【大家さん向け】賃貸の雨漏りトラブル!応急処置や修理費用についても説明します

2024.03.15更新

この記事の監修者

弘中 純一

弘中 純一

【資格】宅地建物取引士/一級建築士

【大家さん向け】賃貸の雨漏りトラブル!応急処置や修理費用についても説明します

賃貸経営で起こりうるトラブルの1つ、「雨漏り」。雨漏りが発生した際の修繕義務や費用負担と相場、確認方法を解説します。

雨漏りは入居者の生活に支障が出ることも…
管理会社に相談しながらベストな方法で修繕を行いましょう!

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目次

雨漏りの放置はNG!大家さんの修繕義務

雨漏りは築年数の古い物件に多いものですが、時には築浅の物件にも起こることがあります。自然現象によるものが多いため、突然のことに慌ててしまう大家さんも多いのです。いざという時に慌てることなく的確に対応できるよう、最低限知っておきたい知識についてお伝えします。

雨漏りが起こった場合、大家さんに修繕義務が生じます。民法第606条(賃貸人による修繕等)には次のような規定があります。

賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない。

雨漏りは自然現象が原因となるもので、賃借人に責められるような理由はないため、大家さんが修繕しなければならないものです。雨漏りを放置しておくと入居者の生活に支障が出るばかりでなく、建物にも影響を与えます。耐久性が低下し、資産価値を大きく減少させることにもなりかねません

また、大家さんが雨漏りを放置して修繕しない場合には、入居者から家賃減額請求や契約解除ができると、民法第611条(賃借物の一部滅失等による賃料の減額等)に定められています。さらに、修繕義務違反による損害については賠償請求の対象となりますので、雨漏りは絶対に放置してはいけないのです

雨漏りが発生したら、どんな対応をしたらいいか

雨漏りは予兆もなく突然起こることがあります。これまで一度も雨漏りがなかったとしても、風向きや雨の強さにより予想していない場所から起こることもあるでしょう。雨漏りの発生を知らされた時、大家さんは次のような対応をするよう心がけてください。

大家さんがやるべきこと

雨漏りがあった時、最初に発見するのは入居者でしょう。入居者は管理会社に連絡するか、大家さんに直接連絡しますが、まず現場の確認が最優先です。管理会社の担当者に現場に行ってもらい、雨漏りの場所・状況・被害状態を確認し、必ず写真を撮影してもらいます

被害状況により緊急で対応する場合もありますが、夜間などであればとりあえずバケツに雨水を溜めておき、翌日に工事業者を手配するなど、管理会社には臨機応変に対応してもらう必要があります。

火災保険を適用できるかできないかにかかわらず、まず「事故報告」をする必要もあるため、復旧工事の見積もりや損害額を確定する準備もしなければなりません。これらを管理会社と相談しながら的確に進めるようにします

入居者にやってもらうこと

入居者には、雨漏りが続いている間に被害が大きくならないよう、家財道具などの移動をお願いしましょう。被害を受けたものについては写真撮影と、購入時期や金額についてまとめてもらうようにします。

家具や家電など高額なものでも、購入時から年数が経っている場合は償却年数の適用により補償金額が低減されます。入居者にはていねいなお見舞いの言葉を伝えるとともに、火災保険を適用するか、また大家さんの施設賠償責任保険を適用するかについての話し合いに参加してもらいましょう

雨漏りを事前に防ぐためのポイント

雨漏りが起こってからだけでなく、起こる前から事前に対策しておくことも大切です。まず、台風が発生したら天気予報に注意し、定期的に進路予想などを確認しておきます。そして、台風上陸に備え、屋根・軒・外壁などに不具合がないか点検しておきましょう。

とくに以前被害にあったことがある場合は、同じ部分から雨漏りすることも考えられます。台風以外にも、雨を伴った突風や横殴りの雨などが軒天井から小屋裏に吹き込んでくるケースもあります。軒天井に穴や浮きなどがあれば、あらかじめ修繕しなければなりません。

雨漏りの応急処置方法

「水が漏れてきた」と入居者から連絡があったら、現地確認を行い、雨漏りかそれ以外の水漏れかを確認しなければなりません。水漏れには、主に次のような現象があります。

・天井から水が落ちてくる
・天井の隅や照明器具から水が落ちてくる
・窓周りの壁や壁裏に水がしみ込み、変色やカビが発生している

これらの原因としては雨以外に、天井や上階の給水管・給湯管・排水管からの水漏れなどがあります。積雪地で中央に樋がある特殊な屋根形状の場合、屋根排水からの水漏れも起こりえます。給水管や給湯管、排水管からの水漏れであれば、元栓を閉めて止めましょう。

