学生の需要を素早くキャッチするために、管理会社・仲介会社との
連携や関係性の構築は日頃からしっかり行いましょう。
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※ページ下部の「賃貸経営一括相談および土地活用プラン一括請求サービスの注意点」をご確認いただいたうえ、ご利用ください。
目次
学生向け物件にこれから求められること
実際には大学進学率が上昇していることで、これまでのところ学生の数が大きく減っているということはありません。しかし、学生が地方から都市部へ流れる傾向にあることから、地方大学では学生獲得において厳しさを増しています。また、都市部においても、大学の都心回帰が進んでいることにより、都心部と郊外における格差が広がっています。
このような現状からも、郊外や地方の学生向け物件は今後ますます入居者獲得の競争が激化すると予想されます。そのためにもできるだけ早い段階で、ほかの物件との差別化を図っていく必要があるでしょう。
学生向け物件の長所と短所
在学中は退去の可能性が低い
当然ながら、それ以上の長期に渡って定住してもらえる可能性が少ないということでもありますが、学生向けであれば卒業で退去しても再び新入生が入居する確率は高く、適切な空室対策を行えば、4年間(あるいは2年間)という一定のサイクルで入退去を繰り返しながら、安定した賃貸経営を継続していくことが可能となります。
卒業と同時に退去の可能性が高い
特別な事情がない限り突然の退去がないというのは、大家さん側からみると安心感が高いものです。
学校が移転する可能性がある
しかし、地方創生の観点からも、今後どのように状況が変化するかはわかりません。都心部であっても、郊外や地方であっても、学生だけに頼った賃貸経営はリスクが高いので、社会情勢の変化には常に気を配っておく必要があるでしょう。
学生向け物件の空室対策でおさえておきたいポイント
1.仲介会社との連携が重要!
まずは、近隣の大学と提携している仲介会社や、客付けに強い大手管理会社に相談してみてください。学生向けの物件をピンポイントに検索できる大手ポータルサイトも増えていますから、利用してみるとよいでしょう。
また、学生向け物件の客付けにはスピード感も重要です。最近では、合格発表前の入居予約を受け付けている管理会社も増えています。
合格発表前後から入学までのシーズンを逃すと空室を埋めるのが難しくなる可能性がありますので、退去予定がある場合はできるだけ早く準備を始めましょう。
2.真のターゲットは学生ではなく保護者!
つまり、学生向け物件の空室を埋めるためには、学生本人だけでなく保護者にも好印象を与える物件でなくてはならないのです。
3.学生の動向をチェック!
以下は一例ですが、参考にして下さい。
留学生の入居受け入れを積極的に
これだけの需要があれば、外国人留学生を積極的に受け入れることは、学生向け物件としての差別化にもつながります。ただし、国によって言語や生活習慣、ルールに対する考え方も異なりますから、トラブル対策には十分な注意が必要です。
たとえば、外国人の入居可物件の管理実績が豊富な仲介会社を探す、外国人向けの家賃保証を利用するなどの対策が考えられます。
在学期間に合わせた定期借家契約の検討を
それでは、4年制大学の学生と4年間の定期借家契約を結んだ場合、大家さんと入居者それぞれにどのようなメリット・デメリットがあるか考えてみましょう。退去日が決まっているので、大家さん側は早い段階で次の入居者を決めることができます。
卒業と同時に退去し、クリーニング後に次の学生が入居するという、ロスの少ない契約方法だと言えます。学生にとっては、卒業したら必ず退去しなければならない、原則として中途解約できないというリスクはあるものの、その分、家賃が普通借家に比べて1~2割程度低めに設定されているのがメリットとなります。
学生が部屋を決める際に重視しているポイント
1.インターネット接続の有無
スマートフォンを使用するだけでなく、課題やレポート作成のため入学と同時にノートパソコンを買うのが当たり前の時代ですから、無料でインターネットを使用できるフリーWi-Fiの環境があるか否かで、学生向け賃貸住宅の人気は大きく左右されます。
