アパート・マンションに大切な消防設備点検
もしもの時に備えて基礎知識をおさえておきましょう。
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目次
アパート・マンションの消防設備点検

消防設備点検の対象
知っていますか?火災警報器の設置義務
消防設備点検の期間と費用
点検の種類 | 期間 | 実施内容 |
---|---|---|
機器点検 | 6か月に1回 | 正確に配置されているか、外観を確認 (簡単な操作で判別できる範囲) |
総合点検(機器点検と同時に実施) | 1年に1回 | 実際に起動させて、正確に作動するか詳細に確認 |
消防設備点検の注意点
避難設備に不備があれば刑事責任が問われる可能性も

避難設備が故障していたり、法令の基準に対して設置数が不足していたりする場合などには、その避難設備には不備があるとされます。せっかく避難設備を使用して避難しても、そこからの避難経路が何かしらの物品で妨害されている場合なども、厳密にいえば避難設備の不備です。
もし避難設備に不備があり、万一火災が起こった際に入居者などが逃げ遅れた場合には、大家さんなどの建物関係者の責任となります。もちろん避難設備に限らず、消防設備全般の点検を怠ったり、不備を放置したりすると、防火管理上の義務違反として大家さんが刑事責任に問われる可能性もあります。
過去の事例
そして、このような火災はマンションやアパートにおいても十分に起こり得ます。くわえて、避難はしごや避難誘導灯などの避難設備は風雨に晒されやすい所に設置されるため、不備も発生しやすくなります。避難設備の不備を放置して、防火管理上の義務違反とならないように気を付けましょう。
アパート・マンションの避難設備

避難器具
避難はしごは基本的にはベランダに設置されていますが、建物の構造によっては吹き抜け部分などに設置されている場合もあります。建物の構造によっては、救助袋のような避難はしごや、自分で金具を使って吊り下げる「自在式はしご」が設置されています。消防設備点検では、これらの避難はしごを実際に作動させます。人間が避難器具を使って避難するための空間を降下空間と言いますが、消防設備点検時に降下空間に障害物があった場合、その避難設備は不備となります。
そのほか、避難はしご本体の破損やサビなどはもちろん、ハッチの状況や「避難器具」などと表示するプレートの有無も点検対象となっています。
誘導灯
また、誘導灯には非常口へ誘導する「避難口誘導灯」と、非常口がある方向を矢印で示す「通路誘導灯」などがあり、設置される場所の状況によって明確に設置できる種類が定めらます。近年はLED式の誘導灯が主流となっており、暗い所だけでなく、明るい所でも視認しやすくなっています。
また、誘導灯には停電時でも視認できるように蓄電池が内蔵されており、消防点検ではこの蓄電池が正常に作動するかどうかも点検項目になっています。
誘導標識
誘導灯のように電灯がついているわけではなく、プラスチック製のパネルなので停電時の暗闇の中では見えなくなってしまいますが、中には蓄光塗料で発光する誘導標式もあります。誘導標識には、配線が不要なため誘導灯が設置できない場所にも設置できるメリットもあります。消防設備点検では、誘導標識が正しく設置されているか、汚れ・破損などで認識できない状態にないか、などを確認します。
アパート・マンションの安全管理は入居者の協力も必要

また、消防設備点検をせっかく実施しても、ほとんど入室できずにまともに点検できなかったというケースも実際にあります。それで消防設備の不備に気づけなかったとしても、不備は不備であり、火災の際に責任問題に発展することに変わりはありません。消防設備点検を糸口として、ご自身の物件の安全管理のため、入居者にもしっかりと安全について意識してもらうよう努めましょう。
まとめ

アパート・マンションに大切な消防設備点検
もしもの時に備えて基礎知識をおさえておきましょう。
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この記事の監修者

吉田 成志
【資格】宅地建物取引士/ファイナンシャルプランナー/マンション管理士/消防設備士
専任の宅建士として不動産仲介会社に従事した後、マンション管理士・消防設備士として独立。宅建士をはじめとした幅広い知識や経験を生かし、不動産売買や賃貸時に気になる疑問点の相談なども担当している。