防犯対策やプライバシー配慮に!空室対策にも効果的なスチールメッシュやフェンスについてご紹介します

2024.01.22更新

この記事の監修者

岩野 愛弓

岩野 愛弓

【資格】宅地建物取引士

防犯対策やプライバシー配慮に!空室対策にも効果的なスチールメッシュやフェンスについてご紹介します

この記事では、スチールメッシュやフェンスの設置を考え中の大家さん向けに、設置効果や相場、おすすめ商品などをご紹介します。

目次

暮らしやすい物件にするために大家さんができること

近年、入居者に人気のある設備は、インターネット無料など通信面でのお得な設備が上位になっていますが、この他、オートロックやホームセキュリティ、防犯カメラなどセキュリティ対策の設備も多く選ばれています。

また、インターネット無料に関しては、パソコンやスマートフォン、ゲーム機などをWi-Fi接続で利用する入居者が多く、ファミリー層でも単身者でも同じ傾向があります。また、*セキュリティに関しては、さまざまな事件・事故が多様化しているため、未然に犯罪を防ぐ対策が施されている物件が、より注目されていると考えられます。どんな物件にするか、どんな設備を取り入れるかなど、大家さんの選択によって、新規の入居希望者の数や入居者の暮らしも変わってきます。

大家さんができる、物件の防犯対策

入居者が快適で安心安全な暮らしを送るためにも、防犯対策は欠かせないものになっています。オートロックや防犯カメラ、TVモニター付きインターホンなど、お部屋に関係する設備の他に、スクリーンやフェンスなど建物の敷地まわりの防犯対策も物件チェックのポイントのひとつと考えられます。

オートロックやTVモニター付きインターホンは、すでに敷地内に侵入者がいるときの対策ですが、スチールメッシュ、フェンスなどの敷地まわり対策は、侵入者を未然に防ぐことにつながる設備の1つです。

スチールメッシュ、フェンス設置の効果

敷地まわりにスチールメッシュやフェンスを設置することによって、次のような効果が期待できます。

1. 近隣トラブル防止

スチールメッシュやフェンスを設置することにより、隣地との境界トラブルを防ぐことができます。一般的に、スチールメッシュやフェンスは隣地との境界部分に設置します。設置によって、お互いが境界地点を視覚的に確認することができますので、植栽や外に置くゴミボックスなどが越境することを防ぎます。

2. セキュリティ対策

ある程度の高さを確保したスチールメッシュやフェンスなら、簡単に乗り越えることが難しいため、セキュリティ対策としての効果が期待できます。また、フェンスがあることによって、はじめから侵入をあきらめさせる心理的効果がはたらく場合もあります。そのため、外部から簡単に侵入してしまうことを防ぐことにつながるのです。

3. プライバシーの保護

スチールメッシュやフェンスは、プライバシーを守る効果が期待できます。隣の建物との距離が近い場合や、窓からの視線が気になる場合、部屋に居てもプライバシーが守られているか不安に感じる入居者もいることでしょう。視線を遮られる機能があるフェンスなら、近距離であってもプライバシー保護の効果があります。

スチールメッシュ、フェンスの種類や相場

スチールメッシュやフェンスには、様々なデザインがあり、費用にも違いがあります。ここからは、種類や費用の相場、設置するときの注意点などについてご紹介していきます。

目的によって種類を選ぶ

敷地まわりに設置するフェンスの素材で多く見受けられるのは、アルミ素材のものではないでしょうか。鉄素材よりも錆びにくく、軽量で加工もしやすいことから、デザインやカラーなどの種類がとても豊富です。建物の雰囲気に合わせてコーディネートしたい場合や、ブロック塀との組み合わせなどでプライバシー具合を手軽に調整したい場合などに向いています。

本物の素材と質感にこだわるなら、鉄素材のアイアンフェンスや木製のフェンスがおすすめです。西洋風のイメージがある建物なら、アイアンでおしゃれ度がアップします。また、木製フェンスは「和」のスタイルを取り入れた建物に似合うでしょう。ただし、本物の素材を選択する場合は、雨風や紫外線などでダメージを受けたときのメンテナンスを考えておく必要があります。

相場、設置にかかる費用

スチールメッシュやフェンスの設置費用ですが、フェンスの素材、ブロック塀との組み合わせなどで費用に違いがでてきますので、ここでは参考相場としてご紹介します。アルミ素材のフェンスの場合、1枚あたり1~3万円程度で、フェンスを建てる支柱は1本あたり2千円程度目安とします。

このフェンスと支柱を組み合わせで取り付けていきますが、取り付けの工事費用が別途かかるため、プラスで1枚あたり5千円~1万円が必要となります。木製フェンスの場合なら、幅1.8m程度で2万円程度、支柱は1本あたり4千円程度が目安となります。取り付け工事は塗装工事を含め、別途1.8mあたり5千円程度が必要です。

【確認】隣地との境界線について

スチールメッシュやフェンスを設置するときに注意しなければならないのが、隣地との境界線です。一般的には、隣地との境界部分には土地を測ったときの境界標が設置してあります。境界票はお互いの土地がどこまでなのかを客観的に示しているものですので、しっかりと確認しておくことや基礎部分、支柱の取り付け位置などが境界をこえないことがポイントになります。

フェンスを境界線の真上に設置するときは、一般的に費用は敷地所有者がお互いに折半していることが多いです。(ひとつのフェンスを互いに共有して使うという考え方)この場合は、隣地の所有者と事前に相談して同意を得る必要があります。

