アパートローンの繰り上げ返済はお得?メリット・デメリットをご紹介します

2024.03.22更新

この記事の監修者

キムラ ミキ

キムラ ミキ

【資格】AFP/社会福祉士/宅地建物取引士/金融広報アドバイザー

アパートローンの繰り上げ返済はお得?メリット・デメリットをご紹介します

アパートローンの繰り上げ返済を検討中の大家さんに向けて、基本情報やメリット・デメリットについてご紹介します。

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目次

繰り上げ返済でキャッシュフローを改善は正解か?

大家さんの中にはアパートローンを利用している人は多いでしょう。家賃収入から経費支出を行った後に手元に残るお金に余裕があるに越したことはありません。

手元に残るお金を増やす、つまりキャッシュフローを改善するにあたって、繰り上げ返済は本当に有効な手段なのでしょうか。

たとえば、アパートローンで1億円を返済期間35年、金利3%で借り入れると、毎月の返済額は約38万円です。10年経過後に500万円の繰り上げ返済(期間短縮型)を行っても、実は毎月の返済額は変わりません。

ただし、総支払利息は520万円程度軽減されることになり、返済期間も2年ほど短縮されるため、長い目でみればキャッシュフローの改善につながりますが即効性はありません

アパートローン繰り上げ返済には2通りある

先ほど例に挙げた繰り上げ返済の方法は、「期間短縮型」といわれるものです。繰り上げ返済の方法には、もうひとつ「返済額軽減型」といわれる方法があります。それぞれの内容を確認していきましょう。

期間短縮型

期間短縮型は、アパートローンの毎月の返済額は同じ金額のまま、返済期間を短くすることによって総支払利息を軽減する方法のことです

返済額軽減型

返済額軽減型は、返済期間は同じ期間のまま、月々の返済金額を少なくすることで総支払利息を軽減する方法のことをいいます。たとえば、アパートローンで1億円を返済期間35年、金利3%で借り入れたケースで考えてみましょう。

10年後に期間短縮型と返済額軽減型、それぞれで繰り上げ返済を行った場合の効果を比較してみましょう。

期間短縮型返済額軽減型
毎月返済額384,850円361,086円
残りの返済期間22年10ヶ月25年0ヶ月
繰り上げ返済の効果(圧縮された利息)5,215,590円2,105,380円

繰り上げ返済の効果

期間短縮型の方が、繰り上げ返済の効果は高くなりますが、アパートローンの毎月の返済額には変化がありません。一方、返済額軽減型は毎月の返済額を2万円ほど引き下げることができますが、繰り上げ返済の効果は期間短縮型よりも小さくなります。

どちらの方法でも、繰り上げ返済によるキャッシュフロー改善効果はあります。ただし、それが毎月の返済額を引き下げることを目的とするのであれば、返済額軽減型を選択した方がよいでしょう。

一方、即効性はなくても全体的なキャッシュフローを改善することを目的とするのであれば、期間短縮型を選択した方がよいでしょう

つまり、繰り上げ返済法の選択を誤ると、必ずしも、望んでいるキャッシュフロー改善結果を得られないということになります。

繰り上げ返済を検討する際には、まず自分は、繰り上げ返済によってどのような効果を期待しているのかを考えた上で、適切な方法を選択しましょう

アパートローン繰り上げ返済のメリット

アパートローンを繰り上げ返済することで、得られるメリットを整理します。

利息の負担を軽減できる

先述したように、アパートローンを繰り上げ返済することで、総支払利息を軽減することができるのが大きなメリットです。

返済額軽減型を選択すれば、毎月の返済額を減少させられるのでアパート経営における支出が減少し、手元に残るお金が増えることになります。

また、期間短縮型では早く返済を終わらせることができる上に、支払う必要があった利息を大幅に軽減することができます

金利変動に対するリスクを回避できる

アパートローンの金利が変動金利となっている場合、金利変動リスクを軽減することができます。変動金利は毎年2回金利の見直しが行われ、返済額は5年に1度見直されるのが一般的なので、もし、急に金利水準が上がった場合でも、急に返済額が増加することはありません

また、5年ごとの返済額見直しの際にも、現状の返済額の1.25倍までしか増加することはありません。しかし、その5年の間に適用金利が引き上げられると、返済額を超えた利息部分が生じてしまう可能性があります。

この返済額を上回った部分の金額は、一般的に「未払利息」と呼ばれています。

毎月の返済額が増加する可能性も…

アパートローンは、一般的に長い返済期間を設定します。期間短縮型で繰り上げ返済を行うことで、金利変動リスクにさらされる期間を短縮することができます。

ただし、金利上昇局面で繰り上げ返済を行うと、その時点の金利で返済額が再計算されるため、毎月の返済額が増加してしまう可能性もあることには留意しておきましょう

与信が上がる

繰り上げ返済を行うことで「きちんと返済する能力がある」ことを金融機関にアピールできるという点もメリットとしては挙げられます。

ただし、金融機関としては繰り上げ返済によって融資金回収ができるというメリットがある反面、予定していた利息収入を得られることができないというデメリットもあります

将来的にアパート経営を拡大していく予定があり、融資を受ける可能性があったり、金融機関と良好な関係構築を保っておきたいと考えたりする場合は、繰り上げ返済を大家さんの独断で実行せず、金融機関に相談しながら進めていく方が無難であるといえます

アパートローン繰り上げ返済のデメリット

これまで、主にアパートローンの繰り上げ返済のメリットについて触れてきましたが、もちろん以下のようなデメリットもあります。

急な対応ができない

まとまった資金を返済に充てれば、手元資金が少なくなります。手元資金が少ないと、地震などの自然災害により予定外の修繕費や、空室が発生して賃料収入の減少といった、急きょ発生する可能性のある支出、収入減少による自己負担をねん出できない可能性もあります

