目次
人は思っている以上に色に影響されやすい?
普段何気なく過ごしているようでも、色は人の心理に様々な影響を与えています。
例えば、赤やオレンジ、黄色など暖色系と言われる色は人にポジティブな印象を与え、一方で青や緑、紫など寒色系と言われる色は人に落ち着いた印象を与えることができます。
建物にこれら色の心理的要素を与えたいのであれば、例えばリビングや玄関などは暖色系の色を取り入れることでポジティブな印象を与え、寝室などリラックスしたい部屋では寒色系の色を取り入れるといった工夫が考えられます。
例えば、赤やオレンジ、黄色など暖色系と言われる色は人にポジティブな印象を与え、一方で青や緑、紫など寒色系と言われる色は人に落ち着いた印象を与えることができます。
建物にこれら色の心理的要素を与えたいのであれば、例えばリビングや玄関などは暖色系の色を取り入れることでポジティブな印象を与え、寝室などリラックスしたい部屋では寒色系の色を取り入れるといった工夫が考えられます。
建物の印象は外壁の色で変わる
また、外壁の色を変えることで建物全体の印象を変えることもできます。
重厚感を与える色
例えば、外壁に黒に近い暗めの色を採用することで重厚感のあるイメージやスタイリッシュなイメージを与えることができます。
ただ、こうした暗めな色は建物全体をやや小さく見せる効果があるため、建物を大きく見せたい時には向きません。
ただ、こうした暗めな色は建物全体をやや小さく見せる効果があるため、建物を大きく見せたい時には向きません。
建物を広くて大きいものに見せる色
外観がこぢんまりと感じられる建物を、できるだけ大きく見せることでイメージを変えたいと思っている場合は、白に近い明るい色を使うことで、大きく見せる効果を与えることができます。
さらに、1階部分に暗い色、2階部分に明るい色を採用したツートンカラーの外壁は明るい色の単色より大きく広く見せる効果を得ることができます。
さらに、1階部分に暗い色、2階部分に明るい色を採用したツートンカラーの外壁は明るい色の単色より大きく広く見せる効果を得ることができます。
建物の印象を変える色別の特徴
ここでは、外壁に使われる代表的な色について、色が人に与える心理的影響をお伝えしていきます。
ベージュ系
ベージュ系の色は外壁によく使われる色で、明るい印象を与えるのに加え、どんな建物にもマッチしやすい無難さが魅力です。
白と似たような清潔な印象を与えますが、白と比べると汚れが目立ちにくいという点も人気の理由です。
白と似たような清潔な印象を与えますが、白と比べると汚れが目立ちにくいという点も人気の理由です。
グレー系
グレー系の色はベージュ系の色と同じく、無難さが魅力ですが、こちらは黒と似たようなスタイリッシュな印象を与えます。
ベージュ系と同じくどんな家にもマッチしやすく、またベージュ系以上に汚れが目立ちにくくなっています。
ベージュ系と同じくどんな家にもマッチしやすく、またベージュ系以上に汚れが目立ちにくくなっています。
茶系
茶系の色もベージュ系やグレー系に負けず劣らず人気があります。
茶色は土や木などのイメージから自然を感じさせる、落ち着いた印象を与える色で、汚れが目立たない点もポイントです。
茶系を選ぶ時の注意点としては、「茶色」を思い浮かべて選んだものの、実際に施工された外壁を見ると「思ったより暗かった」、「思ったより茶色じゃなかった」と感じることが少なくないということです。
茶系を選ぶ時は、実際にその外壁を採用した建物の外観を写真等で見せてもらうと失敗が少なくなるでしょう。
茶色は土や木などのイメージから自然を感じさせる、落ち着いた印象を与える色で、汚れが目立たない点もポイントです。
茶系を選ぶ時の注意点としては、「茶色」を思い浮かべて選んだものの、実際に施工された外壁を見ると「思ったより暗かった」、「思ったより茶色じゃなかった」と感じることが少なくないということです。
茶系を選ぶ時は、実際にその外壁を採用した建物の外観を写真等で見せてもらうと失敗が少なくなるでしょう。
白
白も人気の色で、清潔さやスタイリッシュなイメージを与えるとともに、建物を大きく見せる効果が期待できます。
難点は汚れが目立ちやすい点で、コケやカビが生えやすい湿気の多い場所にある建物には向きません。
難点は汚れが目立ちやすい点で、コケやカビが生えやすい湿気の多い場所にある建物には向きません。
緑や青、赤など
その他、緑や青、赤やそれと類似した色を外壁に塗装することもあります。
緑系の色は自然の色でリラックス効果を与えられる他、青系の色は爽やかさを感じさせることができるでしょう。
また、赤系の色には情熱的で元気なイメージを与えることができます。一方で、赤は「攻撃的」な印象を与えるため、原色の赤単色の外壁等は場合によっては刺激が強く、周りの景観に合わないことなどを理由に近所からクレームがくる可能性もあります。
色味を抑えたピンク系の色であれば単色でも柔らかい印象を与えることができるでしょう。
緑系の色は自然の色でリラックス効果を与えられる他、青系の色は爽やかさを感じさせることができるでしょう。
また、赤系の色には情熱的で元気なイメージを与えることができます。一方で、赤は「攻撃的」な印象を与えるため、原色の赤単色の外壁等は場合によっては刺激が強く、周りの景観に合わないことなどを理由に近所からクレームがくる可能性もあります。
色味を抑えたピンク系の色であれば単色でも柔らかい印象を与えることができるでしょう。
色の組み合わせでさらに印象は変わる
人気のある色を中心にお伝えしてきましたが、外壁の色は単色ではなく、2色や3色等組み合わせて使うのもよいでしょう。
