空室補償で収益改善はできる?制度の概要と仕組みを解説します

2024.08.01更新

この記事の監修者

キムラ ミキ
キムラ ミキ

AFP/社会福祉士/宅地建物取引士/金融広報アドバイザー

空室補償で収益改善はできる?制度の概要と仕組みを解説します

空室補償の採用を検討している大家さんに向けて空室補償の概要と仕組み活用する前に検討すべきことについて詳しくお伝えします。

空室補償は空室対策のための有効な手段のひとつ。
空室補償の提供可否については管理会社に相談してみましょう。

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目次

アパート経営でもっとも困るのは空室

賃貸経営情報誌「オーナーズ・スタイル」首都圏版・関西版の読者1,000名を対象に行った「大家さんが感じる賃貸経営の先行き感についてのアンケート調査」によると、「今のお悩みや将来の不安は何ですか?」という問いに、「空室」をあげる方が60%を超えています。
出典:オーナーズ・スタイル
6割以上が経営に不安!? 本当は楽じゃない「不動産オーナー」の現実


空室が生じると、家賃収入を得ることができないわけですから、キャッシュフローの悪化に直結します。空室を生じさせないために、日頃から、入居者満足の向上に努めることはもちろんのことですが、入居者が転勤辞令を受けるなど、大家さんの努力だけでは回避しきれないことで空室が生じることも考えられます。

空室補償が空室問題を解決してくれる

ひとたび空室が生じると、クリーニング等の修繕を行う必要もありますし、入居者募集を行い新たな入居者が決まるまでに相応の時間を要することになります。日頃の努力以外に空室補償の活用という選択肢も検討することで、空室に対するアパート経営の悩みは軽減される可能性があります。

空室補償の概要と仕組み

一般社団法人 全国賃貸経営補償機構(以下、全賃機構)が取り扱う、空室補償を例にあげて、空室補償の概要と仕組みについて、整理しておきましょう。

概要と仕組み

大家さんと全賃機構との間で空室補償契約を締結します。大家さんは、毎月、全賃機構に補償料を支払います。この補償料は、補償額(割合)によって異なります。空室が生じる等、家賃収入が予め設定した補償額未満であった場合、その差額を給付金として大家さんが受け取ることができる仕組みです。

具体例

例えば、評価家賃合計=70万(1戸につき7万円×10戸)であるアパートにおいて、その90%を補償する設定にした場合、補償額は63万円、補償料は評価家賃合計額の5%=3.5万円となります。

もしも、1部屋空室が生じた場合は、家賃収入は63万円となりますので、補償額を下回らないため補償を受けることはできません。しかし、空室が2部屋となった場合、家賃収入は56万円となり、補償額を下回ります。

この場合、補償額との差額である7万円が大家さんに全賃機構から支払われることになります。最大補償年数は物件、契約内容によって異なりますが、最大で30年となっています。

注)評価家賃と実際の家賃は必ずしも一致するものではありません。

空室補償を活用するメリットとデメリット

空室補償を活用するメリット、デメリットについて考えてみましょう。類似サービスとして、サブリース、満室保証、孤独死保険等の家賃保証などと比較しながら整理していきたいと思います。

空室補償サブリース満室保証家賃保証保険
保証額家賃の80%家賃の70%100%最大200万円
保証料家賃総額5%--300円/戸
敷金大家業者業者預かり大家
礼金大家業者大家大家
更新料大家業者折半大家
家賃改定ありありなしなし
契約期間2年契約内容による2~3年1年
節税対策保証料は経費---
条件空室になった場合-・新築を建てた場合
・物件購入した場合
・リフォームした場合
災害や事故が起きて家賃んが得られなくなった場合

※記載の内容は一例です。提供会社によって詳細は異なる場合がありますのでご注意ください。

メリット

空室補償を活用することで、アパート経営における家賃収入を安定的に得ることができます。その点については、サブリース、満室保証(新規入居者募集時に満室になるまでの一定期間、満室分の家賃保証を行うサービス。満室後は、サービス終了となることが一般的。)も同じメリットがあります。

しかし、サブリースと満室保証においては、敷金、礼金更新料が業者の収入、預かり金として扱われるのに対して、空室補償の場合、大家さんの収入、預り金として扱われることに大きな差があります。また、空室補償の場合、管理会社の指定など条件が少ない上、既存物件でも利用しやすいというメリットもあります。

なお、家賃保証保険は、災害や孤独死などで家賃収入を得られなくなった場合に保証を受けられるものであるため、通常の入居者退去による空室に対して保証を受けることができません。

