておきたいポイントは様々です。サブリース業者を選ぶ際には、どのようなポイントをチェックしておけばよいのでしょうか。

契約内容

契約内容に、保証される家賃金額、リフォームや修繕費の負担、管理内容などがどのように規定されているかを確認しておきましょう。

解約条件

サブリース契約の中途解約について、違約金の有無など、どのように規定されているかを確認しておきましょう。

免責期間

免責期間の期間は、サブリース業者によって異なりますし、再免責期間を設けていないサブリース業者もあります。検討しているサブリース契約においては、免責期間がどのように規定されているかを確認しておきましょう。

支払いタイミング

サブリース賃料が支払われる期日が契約書にどのように規定されているかを確認しておきましょう。

会社の信用度

既にお話したように、サブリース業者が倒産してしまうとサブリース賃料の保証がなくなります。信用できる会社であるかどうかをよく調べましょう。その際には、サブリース事業のほかにどのような事業を行っているか、業績や経営状況などはどうか、解約件数はどうかなど、サブリースに詳しい第三者にも意見を求めて慎重に判断するようにしましょう。

その他の委託サービスも検討してみよう

サブリースを活用することにより、空室リスクへの対策、管理業務の簡便化などを図ることができますが、サブリース以外にも様々な委託サービスがあります。サブリース一択ではなく、その他の委託サービスについても検討をするのも一案です。

管理委託

賃貸経営にかかる管理業務を代行してくれる委託サービス。

滞納委託

滞納家賃の回収を代行してくれる委託サービス。

空室補償

月々定額の補償料を支払うことで、空室が生じた場合には補償額を受け取ることができるサービス。サブリースと異なり、礼金等の収入は大家さんが受け取ることができます。

まとめ

最近ではネガティブなニュースが目立ちますが、サブリース自体は、賃貸経営において空室リスクを回避する有効な手段です。しかし、会社選びを慎重に行い、押さえておきたいポイントを確認しておくことが肝要です。業者に勧められたから、というだけではなく、自分にとって有効かどうかをじっくりと考えた上で、正しく理解して活用するようにしましょう。
キムラ ミキ

監修キムラ ミキ

【資格】AFP/社会福祉士/宅地建物取引士/金融広報アドバイザー

日本社会事業大学 社会福祉学部にて福祉行政を学ぶ。
大学在学中にAFP(ファイナンシャルプランナー)、社会福祉士を取得。
大学卒業後、アメリカンファミリー保険会社での保険営業を経て、(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わった。
その後、2008年8月より独立し、現在、自社の代表を務める。

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