その後、天井裏に溜まった水の処理方法を検討します。天井裏に大量の水が溜まって天井のボードが膨らんでいる場合は、重みにより天井部材が落下する恐れもありますので、小さな穴をあけて水を抜く必要があるでしょう。

雨漏りか配管関係からの水漏れかを確認するには、天井の一部を解体する必要があります。また、ある程度経験のある人でなければ原因の判断が難しいこともあり、素人が判断することは避けてください。

また、たとえば2階建てアパートの2階で大量の雨漏りや水漏れが起こると、1階にも影響が出てくるかもしれません。その場合、1階の入居者への注意喚起も必要になります

雨漏りの修理費用相場と工事期間

雨漏りの修理費用や工事期間は、その原因や修理方法により大きな違いがあります。よくある事例と費用相場やおおよその工事期間をまとめましたので、参考にしてください。

雨漏りは火災保険の対象になる?

台風や大雨などの自然災害による雨漏りには、火災保険が適用されます。ただし、人為的に付けられた傷や穴などからの雨漏りや、屋根材などの経年劣化により起こった雨漏りには適用されません。自然災害による雨漏りについて、火災保険が適用されるのは、次のような場合です。

【風災】
台風などの強い風により瓦がずれた場合、屋根葺き材が変形したり破損したりした場合、強い風により飛んできたもので屋根が破損した場合など

【雪災】
屋根に積もった雪の重みや、積雪の落下によって屋根が破損した場合など

【雹(ひょう)災】
雹により屋根が破損した場合など

強い風で雨が吹き込んだ場合は、屋根の経年劣化と判断される場合もあるため、必ずしも火災保険が適用できると思い込まず、確認することが大切です。また、雨漏りとよく似た現象に積雪地で発生する「すが漏り」があります。すが漏りは火災保険が適用されないケースも多く、保険会社に確認が必要です

よくある質問

ここでは、雨漏りに関するよくある質問をご紹介します。
入居者が放置して躯体にまで影響が出た場合の費用は誰負担になる?
雨漏りが生じているのを知りながら入居者が放置していて、影響が構造躯体にまで及んだ場合は、入居者に対し「善管注意義務違反」による賠償請求が可能です。大家さん所有の建物に雨漏りがあることを入居者が知った場合は、速やかに大家さんや管理会社に知らせなければなりません。入居者には「善良なる管理者」として、大家さんと同様、建物の維持保全に関する注意義務があるためです。
入居者が勝手に修理していた場合の大家さんの対処は?
入居者が雨漏りを大家さんに知らせず、勝手に修理するケースもありえます。勝手に修理したといえども、雨漏りの対処は大家さんの「使用収益させる義務」に該当し、この修理費用は入居者が大家さんに請求できる「必要費」に該当します。この定めは民法第608条(賃借人による費用の償還請求)に明記されています。したがって、入居者からの請求に対し、大家さんは修理費の支払いをしなければなりません。
築年数が10年以下の場合の雨漏りは契約不適合責任の対象になる?
新築工事を請け負った工事会社、あるいは売主として販売した不動産会社には「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく10年保証の義務があります。工事会社または不動産会社は10年間の「契約不適合責任」を負わなければなりませんので、新築から10年以下の賃貸住宅で雨漏りがあった場合はこの対象になります。契約不適合責任について詳しくはこちらの記事を参照ください。
老朽化による雨漏りで修繕しても採算が取れそうにない場合。いっそのこと建て替えを検討したほうがいい?
雨漏りの修繕は、雨漏りする部分だけの工事では終わらず範囲が大きくなることもあります。工事範囲が広がると費用もかさみ、修繕費を償却するまでには長期間がかかります。修繕後の入居状況の見通しによっては、多額な修繕費を投入するよりも建て替えをするほうが収益性がよいケースもあるでしょう。管理会社とも相談し、建て替えも視野に検討することが重要です。

まとめ

雨漏りは基本的に大家さんが対応しなければならないものです。突然起こることが多いため、日ごろから心構えをしておく必要があります。管理会社とも連携し、緊急の対応や修繕の手配などをスムーズに進められるよう、イメージトレーニングをしておくと役立つでしょう。

また、自然現象が原因の場合は火災保険の適用が可能ですが、適用されないケースもあるので注意が必要です。築古物件の場合は、雨漏りが起きそうな部分がないか事前に点検することも重要ですので、定期的にメンテナンスを行う計画を立てておくとよいでしょう。

雨漏りは入居者の生活に支障が出ることも…
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弘中 純一

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【資格】宅地建物取引士/一級建築士

宅建取引士・一級建築士として住宅の仕事に関り30年。住宅の設計から新築工事・リフォームそして売買まで、あらゆる分野での経験を活かし、現在は住まいのコンサルタントとして活動中。さまざまな情報が多い不動産業界で正しい情報発信に努めている。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
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