デメリット

空室補償のデメリットは、満室経営時においても補償料が毎月かかることがあげられます。サブリースは毎月のコストはかかりませんが、サブリース時賃料は、本来の家賃の7割程度に設定されていることが一般的ですし、築年に応じてサブリース時賃料の引き下げが行われることになります。

また、満室保証は原則として新規入居者募集時の一定期間のみのサービスとなるので、経年劣化により空室が生じた場合はサービスの適用を受けることができません。

補償料は経費として処理が可能

補償料は、アパート経営における経費として、処理することができます。満室経営時にも補償料の支払いをすることになるため、節税効果も見込まれます。

※計上方法は、税理士の方とも事前にご確認ください。

以下の記事で、サブリースと満室保証について詳しく説明しています。

空室補償の利用方法

実際に、空室補償を利用検討する場合、どのような手順で進めていけばよいのでしょうか。

1.査定依頼
まずは、空室補償を取り扱う業者に補償家賃の査定依頼を行います。家賃査定後、月々の補償額、補償料、募集条件等が通知されます。
2.申込
通知内容を検討した後、申込手続きをとります。担当者が訪問し、改めて内容の説明を行い、契約手続きを行います。査定結果と実際の物件状況に乖離がないことを確認するため、契約手続きと合わせて担当者が物件の現地確認を行います。
3.待機期間
契約から一定期間、空室補償の適用を行わない「待機期間」が設けられています。この待機期間中は、補償料の支払いも発生しません。待機期間は、空室補償を取り扱う業者によって異なります。
4.補償開始
待機期間終了後、空室補償がスタートします。

空室補償を活用する前に検討するべきこと

アパート経営における空室リスクを回避する手段として有効な空室補償ですが、活用をする前に考えておきたいことがあります。それは、空室を生じさせないための努力と空室が生じた時の対応として、最善を尽くしているか否か、振り返ってみるということです。

満室経営を長年続けているある大家さんは、空室を生じさせないために、物件周辺の清掃時などに入居者とこまめにコミュニケーションを図り、困り事があればすぐに対応できるようにされているとお話されていました。物件が遠方にある場合など、全ての大家さんが入居者とこまめにコミュニケーションをとることは難しいかもしれません。

しかし、縁あって入居してくれている入居者に対して、住みやすさの提供を行うことは大家さんの務めです。大家さん自ら対応できない場合には、入居者対応に定評のある管理会社を活用するなど、入居者満足度を高める方法はあるものです。まずは空室を生じさせないための努力を行っているかを振り返ってみましょう。

また、空室が生じた時の対応は迅速に行うことができているでしょうか。不動産会社の担当者に仲介を依頼して、ただ連絡を待っているだけでなく、所有物件の特徴、長所をPRしたり、近隣類似物件の入居状況や、物件差別化を図るためにどのような対策が必要であるかを情報収集したりという努力も必要です。

空室補償を利用する際には、先にも述べた通り、補償料の支払いが発生します。補償料に対する補償額のコストバランスを確認し、上記のような大家さんとしての最善を尽くした上で、空室リスクの回避手段として空室補償を検討することが望ましいといえるでしょう。

こんな大家さんにおすすめ

空室補償を活用することをおすすめする大家さんには、次のような方があげられます。

遠方に物件がある

遠方に物件があり、大家さん自ら対応することが難しい場合には、空室発生防止の対策を講じることが遅くなり、結果として空室が発生することもあるでしょう。後手対応をカバーするために、空室補償の活用を検討するのも一案です。

アパートローンを返済中

アパートローンの返済を行っている場合、空室発生はアパートローンの延滞にもつながりかねません。アパートローン返済の保険として、空室補償の活用を検討するのも一案です。ただし、補償料の負担が必要になるため、改めて収支シミュレーションを行い、キャッシュフローに支障が生じないことを確認した上で利用しましょう。

まとめ

キャッシュフローに大きな影響を与えかねない空室リスク。このリスクを回避するために有効な手段である空室補償。活用に際しては、大家さんとしての努力も重ねた上で、その他の類似サービスと比較して、じっくりと検討されることをおすすめします。

空室補償は空室対策のための有効な手段のひとつ。
空室補償の提供可否については管理会社に相談してみましょう。

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AFP/社会福祉士/宅地建物取引士/金融広報アドバイザー

日本社会事業大学 社会福祉学部にて福祉行政を学ぶ。大学在学中にAFP(ファイナンシャルプランナー)、社会福祉士を取得。大学卒業後、アメリカンファミリー保険会社での保険営業を経て、(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わった。その後、2008年8月より独立し、現在、自社の代表を務める。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
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