賃貸物件のオール電化リフォームで差別化できる?メリット・デメリットと費用を解説します

監修弘中 純一

  • 公開日:
  • 2022年01月14日
  • 更新日:
  • 2022年01月14日
賃貸物件のオール電化リフォームで差別化できる?メリット・デメリットと費用を解説します
賃貸住宅の経営では、空室対策として大がかりなリフォームを計画する場合があり、経営戦略としてオール電化住宅を採用するという方法も考えられます。オール電化は希望する入居者も多く、有効な選択肢と言えるでしょう。この記事ではオール電化を検討中の大家さんに向け、オール電化は空室対策として本当に有効なのか、アパートやマンションでガス設備を交換して電化することは可能なのか、工事内容や費用、メリット・デメリットなどについてお伝えします。

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目次

オール電化住宅とは

オール電化住宅とは、キッチン・給湯・暖房といった住宅設備のエネルギーに電気を使った住宅のことを言います。ガスや灯油などを使わないので排気ガスが出ず、臭いや二酸化炭素も発生しないため、クリーンな環境を保つことができるのです。

一戸建て住宅はもちろん、集合住宅でも可能ですが、中古の区分マンションをオール電化に変えるのは少し難しい面があります。分譲マンションの場合は、貯湯タンクのスペースと電気容量が足りるかどうかが問題です。また、管理組合の承認が必要になることがほとんどであり、これらの問題をクリアできなければオール電化は難しいでしょう。

賃貸マンションやアパートの場合は大家さんの決断でオール電化にできるため、貯湯タンクのスペース確保と電気容量変更などをして、オール電化への対応が可能であれば問題なくリフォームできます。

オール電化住宅に必要な設備とリフォームの費用相場

オール電化にするには電源工事が必要になり、電力会社との契約によって申請料などの費用もかかります。正確にはリフォーム工事店から見積もりを取る必要がありますが、ここでは目安としておおよその金額をお伝えします。

IHクッキングヒーター

「IH」とは「誘導加熱」の意味で、電磁誘導加熱の原理を用いて調理器の天板部分を加熱する方式のコンロがIHクッキングヒーターです。

オール電化でシステムキッチンのガスレンジをIHクッキングヒーターに交換する場合は、ビルトインタイプを使用します。ガスキャビネットにガスレンジが置いてあるケースでは、据え置き型のものに交換します。ワンルームなどの単身者向けでは、卓上型のヒーターにするという選択肢もあるでしょう。ここでは、もっとも高くなるとされるビルトインタイプのIHクッキングヒーターの費用相場をお伝えします。
項目金額
機器本体約4~15万円
季節ガス管撤去(閉栓含む)約4万円
電源工事(専用回線)約5万円
IHヒーター取付工事約2万円
合計約15~26万円
※電源工事はほかの電化工事とともに行う場合、不要になることもあります。

IHクッキングヒーターの種類についてはこちらも参考にしてください。

エコキュート

エコキュートは電気によりお湯を沸かす機器で、電気温水器とは異なります。電気温水器は同じく電気によりお湯を沸かすものですが、電熱ヒーターの熱を水に伝えて沸かします。一方、エコキュートは「ヒートポンプ」方式によりお湯を沸かし、使用する電気量は電気温水器の約1/4で済む省エネ型の給湯器です。ヒートポンプは、空気中の熱を水に伝える熱交換の原理を利用しています。

エコキュート設置スペースがあると仮定して、これまで使用していたガス給湯器を取り外してリフォームを行うケースの費用は、以下のようになります。
項目金額
機器本体約30~60万円
既設ガス管撤去(閉栓含む)約4万円
電源工事(専用回線)約10~15万円
エコキュート取付配管工事約5万円
合計約49~84万円
※電源工事はほかの電化工事とともに行う場合、不要になることもあります。

また、エコキュートを外部に設置する場合は数万円の基礎工事費用が別途必要になります。以下の記事もあわせてご参照ください。

床暖房

エコキュートはヒートポンプ式によりお湯を沸かす設備で、ランニングコストの低減が図れます。同じくヒートポンプ式で沸かしたお湯を床暖房に利用する「温水暖房」も、エネルギー効率のよい暖房方式です。暖房方式には、次の2つがあります。

・対流式暖房
・輻射式暖房

エアコンやガスストーブなどは対流式暖房ですが、床暖房などの輻射式暖房は温度差が生じにくく体にやさしい方式です。床の仕上げ材下にパイプを敷設し、電気温水ボイラーから温水を通して暖房します。温水式床暖房を導入するための概算費用は、以下のとおりです。
項目金額
電気温水ボイラー機器本体約15~30万円
配管ユニット付き木質フロアー(8畳)約25~35万円
電源工事(専用回線)約10~15万円
電気温水ボイラー取付配管工事約8万円
木質フロアー工事約6万円
合計約64~94万円
※電源工事はほかの電化工事とともに行う場合、不要になることもあります。

