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目次
壁紙が汚れたり傷んだりする原因
室内の壁紙は、経年劣化のほか、入居者の生活状況によって汚れや傷みが進行します。では、具体的にはどのようなことが原因になるのでしょうか。
手で壁を触ることを繰り返すうちに、手あかによる汚れが目立つようになります。喫煙する人が住む室内では、ヤニが原因で壁紙が汚れます。
キッチンを頻繁に使用する入居者であれば、揚げ物で生じる油はねや、洗いものをする際の水しぶきなどで、壁紙の汚れが進行します。
結露などが原因でカビが発生し、壁紙を傷めます。表面にはカビが目立たなくても、壁紙の裏側にカビが発生している場合もあります。
窓からの日光があたる場所では、紫外線による壁紙の退色がみられます。
壁紙リフォームのタイミング
壁紙の状態は、入居者の退去時には必ずチェックしておきたいものですが、一般的に、壁紙は5~10年で寿命を迎えると言われているため、この時期を目安にリフォームすることをおすすめします。入居者を募集している物件の壁紙が汚れたり、色褪せたりしていると、内見者の印象が悪くなりますので、汚れた壁紙をリフォームして室内を新しく、手入れが行き届いている印象に変えたほうがいいでしょう。
壁紙リフォームの流れ
壁紙のリフォームをするには、既存の壁紙を剥がすなどの作業を含め、施工期間は1部屋であれば1日程度ですが、傷みがひどく下地の補修が必要な場合は、2日必要になることもあります。リフォームのおおまかな流れは以下の通りです。
養生シートで保護して汚れがつかないようにします。
汚れたり傷んだりした壁紙を剥がします。
必要があれば下地の補修を行います。下地の補修が必要な場合、壁紙リフォームの工事期間全体が1日ほど伸びることがあります。
新しい壁紙を、下地との間に空気などが入らないよう丁寧に張り付けます。
壁紙リフォーム前に検討しておくべきこと
では、実際に壁紙をリフォームする場合には、どのようなことを検討しておけばいいのでしょうか。「失敗した」「やらなければよかった」という結果に終わらないためにも、やみくもに壁紙リフォームに着手せず、下記項目をご検討ください。
リフォームに充てられる費用
壁紙リフォームのために支出することができる予算はどのくらいでしょうか。
アパート全体の修繕計画と、修繕費用の配分について考えておきましょう。また、空室対策、家賃アップなど期待収益を意識し、今回行う壁紙リフォームの費用を回収するのにどれくらいの期間が必要なのかを計算しましょう。資金繰り全体を考え、無理のない計画を立ててください。
アパート全体の修繕計画と、修繕費用の配分について考えておきましょう。また、空室対策、家賃アップなど期待収益を意識し、今回行う壁紙リフォームの費用を回収するのにどれくらいの期間が必要なのかを計算しましょう。資金繰り全体を考え、無理のない計画を立ててください。
6畳のワンルームだと費用はどのくらい?
6畳(9.72m2)のワンルームの壁紙を張り替える費用は、5~10万円のことが多いです。6畳の部屋は、壁がおよそ30m2であることが多く、天井は床面と同じ9.72m2の広さです。一般的な壁紙の費用は、1m2あたり1,000~1,200円と言われており、工事費用が2~3万円程度かかります。例えば、6畳のワンルーム10戸をリフォームするなら、50~100万円がかかることになります。
リフォームする箇所
壁紙リフォームは、部分的に行う方法もあります。壁や天井のすべてを張り替える場合に比べて、部分的な張り替えのほうが費用は抑えられますが、新しい壁紙と古い壁紙の違いが目立ってしまったり、電気のスイッチや窓枠の古さが際立ってしまったりする可能性があります。古い壁紙を使う部分ともなじみやすい壁紙を選ぶなど、工夫が必要です。
また、電気のスイッチや窓枠などを、壁紙リフォームとは別のタイミングで交換するのは二度手間となりますので、同時にリフォームすることも検討しましょう。
また、電気のスイッチや窓枠などを、壁紙リフォームとは別のタイミングで交換するのは二度手間となりますので、同時にリフォームすることも検討しましょう。
壁紙の種類
壁紙にはいくつか種類がありますので、それぞれの特徴を押さえ、壁紙リフォームの目的にあったものを選ぶことをおすすめします。まずは、壁紙の種類ごとに、特徴や費用などを見ていきましょう。
壁紙の種類についてそれぞれ下記で詳しく説明していきます。
壁紙 | 特徴 | 費用(1m2あたり) | おすすめの用途 |
---|---|---|---|
ビニール製 | ・デザインが豊富 ・価格が安い ・水や油汚れに強い | 1,000~1,600円 | リビング、キッチン、トイレなど |
紙製 | ・音を吸収する効果 ・通気性に優れる ・個性を演出 | 1,500~15,000円 | 寝室などの居室スペース |
織物 (布製) | ・高級感を演出 ・湿度調整効果 | 1,500~10,000円 | 寝室などの居室スペース |
木質系 | ・あたたかい印象 ・湿度調整効果 | 5,000円~ | 玄関や廊下の腰壁。アクセントクロスとして利用 |
漆喰・ 珪藻土 | ・防火性に優れる ・湿度調整効果 ・防臭効果 | 1,200~1,500円 | 和室の他、洋室で個性を出したい場合 |
