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目次
キッチンリフォームの目的は老朽化対策?それとも空室対策?
キッチンリフォームを行う主な目的としては、1つ目は古くなったり、老朽化したりしたキッチンを新しいものに変えることが挙げられるでしょう。
また、2つ目は空室対策としてのリフォームがあります。例えば、キッチンは調理スペースが広いことが好まれますが、今のキッチンではその入居者ニーズに応えられておらず、そのことが原因で入居が決まらないことがあるのであれば、調理スペースの広いキッチンに変えるなどのリフォームを施すといったことです。
また、2つ目は空室対策としてのリフォームがあります。例えば、キッチンは調理スペースが広いことが好まれますが、今のキッチンではその入居者ニーズに応えられておらず、そのことが原因で入居が決まらないことがあるのであれば、調理スペースの広いキッチンに変えるなどのリフォームを施すといったことです。
回収も含めたリフォームプランを考える
キッチンリフォームは内容次第では大きなお金がかかってしまいます。リフォームを施し、入居者の反応が多少よくなったとしても、かけた費用を回収できないプランはよいプランとは言えません。
なお、空室対策としてリフォームを実施するという前提からすると、基本的にはキッチンリフォームを実施したとしても家賃アップは考えないほうがよいでしょう(結果として家賃アップできたという事例は多くあります)。代わりに、「キッチンリフォームをしなければ下げなければいけなかった家賃」を想定するのはアリです。
例えば、キッチン周りの各種設備の耐用年数は概ね10~15年ですが、「キッチンリフォームを実施しなければ家賃を5,000円下げないと次を見つけるのが難しい」という状況であれば、5,000円×12カ月×10~15年=600,000~900,000円となります。
一方、キッチンリフォームに伴いアップグレードするような場合には家賃アップを検討してもよいでしょう。その場合は、下がることを想定した家賃に加えて、家賃アップ分を耐用年数にかけ合わせます。
例えば、リフォームを実施しなければ5,000円の家賃低下が見込まれるのに加え、リフォーム実施後に5,000円の家賃アップを見込めるのであれば、(5,000円+5,000円)×12カ月×10~15年=1,200,000~1,800,000円です。
キッチンリフォームにかける費用は上記のように計算し、上記金額以下になるよう調整することを意識しましょう。
なお、空室対策としてリフォームを実施するという前提からすると、基本的にはキッチンリフォームを実施したとしても家賃アップは考えないほうがよいでしょう(結果として家賃アップできたという事例は多くあります)。代わりに、「キッチンリフォームをしなければ下げなければいけなかった家賃」を想定するのはアリです。
例えば、キッチン周りの各種設備の耐用年数は概ね10~15年ですが、「キッチンリフォームを実施しなければ家賃を5,000円下げないと次を見つけるのが難しい」という状況であれば、5,000円×12カ月×10~15年=600,000~900,000円となります。
一方、キッチンリフォームに伴いアップグレードするような場合には家賃アップを検討してもよいでしょう。その場合は、下がることを想定した家賃に加えて、家賃アップ分を耐用年数にかけ合わせます。
例えば、リフォームを実施しなければ5,000円の家賃低下が見込まれるのに加え、リフォーム実施後に5,000円の家賃アップを見込めるのであれば、(5,000円+5,000円)×12カ月×10~15年=1,200,000~1,800,000円です。
キッチンリフォームにかける費用は上記のように計算し、上記金額以下になるよう調整することを意識しましょう。
キッチンリフォームにかかる費用
ところで、キッチンリフォームにはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。ここでは、リフォーム会社から見積もり提示を受ける際に、一般的に見積書に入っていることの多い各項目をお伝えしていきます。
仮設工事費用
仮設工事費用は、キッチンの周りの床や壁、設備などに傷がつかないようにする養生費やリフォーム後のクリーニング費用、キッチンの運搬工事費用などです。
リフォームの規模や内容によりますが、10,000~30,000円程見込んでおくとよいでしょう。
リフォームの規模や内容によりますが、10,000~30,000円程見込んでおくとよいでしょう。
解体工事費用
次は、既存のキッチンを解体取外しするための費用です。
概ね30,000~50,000円程見ておきましょう。
概ね30,000~50,000円程見ておきましょう。
設備工事費用
電気工事やガス工事、衛星設備、給排水管、換気ダクトなどの工事費用で、配管の状況などにより変動しますが、30,000~70,000円程見込みます。
