故障してから交換で大丈夫?賃貸に長く住んでもらうための設備保全

2024.02.20更新

この記事の監修者

キムラ ミキ

キムラ ミキ

【資格】AFP/社会福祉士/宅地建物取引士/金融広報アドバイザー

故障してから交換で大丈夫?賃貸に長く住んでもらうための設備保全

確保した入居者に長く住んでほしい大家さんに、とくに設備保全の視点から、長期入居につなげるために考えたい点をご説明します。

入居者に長く住んでもらうために、
設備保全を見直しましょう!

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目次

賃貸物件の室内設備交換は故障してからでは遅い!

大家さんの中には、室内設備について、入居者から故障の連絡を受けて修理、交換をしているという方もいるかもしれません。しかし、たとえば、お風呂の給湯設備が故障したと入居者から連絡を受けて、迅速に対応したとしても、実際に修理または交換の工事に入るまでには日数を要します。

入居者としては、その間、入浴施設の利用をするなどの負担を強いられます。仮に、その費用負担を大家さんが行ったとしても、好きな時間に入浴ができない不便が生じる点には変わりがありません。つまり、故障してから対応しても遅いわけです

そのような事柄が発端となって、入居者が不満を募らせた結果、退去につながってしまうとしたら、あまりにももったいないと思いませんか?そのような事態を回避するため、日ごろから入居者に不便が生じないように大家さんとして配慮をする姿勢が重要であると留意しておきましょう

入居者が退去するのは物件の不満から?

退去理由についての調査はさまざまな団体によって行われています。その調査に目を通してみると、入居者が退去をする理由にはさまざまなものがあります。

そのなかでも、就職や転職、退職などの仕事に関するもののほか、結婚、出産、マイホーム購入などといったライフスタイルの変化のため引っ越しするという理由は、大家さんがいくら工夫や努力を重ねても避けられるものではありません。

大家さんが注目すべき、退去理由は「物件に不満があった」というものです。調査によって、その表記、割合はさまざまですが「物件に不満があった」という理由で退去をしている方は、どの調査においても、一定数存在します。「好条件の物件を見つけたから」という理由も「物件に不満があった」という理由の裏返しでもあります。

「入居者の不満」への対応を誤ると退去につながることも…

「物件に不満があった」という理由の詳細をみてみると、設備、近隣住民、騒音といったものが原因で、退去にいたった入居者が存在します。

家賃などの条件に折り合いをつけて、入居を決めたものの、設備の老朽化のため使い勝手が悪かったり、近隣住民とのトラブルが生じたり、騒音が発生したり、ということは実際に住んでみなければわかりません。

本来、落ち着くスペースである自宅なはずなのに、設備、近隣住民、騒音のせいで、落ち着かないスペースとなってしまえば、転居を考えるというのは自然な流れであると思います。

とはいえ、転居をするためには、新たに初期費用がかかります。初期費用も小さな金額ではありませんので、小さな不満があるからといって転居をしたいと考える入居者は稀でしょう。

しかし、その初期費用の負担もいとわず、転居をしたいと思う方の原動力はよっぽどの事情です。最初の不満は些細なことかもしれませんが、その対応を誤ると、入居者の不満は増大し、退去にいたってしまう可能性もあると大家さんは心に留めておく必要があるでしょう

設備交換は耐用年数を参考に行いましょう

入居者の些細な不満の芽を摘むために、大家さんとして事前にできることはたくさんあります。事前にできることの一例として、設備保全があります。

設備とひと口にいっても、キッチンや浴室、トイレなどの水回り設備だけでなく、床や壁、エアコンなどさまざまなものがあります。それぞれ、どれくらいの時期に交換すれば、入居者に不便を生じさせないのか、ご説明いたします。

キッチンの設備

キッチンの設備は、ガスコンロやIHクッキングヒーター、レンジフード、水栓、シンク、排水管などがあります。減価償却資産の耐用年数をみると、電気設備(蓄電池電源設備除く)、給排水、ガス設備は15年となっています。実際の耐用年数は利用頻度にもよりますが、10~20年と考えておけばよいでしょう

15年ごとにキッチンの設備を交換すると計画しておき、退去時に状況をチェックしたり、入居者アンケートなどでヒアリングを行ったりして、下記のような不具合がみられるときは早めに修理、交換するように努めましょう。

ガスコンロ

・火がつかなかったり、すぐに火が消えてしまったりする
・変な音がする
・火力調整ができない など

IHクッキングヒーター

・電源が入らない、または電源が入るが温まらない
・変な音がする
・温度調整ができない など

レンジフード

・変な音がする
・ファンの回転が不規則になることがある など

水栓

・水漏れがある
・変な音がする
・水栓レバーの動きがスムーズでない など

シンクや天板

・くすみやサビが目立つ
・汚れが落ちにくい など

排水管

・流れが悪い
・臭気があがってくる など

浴室およびトイレの設備

賃貸物件の浴室はユニットバス(あらかじめ工場で天井、壁、床などを部分ごとに作ったものを、現場で組み立てて完成させる浴室)が一般的でしょう。賃貸物件によって、トイレ一体型のものやバストイレ別のもの、さまざまであると思います。