また、電気で床を直接暖める床暖房もありますので、こちらの記事もご参照ください。

オール電化のメリット

オール電化にすると、大家さんにも入居者にもメリットがあります。主なものをお伝えしましょう。

大家さんのメリット

大家さんには入居者に対して、快適な生活環境を提供する義務があります。災害などの場合のリスクをいかに防ぐかという課題も生じるでしょう。また経営上、入居率を常に100%近くに維持しなければなりません。オール電化はこのような課題に対応できるメリットがあります。

火事などの心配がなく安心

ガスや灯油ではなく電気を利用して調理をすれば、失火の原因にならず火事のリスクが大きく低減されます。東京消防庁のデータによると出火原因の1~5位は次のようになっています。

1位:コンロ
2位:たばこ
3位:放火
4位:ストーブ
5位:ロウソク

オール電化にするとこの1位と4位の火災原因をなくすことができます。さらに、火災保険には「オール電化住宅割引」を実施している商品があるなど、大家さんにとっては経費節減にもつながります。

オール電化賃貸は人気もあり差別化アピールになる

オール電化住宅は希望する入居者も多く、人気のある設備です。不動産ポータルサイトには「オール電化」の条件検索設定がされているものもあり、需要の多い証とも言えるでしょう。また、オール電化は設備投資が高くなるため、物件そのものが少なく希少性のあることが人気の要因の1つとなっています。競合物件との差別化を図るのであれば、オール電化は有効な方法と言えるでしょう。

災害時の復旧が早い

災害の多い日本では、インフラが被害にあうケースも少なくありません。地震や土砂崩れなどでガスや電気が遮断されることもあるでしょう。都市ガスなどの場合は被害が広範囲に及び、復旧までの安全確認に時間がかかることがあります。一方で電気は比較的復旧が早く、万が一の時に不便を被ることが少なくなるのです。

入居者のメリット

オール電化住宅で生活する入居者にとっては、次のようなメリットがあります。

手入れが簡単で安心

調理器具・給湯器・エアコン・暖房機などをオール電化にすると、ガスコンロやボイラー、ストーブなどと異なり、燃料を使わず臭いも起こりません。とくにガスコンロの手入れは大変ですが、フラットな形状のIHクッキングヒーターは清潔感があり、調理の際に汚れたとしてもサッと拭き取ることができます。また、小さなお子さんや高齢者がいるご家庭では、コンロの火による怪我や火災などの心配が低減されるのも安心材料の1つでしょう。このような点からもオール電化の人気は高く、希望する入居者が多い理由になっています。

光熱費の節約になる

「電気はガスや灯油よりも高い」こんなイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、オール電化は電気料金の安い深夜電力を上手に使うと節約効果があります。また、戸別で受電契約を結べるアパートなどでは、電力自由化により電力会社を自由に選ぶことができます。

深夜電力の利用時間は23時から翌7時までの8時間が一般的です。この時間内でご飯が炊き上がるようにする、洗濯も7時までに終わらせるなど、工夫次第で光熱費を節約することできます。電気・ガス・水道のうち、このように時間帯によって支払う金額が変わるものは電気だけです。

オール電化のデメリット

清潔で安心なオール電化ですが、気を付けなければならないデメリットもあります。

大家さんのデメリット

大家さんにとってのデメリットは、やはり費用面や経営面に関することでしょう。

初期費用が高い

IHクッキングヒーターやエコキュート、床暖房などは、最初の工事費用や設備費が高い傾向にあります。賃貸経営では長い期間をかけて建築費などの初期投資を回収しますが、建築コストが高くなるほど回収できるまでの期間は長くなります。

この期間を少しでも短くするには、家賃設定を高くしなければなりません。しかし、家賃設定が高いと入居希望者が減少する恐れもあり、初期投資額が高くなるのは大家さんにとってはデメリットと言えます。

メンテナンスが必要

オール電化の設備としてよく使われるエコキュートは、電気温水器と比べて消費電力をかなり抑えられ、電気代が安くなります。ランニングコストが安いと入居率が上がり、大家さんにとってはメリットとなりますが、メンテナンスに費用がかかることは難点でしょう。メンテナンス費用は大家さんが負担するものです。メンテナンス費用が高いと、入居率を維持することができても経営上の収益性が悪化する原因にもなります。

エコキュートの騒音リスク

エコキュートにはもう1つデメリットがあります。ヒートポンプ方式により熱交換を行って水を熱するしくみのエコキュートは、ポンプユニットから発生する「低周波音」の騒音が発生するのです。入居者自身がこの低周波音に悩まされることもあり、隣人が騒音被害を訴える場合もあります。エコキュートの設置場所を工夫するとある程度は低減できますが、根本的には解消できません。

入居者のデメリット

オール電化住宅に初めて住む入居者には、注意しておきたいデメリットがあります。

調理に制限がある

ガス調理器を長く使ってきた人にとって、IHクッキングヒーターは火加減の調節などが難しいことがあります。また、IH対応の鍋やフライパンを使う必要があるので注意が必要です。入居者が初めてIHクッキングヒーターを使う場合には、鍋類をすべて交換するなど思わぬ出費を強いられることもあります。このような理由から、オール電化の物件を敬遠する方も少なくありません。