一方で、境界線から出ないように自分の敷地側にフェンスを設置する場合は、隣地の所有者に同意を得る必要はありません。ただし、境界線ギリギリにフェンスを設置するときに注意しておきたいのが、「基礎」です。

基礎は土の中に埋められる部分もあるのですが、フェンスよりも大きく作られることがありますので、土の中の基礎部分が境界線を越えて、トラブルにつながることがあります。フェンスを設置するときは、隣地との境界ポイントをしっかりと確認すること、基礎が境界線を越えてしまわないことに注意しましょう。

おすすめのスチールメッシュ、フェンスをご紹介

ここからは、実際に活用できるおすすめのスチールメッシュやフェンスをご紹介していきます。それぞれの商品の特長などを参考いただき、物件の特徴にあわせてご検討ください。

1. 三協立山(ユメッシュフェンス)

三協立山は、外部用フェンス、門扉などエクステリア用品を広く取り扱う国内大手のメーカーです。

大きさやデザイン、カラーなど種類が豊富に揃っており、住宅やアパート、マンションの他、商業施設や公共施設、駐車場などあらゆる場所で活用できます。お手頃でコストパフォーマンスに優れたものや、美観を優先したデザイン性があるもの、取り付けの施工方法に工夫があるものなど、設置場所に最適な商品が見つかるでしょう。

敷地が広く、フェンスの設置費用が心配な方には、お手頃な商品も揃っている三協立山のメッシュやフェンスを検討してみてはいかがでしょうか。
メーカー三協立山株式会社
商品名ユメッシュフェンス

2. LIXIL(アルミ形材フェンス)

LIXILは、サッシやキッチンなどの住宅設備、建材からエクステリア商品まで、あらゆる建築商材を取り扱う大手メーカーです。

デザイン性のある商品も得意としており、スタンダードなアルミ素材のフェンスの他にも、木質フェンスや竹垣フェンスなど、建物との調和を意識しながらプライバシーや防犯性を確保する商品を揃えています。

サイズやカラーのバリエーションが豊富ですので、フェンスだけではなく、非常階段やエアコン室外機などの目隠しにも活用できます。デザイン性のあるアパートやマンションで、その外装に似合うコーディネートをしたい場合は、LIXIL商品はおすすめです。
メーカー株式会社 LIXILグループ
商品名アルミ形材フェンス

3. 四国化成(メッシュフェンス)

四国化成は、外壁材を含む建材料やカーポートなどのエクステリア製品を取り扱うメーカーです。

スタンダードなアルミ素材のフェンスはもちろん、天然木の温もりを再現したデザイン性あるフェンス、プライバシーを高めた格子状のフェンスなど、目的や設置場所に応じて様々なバリエーションから選ぶことができます。四国化成の「メッシュフェンス」はコストパフォーマンスに優れているため、予算が限られている方も検討しやすいですね。
メーカー四国化成工業株式会社
商品名メッシュフェンス

4. YKK AP(イーネット)

YKK APは、サッシで有名な国内大手のメーカーです。サッシ以外にも、フェンスや門扉などエクステリア製品をたくさん取り扱っています。

YKKのフェンスは、施工のしやすさも重視している点がポイントです。現場施工がしやすいことで、短時間での工事が可能になり、入居者への影響も最小限にできます。デザインやカラーのバリエーションも豊富で、門扉との組み合わせも様々なパターンを選択できます。複雑な形の敷地でも対応できるように、接合部の施工性にも配慮されていますので、アパート・マンションの敷地に合う施工方法が可能です。
メーカーYKK AP株式会社
商品名イーネット

5. ニッケンフェンスアンドメタル

ニッケンフェンスアンドメタルは、運動場や公園などの公共施設フェンスも得意としているメーカーです。他のメーカーにない特長として、小動物侵入を防ぐ目的のものや、有刺鉄線のものの取り扱いがあることです。

様々なフェンスがある中で、コストパフォーマンスに優れた宅地の境界設置用の「E・Sメッシュフェンス」は、アパート・マンションにおすすめです。支柱の取り付け方やフェンスデザインに裏表がない種類もあり、両面からの美観に配慮された住宅が密集するエリアでも、美しく設置することができます。
メーカー株式会社ニッケンフェンスアンドメタル
商品名メッシュフェンスシリーズ

スチールメッシュ、フェンスを設置して空室対策へ繋げよう

スチールメッシュやフェンスを設置することによって、物件の周囲が区画され、敷地内の防犯性も高めることができます。また、外からの視線を遮ることによってプライバシーが保てるため、1階の物件などでは特に、入居希望者への好印象につながるでしょう。

駐車場や駐輪場エリアも、隣地との区画が明確であると、盗難や車上荒らしの被害を避ける効果があり、物件のアピールポイントの1つとして挙げられるのではないでしょうか。

まとめ

今回は、物件や敷地周囲の防犯対策の設備として、スチールメッシュやフェンスをご紹介しました。フェンスを設置することの効果や、おおよその費用、フェンスの種類など。お伝えした内容を参考に、空室対策につながることを考えて、スチールメッシュやフェンスの設置をぜひ検討してみてください。

この記事の監修者

岩野 愛弓

岩野 愛弓

【資格】宅地建物取引士

注文住宅会社に15年以上従事し、不動産売買業務の他、新築・リフォームの内外装、家具・建具造作の現場監修を行う。オリジナルデザインの住宅を数多く経験。不動産・住宅専門の執筆活動も行っている。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
●また、具体的なご相談事項については、各種の専門家(税理士、司法書士、弁護士等)や関係当局に個別にお問合わせください。