自主管理をする大家さんがトラブル対策のためにやっておきたい事前準備

監修キムラ ミキ

  • 公開日:
  • 2019年07月30日
  • 更新日:
  • 2019年07月30日
自主管理をする大家さんがトラブル対策のためにやっておきたい事前準備
賃貸物件を大家さんが自ら管理する、自主管理のメリットとして、管理委託手数料がかからないことが挙げられます。一方で、入居者からのクレームや賃貸物件で起きたトラブルに、すべて大家さん自身で対応していかなければなりません。クレームやトラブルはいつ発生するかわからず、精神的にも肉体的にも大きな負担がかかることは容易に想像できるでしょう。この記事では、自主管理を検討している大家さんに、アパート経営で起きやすいトラブルとは何か、そしてその対策としてどのようなことを考えておけば良いかについて、お伝えします。

目次

自主管理って大変?

賃貸物件の管理と一口にいっても、様々な業務が挙げられます。おさらいとして、賃貸物件の管理業務にはどのようなものがあり、それぞれどのような労力が考えられるかについて、整理をしておきたいと思います。

契約業務および契約更新業務

契約書を作成し、入居者と契約締結を行う業務です。契約更新時には契約締結手続きも行う必要があり、契約更新時期の把握も必要です。仲介を依頼すれば不動産会社がこの業務についても代行してくれます。入居後のトラブルを回避するためにも、経験豊かな不動産会社に任せておいた方が安心と言えます。

入居者対応(クレーム、トラブル対応など)

入居者から、クレームやトラブルについて申し出があった場合、大家さん自らが自主管理をしている場合、その対応は全て大家さんが行う必要があります。クレームやトラブルへの対応は迅速性が求められ、対応が遅いと更なるトラブルに発展する可能性もあります。

大家さんを専業で行っている方であれば、大家さん自らが対応することも可能といえますが、遠方の物件であれば対応に時間を要したり、迅速な対応が難しかったりするケースもあるでしょう。サラリーマン大家さんであれば、なおさらです。クレームやトラブルに迅速に対応できるように管理会社を活用することも一案です。

消防点検

消防用設備等の簡易的な点検を6か月に1回以上、そして実際に消防用設備を作動させて行う点検および整備を1年に1回以上行って、その結果を消防長又は消防署長に報告する義務があります。一定規模以上の賃貸物件については、点検者が資格保有者であることを求められる場合もあります。スケジュール管理や点検機器準備の必要性が生じます。

工事および設備業者への連絡

修繕を行う場合、工事業者や設備業者とのやり取りを行うことも管理業務のひとつです。

家賃の入金管理

入居者から家賃が入金されているかどうかを確認し、未払者がある場合、それが誰かを特定し、督促を行う必要があります。戸数が少ない場合は、大家さん自ら対応することも難しくないと思いますが、戸数が多い場合は確認に時間を要する可能性もあります。

家賃滞納対応(督促、回収など)

家賃未払いの入居者がいた場合、その入居者に督促を行い、回収を行う必要があります。入居者審査の時点で、家賃滞納の可能性があるか否かを見極めることも大切なことですし、常習化してしまう前にこまめに連絡をとり、家賃滞納を回避する必要があります。

退去の立会い

入居者が退去する際に、経年劣化以外の破損等がないかどうかを確認するために、退去の立会いが必要です。退去者のスケジュール調整が必要です。

敷金精算業務

退去時には、預かっていた敷金から、必要経費を差し引いて入居者へ返還する敷金精算業務を行う必要があります。敷金をめぐるトラブルも少なくありません。敷金のルールを把握して、適切に敷金精算を行う必要があります。

管理会社の活用も組み合わせる

管理業務は幅広く、時間と手間がかかります。大家さん自らが主体的にアパート経営に取り組む姿勢は大切であるものの、全てを大家さんだけで行うのは負担が重くなる可能性があります。管理業務の一部を不動産会社や管理会社に委託して、無理のない管理体制を整えておくことは、結果として入居者満足の向上にもつながることになります。

アパート経営で起きやすいトラブルと対策

アパート経営で起きやすいトラブルについて、3つ事例を取り上げて、どのような対策を講じたらよいかについて、整理しておきたいと思います。

トラブル事例1~水洗トイレが故障した!~

自主管理をしていたアパートで、水洗トイレが故障したとの連絡をもらった大家さん。大家さんの自宅から、アパートまで移動時間は1時間程度。日曜日だったので、入居者もある程度時間に余裕があり、大家さんの到着をまって応急処置をしてもらい、業者手配をしてもらうことになった。

【対策】

今回のケースでは、たまたま入居者に時間の余裕があったため、大家さんの対応にクレームがつくことはありませんでした。しかし、トイレなどの水回りの故障は生活に支障が生じるため、迅速な対応が求められます。大家さんと入居者の都合が合わず、対応に日数を要していたらクレームに発展する可能性は十分に考えられます。そのような事態を回避するために、管理会社を活用するのも一案です。

トラブル事例2~家賃を払ってもらえない~

入居審査の際には、サラリーマンであり収入も安定していたため、特に問題がなかったものの、ある時期から家賃滞納がしばしば生じるようになった入居者がいた。2か月分家賃滞納が生じた時に、事情を尋ねると、勤務先を退職してアルバイトでの生活をしているとのことで、家賃支払いを強く求めることができなかった。

【対策】

今まで長く入居してくれているという想いから強く督促を求めることを大家さんが遠慮してしまうというケースもあるでしょう。管理会社に支払う費用は生じますが、家賃回収、督促業務を第三者である管理会社に行ってもらうことで、スムーズな家賃回収を図ることもできます。また、家賃保証会社を活用することで、滞納が生じた時だけ第三者に対応をお願いすることもできます。

トラブル事例3~隣の部屋でペットを飼っている?!~

「最近、隣の部屋から犬の鳴き声がする。このアパートはペット飼育不可であったのになぜか。」という入居者からのクレームが大家さんに入ったが、大家さんが現状確認するまでに時間を要してしまった。ペット飼育をしている入居者からは、引っ越すにも時間が欲しいといわれたため、どのように対応してよいかわからない。

【対策】

クレーム対応は、対応を誤るとさらに大きなトラブルに発展する可能性もあります。管理会社は、多くのクレーム対応経験を有しているため、その対応のコツ、解決策を知っています。大家さん一人で抱え込むのではなく、管理会社の経験値を活用するのも一案です。

まとめ

アパートの管理業務と一口にいっても、様々な業務があり、手間も時間も、そして経験値も必要であることを知っておきましょう。何から何まで全て大家さん自らが抱え込むのではなく、管理会社のサポートを活用して、アパート経営を行っていくことで、大家さんが息切れすることなくアパート経営を続けていくことにもつながると思います。まずは、日々の管理業務にどのようなものがあり、どこからどこまで大家さんが行うのか、どの業務に負担を感じているのか、改めて考えてみるとよいでしょう。
キムラ ミキ

監修キムラ ミキ

【資格】AFP/社会福祉士/宅地建物取引士/金融広報アドバイザー

日本社会事業大学 社会福祉学部にて福祉行政を学ぶ。
大学在学中にAFP(ファイナンシャルプランナー)、社会福祉士を取得。
大学卒業後、アメリカンファミリー保険会社での保険営業を経て、(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わった。
その後、2008年8月より独立し、現在、自社の代表を務める。

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