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目次
サブリースでのトラブル回避には契約書の確認が重要!
国土交通省が行った調査によると、サブリース業者が対応困難であると感じているトラブルに、「家主とのサブリース契約の条件変更のうち、特に賃料改定の金額」があげられており、3割を超えています。
また、同調査によれば、大家さんがサブリース契約締結時に受けた説明の内容として、「将来の家賃変動の条件」や「賃料減額のリスク」が上位を占めているものの、いずれも6割程度にとどまっており、契約内容をすべて把握した上で契約締結している大家さんばかりではないことが明らかです。
サブリースをめぐるトラブルの中には、契約書を丁寧に確認しておくことで回避できたと考えられるものもあり、契約書に書かれている内容をじっくりと読み込んでおく必要があります。
サブリースの仕組みを理解していますか?
サブリース住宅原賃貸借標準契約書とは
その後、民法改正や賃貸住宅管理業者登録制度をはじめ、環境変化等を踏まえて、2018年3月に改訂。具体的には、「賃料の改定時期等の明確化」、「サブリース業者から契約を解約できない期間の設定」などの事項が追加されています。
サブリース契約書の記載事項
ひな形のサブリース契約書は全部で22ページにものぼり、すべてに目を通すのは時間や労力を要しますが、後々のトラブルを避けるためにも契約締結前に一読しておくことをおすすめします。
サブリース契約書の重要なチェックポイント
1. 賃料の見直しと改定について
「家賃保証」の内容と意味を把握
また、賃貸需要の変化が生じる可能性もあるでしょう。そのため、サブリース契約において、数年ごとにサブリース賃料を見直す旨が規定されていることは、問題点ではなく当然のことと言えます。
なお、サブリース賃料は、サブリース会社が入居者から支払われる家賃から一定の額を差し引いて、大家さんに支払われることになります。そのため、サブリース賃料は、入居者から支払われる賃料よりも下回ることになるということを知っておきましょう。
2. 賃料等の内訳について
3. 契約期間と解約について
しかし、違約金が発生する可能性があることを知っておきましょう。契約書に、中途解約および違約金についてどのような取り決めになっているのか、必ず確認しておくようにしましょう。
「普通借家契約」と「定期借家契約」
【普通借家契約】
契約期間を1年以上で設定するものです。契約期間を1年未満とした場合には期間の定めのない契約です。契約期間満了後は、借主が引き続き契約更新を希望する場合、原則として同条件で契約は更新されることになります。貸主は、原則として更新を拒絶することはできません。なお、貸主、借主双方から賃料の見直しを請求することも認められています。また、契約期間の途中で解約することもできます。借主からの中途解約は特段の事由がなかったとしても行うことができます。ただし、貸主からの中途解約は貸主に正当な事由や立ち退き料等の給付がなければ、原則として行うことができません。
【定期借家契約】
あらかじめ定めた契約期間満了後、契約は原則として更新されることなく契約が終了するものです。借主が引き続き対象建物を利用したい場合は改めて契約締結が必要となります。なお、貸主、借主双方から賃料の見直しを請求することも認められていますが、特約で契約期間中の賃料の見直しを行わない旨を定めることができます。借主にやむを得ない事情がある場合、中途解約を行うこともできます。一方、貸主からの中途解約は、基本的に認められないと解されています。
普通借家契約でサブリース契約を締結した場合
定期借家契約でサブリース契約を締結した場合
さまざまな観点から考えても、定期借家契約でサブリース契約を締結した方が、大家さんにメリットが多いと考えます。
4. 修繕費やリフォームの規定
5. 入居者の情報
そもそも、転貸借を行う場合、賃貸物件所有者である大家さんの承諾が必要であるため、入居者情報の開示を求めることはできますが、開示拒否のトラブルもあります。契約書に入居者情報を報告する旨の項目を入れておくことで、そのようなトラブルを予防することもできます。
契約を締結する前に話し合うことが大切
しかし、それは、サブリースの内容を詳しく知ってこそできることですよね。まずは、自身で契約書の内容を確認することから始めましょう。なお、質問したことに対してきちんと答えてくれる業者を選ぶことも大切なポイントです。空室リスクを回避するなど、賃貸経営におけるリスクから大家さんを守る仕組みであるサブリース。
サブリースにはメリットだけでなく、デメリットもあることをよく理解した上で、活用の検討を進めましょう。
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よくある質問
- サブリースのメリット・デメリットは?
- 前述したとおり、空室や滞納リスクを回避できるのがサブリースの第一のメリットです。そのほかにも、管理を代行してもらえるなどのメリットもあります。ただし、サブリース業者の倒産や、本来の家賃を下回るサブリース賃料を受け取ることになるなどのデメリットもあるので注意が必要です。詳しくはこちらの記事を参照ください。
- サブリース業者を選ぶポイントはある?
- 以前、サブリース事業を行っていたシェアハウス業者が倒産しトラブルとなった事件がありましたが、経営状況が安定しているかどうかは、業者選定の際のチェックポイントの一つと言えるでしょう。詳しくはこちらの記事を参照ください。
- サブリースの法改正で何が変わった?
- 2020年12月施行の「サブリース業者と所有者との間の賃貸借契約(特定賃貸借契約)の適正化に係る措置」において、新しい規定が法律に盛り込まれました。たとえば、故意に事実を告げなかったり、事実と異なることを告げたりして、サブリース契約の勧誘をすることを禁止する「不当な勧誘行為の禁止」などです。詳しくはこちらの記事を参照ください。
まとめ
トラブルが起こる前に最大限のリスクヘッジを。
気になる点は客観的な意見をプロに仰ぐのもひとつの手段です。
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この記事の監修者
AFP/社会福祉士/宅地建物取引士/金融広報アドバイザー
日本社会事業大学 社会福祉学部にて福祉行政を学ぶ。大学在学中にAFP(ファイナンシャルプランナー)、社会福祉士を取得。大学卒業後、アメリカンファミリー保険会社での保険営業を経て、(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わった。その後、2008年8月より独立し、現在、自社の代表を務める。