内装工事費用
キッチンリフォームに伴う、壁紙や床などの内装工事費用です。施工するクロスやフロア材により異なりますが、一般的なものであれば一式30,000~50,000円程見込んでおくとよいでしょう。
設備機器費用
システムキッチン本体の金額です。ここはどのようなキッチンを入れるかによって大きく変わります。安いものであれば300,000円程度からありますが、高いものだと1,000,000円以上するものもあります。
諸経費
最後に諸経費です。諸経費とは人件費などの一般管理費のことで、会社によって定額のところもあれば、「合計金額の10%」などと取り決められているところもあります。諸経費が工事費用の30%以上など明らかに高く設定されているような場合には、どのような費用なのか質問するとよいでしょう。
質問に対し、あまり誠実に対応してくれないようであれば、他の会社を利用することも検討します。なお、諸経費は見積書に項目として出る場合と出ない場合がありますが、出ない場合には他の項目に少しずつ上乗せされているのが一般的です。
質問に対し、あまり誠実に対応してくれないようであれば、他の会社を利用することも検討します。なお、諸経費は見積書に項目として出る場合と出ない場合がありますが、出ない場合には他の項目に少しずつ上乗せされているのが一般的です。
【注意】見積り書には不明点が無いようにする
リフォーム会社の提示する見積書は、各社少しずつ違っているのが普通です。例え、同じキッチンを入れる場合でも、会社によって異なることもあります。
一般的な買い物であればこうしたことはあまりないため不思議に思う方もいるかもしれませんが、これはリフォーム会社がメーカーとどのような付き合いをしているかによって変わる部分なので、そういうものだと思っておきましょう。
キッチンの費用が多少高くとも、他の項目で頑張ってくれて総額では安くしてくれるような場合もあります。大切なことは、リフォーム会社から提示を受けた見積書に不明な部分がないようにすることです。必要に応じて、他社から受け取った見積書とも突き合わせながら質問していくとよいでしょう。
一般的な買い物であればこうしたことはあまりないため不思議に思う方もいるかもしれませんが、これはリフォーム会社がメーカーとどのような付き合いをしているかによって変わる部分なので、そういうものだと思っておきましょう。
キッチンの費用が多少高くとも、他の項目で頑張ってくれて総額では安くしてくれるような場合もあります。大切なことは、リフォーム会社から提示を受けた見積書に不明な部分がないようにすることです。必要に応じて、他社から受け取った見積書とも突き合わせながら質問していくとよいでしょう。
キッチンリフォームの内容と予算を決めよう
キッチンリフォームを実施する際には、最初に予算を決めてから工事内容を検討することをおすすめします。ここでは、以下の3つの価格帯について、どのような工事を実施できるのか見ていきたいと思います。
50万円未満
まずは50万円未満の工事です。家賃アップを考えないのであれば、50万円未満程度で工事を済ませる必要があります。
とはいえ、50万円未満ではキッチン本体を取り換える費用を捻出することは難しく、基本的にはコンロやレンジフード、食洗器、レバーの変更など部分的な工事となります。ただし、ワンルームの部屋にあるコンパクトなミニキッチンの交換であれば50万円未満でも工事できます。
とはいえ、50万円未満ではキッチン本体を取り換える費用を捻出することは難しく、基本的にはコンロやレンジフード、食洗器、レバーの変更など部分的な工事となります。ただし、ワンルームの部屋にあるコンパクトなミニキッチンの交換であれば50万円未満でも工事できます。
キッチンのみでなく部屋全体のリフォームも合わせて考える
ワンルーム用のミニキッチンの交換であれば30万円程度からの工事も可能です。そこで、ミニキッチンの交換費用を30万円以内に抑え、壁紙や床も一緒にリフォームして空室対策することも検討しましょう。
壁紙や床の原状回復費用とミニキッチンの交換とを合わせて50万円未満であれば、高い費用対効果を期待できるはずです。
壁紙や床の原状回復費用とミニキッチンの交換とを合わせて50万円未満であれば、高い費用対効果を期待できるはずです。
50~150万円
次は50万円~150万円のキッチンリフォームです。ファミリー向けの物件であれば、これくらいの価格帯となるのが一般的です。キッチンの交換と併せて収納の追加やIHキッチンの採用の可否などを検討します。
最近の新築物件ではIHキッチンであることが多いため、多少費用をかけてでも交換してしまえば、新築と競合してもキッチンを理由に負けてしまうことはなくなります。
最近の新築物件ではIHキッチンであることが多いため、多少費用をかけてでも交換してしまえば、新築と競合してもキッチンを理由に負けてしまうことはなくなります。