オレフィン壁紙 | ・汚れに強い ・掃除が簡単 | 1,300円~ | リビング、キッチン、トイレなど |
壁紙の種類についてそれぞれ下記で詳しく説明していきます。
ビニール製
多くの住宅で使われているのがビニール製の壁紙です。色やデザインのバリエーションが豊富で、価格が安いのが特徴です。
水を通さず、油汚れも簡単にふき取ることができるなど、生活空間の壁紙として優れた性質を持っており、水しぶきや油汚れが付きやすいキッチン回りでの使用に向いています。いっぽうで接着剤にホルムアルデヒドが使われるなど、健康面への影響が出る可能性もありますので、施工時には業者に確認するようにしましょう。
水を通さず、油汚れも簡単にふき取ることができるなど、生活空間の壁紙として優れた性質を持っており、水しぶきや油汚れが付きやすいキッチン回りでの使用に向いています。いっぽうで接着剤にホルムアルデヒドが使われるなど、健康面への影響が出る可能性もありますので、施工時には業者に確認するようにしましょう。
紙製
紙製の壁紙は、音を吸収する効果や、通気性に優れている点がメリットで、寝室などの居室スペースに適しています。上品さ、個性などを演出したい場合に向いている素材です。
時間が経つと紙が膨張・伸縮しますので、壁面が劣化した印象になることがあるほか、紙製は薄く施工に手間がかかるため、工事費用がかかる傾向があります。価格は壁紙のグレードによって大幅に違うため、事前に確認するとよいでしょう。
時間が経つと紙が膨張・伸縮しますので、壁面が劣化した印象になることがあるほか、紙製は薄く施工に手間がかかるため、工事費用がかかる傾向があります。価格は壁紙のグレードによって大幅に違うため、事前に確認するとよいでしょう。
織物(布製)
ホテルや結婚式場などでも使われることがある織物の壁紙は、高級感があふれる室内を演出することができます。通気性に優れているとともに、室内の湿度調整もできるのが特徴的で、リビングや寝室などで使われることが多いです。いっぽうで汚れを落としにくかったり、繊維が伸縮するために施工が難しく施工費用が高額になってしまったりなど、デメリットもあります。
木質系
木の持つ温かみを楽しむことができる木質系の壁紙は、壁一面に木質系の壁紙を使う方法だけでなく、アクセントクロスとして部分的に使われることも多いです。自然素材のため、調湿効果があると言われています。なお、費用は他の壁紙に比べて高額になります。
漆喰・珪藻土
不燃性の紙の上に、漆喰や珪藻土などを塗りつけた漆喰クロス、珪藻土クロスがあります。室内の湿度調整や消臭効果が期待できるため、居室スペースに利用されることが多いです。ただし、この効果はメーカーによって異なるため、採用する際は業者に確認した方が良いでしょう。
オレフィン壁紙
ポリエチレンやポリプロピレンなどの合成樹脂を主原料とし、ビニール製の壁紙と近い性質を持っています。汚れが落としやすく、表面の強度が強いこと、キズがつきにくいことなどが特徴です。ビニール製の壁紙と比べて価格が高い点には注意が必要です。
壁紙のデザイン
壁紙の素材も大事ですが、色味や柄などのデザインも居室のイメージを変えるための大事な要素です。
たとえば、インパクトの強い色や柄の壁紙は、部屋全体に圧迫感を与えることがあるため、好みやイメージだけで選ぶと理由がわからぬまま空室が続く、なんてこともあるでしょう。いっぽうで、個性的な部屋を好む入居者がいることも事実です。どのような入居者をターゲットにするのかを明確にしたうえで、デザインを選ぶようにしましょう。
また、全体としては落ち着きのある色の壁紙を採用した上で、木目調やレンガ調の壁紙を1面だけ取り入れる、原色や大きな柄の壁紙を部分的に取り入れる、ウォールステッカーで変化をつけるなど、お部屋にコンセプトを設定し、デザインを意識してみるのも良いでしょう。
たとえば、インパクトの強い色や柄の壁紙は、部屋全体に圧迫感を与えることがあるため、好みやイメージだけで選ぶと理由がわからぬまま空室が続く、なんてこともあるでしょう。いっぽうで、個性的な部屋を好む入居者がいることも事実です。どのような入居者をターゲットにするのかを明確にしたうえで、デザインを選ぶようにしましょう。
また、全体としては落ち着きのある色の壁紙を採用した上で、木目調やレンガ調の壁紙を1面だけ取り入れる、原色や大きな柄の壁紙を部分的に取り入れる、ウォールステッカーで変化をつけるなど、お部屋にコンセプトを設定し、デザインを意識してみるのも良いでしょう。
まとめ
壁紙リフォームはやみくもに取り掛かるのではなく、事前に入居者ターゲットを明確にし、ライフスタイルや好みに合う壁紙、デザインなどを考慮して行うことが大切です。そうすることで、室内の美観を保つだけでなく空室対策にも繋がり、家賃アップも期待ができます。賃貸経営における壁紙リフォームは費用対効果をしっかりと意識し、計画を立てて取り組みましょう。
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この記事の監修者
河野 陽炎
3級FP技能士
3級FP技能士資格を持つライター、コラムニストとして、生命保険や医療保険、金融、経済などの執筆実績が多い。次々と発売される商品や、改正の相次ぐ税制、法律が1人の生活者にどう影響を与えるかの視点を大切にする。