※この記事では、シングルマザーと表記していますが、シングルファザーを含むひとり親世帯に向けた空室対策をご紹介しています。
シングルマザー世帯の受け入れに不安を感じていませんか?
事前準備をすればリスクを減らすことが可能です。
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目次
シングルマザー世帯の賃貸需要
また、2016年の「全国ひとり親世帯等調査」では、シングルマザー世帯のうち35%が持ち家、33.1%が賃貸住宅に住んでいると回答しています。
シングルファザー世帯の持ち家率が68.1%、賃貸住宅への居住率が11.4%であることを考えると、シングルマザー世帯を対象とした賃貸住宅には一定の需要があることがわかります。
シングルマザー世帯の入居は難しい?
しかし、民間の賃貸住宅は家賃の負担が大きいだけでなく、シングルマザー世帯の入居に抵抗感を持つ大家さんも多いのが現状です。
近年とくにその傾向が強く、日本賃貸住宅管理協会の調査に対し、シングルマザー世帯に対して入居を拒否していると回答した大家さんの割合は、2010年から2015年の5年間で2.8%増。
小さな子どものいる世帯に対する入居拒否の割合は3.9%増と、小さな子どものいるシングルマザー世帯への風当たりの強さを感じずにはいられません。
大家さんがシングルマザー世帯に対して感じる不安
家賃滞納
貧困率はふたり親世帯が10%前後であるのに対し、シングルマザー世帯は50%前後と、かなり厳しい状況にあることがうかがえます。このような現状により、ふたり親世帯や単身者世帯に比べて、シングルマザー世帯は家賃滞納のリスクが高いと考えられているのでしょう。
騒音
子どもの泣き声や騒ぐ声、室内を走り回ったり、飛んだり跳ねたり、壁を叩いたりと、賃貸住宅での子どもによる騒音が近隣トラブルに発展することも少なくありません。
事故
幼児になると勝手に鍵を開けて外へ出ることもできるため、ベランダからの転落事故なども考えられます。
早期退去
しかし、公営住宅の当選倍率は全国で5.8倍、東京都では22.8倍(平成26年度)と、容易に入居できないのが現実です。当選したとしても入居には数か月を要するため、その間に次の入居者を探すことは可能でしょう。
シングルマザー世帯受け入れのための事前準備
しかし、シングルマザー世帯を受け入れるための準備をしておくことで、ある程度のリスクは回避することが可能です。具体的な事前準備の内容について、お伝えしていきます。
家賃保証会社の利用を検討する
基本的には、連帯保証人を頼める親族がいない入居者が利用するサービスですが、「保証会社必須」を条件として賃貸契約を結ぶことも可能です。
家賃保証を利用することで、家賃滞納リスクを気にせず受け入れ条件を緩和できると同時に、滞納家賃の回収にかかる手間を軽減できるというメリットもあります。
リフォームする
火災を未然に防ぐには、ガスコンロからIHクッキングヒーターにリフォームしておくと安心です。また、小さな子どもが勝手に外へ出てしまうことを防ぐためには、玄関や窓を二重ロックにしておくことで対応できます。二重ロックは事故防止だけでなく、防犯にも効果的です。
契約書で禁止事項を定めておく
禁止事項に違反した場合には、契約解除の措置をとることも可能です。このほか、騒音については「入居のしおり」でも注意喚起しておくとよいでしょう。
住宅セーフティネットへの登録も検討しよう
(1)住宅確保要配慮者向け賃貸住宅の登録制度
(2)登録住宅の改修や入居者への経済的な支援
(3)住宅確保要配慮者に対する居住支援
登録制度により、大家さんは住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅として、都道府県・政令市・中核市に物件を登録、住宅確保要配慮者は登録された情報を見て、入居を申し込みます。
この住宅セーフティネットへ所有物件を登録することで、大家さんは国や自治体から補助を受けることが可能です。以下で詳しくみていきましょう。
家賃低廉価補助を受ける
補助金額は1戸あたり最大で毎月4万円。ただし、家賃低廉価補助を受けるためには入居者が一定の条件に該当する必要があります。条件の一例として、世帯所得が月額15万8千円以下であることなどがありますが、詳しくは各自治体へ確認することをおすすめします。
また、「家賃低廉化補助」とは別に「家賃債務保証料低廉化補助」という補助もあり、初回の保証料減額分に対し最大6万円が補助されます。こちらは保証料を減額した保証会社に対して支払われるもので、大家さんに対する補助ではありませんが、同じ入居者が「家賃低廉化補助」と「家賃債務保証料低廉化」の両方の補助を受ける場合、1戸あたりの年間補助額が48万円を超えることはできません。
リフォームの補助金を受ける
たとえば、シングルマザー専用のシェアハウスにリフォームする場合、国と自治体からあわせて工事費の3分の2(1室あたりの上限200万円)の補助を受けることができます。
多少の費用はかかりますが、補助金を受けながら物件の差別化を図ることができるのは、空室対策として非常に効果的です。
まとめ
家賃保証の導入や契約内容の見直しをするとともに、住宅セーフティネット制度を利用することで、家賃滞納リスクを国と自治体の支援により軽減しながら、物件の差別化を図ることが可能となります。空室対策のひとつとして、シングルマザー世帯の受け入れを前向きに検討され、準備を始めてみてはいかがでしょうか?
シングルマザー世帯の受け入れに不安を感じていませんか?
事前準備をすればリスクを減らすことが可能です。
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この記事の監修者
宅地建物取引士/二級建築士/既存住宅状況調査技術者/ホームステージャー
建築設計事務所、不動産会社、建設会社等での勤務を経て、現在は不動産・住宅・建設ライター、住宅営業、建設CADオペレーターとして活動。