契約書がない入居者とトラブルに…そんな時はひとりで悩まず、
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目次
口約束でも賃貸借契約は成立する
通常の場合も対応に苦労する立ち退き要請ですが、入居者と賃貸借借契約書を交わしていない場合はどうなるのでしょうか。「契約書を交わしていないのに立ち退きを要請できないのでは?」「そもそも契約として成立しているのだろうか」賃貸借契約とは、物件を貸し借りする契約のことを言います。
部屋や物件を借主に貸し、借主はそこに住んだり利用したりすることの対価として家賃を支払う約束を交わすことが、賃貸借契約です。貸主は借主が物件を利用する許可を出し、借主は利用に対して家賃の支払いを約束することで契約が成立します。
この契約の際は一般的に、契約書を作成してお互いに署名捺印するものです。しかし、契約書がなく口約束だけでも契約として有効となります。友人や親せきなどに部屋を貸す場合や、契約書を紛失してしまったという場合もあるでしょう。そのようなケースでも、貸主と借主で貸し借りの意思が合致していれば契約として成立するのです。
ただし、契約書のない契約はトラブルに発展しやすいものでもあります。何か起きた時に「大家さんと約束した」「言った覚えはない」というような水掛け論になってしまい、より大きな問題になってしまう可能性もあるでしょう。
そのため、賃貸借契約を交わす時は、どのような約束をしたのかという記録のためにも契約書を作成しておくことが大事です。
賃貸借契約書とは?その重要性
入居希望者が入居審査を経て賃貸借契約に進んだ場合、契約の段階でこの賃貸借契約書を作成します。契約書には物件情報や家賃、入居のルールなどが細かく記載されており、それらに納得したら敷金などの初期費用を支払い、署名捺印して契約を完了させます。
このように賃貸借契約書は、貸主と借主がどんな条件で契約したのかということが記録された、大事な取り引き証拠書類となります。何か問題が起こった時はこの契約書の内容を基に判断できるため、後々のトラブルを回避できる可能性が高いのです。
使用貸借契約は契約書がなくても成立する
それに対して使用貸借とは、友人から無償で本を借りるなどのように、賃料の発生しない無償での貸し借りのことを言います。使用貸借は一般的に、親子や友人間などごく親しい人との間で行われ、口約束だけで契約が成立することが多いものです。使用貸借契約でも、必ずしも契約書作成の必要性はありません。
賃貸借契約書なしの場合に起こりうるトラブル
最終的には大家さんや入居者それぞれの主張を基に判断されることになりますが、その際、入居者に都合のよい主張をされるといった可能性も出てくるでしょう。ここでは、契約書がないことで起こりうるトラブルにはどのようなものがあるのか、詳しく見ていきます。
いつまで部屋を貸すのかがあいまいになる
なお、契約期間の定めがない賃貸借契約では、貸主は6か月前、借主は3か月前までに予告することで契約を解除できますが、通常、解約の予告がなければ契約は継続されます。
契約書がないことで貸主としては、更新料を徴収できないだけでなく、いつまで貸し続けるのかがわからなくなるというデメリットがあるのです。
退去時の原状回復義務があいまいになる
この記載がなければ、原状回復の義務を負う人や範囲を判断できず、トラブルに発展することがあるのです。
設備故障時の修理費用をどちらが負担するかわからなくなる
利用上の禁止事項がわからなくなる
契約書がないと、入居者はこれらの禁止事項をはっきりと把握できないだけでなく、「大家さんがペットを許可した」というように、都合のよい主張をされてしまう可能性もあります。
既存入居者に賃貸借契約書は発行できる?
