120年ぶりの民法大改正!大家さんが関わる敷金と原状回復の明文化されたルールとは

監修キムラ ミキ

  • 公開日:
  • 2020年08月03日
  • 更新日:
  • 2020年08月03日
120年ぶりの民法大改正!大家さんが関わる敷金と原状回復の明文化されたルールとは
2020年4月に民法が大改正されたことは、さまざまなメディアで報道されていたこともあり、ご存じの方も多いのではないでしょうか。今回の民法大改正では、大家さんに関わる内容もいくつかあるので、しっかりチェックしておきましょう。この記事では、現在賃貸経営をしている大家さんに向けて、民法大改正の中でも、敷金および原状回復の考え方について、どのような点が変更となったのかをご説明いたします。

賃貸経営に関わる内容も含まれる120年振りの民法大改正。
敷金および原状回復の変更点をしっかり把握しておこう!

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目次

120年ぶりの民法大改正についてご存じですか?

1896年に制定されて以来、およそ120年間改正されていなかった民法が2020年に大改正されました。

民法は明治時代に作られた法律であるため、条文も古く、分かりづらい内容となっていました。また、判例法理(裁判所が示した判断の蓄積によって形成された考え方)が反映されていないため、現在の社会生活や経済活動にそぐわない内容も含まれていたのです。それを、現在の社会生活などに即した内容とするため、およそ120年ぶりに今回の民法大改正が行われました。改正点の中には、敷金や原状回復などの賃貸経営を行う大家さんにとっても密接に関わる部分があるので、入居者とのトラブルにならないためにもきちんと内容を理解しておくようにしましょう。

大家さんに関わるところはどこ?

民法大改正の中で、大家さんに密接に関わるものとしては、以下のものが挙げられます。

1. 敷金
従来、慣習等でやりとりされていた、入居者が大家さんに預ける敷金の定義および扱いについて、新たに規定されました。

2. 原状回復
ガイドラインはあるものの、慣習等で行われていた原状回復について、その義務負担が誰に属するものなのかが、新たに規定されました。

3. 連帯保証人制度(個人保証の極度額)
賃貸借契約において、連帯保証人を立てる際には、連帯保証人が保証すべき債務限度額を提示しなければならないとする条文が付されました。

4. 建物の修繕義務・権利
従来の大家さんの建物の修繕義務に加え、必要に応じて入居者が建物を修繕できる権利が新設されました。

5. 賃料の一部減額
改正前は、建物が滅失した場合、入居者が賃料の減額を求めることができるとしていましたが、改正後、建物の滅失の他、設備などの不具合が生じた場合にも賃料の減額ができる旨の条文が新設されました。

敷金・原状回復のルールが明文化!

民法大改正で、大家さんに関連があるものは、上記のようにさまざまな項目があります。なかでも、どの大家さんでも関わる可能性が高いのが敷金と原状回復です。今回の民法大改正によって、敷金と原状回復に関する「ルールの明文化」が行われました。

民法大改正の前にもガイドラインや共通認識は存在していました。しかし法律ではないので、すべての大家さんがそのガイドラインや共通認識に則って、運用していたかというと疑問も残りますし、退去時の入居者と大家さん間のトラブルも後を絶ちませんでした。今回の民法大改正で、「ルールの明文化」が行われたことにより、いくら大家さんが「慣習」だと主張しても、通用しない場面が生じる可能性もあります。大家さんは、従来のやり方にこだわらず、考え方を切り替える姿勢が求められているのです。

そもそも敷金って何のためのお金?

新規入居時に入居者から大家さんへ交付する敷金は、改正前の民法には規定がなく、判例や慣習により以下のような認識が一般的となっていました。

・入居者が大家さんに対して交付するお金で、あくまでも預り金。
・賃貸借契約が終了して、明け渡しまでに支払う賃料や損害金を入居者が支払わなかったときにカバーするもの。(債務の担保)
・明け渡し後、入居者の債務を差し引いて、大家さんが入居者に返還するお金。

しかし、敷金から差し引ける「債務」についても明確な規定がなかったため、大家さんごとに「債務」の扱いや範囲についての基準がバラバラでした。これが、退去時トラブルへとつながる要因であったといえます。

新設された規定について

今回の民法大改正により、敷金の規定が明文化されました。改定民法には、大家さんが家賃などの担保として敷金を受け取っている場合、「賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき」や、「入居者が適法に賃借権を譲り渡したとき」に入居者に対して、受け取った敷金の額から入居者が責任を負うべき負担金額を差し引いた金額を返還しなければならないことが明記されています。なお、入居者が責任を負うべき負担金額を支払わないときは、大家さんが敷金をその支払いに充てることができるものとしています。

