大家さんも省エネ給湯器に交換するチャンス!人気のエコ給湯器徹底比較

2024.08.26更新

この記事の監修者

逆瀬川 勇造
逆瀬川 勇造

AFP/2級FP技能士/宅地建物取引士/相続管理士

大家さんも省エネ給湯器に交換するチャンス!人気のエコ給湯器徹底比較

省エネ給湯器を取り入れるメリットやデメリットから、種類ごとの特徴までくわしく解説します。

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目次

省エネ給湯器とは

省エネ給湯器とは、従来の給湯器に比べ熱効率が良く、少ないエネルギーで多くのお湯を沸かせる給湯器です。「エコ給湯器」「高効率給湯器」とも呼ばれ、効率的にお湯を沸かせるため、光熱費を削減できるだけでなく環境にもやさしいというメリットがあります。

また、省エネ給湯器は設置すると補助金や税制上の優遇を受けられることもあるため、導入する住宅も増加傾向にあるのです。

省エネ給湯器に交換するメリット

省エネ給湯器に交換するメリットを、大家さんと入居者それぞれの視点で見ていきましょう。

大家さんのメリット

大家さんにとってのメリットとしては次のようなものがあります。

・環境保護につながる
・入居希望者や既存の入居者へのアピールになる

従来の給湯器は石油やガスなどの燃料を必要とし、二酸化炭素も多く発生するものでした。しかし省エネ給湯器は、少ないエネルギーでお湯を沸かすことができるため、二酸化炭素の発生量を抑えられ環境保護につながります。

また、省エネ給湯器を設置することで入居希望者へのアピールになると同時に、すでに入居している人の満足度向上も期待できます。環境保護や光熱費の節約につながる点は、入居者にとって魅力となるでしょう。

入居者のメリット

入居者にとっては、「光熱費を節約できる」ことが大きなメリットになります。省エネ給湯器なら、従来の給湯器よりも使用するエネルギーを抑えてお湯を利用できます。

お湯はお風呂やキッチンなどで毎日利用するものであり、家族の人数が多ければそれだけ消費量も多くなるでしょう。毎日利用するお湯を沸かすエネルギーを低減させることで、光熱費も大きく節約できます。

省エネ給湯器に交換するデメリット

反対に、省エネ給湯器に交換するデメリットはあるのでしょうか。大家さんと入居者それぞれの視点でご紹介します。

大家さんのデメリット

大家さんのデメリットとしては次のようなものがあります。

・本体代や工事費用が高い
・設置場所によっては対応できない
・騒音などのクレームにつながるリスクがある

省エネ給湯器は、従来の給湯器に比べると高額な設備です。工事も従来のものより複雑であるため、工事費用も高くなる傾向にあります。また、省エネ給湯器の中には、お湯を貯めるタンクの設置が必要な種類もあります。その場合はある程度のスペースが必要となるため、敷地によっては設置できない可能性もあるでしょう。

そのほか、お湯を沸かす音がうるさいと近隣からクレームが出る可能性もあります。省エネ給湯器の運転音によって、不眠や頭痛などが発生したという事例が消費者庁にも多く寄せられているのです。設置場所や静音タイプにすることを検討するなど、騒音に対する対策も行う必要があります。

入居者のデメリット

入居者にとってのメリットとして「光熱費削減になる」ことをお伝えしましたが、使い方によっては反対に損をしてしまう可能性もあります。

省エネ給湯器を使う場合、基本的にお湯の使用量が多いほどエネルギー使用量節約の効果があるものです。そのため、一人暮らしや料理をしない方、シャワーしか使わない家庭などの場合、節約効果はあまりないでしょう。

省エネ給湯器があるために月々の家賃が高く設定されている場合、その分の光熱費を削減できなければ損してしまう可能性があるのです。

各省エネ給湯器の種類と特徴を比較

一口に省エネ給湯器と言っても、いろいろな名前を耳にすることがあるでしょう。 省エネ給湯器は種類によって利用するエネルギーが異なり、仕組みや設置費用なども大きく変わってきます。それぞれの省エネ給湯器の特徴やメリット・デメリットを理解したうえで、どれを設置するのか検討しましょう。

省エネ給湯器の種類には次のようなものがあります。
エネファームエコキュートエコジョーズエコフィールエコワン
エネルギーガス電気ガス石油電気・
ガス
発電機能ありなしなしなしなし
貯湯タンクありありなしなしなし
耐用年数
目安
20年10~15年10年10年10年
メンテ
ナンス
定期メンテ
ナンスが必要
定期メンテ
ナンスが必要
故障時のみ故障時のみ故障時のみ
設置費用
目安
130~180万円40~80万円25~40万円25~40万円50~70万円
主な
メーカー
Panasonic
ENEOS
アイシン
三菱電機
Panasonic
コロナ
リンナイ
ノーリツ
パロマ
ノーリツ
コロナ
リンナイ
ノーリツ
それぞれのメリット・デメリットについては以下で解説します。

エネファームの特徴とメリット・デメリット

エネファームの大きな特徴は、「発電」と「給湯」という2つの機能を備えていることです。エネファームは、都市ガスやLPガスから取り出した水素と空気中の酸素を利用して発電し、発電時の熱を使ってお湯を沸かします。