停電時に熱源・光源が確保できない

停電になった時、オール電化では調理・暖房・給湯・照明と、電気エネルギーを必要とする設備がすべて使えなくなります。たとえば、ガス設備のある住宅では停電してもお湯を沸かすことができますが、オール電化住宅では停電するとお湯も使えず、カップラーメンを作ることすらできなくなってしまうのです。

光熱費が高くなる可能性もある

オール電化住宅では深夜電力を上手に使うことが鉄則です。朝7時以降に大量の電力を消費するような生活スタイルだと、光熱費が上がってしまう原因になります。

また、電気温水器やエコキュートは貯湯式なため、浴室で大量にお湯を使ってしまうと台所でお湯が出ないなどの「お湯切れ」が起こることもあり、お湯の消費量と貯湯タンクの容量が適正でなければ不便が生じてしまいます。お湯切れになると深夜以外の時間帯にお湯を沸かす必要があり、結果的に電気料金が高くなってしまうのです。

費用対効果をしっかり検証してオール電化リフォームを

オール電化のリフォームを行う際は、設備機器を新しくする必要があり高額になりますので、管理会社とも相談しながら慎重に検討してください。補助金やリースを活用するのも有力な方法です。

太陽光発電とセットなら有効?

空室対策としてオール電化リフォームを考える時、太陽光発電システムを一緒に導入する方法も考えられます。オール電化住宅では、深夜電力を活用できないと電気料金が高くなり、入居者にとって負担となります。そこで、太陽光発電システムを導入すると電気料金の負担を軽減でき、光熱費を安く抑えられるため、長期入居が期待できます。

しかし、そのためには太陽光発電と各戸を連係する工事が必要となります。太陽光発電システム導入のための設備投資には大きな費用がかかると留意しておきましょう。さらに、古い建物ではソーラーパネルの重量が増えることによって、耐震性能が低下する懸念があり、補強工事などの設備投資も大きな金額になります。

そのため、長期入居による収益性と、そのために投じる費用を比較検討することが大切です。また、賃貸住宅で使える補助金もありますので、くわしくは以下の記事も参考にしてください。

ターゲットの特性との相性をよく検証する

エリアや物件ごとに、入居者には特性があります。ターゲットとして考えられる入居者像とオール電化の相性について、賃貸物件のあるエリアとターゲットを見きわめて、事前によく検証することが重要です。たとえば、ファミリー層で小さい子どもや高齢者が多い場合などでは、安全性の面からオール電化は喜ばれ、メリットも大きいと言えます。一方で家族の人数が多いと、入浴時のお湯の使用量が多くなり、エコキュートの容量によってはお湯切れになることもしばしばあります。また、エコキュートの適切な容量は、温暖地か寒冷地かなどによっても異なるでしょう。

また、オール電化が適していると考えられるエリアとして、都市ガスが供給されていない地域が挙げられます。このような地域はガス料金が高い傾向にあるため、オール電化の需要が高いと予想でき、選択肢として有力です。

補助金を利用できるかどうかを調べておく

オール電化リフォームとあわせて断熱改修やエコ住宅設備の設置を行う場合、補助金制度を使える可能性があります。地方自治体によっては賃貸住宅向けの補助金制度を利用できます。

このような補助金制度についてはしっかり調べておき、リフォーム工事を依頼する施工会社にも事前に相談することが重要です。「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」では地方自治体の補助金制度を調べることができます。

設備機器はリースという手もある

電力会社などのエネルギー供給事業者の中には、系列会社などで電化設備のリース事業を行っている所も多くあります。電化設備の購入やメンテナンスには大きな費用がかかり、大家さんの負担が非常に重くなることもあります。そこで、リースにより電化設備を導入することも検討してみましょう。

電化設備のリース期間は設備の法定耐用年数に応じて決まり、リース契約を続けると設備投資なしでも長い期間オール電化にすることができます。また、リース費用は必要経費として算入でき家賃収入から控除できます。

まとめ

オール電化にリフォームするための工事内容やメリット・デメリットなどをお伝えしました。ガス設備と比較すると、オール電化は設備投資が高くなるなどのデメリットもあり注意が必要です。投資額に見合った収益を上げられるかどうかはもちろんですが、満室経営が可能な需要があるかといった点もあわせて検討したいポイントです。また、工事費もリフォーム会社などによって大きな違いがあります。リフォーム一括見積サイトも利用し、比較検討しましょう。

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弘中 純一

監修弘中 純一

【資格】宅建取引士/一級建築士

宅建取引士・一級建築士として住宅の仕事に関り30年以上になります。
住宅の設計から新築工事・リフォームそして売買まで、あらゆる分野での経験を活かし、現在は住まいのコンサルタントとして活動。
さまざまな情報が多い不動産業界ですので、正しい情報発信に努めています。

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