入居者の利用方法によってはトラブルになりやすいため、
大家さんがしっかりルール設定しましょう
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※ページ下部の「賃貸経営一括相談および土地活用プラン一括請求サービスの注意点」をご確認いただいたうえ、ご利用ください。
目次
専用庭・ベランダ・バルコニーは「専用できる共用部」
庭は「専用庭」と称することもあり、バルコニーは賃借する部屋に付随するもののため、入居者が自由に使ってよいものと思われていますが、専用庭やバルコニーはあくまでも共用部であり、大家さんの所有物になるからです。
賃貸借契約書では専用庭やバルコニーについての利用権を、明確に記載していないケースもありますが、分譲マンションと同様、使用するにあたってのルールがあります。たとえば、専用庭をまったく使わずに雑草が生い茂るといった状態は、善管注意義務に違反し、退去時には原状回復の対象になります。
また、バルコニーは災害時の避難経路にもなり、上階や左右の部屋の入居者がもしもの場合、避難できる状態を保っていなければなりません。
賃貸借契約の締結時には、専用庭やバルコニー・ベランダの使用方法について、使用規則などを別途準備し、入居者によく理解してもらうための工夫も必要でしょう。
大家さんが知っておくべき専用庭・ベランダ・バルコニーの注意点
事故防止や近隣トラブル予防のために利用規制について入居者に伝えよう
避難経路を確保する
そこを塞いでしまっては隣に逃げることもできず、また隣の入居者がこちらに逃げてくることもできません。人命に関わることなので、避難経路の確保については厳重に守るようにしてもらわなければなりません。
排水に注意する
使い終わって水を流す時に、一気に流してしまうと大量の水が隣のバルコニーに流れていくこともあります。また、ガラスや網戸の掃除をベランダで行った場合に排水管を通して流れた水が、下階のバルコニーにあふれ出ることもあり、迷惑を掛けるとともにトラブルになることもあるため、注意が必要です。
火気や煙は禁止
騒音問題
人気のガーデニングも近隣トラブルの可能性がある
・大量の土や砂利を運び込む
・レンガやモルタルで花壇を製作
・ウッドパネルやテラコッタを敷きならべる
大がかりになると虫の発生や薬剤を使った時の臭いなど、周辺とのトラブルが発生する可能性があります。
また、花壇の製作などは材料の運搬時に共用廊下やエレベーターの床・壁を傷付ける可能性もあり、許可の必要な「造作工事」に該当する場合もあります。退去時には原状回復が当然であり、事前に許可を受けて行う必要があるでしょう。そのため、使用規則で禁止事項に指定することも考えられます。
雑草の処理は誰の責任?
では、建物周辺の植栽や駐車場の周辺の雑草などはどのように考えるべきでしょうか。物件周辺の雑草については所有者である大家さんの管理範囲であり、実務的には管理会社が業務として行うケースが多いです。
入居者が庭木を枯らしてしまったら……
専用庭の庭木は大家さんが植えたものであることが多く、入居者の過ちで枯らしてしまった場合や、手入れが悪くて虫が付き枯れてしまったなど、善管注意義務違反により原状回復義務を負うことがあるのです。
原状回復義務とは、大家さんの所有物を借りて使用する賃借では、退去の際に損傷を与えたものは借りた時の原状に戻して返すことをいいます。
賃貸契約の際に内容説明をしっかり行おう
さらに、庭やベランダなどの屋外付属物を積極的に使用できる場合は、使い方のルールや誤ったことによる損害賠償など、トラブルにならないよう契約時に十分説明する必要があります。
使用規則やルールブックを作っておき、契約時には入居者に説明し渡しておくことが大切でしょう。また、これらのルール作りは管理会社と相談しながら進めるのが重要です。
専用庭・ベランダ・バルコニーは人気設備の1つ
そのほか、子どもの遊び場や物干しスペースなど実用的な用途もあり、専用庭付き物件を求める人も多いと思います。また、専用庭は1階になるため、敬遠する人もいます。そのようなケースでは、バルコニーやベランダに同じような魅力を感じる人もいるでしょう。
これから新築物件を計画している大家さんや、既存物件の1階部分に専用庭を設けて、新しいニーズに対応するのも有効な空室対策となります。
たとえば、オーソドックスなベランダ・バルコニーを入居者がカスタマイズできるガイドプランを用意すると、イメージをつかみにくい入居者にアピールすることができ、入居率を高める効果も期待できるのではないでしょうか。
専用庭やベランダ・バルコニーをアピールポイントにする場合は、ターゲットを具体的にイメージしたマーケティングが重要です。
さらに、ベランダガーデニングを行う場合、ベランダ・バルコニーを頻繁に出入りすることになりますが、無施錠は大変危険なことです。窓用の防犯センサーを設置するなど、セキュリティ対策をすると、アピールポイントになるでしょう。
まとめ
専用庭やベランダ・バルコニーは付属した部屋だけの専用に思えますが、災害時などは避難経路として使用されるケースもあります。ルールを知らせておかないと勝手気ままに使用され、近隣の人たちに迷惑を掛けることにもなりかねません。
室内の使用方法については細かい規則のある賃貸マンションでも、外部の共用部についてはあまり細かな規則を決めていないケースもあります。
賃貸マンションの建物と敷地はすべて大家さんが所有するものであり、大家さんには管理責任があります。管理物件内での事故やトラブルに対しても責任を問われることがあるでしょう。多くの人が共同で生活するマンションで快適に暮らすには、住民皆でルールを守る必要があります。そのルールを作るのは、大家さんの大事な役割です。
広いベランダなど入居者の利用方法によってはトラブルになりやすいため、大家さんがしっかりルール設定しましょう
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※ページ下部の「賃貸経営一括相談および土地活用プラン一括請求サービスの注意点」をご確認いただいたうえ、ご利用ください。
この記事の監修者
宅地建物取引士/一級建築士
宅建取引士・一級建築士として住宅の仕事に関り30年。住宅の設計から新築工事・リフォームそして売買まで、あらゆる分野での経験を活かし、現在は住まいのコンサルタントとして活動中。さまざまな情報が多い不動産業界で正しい情報発信に努めている。