管理会社は変更できる!?途中で変更する際の手順や注意点について知っておこう

2024.08.20更新

この記事の監修者

花 惠理
花 惠理

宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士/2級FP技能士

管理会社は変更できる!?途中で変更する際の手順や注意点について知っておこう

管理会社の変更を考えている大家さんに向け、役割や契約方法を確認しながら、変更する際の手順や注意点をご紹介していきます。

賃貸経営を行う上で管理会社との連携はとても大切。
やり取りがうまくいかない場合は、変更を検討してみてはいかがでしょう?

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※ページ下部の「賃貸経営一括相談および土地活用プラン一括請求サービスの注意点」をご確認いただいたうえ、ご利用ください。

目次

大家さんだけでは解決できない問題

賃貸経営に関する業務は多岐にわたります。大家さんが賃貸経営を行っていく中で、入居者とのトラブルや建物や設備のトラブル、空室対策など、大家さんだけでは解決できない問題が起こってしまうこともあります。

そんな時に、賃貸管理のプロである管理会社の協力が必要となります。管理会社は管理の委託を行うだけではなく、トラブル解決や対処法の提案をするなどの役割も果たしているといえます

管理会社の変更を考えるきっかけとは

できれば管理会社とは、長く付き合いたいと考えている大家さんが多いのではないでしょうか。しかし、さまざまな事柄から管理会社の変更を考える機会があるのです。いくつか、管理会社の変更を考えるきっかけをご紹介します。

まずは、担当者の連絡漏れや対応の遅さといった担当者とのコミュニケーション不足から、不信感へとつながることがあります。また、管理会社に空室対策を依頼している大家さんは、空室がなかなか埋まらない場合に管理会社の変更を考えるきっかけになり得るでしょう。

管理会社変更を検討するきっかけをまとめると、担当者・管理会社への不信感だといえますね。

大家さんと管理会社の関係性を知ろう

大家さんと管理会社の関係は、大家さんが所有している物件の管理業務を、管理会社に委託している関係性です。管理会社が行う業務は、大家さんとの委託契約の内容によります。

たとえば、建物に関する業務のみを委託している場合、大家さんは建物以外の業務(家賃回収や滞納督促など)を自分で行うことになります。

大家さんと管理会社の契約方法

大家さんと管理会社が結ぶ管理委託契約にはさまざまな種類があります。一般的な管理委託契約は、管理会社が代行して賃貸管理業務を行う内容の契約です。管理会社はあくまで管理業務を代行しているだけなので、賃貸借契約は大家さんが貸主として借主である入居者と締結します。

管理会社が代行する業務は上述したように、管理委託契約の内容によって異なりますので、大家さんは管理会社の業務内容をきちんと把握しておくことが大切です

そのほか、管理会社が一括借り上げをして転貸借をするサブリース契約というものがあります。サブリース契約とは、管理会社が大家さんの賃貸物件を一括で借り上げて、入居者に転貸をするという仕組みのことです。

従って、サブリースを行う管理会社が貸主となり、借主である入居者と賃貸借契約を結ぶことになります。一括で借り上げるため、空室であっても、家賃が保証されるという特徴があります

管理会社の種類

管理会社の種類を大きく分けると、大手の会社と地域密着型の会社という2つの種類になります。それぞれの特徴は以下のとおりです。なお、大手の会社・地域密着型の会社のどちらにも言えることなのですが、会社によって業務内容や特徴が異なります。大切な所有物件を委託するので、管理会社の見極めがとても大切です

大手の管理会社

大手の会社ではエリアごとに支店があり、多くの管理戸数を抱えています。その実績の多さから管理業務のノウハウが確立されていると考えられるでしょう

ただし、ハウスメーカー系の会社では自社施工物件のみを管理している場合があります。自社で施工した建物の特徴や設備などを把握しているので、建物・設備管理が得意だという一面があります。

地域密着型の管理会社

地域密着型の会社は少人数の会社であることが多く、その地域の業者と横のつながりが強いことで優先的に管理物件を紹介してもらえたり、「〇〇会社が新しく事業所を××に立てるらしく、社宅依頼が△月あたりにある」など地域の情報力が強かったりすることが利点といえるでしょう

上記の例で言えば、管理物件を優先的に紹介してもらえるということは大家さんの物件が管理会社とつながりのある他社でも紹介されやすく、社宅依頼があるかもしれません。

社宅依頼があるということは、入居の需要が高まるという情報をいち早く入手することができるので、空室を埋めるチャンスになり得るといえるのではないでしょうか。

そのほか、「この地域は△社の社宅依頼が多いが、社宅規定の中にm2規制があるので〇m2以下になるよう新築した方が客付けを期待できる」などと地域密着を生かした提案をしてもらえたり、きめ細かなサービスを提供してもらえたりすることがあります

管理会社と仲介会社の違いも知っておこう

管理会社と仲介会社の違いについてはご存じでしょうか。管理会社とは、上述したように、「大家さんから委託された賃貸物件の管理業務を行う会社」のことです。一方、仲介会社とは「大家さん(貸主)と入居者(借主)の間に入って契約を結ぶ会社」のことです。

従って、仲介会社は空室時に入居者の募集活動を行ったり、客付けの際に仲介として契約を締結したりする業務を行います。

しかし、管理会社と仲介会社を兼ねている会社が多くありますので、違いがわかりにくいかもしれません。両者の役割をしっかりと理解しておくことで、各会社の業務内容を把握しやすくなるでしょう

【結論】管理会社の途中変更は可能!

