消防設備点検は大家さんの義務!マンションの避難設備についても解説します

2024.02.13更新

この記事の監修者

吉田 成志

吉田 成志

【資格】宅地建物取引士/ファイナンシャルプランナー/マンション管理士/消防設備士

消防設備点検は大家さんの義務!マンションの避難設備についても解説します

万一の災害に備え消防設備の必要性、消防設備点検とは点検するのかなどを知っておきたい大家さんにおすすめの記事です。

アパート・マンションに大切な消防設備点検
もしもの時に備えて基礎知識をおさえておきましょう。

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目次

アパート・マンションの消防設備点検

アパートやマンションの消防設備点検とはどのような点検なのか、どれくらいの頻度で実施するのかなどを解説していきます。

消防設備点検の対象

アパートやマンションには、建物の規模によって消防設備を設置する義務が発生します。消防設備の設置義務がある建物では、大家さんなどの関係者に消防設備点検が義務付けられており、物件がある地域を管轄する消防署に報告する義務が課せられます

緊急時に避難するための避難はしごや誘導灯などは、消防設備の中の「避難設備」であり、もちろん消防設備点検での点検対象となります。

知っていますか?火災警報器の設置義務

自動火災報知設備の設置基準に満たないマンションや一戸建て住宅にも、2006年より火災警報器設置が義務付けられています。消防設備点検では住宅用火災警報器は点検対象外ですが、本体の点検ボタンを押せば動作確認ができます。

消防設備点検の期間と費用

消防設備点検には二種類があり、期間と実施内容が異なります。
点検の種類期間実施内容
機器点検6か月に1回正確に配置されているか、外観を確認
(簡単な操作で判別できる範囲)
総合点検(機器点検と同時に実施)
1年に1回実際に起動させて、正確に作動するか詳細に確認
6か月に1回の機器点検と1年に1回の総合点検で、総合点検は機器点検と同時に実施することが通常です。消防設備点検の費用は、建物の規模・設備の種類によってかなり変動しますが、50戸程度の居住用1Rマンションであれば、5万円~10万円前後で実施できるケースが多いです。

消防設備点検の注意点

自動火災報知設備や、ベランダの避難設備を点検する際には、各住戸に作業員が立ち入る必要があります。トラブルを未然に防ぐため、入居者には消防設備点検のため各住戸に作業員が立ち入る旨を事前に告知しましょう。

また、避難設備の点検では、実際に避難設備が使用できるかどうかを確認します。ベランダに避難設備の妨げとなる物品を放置しないよう日常的に通知しておくことが大切です

避難設備に不備があれば刑事責任が問われる可能性も

消防設備は「警報設備」・「消火設備」・「避難設備」の3つに分類されます。どの消防設備も入居者の命を守るためにとても重要な設備ですが、とくに避難設備は入居者の緊急避難・安全に直接関係します。

避難設備が故障していたり、法令の基準に対して設置数が不足していたりする場合などには、その避難設備には不備があるとされます。せっかく避難設備を使用して避難しても、そこからの避難経路が何かしらの物品で妨害されている場合なども、厳密にいえば避難設備の不備です

もし避難設備に不備があり、万一火災が起こった際に入居者などが逃げ遅れた場合には、大家さんなどの建物関係者の責任となります。もちろん避難設備に限らず、消防設備全般の点検を怠ったり、不備を放置したりすると、防火管理上の義務違反として大家さんが刑事責任に問われる可能性もあります。

過去の事例

たとえば、昭和55年には栃木県の川治プリンスホテルで、45名もの死者が出る痛ましい火災が起こりました。この火災における問題点としては、防火管理者の未専任や、消防計画の未作成などがありました。

また、この火災では「防火管理体制の不備」や「消防用設備等維持管理の不適」として、明確にホテル経営会社の専務が業務上過失致傷罪で実刑判決を受けています。

そして、このような火災はマンションやアパートにおいても十分に起こり得ます。くわえて、避難はしごや避難誘導灯などの避難設備は風雨に晒されやすい所に設置されるため、不備も発生しやすくなります。避難設備の不備を放置して、防火管理上の義務違反とならないように気を付けましょう。

アパート・マンションの避難設備

避難設備には、避難はしごや救助袋など、さまざまなものがあります。ただし、設置される大まかな避難設備の種類は、建物の用途ごとに定められています。従って、ここでは避難はしごなどに代表される、マンション・アパートでよく見かける避難設備について詳しく解説していきます。