作った電気は、照明やテレビなどに通常の電力として利用でき、お湯は床暖房や浴室暖房にも利用できるので、節電にも大きく貢献するでしょう。

メリット
・発電もできるので電気料金の節約につながる
・停電時でも発電が可能
・契約するガス会社によっては割引を受けられる

デメリット
・燃焼部分とお湯を貯めるタンクの設置スペースが必要になる
・設置費用が高額
・売電はできない

エコキュートの特徴とメリット・デメリット

エコキュートは、ガスではなく空気の熱を利用してお湯を沸かすシステムの給湯器です。ヒートポンプ式と呼ばれる技術を利用しており、電気だけのものよりもさらに効率的にお湯を沸かすことができます。夜間にお湯を沸かして貯めておき、日中にそのお湯を使う仕組みで、安い深夜電力を利用するため大きな節約効果があります。

メリット
・深夜電力を利用するため光熱費を抑えられる
・災害時でもタンクの水を利用できる
・オール電化にできる
・メーカーの取り扱いが豊富なので製品の選択肢が多い

デメリット
・お湯を沸かす部分とお湯を貯めるタンクの設置場所が必要
・ほかの省エネ給湯器と比べて設置にかかる費用が高額
・貯湯量に限りがありお湯切れになることがある

エコジョーズの特徴とメリット・デメリット

エコジョーズは、従来のガス給湯器よりも少ないガス量でお湯を沸かせる高効率の給湯器です。従来のガス給湯器では捨ててしまう熱を再利用することにより、効率的にお湯を沸かすシステムで、従来のガス給湯器を進化させた形と言えます。お湯を貯めずに必要な時に沸かすため、お湯切れの心配もなくタンクを設置する必要もありません。

メリット
・ほかの省エネ給湯器と比べて安い価格で交換できる
・お湯を貯めるタンクが不要でスペースを取らない
・必要な時にお湯を沸かすのでお湯切れの心配がない

デメリット
・ドレン配管の工事が必要
・ほかの省エネ給湯器と比べると節約効果は低い

エコフィールの特徴とメリット・デメリット

エコフィールは、排熱と石油で効率良くお湯を温めます。利用する燃料は灯油なので、ほかの燃料と比べて安く利用できるというメリットがあります。寒い地域で使われる傾向にあり、従来の石油給湯器と比べると燃焼時の騒音が少なく、灯油燃焼の臭いを軽減する工夫もされているため快適に利用できます。

メリット
・燃料代が安い
・お湯を貯めるタンクが不要でスペースを取らない

デメリット
・定期的に灯油を補給する必要がある
・ドレン配管の工事が必要
・灯油は原油価格の変動の影響を受けやすい

エコワンの特徴とメリット・デメリット

電気給湯器とガス給湯器を組み合わせたハイブリッド式給湯器であるエコワン。エコキュートとエコジョーズの組み合わせで、高い省エネ効果があることが特徴です。給湯機能だけでなく暖房機能もあるため、床暖房や浴室暖房乾燥機にも利用できます。

メリット
・ほかの省エネ給湯器よりも節約効果が高い
・お湯切れの心配がない
・家全体を暖められる

デメリット
・設置費用が高額になる
・お湯の利用が少ない家庭や安い都市ガスを利用している家庭は節約効果を得にくい

使える補助金や税金控除

省エネ給湯器を設置する際、自治体によっては条件を満たすことでお得なポイント制度や補助金、税金控除などを利用できます。

補助金

省エネ給湯器の設置について、国による補助金の制度は2010年に終了しています。しかし、現在でも自治体によっては補助金を出している所があるのです。

たとえば、東京都であれば「東京ゼロエミポイント」として、設置済みの給湯器などを省エネ性の高いものに買い替えた場合に、商品券などと交換できるポイントが付与されます。

大阪府泉大津市では、対象の給湯器を設置することで最大5万円の補助金を受け取れます。補助金の有無や対象製品などは自治体によって異なるため、購入前に自治体のホームページなどで確認するとよいでしょう。

省エネ改修の特別税額控除

省エネのための改修工事によってリフォームした場合、条件を満たせば「住宅特定改修特別税額控除」を適用して一定額を所得税から控除できる可能性があります。

この制度を適用するには、窓の改修や床などの断熱工事、太陽光発電装置の設置といった条件がありますが、それらとあわせて省エネ給湯器を設置する場合は対象となります。

このような工事をする予定であれば、同時に省エネ給湯器の設置も検討するとよいでしょう。ただし、適用できる期間が決まっているため、事前に確認して計画的にリフォームするようにしてください。

まとめ

省エネ給湯器について、種類やメリット・デメリット、利用できる補助金などをお伝えしました。少ないエネルギーで効率的にお湯を沸かせる省エネ給湯器は、環境にやさしく光熱費を削減できるなどのメリットがあります。省エネ給湯器を設置することで入居者へのアピールにつながり、空室対策になる可能性もあるでしょう。

しかし、機器の種類も多いためそれぞれの特徴を比較し、検討する必要があります。また、設置費用がかかるといったデメリットもあるため、補助金などを上手に活用するとよいでしょう。この記事を参考に、省エネ給湯器のメリット・デメリットを比較して最適なものを選び、賃貸経営に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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この記事の監修者

逆瀬川 勇造
逆瀬川 勇造

AFP/2級FP技能士/宅地建物取引士/相続管理士

明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。大学在学中に2級FP技能士資格を取得。大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。

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