グレーとベージュ、白と黒(モノトーン)の組み合わせでスタイリッシュな印象を与えたり、1階部分に濃いめの茶色、2階部分に明るめの茶色を採用したりといった組み合わせはよく見られるのではないでしょうか。
やや奇抜に感じられることもありますが、ベランダ部分に赤を採用することでおしゃれな印象を与えるといったことも可能です。
グレーとベージュ、白と黒(モノトーン)の組み合わせでスタイリッシュな印象を与えたり、1階部分に濃いめの茶色、2階部分に明るめの茶色を採用したりといった組み合わせはよく見られるのではないでしょうか。
やや奇抜に感じられることもありますが、ベランダ部分に赤を採用することでおしゃれな印象を与えるといったことも可能です。
外壁の色選びで気をつけたいこと
色が人に与える心理的影響などをお伝えしてきましたが、ここでは、実際に色を選ぶ時に注意しておきたいことをご紹介します。
使用する色の数に気をつける
外壁にどれだけの色を使っても自由ではあるのですが、あまり多くの色を使ってしまうと、ごちゃごちゃした印象を与えてしまいます。
デザインの世界では、「ベースカラー70:メインカラー25:アクセントカラー5」の割合で配色することでバランスが取れるとされているように、基本は3色までで、割合もおおよそ上記の配分程度になるよう工夫するとよいでしょう。
なお、この配色の割合はお部屋の中の色選びにも役立ちますので覚えておくとよいでしょう。
デザインの世界では、「ベースカラー70:メインカラー25:アクセントカラー5」の割合で配色することでバランスが取れるとされているように、基本は3色までで、割合もおおよそ上記の配分程度になるよう工夫するとよいでしょう。
なお、この配色の割合はお部屋の中の色選びにも役立ちますので覚えておくとよいでしょう。
景観ガイドラインに気をつける
自治体によっては景観ガイドラインが作られており、建築物の形態や色彩が規制されていることがあります。
例えば、東京都の景観ガイドラインでは以下のように書かれています。
以下、東京都の景観ガイドラインより引用。
業者に依頼するのであれば景観ガイドラインに則った提案をしてくれるのが普通ですが、念のため確認しておくとよいでしょう。
例えば、東京都の景観ガイドラインでは以下のように書かれています。
以下、東京都の景観ガイドラインより引用。
①原色に近い高彩度の色彩は避け、空や樹木の緑、土や石などの自然の色と馴染みやすい、暖色系で低彩度の色彩を基本とする。
②水辺を生かした景観形成を図る地域や庭園周辺等の緑が景観の構成要素として重要な地域では、地域の景観特性を踏まえた基準を定め、色彩の誘導を図る。
③地区計画や面的開発の区域などを対象に、一定の広がりの中で地域特性を踏まえた色彩基準が定められ、良好な景観形成が図られる場合や石材などの地域固有の自然素材を使用する場合については、これを尊重する。
業者に依頼するのであれば景観ガイドラインに則った提案をしてくれるのが普通ですが、念のため確認しておくとよいでしょう。
なお、景観ガイドラインに触れない場合や、そもそも景観ガイドラインがないエリアでも、あまりに奇抜な色やデザインにして周辺の景観を乱すと、ご近所トラブルなどに発展する可能性もあります。
そのような計画がある場合、事前にご近所の方に意見を聞いておくとよいでしょう。
そのような計画がある場合、事前にご近所の方に意見を聞いておくとよいでしょう。
機能性も考慮して色を選びましょう
塗料は色だけでなく、素材や商品によって防汚性や防水性、遮熱性などの機能を持つものもあります。
白などコケが生えた時に目立ちやすい色を選ぶ時は防水性の高い外壁を、黒など汚れが目立ち、熱を集めやすい色を選ぶ時は防汚性や遮熱性の高い外壁を選ぶなど工夫が必要です。
白などコケが生えた時に目立ちやすい色を選ぶ時は防水性の高い外壁を、黒など汚れが目立ち、熱を集めやすい色を選ぶ時は防汚性や遮熱性の高い外壁を選ぶなど工夫が必要です。
色の提案してくれる業者を選ぼう
賃貸経営において、保有物件の外壁塗装となると、とかくコスト意識が優先して「できるだけコストパフォーマンスのよい」塗料を選びがちですが、色が人に与える心理的影響を押さえた選択をすると、賃貸経営の最大のポイントである空室対策につなげることもできます。
塗装業者に依頼をする際は、コストパフォーマンスのよさは前提として、色のこうした特性やそれに応じた外壁の性能を踏まえた提案をしてくれる業者を選ぶとよいでしょう。
塗装業者に依頼をする際は、コストパフォーマンスのよさは前提として、色のこうした特性やそれに応じた外壁の性能を踏まえた提案をしてくれる業者を選ぶとよいでしょう。
まとめ
外壁塗装における「色」について、色が人に与える心理的影響や、代表的な色の特徴や注意点、実際に色選びする際の注意点などをお伝えしました。投資的観点からすると、コストを意識した塗料選びをすることは大切なことですが、そのことを前提として、さらに入居者の心を掴む色選びができれば、トータルで考えるとよりよいコストパフォーマンスを発揮できると言えます。自分でもそのような色選びを意識するとともに、専門家の視点から色の提案までしてくれる業者選びをしましょう。
外壁塗装の色選びは業者と相談することが大切。
一括見積で外壁塗装の費用を確認しながら、業者選びをしてみませんか?
この記事の監修者
逆瀬川 勇造
AFP/2級FP技能士/宅地建物取引士/相続管理士
明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。大学在学中に2級FP技能士資格を取得。大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。