賃貸物件への導入も増加中!?気になるスマートロックの機能や性能をご紹介します

2024.07.10更新

この記事の監修者

岩野 愛弓
岩野 愛弓

宅地建物取引士

賃貸物件への導入も増加中!?気になるスマートロックの機能や性能をご紹介します

遠隔操作も可能で、物件のセキュリティを高められるスマートロック。機能や性能、施工方法、おすすめの商品などをご紹介します。

目次

スマートロックが求められる時代

スマートロックとは、スマートフォンなどの通信機器で操作が可能な鍵を指しています。通信機器で操作が可能となると、暗証番号やICカードで解錠できる電子錠と混同することがありますが、電子錠は一般的にスマートフォンなど通信機器での操作を前提としておらず、通常の「鍵」の役割を暗証番号やカードに置き換えているといえます。

スマートロックは、スマートフォンで解錠できる他に、鍵の状況を遠隔で確認できます。万一、留守中に侵入者があったり、家族が帰宅したりしたことを把握できるため、外出中の防犯面でも安心感があります。

また、今までの「鍵」という物理的なものが不要になるため(機種により鍵があることがある)、合鍵を偽造されたり、ピッキングにあったりする状況も生まれにくくなります。犯罪が多様化していることや、共働きで子供が留守番をする家庭も多くなっており、スマートロックは、さらなるセキュリティ強化のために注目されています。

スマートロック導入の背景

賃貸住宅の防犯対策として、玄関ドアの鍵の防犯性能が重視されてきています。従来からあるシリンダー錠を利用している賃貸住宅は多いですが、ピッキングの被害に対して防犯性が弱いことが弱点です。

そのため、シリンダー錠に代わり、複製しにくいディンプル錠にはじまり、近年では電子錠やスマートロックといった、ITシステムとも連携できる鍵へと変化してきています。

中でもスマートロックは、賃貸にも導入されることが徐々に増えてきており、鍵の閉め忘れを出先でチェックしたり、部屋の出入室の記録を把握したり、防犯を重視する入居者へのアピールにもなります。

賃貸住宅の防犯対策としては、防犯カメラの設置やオートロックなど一般的な設備はもちろん、鍵の状況を遠隔で確認できるスマートロックも、物件選びでのポイントになりつつあります。

スマートロックの機能を知ろう

スマートロックシステムのイメージは、おおよそご理解いただけましたでしょうか。ここからは、具体的な機能について詳しくご紹介していきます。

防犯面

スマートロックの防犯面では、次の機能があります。

・スマートフォンで遠隔操作が可能なため「鍵」の紛失、偽造がない
・外出時に自動ロックがかかり閉め忘れに有効
・出入室の記録が確認できセキュリティが強化

鍵がないため、紛失したり偽造されたりする心配がありません。また、出入室の記録がスマートフォンで把握できるため、出先からでも部屋の状況を確認できます。

生活面

スマートロックは生活面で、次の便利機能があります。

・家族内で鍵をもたずに帰宅できる
・家族の帰宅を確認できる
・スマートフォンの充電が切れてもIDがあれば解錠できる

連絡すれば、遠隔操作で鍵を開けることができる機能があるスマートロックなら、家族が多くても、帰宅時間が違っていても、ひとりひとりが鍵を持つ必要がなくなります。

また、子供が帰宅した時間をスマートフォンで把握できるため、留守番させているときでも安心ですね。スマートフォン操作というと充電切れが心配ですが、万一スマートフォンの充電切れになっても、IDや暗証番号があれば鍵を開けることが可能です。

スマートロックのタイプ

スマートフォンの解錠とスマートロックには、いろいろな機能があります。ここでは便利機能をピックアップしてご紹介します。錠は、主に3つの方法があります。

解錠や施錠操作

スマートフォンの解錠と施錠は、主に3つの方法があります。

1.ハンズフリー

スマートロックとスマートフォンのBluetooth機能を利用して接続させ、手動で操作をしなくても近づいたり離れたりすることで鍵の開け閉めができます。感知する必要がありますので、電波の強弱に左右されることがあります。

2.スマートフォン操作

スマートロックの専用アプリをスマートフォンで起動させ、鍵の開け閉めを操作します。アプリでは、鍵の使用履歴が確認できるため、家族が共有するときでも把握しやすく便利。鍵の掛け忘れがチェックできる点もポイントです。

3.マルチデバイス

カードキーなどスマートフォンの操作以外でも、鍵の開け閉めができるタイプです。スマートフォンだけの操作だと、スマートフォンを持たない小さな子供がいる家庭や、不特定多数の人が出入りをするオフィスなどでは不便に感じることがあります。マルチデバイスは、生体認証や指紋認証などさまざまな方法で施錠できるため、より便利に使用することができます。

鍵のタイプ

鍵の操作には、基本的にスマートフォンを利用しますが、その他いろいろな鍵の開け閉め方法があります。

1.SiriやGoogleなどAIアシスタントで操作

Wi-Fiネットワークを利用することで、スマートフォンアプリの他、AIアシスタントと接続して遠隔操作が可能になるタイプがあります。また、Apple Watchで操作ができるものもあります。

2.暗証番号も利用できる

スマートフォンを持っていなくともオプションでキーパッドなどを持ち暗証番号で、鍵の操作ができるタイプがあります。複数の暗証番号を登録することも可能です。

3.指紋認証が利用できる

指紋認証によって、鍵を開けることができるものがあります。スマートフォンを持たなくてもスムーズに操作できるため、扉を開く機会が多いオフィスなどでは特に便利です。

後付けも簡単なスマートロックの施工方法

スマートロックは、両面テープで手軽に取り付けるタイプや、ビスでしっかり固定するタイプなどがあります。また、既存のシリンダー型の鍵に後付けできるものもあり、バリエーションが豊富です。

施工はとても簡単で、1日で作業が完了するものがほとんです。大家さんがご自身で取り付け可能なものもあります。また、価格は機能によって1万円台から5万円台など幅広くなっています。金額と、取り付け方法や機能を比較して、ぴったりなスマートロックを選択しましょう。

スマートロック導入で家賃アップは可能?

