雨漏りは入居者の生活に支障が出ることも…
管理会社に相談しながらベストな方法で修繕を行いましょう!
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※ページ下部の「賃貸経営一括相談および土地活用プラン一括請求サービスの注意点」をご確認いただいたうえ、ご利用ください。
目次
雨漏りの放置はNG!大家さんの修繕義務
雨漏りが起こった場合、大家さんに修繕義務が生じます。民法第606条(賃貸人による修繕等)には次のような規定があります。
賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない。
雨漏りは自然現象が原因となるもので、賃借人に責められるような理由はないため、大家さんが修繕しなければならないものです。雨漏りを放置しておくと入居者の生活に支障が出るばかりでなく、建物にも影響を与えます。耐久性が低下し、資産価値を大きく減少させることにもなりかねません。
また、大家さんが雨漏りを放置して修繕しない場合には、入居者から家賃減額請求や契約解除ができると、民法第611条(賃借物の一部滅失等による賃料の減額等)に定められています。さらに、修繕義務違反による損害については賠償請求の対象となりますので、雨漏りは絶対に放置してはいけないのです。
雨漏りが発生したら、どんな対応をしたらいいか
大家さんがやるべきこと
被害状況により緊急で対応する場合もありますが、夜間などであればとりあえずバケツに雨水を溜めておき、翌日に工事業者を手配するなど、管理会社には臨機応変に対応してもらう必要があります。
火災保険を適用できるかできないかにかかわらず、まず「事故報告」をする必要もあるため、復旧工事の見積もりや損害額を確定する準備もしなければなりません。これらを管理会社と相談しながら的確に進めるようにします。
入居者にやってもらうこと
家具や家電など高額なものでも、購入時から年数が経っている場合は償却年数の適用により補償金額が低減されます。入居者にはていねいなお見舞いの言葉を伝えるとともに、火災保険を適用するか、また大家さんの施設賠償責任保険を適用するかについての話し合いに参加してもらいましょう。
雨漏りを事前に防ぐためのポイント
とくに以前被害にあったことがある場合は、同じ部分から雨漏りすることも考えられます。台風以外にも、雨を伴った突風や横殴りの雨などが軒天井から小屋裏に吹き込んでくるケースもあります。軒天井に穴や浮きなどがあれば、あらかじめ修繕しなければなりません。
雨漏りの応急処置方法
これらの原因としては雨以外に、天井や上階の給水管・給湯管・排水管からの水漏れなどがあります。積雪地で中央に樋がある特殊な屋根形状の場合、屋根排水からの水漏れも起こりえます。給水管や給湯管、排水管からの水漏れであれば、元栓を閉めて止めましょう。
その後、天井裏に溜まった水の処理方法を検討します。天井裏に大量の水が溜まって天井のボードが膨らんでいる場合は、重みにより天井部材が落下する恐れもありますので、小さな穴をあけて水を抜く必要があるでしょう。
雨漏りか配管関係からの水漏れかを確認するには、天井の一部を解体する必要があります。また、ある程度経験のある人でなければ原因の判断が難しいこともあり、素人が判断することは避けてください。
また、たとえば2階建てアパートの2階で大量の雨漏りや水漏れが起こると、1階にも影響が出てくるかもしれません。その場合、1階の入居者への注意喚起も必要になります。
雨漏りの修理費用相場と工事期間
雨漏りは火災保険の対象になる?
強い風で雨が吹き込んだ場合は、屋根の経年劣化と判断される場合もあるため、必ずしも火災保険が適用できると思い込まず、確認することが大切です。また、雨漏りとよく似た現象に積雪地で発生する「すが漏り」があります。すが漏りは火災保険が適用されないケースも多く、保険会社に確認が必要です。
よくある質問
- 入居者が放置して躯体にまで影響が出た場合の費用は誰負担になる?
- 雨漏りが生じているのを知りながら入居者が放置していて、影響が構造躯体にまで及んだ場合は、入居者に対し「善管注意義務違反」による賠償請求が可能です。
大家さん所有の建物に雨漏りがあることを入居者が知った場合は、速やかに大家さんや管理会社に知らせなければなりません。入居者には「善良なる管理者」として、大家さんと同様、建物の維持保全に関する注意義務があるためです。 - 入居者が勝手に修理していた場合の大家さんの対処は?
- 入居者が雨漏りを大家さんに知らせず、勝手に修理するケースもありえます。勝手に修理したといえども、雨漏りの対処は大家さんの「使用収益させる義務」に該当し、この修理費用は入居者が大家さんに請求できる「必要費」に該当します。
この定めは民法第608条(賃借人による費用の償還請求)に明記されています。したがって、入居者からの請求に対し、大家さんは修理費の支払いをしなければなりません。 - 築年数が10年以下の場合の雨漏りは契約不適合責任の対象になる?
- 新築工事を請け負った工事会社、あるいは売主として販売した不動産会社には「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく10年保証の義務があります。
工事会社または不動産会社は10年間の「契約不適合責任」を負わなければなりませんので、新築から10年以下の賃貸住宅で雨漏りがあった場合はこの対象になります。契約不適合責任について詳しくはこちらの記事を参照ください。 - 老朽化による雨漏りで修繕しても採算が取れそうにない場合。いっそのこと建て替えを検討したほうがいい?
- 雨漏りの修繕は、雨漏りする部分だけの工事では終わらず範囲が大きくなることもあります。工事範囲が広がると費用もかさみ、修繕費を償却するまでには長期間がかかります。
修繕後の入居状況の見通しによっては、多額な修繕費を投入するよりも建て替えをするほうが収益性がよいケースもあるでしょう。管理会社とも相談し、建て替えも視野に検討することが重要です。
まとめ
また、自然現象が原因の場合は火災保険の適用が可能ですが、適用されないケースもあるので注意が必要です。築古物件の場合は、雨漏りが起きそうな部分がないか事前に点検することも重要ですので、定期的にメンテナンスを行う計画を立てておくとよいでしょう。
雨漏りは入居者の生活に支障が出ることも…
管理会社に相談しながらベストな方法で修繕を行いましょう!
賃貸経営のお悩みはプロに相談!
プラン提案を受けてみませんか?
70社以上の有力管理会社が大家さんのお悩み解決をサポート
※ページ下部の「賃貸経営一括相談および土地活用プラン一括請求サービスの注意点」をご確認いただいたうえ、ご利用ください。
この記事の監修者
宅地建物取引士/一級建築士
宅建取引士・一級建築士として住宅の仕事に関り30年。住宅の設計から新築工事・リフォームそして売買まで、あらゆる分野での経験を活かし、現在は住まいのコンサルタントとして活動中。さまざまな情報が多い不動産業界で正しい情報発信に努めている。