150万円以上
最後に、150万円以上のキッチンリフォームです。主にファミリー向けの物件で、やや高いキッチンを導入したり、収納量アップや床やキッチンタイルの取り換えを検討したりといったこともできるでしょう。
150万円以上のキッチンリフォームを実施するのであれば、より「きちんと回収できるか」を意識することが重要となります。
150万円以上のキッチンリフォームを実施するのであれば、より「きちんと回収できるか」を意識することが重要となります。
ファミリー向け物件におけるキッチン選びの重要さ
ファミリー向け物件は単身者向け、もしくはカップル向け物件などと比べて、よりキッチン選びが重要になります。最近では夫が料理をすることも珍しくありませんし、お子様と一緒に料理できるようなキッチンにしたいと考える方も多いです。
他の賃貸物件にはない広いキッチンを導入することで、差別化につながり、多少高い家賃でも入居者を見つけられる可能性があります。
他の賃貸物件にはない広いキッチンを導入することで、差別化につながり、多少高い家賃でも入居者を見つけられる可能性があります。
物件のターゲットを考えてリフォームの計画を
キッチンリフォームにお金をかければ、壁付けキッチンを対面キッチンに変えたり、広さを確保できればオープンキッチンに変えたりすることもできるでしょう。特に子育て世帯では、奥様が家事をしながら子どもの様子を見られるため、対面キッチンやオープンキッチンが好まれます。
壁付けキッチンから対面キッチンにリフォームしたことで大幅な賃料アップにつなげられた事例もあります。物件の立地から考えられるターゲットを想定し、リフォームの計画を立てるようにしましょう。
壁付けキッチンから対面キッチンにリフォームしたことで大幅な賃料アップにつなげられた事例もあります。物件の立地から考えられるターゲットを想定し、リフォームの計画を立てるようにしましょう。
キッチンリフォームに関する補助金
キッチンリフォームはバリアフリー化や省エネ性能アップなど一定の要件を満たせば、国や自治体から補助金を受けられます。
例えば、「長期優良リフォーム補助制度」では長期優良住宅の認定を受けることを前提に、一定の要件を満たすとリフォーム費用の1/3を限度に最大200万円まで補助金の交付を受けることができます。その他、自治体が補助制度を実施しているケースもあるため、リフォーム会社の担当者に確認してみるとよいでしょう。
例えば、「長期優良リフォーム補助制度」では長期優良住宅の認定を受けることを前提に、一定の要件を満たすとリフォーム費用の1/3を限度に最大200万円まで補助金の交付を受けることができます。その他、自治体が補助制度を実施しているケースもあるため、リフォーム会社の担当者に確認してみるとよいでしょう。
リフォーム後の家賃アップ金額
キッチンリフォームでは、基本的にリフォーム前とリフォーム後とで家賃をアップさせない形の方が入居者を探しやすいです。このように家賃をアップさせない場合には、キッチンをまるごと換えるのではなく、レンジフードやレバーなど部分的なリフォームを実施して費用を抑えることが大切です。
一方、壁付けキッチンから対面式キッチンに換えるような場合で、それがターゲット層にマッチしているのであれば、家賃を10,000円程度アップしても入居者を決められるはずです。こうしたケースでは、まずは市場を調査し、「いくらで貸せるのか」を想定してリフォーム費用を決めるとよいでしょう。
一方、壁付けキッチンから対面式キッチンに換えるような場合で、それがターゲット層にマッチしているのであれば、家賃を10,000円程度アップしても入居者を決められるはずです。こうしたケースでは、まずは市場を調査し、「いくらで貸せるのか」を想定してリフォーム費用を決めるとよいでしょう。
まとめ
キッチンリフォームの費用について具体的な費用項目や価格帯ごとの工事内容、予算の決め方などお伝えしました。賃貸物件でリフォームを実施するのであれば、「どうやって回収するか」という視点は欠かせません。
リフォーム後に家賃を上げるのか上げないのか、上げるとしたらいくらまで上げられるのかを想定した上で工事を計画していくことが大切です。
リフォーム後に家賃を上げるのか上げないのか、上げるとしたらいくらまで上げられるのかを想定した上で工事を計画していくことが大切です。
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この記事の監修者
逆瀬川 勇造
AFP/2級FP技能士/宅地建物取引士/相続管理士
明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。大学在学中に2級FP技能士資格を取得。大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。