防犯対策と機能的な設備という観点から、スマートロックの導入は、入居者アップには効果的と考えられます。ただし、スマートロック単体の設備をしたからといって、それだけで大幅な家賃アップまでを行うのは難しいかもしれません。スマートロックを含めた防犯設備全体でのグレードアップが、家賃アップへとつながることになるでしょう。

おすすめのスマートロック商品をご紹介!

ここからは、スマートロック商品について、機能性なども含めてご紹介していきます。賃貸で使い勝手が良さそうな機種を探してみましょう。

1. Qrio Lock

設定されたスマートフォンが近づくと、ハンズフリーで解錠できる便利なスマートロックです。荷物で手がふさがれているときでも、暗くて鍵穴が見えないときでも玄関を開けることができます。

また、ドアが閉まると自動ロックが作動しますので、鍵の閉め忘れはありません。スマートフォン以外に、専用リモコンキーも対応できます。また、出入室があればスマートフォンへのお知らせ機能があり安心です。
メーカーQrio株式会社
商品名(型番)Qrio Lock

2. Akerun Smart Lock Robot

ドアに貼るだけの簡単取り付けが可能なスマートロックです。操作はスマートフォンの画面でタップするだけなので、とっても手軽。スマートロックを共有したいときには、鍵の発行をして相手に送信します。

時間限定など細かな設定も可能なため、いろいろな活用ができそうです。もちろん、複数で共有するために、出入室の履歴がスマートフォンに届きます。二段階認証などセキュリティ対策も考慮されている点がポイントです。
メーカー株式会社フォトシンス
商品名(型番)Akerun Smart Lock Robot

3. ES-F300D

スマートフォン以外の操作が多くあり、指紋認証やICカード、暗証番号やスマートフォンなどさまざまな解錠方法を利用できます。

自動ロック機能などの基本的な機能を押さえつつ、人が近くにいても暗証番号を守れる暗証番号ごまかし機能があるなど、とても多機能なスマートロックです。
メーカー株式会社エナスピレーション(EPIC)
商品名(型番)ES-F300D

4. NinjaLockM

国内の金物メーカー大手会社である美和ロックと共同開発したスマートロックです。スマートフォンでの操作の他、専用カード、テンキーでの暗証番号入力などで解錠できます。

鍵の運用の仕方が特徴的で、工事中、募集中、入居中、退去後など切替のタイミングで運用モードを切り替えることにより、鍵の使用制限ができますので、鍵交換の必要がありません。鍵交換にかかるコストが削減できるため、賃貸を管理する側にはメリットになります。
メーカー株式会社ライナフ
商品名(型番)NinjaLockM(NLM01)

5. セサミ mini

スマートフォンのアプリで鍵の開け閉めをするスマートロックです。基本はスマートフォン操作ですが、アレクサなどのAIアシスタントも利用することができ、今どきのIT進化にも対応しています。

ユニークな点は、日本の鍵仕様のみならず、アメリカやデンマーク、マレーシアなど海外の鍵にも対応している点です。外国人観光客向けのゲストハウスなどが好むアンティーク仕様の玄関ドアを使っている物件でも対応できます。解錠の履歴もスマートフォンにしっかりと残してくれますので、複数で共有するときにも安心です。
メーカーCANDY HOUSE JAPAN株式会社
商品名(型番)セサミ mini

【確認】トラブルが起きた時のルールを決めておく

鍵が不要で手軽なスマートロックですが、火災発生や自然災害など緊急時のことが心配ではありませんか?また、スマートフォンを紛失したときはどうすればよいか不安に感じる方もいるでしょう。

まず、火災や災害などの危険がせまったときには、スマートフォンを探して操作している時間は無いはずです。そんな時のために、室温が一定以上になった時点で自動的に解錠する仕組みのものもあります。

また、スマートフォンを紛失したときでも、暗証番号やカードキーなど別の解錠方法を持つものであれば、不安も解消されます。

賃貸住宅に今後設置が増えていく可能性も

防犯対策としての効果が期待できるスマートロックは、賃貸住宅でも新たに設備を検討している大家さんは増えているのではないでしょうか。

鍵を持たずに解錠できる手軽さと、自動ロックの防犯性など、セキュリティ面を強めたい方には興味深い設備です。後付け可能な点と、自分でも取り付けできる機種もあるなど低コストで導入できるところもポイントなので、今後、賃貸物件にもますます導入されていく可能性があります。

まとめ

防犯対策への重要性が年々高まってきているため、スマートロックは、入居者にとってはとても興味深い設備の1つです。所有する賃貸の使い方に合う、便利で防犯性も優れたスマートロックの導入をぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

この記事の監修者

岩野 愛弓
岩野 愛弓

宅地建物取引士

注文住宅会社に15年以上従事し、不動産売買業務の他、新築・リフォームの内外装、家具・建具造作の現場監修を行う。オリジナルデザインの住宅を数多く経験。不動産・住宅専門の執筆活動も行っている。

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