個人でインターネットに接続する場合でも初期費用やランニングコストはかかりますから、家賃や管理費、共益費をインターネット使用料込みの金額設定にすることで、大家さんに費用の負担がかかる心配もありません。
2.バス・トイレ別
3点ユニットバスはバブル期に、限られたスペースに安価で設置できる設備として定着しました。そのため、築古の単身者向け賃貸では3点ユニットバスの物件が多く存在します。バスとトイレが別になった物件は学生向け・社会人向け問わず賃貸住宅としての価値を高め、競合との差別化にもつながるでしょう。
3.防犯セキュリティ
防犯セキュリティにも種類や用途はいろいろありますが、近年人気が高まっているセキュリティの1つが「スマートロック」です。スマートフォンで玄関ドアの解錠ができ、鍵の閉め忘れがないか遠隔で確認することも可能です。ピッキングの心配もありません。
戸建て住宅やファミリー向け賃貸住宅ではすでに一般的ですが、単身者向けの賃貸住宅ではまだまだ少ないのが「モニター付きインターホン」。ドアを開ける前に来訪者を確認できるため、防犯性は非常に高いと言えます。自動録画機能のあるインターホンなら留守中の来客も確認できてより安心です。
そして、共用部分のセキュリティを高めてくれるのが、「オートロック」や「防犯カメラ」です。これらの設備があることで、入居者ではない外部の人に対しても防犯性の高さをアピールできます。
そのほか、学生のニーズ・トレンドをしっかりとウォッチしておくこと
たとえば以下のような方法があります。
・和室を洋間にリフォームする。
・押入れをクローゼットに改修する。
・壁や床に遮音建材や断熱材を施工する。
・屋外洗濯機置き場を室内にリフォームする。
・エアコンの設置が借主負担になっている場合は大家さんが用意する。
いずれもリフォームなど大掛かりな工事が発生する際は事前に管理会社や施工会社にもよく相談のうえ決定しましょう。
基本的な空室対策も忘れずに確認を!
家賃相場を再確認しよう
たとえば、スマイティの家賃相場を用いて調査した場合
・中野駅周辺のワンルーム
・築30年程度の木造2階建て
・家賃6万円前後
上記のような物件が平均的に多く、設備やインテリアの充実や南向きといったプラス要素のある物件は、相場より数千円~1万円程度高めの家賃設定になっています。それに対し、鉄骨造やRC(鉄筋コンクリート)造のマンションは築年数の古いものでも比較的家賃が高めに設定されていました。
内見前に部屋をきれいにしよう
内見の際に入居検討者が1番最初に目に入るのは建物の外装・周辺環境です。第一印象はとても重要ですので、建物周辺の清掃が行き届いているかも確認しましょう。内見の有無にかかわらず、日頃から定期的に清掃を行い、既存入居者や近隣住民への配慮も大切です。
早期の客付けにはホームステージングが有効です。ホームステージングとは、空室やモデルルームに家具や雑貨、観葉植物などを置くことで部屋の印象をアップし、効果的に客付けを行うための手法です。家具を入れた場合の動線や実際の生活をイメージしやすいため、ステージングをした部屋は成約に結びつきやすいと言われています。
まとめ
建物の老朽化や空室が気になり始めたら、家賃を下げることよりも、まず周辺状況を把握することから始めましょう。常にトレンドを意識し、学生が生活しやすい環境を整えていくことで、社会情勢や市場に変化があっても、安定した賃貸経営を続けていくことが可能になるでしょう。
学生の需要を素早くキャッチするために、管理会社・仲介会社との
連携や関係性の構築は日頃からしっかり行いましょう。
賃貸経営のお悩みはプロに相談!
プラン提案を受けてみませんか?
70社以上の有力管理会社が大家さんのお悩み解決をサポート
※ページ下部の「賃貸経営一括相談および土地活用プラン一括請求サービスの注意点」をご確認いただいたうえ、ご利用ください。
この記事の監修者
宅地建物取引士/二級建築士/既存住宅状況調査技術者/ホームステージャー
建築設計事務所、不動産会社、建設会社等での勤務を経て、現在は不動産・住宅・建設ライター、住宅営業、建設CADオペレーターとして活動。