契約書には、貸主と借主で合意した内容を記録として残します。それぞれ認識している契約内容が一致していない場合、どちらの意見が正しいのかを証明する必要があります。
しかし口頭契約だけだと、どちらの意見が正しいのか客観的に判断することも難しいのです。口頭での契約後に契約書を発行することはできますが、トラブルを回避するためにも、契約締結前に合意した内容で契約書を作成しておくとよいでしょう。
入居者が契約書をなくしたら…
長年住んでいる場合など、入居者がいつの間にか契約書をなくしてしまう場合もあります。契約書をなくしたからといって、賃貸借契約が無効になるわけではありません。とくにトラブルのない入居者であれば、契約書の有無はさほど問題にならないでしょう。しかし、万が一トラブルに発展した場合に契約書は重要となります。そのため、賃貸借契約書は大家さんと入居者で確実に保管しておく必要があるのです。もし契約書を再発行する場合は、元の契約書とまったく同じ内容で作成できるのであれば問題ありません。
しかし、再発行後の契約書の内容が元の内容と少しでも異なる場合、どちらの契約内容を優先するのかは、書面を作成した日付で判断されます。契約書の再発行時に過去の日付で作成すると、どちらの契約内容が有効かあいまいになるため、再発行を避ける不動産会社がほとんどなのです。新たな日付で作成し直す場合も、新しく作成した内容が有効となり、元の契約内容を証明することは難しくなるでしょう。そのため、契約書の再発行にはリスクがあるといえるのです。万が一、入居者が契約書を紛失した場合は、大家さんが保管している契約書をコピーして渡すとよいでしょう。
賃貸借契約書がない入居者が家賃滞納…立ち退き要請できる?
ただし、立ち退きを要請する正当な事由がある場合は、契約を途中解約し立ち退きを請求できるのです。この場合は、立ち退きを要請してすぐに退去してもらうのではなく、1年前から6か月前までの間に予告することが必要となります。契約期間の定めがない場合も、この間に予告することで契約を解除できると定められています。
契約書がなく口頭でも契約期間を定めていない場合であっても、正当な事由があり、かつ1年前から6か月前までに予告することによって、大家さんは契約を解除し立ち退きを要請できるのです。
立ち退きの流れ
1. 書面による立ち退きの告知
この時、大家さんから一方的に通知してしまうと、入居者の感情を逆なでしてしまい、立ち退きをスムーズに進められなくなる可能性があります。通知書には必要事項だけを記載するのではなく、入居のお礼や退去のお詫びなどを盛り込むとよいでしょう。
2. 立ち退きの口頭説明・費用交渉
立ち退き費用としては、引っ越しにかかる費用や場合によって慰謝料が発生する可能性もあります。慰謝料に関してはトラブルに発展する可能性が高いので、弁護士などに相談するとよいでしょう。
また、高齢者などに立ち退きを要請する場合、次の入居先を探すのが難しい場合もあります。そのような時は入居先を探す手伝いをするなど、誠意を持って対応すると立ち退きをスムーズに進められるでしょう。
3. 退去手続き
よくある質問
- 重要事項説明書は契約書とどう違う?
- 重要事項説明書は、宅地建物取引士が家賃などの重要な条件を口頭で説明し、交付する書類です。物件の取り引きの契約について、重要な事項をわかりやすく借主に説明する重要事項説明は、宅地建物取引業法により仲介した不動産会社に義務付けられているものです。契約書は貸主と借主の間で交わすのに対し、重要事項説明書は不動産会社と借主の間で交わします。詳しくはこちらの記事を参照ください。
- 賃貸借契約書がない場合に家賃を上げることはできる?
- 契約書がない場合でも家賃を上げることは可能です。しかし、貸主から一方的に値上げすることはできません。また借地借家法では、家賃の増減については①土地や建物の租税などの負担の増減があり家賃が不相当な場合②土地や建物の価格の増減などの経済状況の変動により家賃が不相当となった場合③近隣物件に比べて家賃が不相当な場合のいずれかに当てはまる必要があると定められています。
- サブリース住宅原賃貸借標準契約書とは?
- サブリース住宅原賃貸借標準契約書とは、国土交通省が公表した大家さんとサブリース業者との間の賃貸借契約における契約書のひな形のことです。サブリース契約は転貸借をする契約のため契約期間や転貸の条件などの諸条件が煩雑となりますが、このひな型にのっとることで貸主・借主間のトラブルを未然に防ぎやすくなります。詳しくはこちらの記事を参照ください。
まとめ
しかし契約書がなければ、問題が起きた場合に「言った・言わない」でトラブルに発展する可能性が高くなります。賃貸借契約書は、どのような内容で契約したのかを証拠として残すための大事な書類です。契約するうえでは、契約内容を事前に書面に残すことで後々のトラブルを避けられるでしょう。
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この記事の監修者
AFP/2級FP技能士/宅地建物取引士/相続管理士
明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。大学在学中に2級FP技能士資格を取得。大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。