アパートローンの繰り上げ返済を行う際には、手元に余裕のある資金を残しておくことも考慮に入れておきましょう。

新規不動産の購入が難しくなる

繰り上げ返済により、手元資金が少ない状態であるときには、賃貸物件を新たに購入、建築することが難しくなる可能性があります。

フルローンで新規の賃貸物件を購入、建築するとしても諸費用が必要であり、審査の上でも空室リスクをカバーする資産が少ないことは不利な要素です。

手数料がかかる場合がある

繰り上げ返済を行う際は、一般的には手数料が必要です。金融機関によって手数料は異なります。繰り上げ返済を行う際には、必ず確認をしておきましょう。

決断前に抑えておくべき、もうひとつの視点

繰り上げ返済を行うことによる一般的なメリット、デメリットについてご説明をしてきましたが、アパート経営視点での繰り上げ返済を行うことの妥当性について考えてみましょう。

税制

繰り上げ返済は税制面では不利といえます。アパートローンの返済額のうち、利息は経費としてみなされます。そのため、繰り上げ返済を行った結果、総支払利息を軽減することで、経費も削減され、賃料収入から経費を差し引いた不動産所得が増加することになります。

キャッシュフローは改善されても、所得税の負担が増える可能性があります

スケールメリット

アパート経営は、その規模が大きくなるほど経営状態が安定します。たとえば、ワンルームマンションを1部屋所有しているケースと、1棟(10室)の賃貸物件を所有しているケースを比較してみましょう。

1部屋空室が生じた場合、ワンルームマンション1部屋所有の場合、空室率は100%となり、賃料収入が全く生じません。

一方、1棟(10室)の賃貸物件を所有している場合、空室率は10%となり、残り9部屋の賃料収入は確保することができます。既存の賃貸物件の稼働率が良好であり、繰り上げ返済できる手元資金があれば、新たに賃貸物件を取得して、規模を拡大してスケールメリットを享受することもひとつの考え方です。

こんなケースは検討してみよう

アパートローンの繰り上げ返済は、キャッシュフローの改善にはつながりますが、必ずしも全ての大家さんに有効な手段とはいえない側面があります。それでは、どのような大家さんであれば、繰り上げ返済が有効なのでしょうか。

アパート経営の規模拡大を検討している場合

たとえば、2棟目などアパート経営の規模拡大を考えており、手元資金が潤沢にある大家さんであれば、検討の余地があるといえます

既存のアパートローンの繰り上げ返済を行ってもなお、新規のアパートローン契約をする際の頭金や諸費用、そして空室発生や修繕費など予定外の収入減や支出増への対応費が十分に手元に残るのであれば、新規アパートローンの審査に与える影響も少ないでしょう。結果として、キャッシュフローの改善をはかることができるため有効といえます。

ローン返済を早期に済ませたい場合

また、規模拡大を考えておらず、現在の賃貸物件に対するアパートローンの返済を早期に済ませたいという方もアパートローンの繰り上げ返済は有効でしょう

ただし、繰り上げ返済に充てる資金を支出しても、空室発生や修繕費など予定外の収入減や支出増への対応費が十分に手元に残るように考慮は必要です

よくある質問

ここでは、アパートローンに関するよくある質問を紹介します。

アパートローンは元利均等返済と元金均等返済どちらがいい?

元利均等返済は、返済額が一定なので返済計画を立てやすい一方、元金均等返済よりも総支払利息は多くなるというデメリットがあります。元金均等返済の場合、元利均等返済と比較すると、元金の減少が早いので総支払利息が少なくなりますが、当初の返済額が大きくなる点がデメリットです。詳しくはこちらの記事を参照ください。

アパートローンの繰り上げ返済ができないときはある?

アパートローンは、金利タイプによって繰り上げ返済できない場合があるため注意が必要です。たとえば、固定期間中は繰り上げ返済ができないなど、金融機関によって条件が異なります。契約時には、繰り上げ返済に関する手数料のほか、繰り上げ返済の条件などについても確認しておくとよいでしょう。

アパートローン完済後の抵当権は自動で抹消するの?

アパートローン完済後は抵当権の抹消が必要になりますが、これは自動的に抹消されるわけではなく、自身で抵当権抹消登記をする必要があります。

司法書士に依頼することも可能ですが、自身で行う場合は、抵当権抹消登記申請書の作成し、法務局に申請しなければなりません。

まとめ

アパートローンの繰り上げ返済はお得か否かという問いには、「お得ではありますが、考慮する点もあります」という回答が正解です。大家さんが、今後、アパート経営をどのように継続させていきたいかによって、繰り上げ返済を行う方がよいかどうかは異なります。

一側面だけをみて繰り上げ返済を進めるのではなく、さまざまな視点から自分の場合には繰り上げ返済が有効か否かを考えるきっかけにしてみるとよいでしょう。
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この記事の監修者

キムラ ミキ

キムラ ミキ

【資格】AFP/社会福祉士/宅地建物取引士/金融広報アドバイザー

日本社会事業大学 社会福祉学部にて福祉行政を学ぶ。大学在学中にAFP(ファイナンシャルプランナー)、社会福祉士を取得。大学卒業後、アメリカンファミリー保険会社での保険営業を経て、(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わった。その後、2008年8月より独立し、現在、自社の代表を務める。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
●また、具体的なご相談事項については、各種の専門家(税理士、司法書士、弁護士等)や関係当局に個別にお問合わせください。