大家さんがすべき動きとは

入居時に大家さんが預かった敷金は、入居者が責任を負うべき負担金額を差し引いた金額を返還しなければなりません。もし、返還すべきお金であると知りつつ、敷金を実質的な収入ととらえている大家さんがいたら要注意です。次段で詳しくご説明いたしますが、入居者の原状回復義務の範囲についても、今回の民法大改正によって明文化されています。今までのように、「慣習だから」と主張して、本来、大家さんに原状回復義務のある、通常の損耗や経年変化の対応まで入居者の敷金から差し引くことは、通用しなくなったと認識を改めた方がよいでしょう。

まずは、敷金は預り金であり、返還義務があることを認識し、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(国土交通省)」を熟読して、敷金の扱いについて正しい理解を深めるようにしましょう。

そもそも原状回復ってどんなこと?

原状回復とは、「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と、国土交通省が作成した「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に定義されています。つまり原状回復とは、入居者が借りた当時の、いわば元の状態に戻すことではないのです。

「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の内容を改めて確認しよう

「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は、原状回復をめぐるトラブルの未然防止のために、原状回復の費用負担のあり方について妥当と考えられる一般的な基準を、ガイドラインとして平成10年3月に取りまとめたものです。平成16年2月および平成23年8月には、裁判事例及びQ&Aの追加などの改訂が行われています。

今回の大改正で変更となった部分

原状回復に関する規定は、改正前民法にはありませんでした。今回の民法大改正により、先述のガイドラインに示されている一般的な基準が民法に新設されました。

改正民法によると、入居者が賃貸物件の引渡しを受けた後に賃貸物件に生じた損傷がある場合、賃貸借契約が終了した時は、その損傷を原状に復する義務を負うこととして明記されています。ただし、その損傷が入居者の責任によるものでない場合には、入居者は原状回復義務を負わなくてもよいとされており、損傷には、通常の使用及び収益によって生じた損耗、経年変化によるものは含まれないとされています。

大家さんがすべき動きとは

先ほどご紹介した「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」には、原状回復についての一般的な基準や考え方のみならず、大家さんと入居者の修繕分担についても、細かく具体例が示されています。

例)「床(畳・フローリング・カーペットなど)」
大家さんの負担となるもの入居者の負担となるもの
1. 畳の裏返し、表替え(とくに破損していないが、次の入居者確保のために行うもの)1. カーペットに飲み物などをこぼしたことによるシミ、カビ(こぼした後の手入れ不足等の場合)
2. フローリングのワックスがけ2. 冷蔵庫下のサビ跡(サビを放置し、床に汚損などの損害 を与えた場合)
3. 家具の設置による床、カーペットのへこみ、設置跡3. 引越作業等で生じた引っかきキズ
4. 畳の変色、フローリングの色落ち(日照、建物構造欠陥による雨漏りなどで発生したもの)4. フローリングの色落ち(賃借人の不注意で雨が吹き込んだことなどによるもの)
まずは、通常の使用および収益によって生じた損耗、経年変化によるものは、原状回復義務が大家さんにあるという認識が必要です。そのうえで、入居者との退去時トラブルを生じさせないために、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を熟読し、原状回復についての知識を深めておきましょう。

まとめ

今回の民法大改正で、敷金と原状回復についてルールが明文化された以上、今までの慣習という大家さんの主張は通用しなくなります。まずは、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を熟読して理解を深め、敷金と原状回復について意識改革をしましょう。そのうえで、必要に応じて契約書の見直しを図っておくと、トラブル回避により有益です。なお、原状回復義務の有無に関しては、個別具体的な事情によって判断が必要な場合もあります。判断に迷った時にすぐ相談できる弁護士とのつながりを、平時からつくっておくこともあわせて検討しておきましょう。

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キムラ ミキ

監修キムラ ミキ

【資格】AFP/社会福祉士/宅地建物取引士/金融広報アドバイザー

日本社会事業大学 社会福祉学部にて福祉行政を学ぶ。
大学在学中にAFP(ファイナンシャルプランナー)、社会福祉士を取得。
大学卒業後、アメリカンファミリー保険会社での保険営業を経て、(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わった。
その後、2008年8月より独立し、現在、自社の代表を務める。

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