避難器具

「避難器具」とは避難設備の一種の呼称で、避難はしごなど、実際に火災から避難する際に使用するものを指します。避難器具は、何階建ての建物か、収容人数が何人か、などの条件によって設置する種類や数が決まります。

アパートやマンションでは、主に避難はしごが設置されることになっており、そのほとんどはベランダなどの床に金属の避難ハッチを埋め込む「ハッチ式」の避難はしごです。

避難はしごは基本的にはベランダに設置されていますが、建物の構造によっては吹き抜け部分などに設置されている場合もあります。建物の構造によっては、救助袋のような避難はしごや、自分で金具を使って吊り下げる「自在式はしご」が設置されています。

消防設備点検では、これらの避難はしごを実際に作動させます。人間が避難器具を使って避難するための空間を降下空間と言いますが、消防設備点検時に降下空間に障害物があった場合、その避難設備は不備となります

そのほか、避難はしご本体の破損やサビなどはもちろん、ハッチの状況や「避難器具」などと表示するプレートの有無も点検対象となっています。

誘導灯

誘導灯とは、建物の出入り口や廊下などでよく見られる、人が非常口から外に出ているようなイラストの緑色の電灯で、「避難誘導灯」とも呼ばれます。誘導灯の設置の際は、非常時の混乱のなかでも誘導灯を辿れば外へ出られるように、主要な出口や各階の階段に通じるルートに設置するよう求められます。

また、誘導灯には非常口へ誘導する「避難口誘導灯」と、非常口がある方向を矢印で示す「通路誘導灯」などがあり、設置される場所の状況によって明確に設置できる種類が定めらます。近年はLED式の誘導灯が主流となっており、暗い所だけでなく、明るい所でも視認しやすくなっています。

また、誘導灯には停電時でも視認できるように蓄電池が内蔵されており、消防点検ではこの蓄電池が正常に作動するかどうかも点検項目になっています。

誘導標識

誘導標識とは、壁に取り付けるパネルで、電灯ではありません。イラストは誘導灯と同じですが、誘導標識は誘導灯を補助するように、誘導灯を見通せない廊下の曲がり角などに設置します。

誘導灯のように電灯がついているわけではなく、プラスチック製のパネルなので停電時の暗闇の中では見えなくなってしまいますが、中には蓄光塗料で発光する誘導標式もあります。誘導標識には、配線が不要なため誘導灯が設置できない場所にも設置できるメリットもあります。

消防設備点検では、誘導標識が正しく設置されているか、汚れ・破損などで認識できない状態にないか、などを確認します

アパート・マンションの安全管理は入居者の協力も必要

消防設備は入居者の命を守るためにとても大切なものです。消防設備点検の際に避難はしごの降下地点に障害物が置いてあったならば、大家さんとしては移動を命じなければなりません。しかし本当は、点検時だけでなく、普段から降下地点に障害物を放置しないように指導していくことが理想です。

また、消防設備点検をせっかく実施しても、ほとんど入室できずにまともに点検できなかったというケースも実際にあります。それで消防設備の不備に気づけなかったとしても、不備は不備であり、火災の際に責任問題に発展することに変わりはありません。

消防設備点検を糸口として、ご自身の物件の安全管理のため、入居者にもしっかりと安全について意識してもらうよう努めましょう

まとめ

マンションに消防設備が設置されていれば、消防設備点検の義務があります。避難はしごや誘導灯なども、避難設備という種類の消防設備であるため、消防設備点検の対象です。

そして、消防設備点検では、感知器や避難はしごの点検でどうしても住戸内に立ち入らなければなりません。しっかりと入居者に消防設備点検の重要性や避難設備の意義などを理解してもらい、大家さんと入居者が協力してアパート・マンションの安全管理を行っていきましょう。

アパート・マンションに大切な消防設備点検
もしもの時に備えて基礎知識をおさえておきましょう。

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【資格】宅地建物取引士/ファイナンシャルプランナー/マンション管理士/消防設備士

専任の宅建士として不動産仲介会社に従事した後、マンション管理士・消防設備士として独立。宅建士をはじめとした幅広い知識や経験を生かし、不動産売買や賃貸時に気になる疑問点の相談なども担当している。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
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