いずれにしても、減価償却資産の耐用年数をみると、電気設備(蓄電池電源設備除く)、給排水、ガス設備は15年となっています。キッチンと異なり、ライフスタイルによって利用頻度が著しく異なるとは考えづらいため、実際の耐用年数も、さほど変わりがないと考えられます。

15年ごとに浴室およびトイレの設備を交換すると計画しておき、退去時に状況をチェックしたり、入居者アンケートなどでヒアリングを行ったりして、下記のような不具合がみられるときは早めに修理、交換するように努めましょう。

浴室

・カビが目立つ、掃除をしてもカビが取れない
・ひびやサビが目立つ
・排水口の流れが悪かったり、水漏れしたりする

トイレ

・止水栓から水漏れがある
・トイレがたびたび詰まる
・水が流れない

その他の設備

減価償却資産の耐用年数をみると、電気設備(蓄電池電源設備除く)、給排水、ガス設備に当てはまらないその他の設備(家具、電気機器、ガス機器、家庭用品)は、ものにもよりますが、5~10年程度となっています。

項目ごとに5~10年ごとに交換すると計画しておき、退去時に状況をチェックしたり、入居者アンケートなどでヒアリングを行ったりして、不具合がみられるときは早めに修理、交換するように努めましょう。

長期入居のためには入居者の不満を取り除くことが大事!

この記事で繰り返しご説明していますが、長期入居をしてもらうためには、入居者の不満の芽を取り除き、入居者に良好な住環境を提供できるように、大家さんとして配慮をする姿勢が重要であると留意しておきましょう。

まだ使えるから交換しない!?

今まで、入居者からの連絡があってから対応をしてきた大家さんは、壊れていないのに設備を交換するのは、もったいないと感じるかもしれません。

しかし、冒頭でもご説明したように、不具合が生じてからの対応は確かに大家さんにとって合理的ですが、入居者に不便を強いることになります。入居者は良好な住環境をえるその対価として家賃を支払っています。それならば、大家さんは、入居者に良好な住環境を提供する責務を果たす必要があるでしょう

また、計画立てた設備交換は費用の平準化にもつながります。入居者からの連絡があってから対応する場合、もしそれが数戸重なると交換費用が大きくなります。

しかし、あらかじめ交換時期を計画しておき、交換時期が近付いてきたときに一戸ずつ交換をしていけば、一時的な大きな支出をしなくてよくなり、入居者の不満の芽を摘むこともできます。計画的な早め早めの設備保全は大家さんにとってもメリットがあるのです

設備交換以外の入居者満足向上の対策とは?

退去理由には、設備への不満以外にも、近隣住民トラブルや騒音トラブルなども挙げられます。それらのトラブルが退去のきっかけにならないようにするためには、所有する賃貸物件に入居者が不満を募らせている要因はないか、日ごろから気を配っておく必要があります。

そして、要因が見つかれば、不満の芽が小さいうちに摘み取る対応も必要です。このように、入居者に良好な住環境を提供して、長期入居してもらうために、日ごろから配慮および対応することをテナントリテンションといいます

テナントリテンションの方法にはさまざまなものがあります。下記リンクを参照し、どのように大家さんとして行動すればよいか、考えてみてはいかがでしょうか。

まとめ

新しい住まいに移るのは礼金、敷金、前払い家賃、仲介手数料などの初期費用の工面に加えて、引っ越しの手間を考えなければならないため、入居者にとっては大きなイベントです。

入居者のライフスタイルが変化していないのに関わらず、引っ越しの負担や手間を負ってでも退去したいと考えるのは、よっぽどの不満があるからかもしれません。

入居者が決まるのは早いが、短期退去が多いという賃貸物件の大家さんは、今一度入居者満足の向上のために、どのような工夫努力をすればよいのか、設備保全の視点から考えてみてはいかがでしょうか。

入居者に長く住んでもらうために、
設備保全を見直しましょう!

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キムラ ミキ

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【資格】AFP/社会福祉士/宅地建物取引士/金融広報アドバイザー

日本社会事業大学 社会福祉学部にて福祉行政を学ぶ。大学在学中にAFP(ファイナンシャルプランナー)、社会福祉士を取得。大学卒業後、アメリカンファミリー保険会社での保険営業を経て、(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わった。その後、2008年8月より独立し、現在、自社の代表を務める。

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