結論から申し上げると、管理会社を途中で変更することは可能です。ここでは、管理会社を途中で変更した場合のメリットについて解説していきます。管理会社の変更をするメリットの1つは、以前の管理会社で抱えていた不満が解消されることです

たとえば、管理手数料を抑えることができたり、以前の管理会社よりも対応が早く連絡を密にしてもらえるなど、管理業務の質が上がったりすることなどが考えられます。

そのほか、客付け力の高い管理会社に変更することで空室率が改善されたり、入居者のニーズに合ったリフォーム提案をしてもらえたりするなどのメリットも挙げられます。管理会社を変更したいと思うのは、何か理由があるはずです。

管理会社を変更する場合は、他の新しい管理会社に望むことを明確にしておくことが大切だといえるでしょう

管理会社の変更を行う手順

実際に管理会社を変更する場合、どのような手順を踏めば良いのでしょうか。ここでは、管理会社変更の流れについて解説いたします。

1.現在の管理会社と結んでいる管理委託契約書の内容を確認する

まずは、現在の管理会社と締結している「管理委託契約書」の内容を確認しましょう。もし、解約予告が設定されていて、大家さんからの解約予告が3カ月となっている場合は、すぐに管理移管はできません。そのほか、契約内容と現在の状況を照らし合わせて確認することをおすすめします。

2.管理会社を変更する目的を明確にして管理の移管先を探す

管理会社の変更を検討しているということは、新しい管理会社に望むことがあるはずです。管理会社を変更する目的を明確にして管理の移管先を探しましょう。そして、新しい管理会社を探す際は、必ず複数社から話を聞いたり資料を取り寄せて調べたりして検討することをおすすめします。

3.現在の管理会社に解約通知をする

新しい管理会社のめどが立ったら、現在の管理会社に解約する旨を伝えましょう。解約の手続き方法については、管理委託契約の内容や現在の管理会社の方法に従いましょう。

4.新しい管理会社と管理委託契約締結・新旧管理会社の引継ぎ

現在の管理会社との管理委託契約の解約通知後、新しい管理会社と管理委託契約を締結します。その後、現在の管理会社が預かっている敷金や賃貸借契約に関する書類など、新旧管理会社で引継ぎが行われます。

管理会社変更による注意点

ここでは、管理会社変更による注意点について解説します。管理会社変更を検討している大家さんは、ぜひ参考にしてみてください。

1.入居者への通知と振込口座の変更

管理会社を変更することが決まった場合、その旨を入居者へ通知します。家賃回収業務を新しい管理会社が行う場合は、新しい振込口座を通知したり、新たに引き落としの手続きを行ったりする必要があります。

通知の仕方によってはクレームにつながったり、口座変更の手続きがうまくいかずに滞納となってしまったりすることがありますので、注意しましょう

2.保証会社の契約が終了になる

保証会社を利用している場合、保証会社によっては管理会社が変更になると契約が終了してしまうものがあります。この場合、何もせずにいると「保証会社なし・連帯保証人なし」という状況になってしまう入居者がいるかもしれません。滞納リスクに備えるため、新しい管理会社と対処法を考えておく必要があります

3.引き継ぎがスムーズにいかないことも

新旧の管理会社は、それぞれまったく別の会社であることがほとんどでしょう。そのため、両者の引き継ぎ業務がスムーズにいかないことがあるので注意が必要です。不安に思う場合は、引き継ぎ状況を定期的に確認すると良いでしょう。

変更する前に確認しておくべきこと

管理会社を変更することはメリットだけではありません。上記のように管理移管には数カ月単位の時間がかかるうえ、解約手続きや新しい管理会社との管理委託契約の締結など大家さんが行うことも多くあります。そのため、管理会社を変更する前に、現状で対応する方法がないか改めて確認してみましょう。

管理会社の担当者に不信感がある場合は担当者を変更してもらう、空室の客付けがうまくいかない場合は仲介業務のみを他社にお願いするなどの対処法が考えられます。

ただし、他社に仲介業務を依頼する場合は、大家さんが現在の管理会社と結んでいる管理委託契約・媒介契約の内容に違反していないかの確認が必要です

最適な管理会社を見つけるには?

最適な管理会社を見つけるためには、まず大家さん自身が「管理会社に求めていること」を明確にすることが大切です。管理会社によって、行っている管理業務や提案方法、強みなどが異なります。管理会社に求めていることが明確でないと、「前の管理会社の方が良かったかもしれない」ということになりかねません。

また、新しい管理会社を検討するときは複数社を比較するようにしましょう

変更時のトラブル回避策

変更時にあるトラブルとして、新旧管理会社の引き継ぎがうまくいかないことが挙げられます。このようなトラブルを回避するために、管理会社に丸投げするのではなく大家さん自身も契約変更の進捗状況を定期的に把握しておきましょう。また、退去業務・入居者募集業務など、引き継ぎ期間中の業務を新旧の管理会社どちらが行うのかきちんと決めておくと良いでしょう。

まとめ

管理会社は管理委託契約の途中でも、契約内容を確認した上で変更することは可能です。現在の管理会社と締結している管理委託契約の内容を十分に確認し、変更する場合は新旧それぞれの管理会社とやり取りを行いましょう。

また、管理会社の変更を検討する前に、現在の管理会社のままで、対処法を考えたり、新しい管理会社に望むことを明確にしたりすることが大切です。管理会社の変更を考えている大家さんは、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

賃貸経営を行う上で管理会社との連携はとても大切。
やり取りがうまくいかない場合は、変更を検討してみてはいかがでしょう?

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この記事の監修者

花 惠理
花 惠理

宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士/2級FP技能士

大学卒業後、不動産会社や住宅メーカーの不動産部に勤務し、不動産賃貸・売買契約の他、社宅代行、宅地造成などの業務に携わる。現在は、不動産や金融関係の執筆をするWebライターとして大手メディアなどに多数寄稿。初心者にもわかりやすい言葉で解説している。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
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