【大家さん向け】賃貸の網戸・ふすま・障子が破れたら交換や費用負担をするのは誰？

入居者の入居中に網戸やふすま、障子が破れてしまうこともあるでしょう。何かを強い力でぶつけて破れてしまうのはもちろん、経年劣化を理由に破損してしまうこともあります。そのほか、比較的新しい網戸でも蜂など、昆虫の仕業というケースもあるようです。

このように、網戸やふすま、障子が破れてしまった場合、費用負担などはどのようにする必要があるのでしょうか。

ここでは、賃貸物件の網戸やふすま・障子が破けてしまった場合の費用負担について見ていきたいと思います。入居者と大家さん、どちらが補修費用を負担する必要があるのでしょうか？

賃貸借契約では、網戸やふすま・障子は消耗品扱いとされるのが一般的です。消耗品として扱われるものについては、賃貸契約中は入居者の負担で交換することが求められます。

こうしたケースに備えて、賃貸借契約に交換時の指定業者を記載しておくとよいでしょう。費用について、直接指定業者に支払うか、大家さんや管理会社に支払うのかなども契約書などに明記しておくと分かりやすいです。

一方、退去時に網戸やふすま・障子の修理が必要となった場合には大家さん側の負担となるのが一般的です。また、賃貸契約中であっても経年劣化で破損してしまったケースでは、大家さん側の負担となります。

網戸やふすま、障子を修繕する際の費用相場はどのくらいなのでしょうか？ここでは、大家さんが自分で修繕する場合と業者に依頼する場合、それぞれを見ていきます。

網戸の張り替え費用の相場ですが、自分でやる場合は1,000～3,000円/枚程度、業者に依頼する場合は3,000～5,000円/枚程度と考えるとよいでしょう。

自分でやる場合は網戸カッターや網戸クリップといった道具が必要になりますが、一度購入してしまえば2枚目以降は使いまわしが可能です。

ふすまを張り替える場合、自分でやる場合は1,000～3,000円/枚程度、業者に依頼する場合は3,000～10,000円/枚程度と考えるとよいでしょう。

片面だけであればより費用を抑えることができます。また、ふすまの張り替えでも道具が必要になりますが、こちらも一度購入してしまえば使いまわしが可能です。

障子の張り替えは自分でやる場合、費用が抑えやすく、200～500円/枚程度で張替え可能です。一方、業者に依頼する場合には人件費などの問題で2,000～5,000円/枚程度はかかってしまうでしょう。障子の張り替えではのりやカッター、ヘラ、霧吹きなどが必要です。

網戸やふすま、障子の張り替えについて、自分でやる場合と業者に依頼する場合の費用相場をお伝えしました。とくに業者に依頼する場合は、依頼先の業者によって費用が大きく変わることも多いため、相見積もりを取ることをおすすめします。

見積もりの提示を受けた際には、後から追加でオプション費用などが請求されないかなど、しっかり確認しておきましょう。

なお、自分でやる場合は慣れが必要なため、補修に時間もかかってしまいます。補修にかかる時間のことを考えたら業者に依頼したほうがよいというケースもあるでしょう。

大家さんが貼り替えに慣れておらず、不安な場合や補修に時間をかけたくないという方は業者に依頼するのがおすすめです。

最後に、自分で修繕をする場合の網戸、ふすま、障子それぞれの張り替え方をご紹介していきます。

網戸張替えの手順は以下のとおりです。

1.古い網戸を取り外す

2.サッシ枠のゴミを取り除く

3.新しい網戸を取り付ける

4.はみ出た部分を網戸専用カッターで切り取る

古い網戸を取り外す際には、網戸用のゴムをキリやマイナスドライバーを使って取り外していきます。網戸が取れたら、サッシ枠に残っているゴミを歯ブラシなどで除去しましょう。次に、新しい網戸を取り付ける際にはクリップで四方を固定したり、網戸の溝にローラーを使って押さえたりしながらゴムをはめこんでいく必要があります。

なお、網戸にもいろいろな種類があり、たとえば網戸のメッシュが細かいと小さな虫の侵入などを阻むことができますが、風通しが悪くなるといった問題があります。色や材質などを含めて、要望に合ったものを選ぶとよいでしょう。

ふすま張り替えの流れは以下のとおりです。

1.ふすまの木枠や引き手を外す

2.ふすまにふすま紙を貼り付ける

3.ふすまを乾燥させる

4.ふすまに木枠や新しい引き手を取り付ける

ふすまの張り替えでは、まずは上下左右にある木枠を外すことから始めます。当て木超しにハンマーで叩くなどして外していきましょう。

引き手については、釘頭をペンチで引き抜けるようになっています。網戸や障子よりやや手間がかかりますが、自分で修繕をすることは十分可能です。

障子の張り替えの流れは以下のとおりです。

1.古くなった障子を剥がす

2.木枠にのり付け

3.障子紙をまく

4.木枠に合わせてカットする

こちらも慣れが必要になりますが、基本は障子を剥がして、新しい障子をのりで全面に貼り付けし、はみ出た部分をカッターでカットしていくだけの作業となります。

ちなみに、あらかじめ障子紙にのりがついており、アイロンで温めて貼るタイプもあります。多少費用が高くなりますが、こちらを選べばより簡単です。

網戸やふすま、障子が破損した際の対応についてお伝えしました。賃貸契約では、網戸やふすま、障子は基本的に消耗品扱いであり、入居中に破損した場合は入居者が費用負担する必要があります。賃貸契約時に、費用負担の区分を明記するなどして後々トラブルに発展しないようにしておくことが大切でしょう。

ただし、経年劣化による破損の場合には大家さんが費用負担するのが一般的であるなど、判断が難しいこともあります。
無用なトラブルを避けるためにも、基本的には大家さん側の費用負担とし、続く場合には費用を負担して貰えるよう交渉するなど、柔軟に対応するのがおすすめです。