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相続放棄の件数は増えている
要因としては、人口減少があげられる他、地方から東京などの都市部へ移住した方が、「利用機会や価値が低い、地方にある不動産を相続しても仕方がない」と、相続放棄を選択したケースが増加したと考えられます。また、不動産を相続すると維持費や固定資産税の支払いなども負担しなければならず、それらを避けるためにも相続放棄を選択する方は少なくありません。
相続放棄するってどういうこと?
その遺産分割協議の前段階で、相続できる権利を放棄するというのが、「相続放棄」です。民法には相続の放棄の効力として、「その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。」と記されています。
相続放棄をするためには、相続の開始があったことを知った時から3か月以内にその旨を家庭裁判所に申述しなければなりません。相続放棄をする旨を、親族などに告げただけでは相続放棄とはならない点には注意しておきましょう。
相続放棄するための手続きの流れ
必要書類と費用
1.相続放棄の申述書
2.被相続人の住民票除票又は戸籍附票
3.申述人(放棄する方)の戸籍謄本
4.被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
親の財産を子が相続放棄する以外の以下のようなケースでは、他の書類も必要となりますので、裁判所に確認をされるとよいでしょう。
・申述人が、被相続人の配偶者
・申述人が、被相続人の子の代襲者(孫,ひ孫等)(第一順位相続人)
・申述人が、被相続人の父母・祖父母等(直系尊属)(第二順位相続人)
・被相続人の兄弟姉妹及びその代襲者(おいめい)(第三順位相続人)
相続放棄の申述に必要な費用としては、相続放棄の申述には収入印紙800円分と連絡用の郵便切手代を考えておきましょう。ただし、専門家に手続きを依頼する時には、代行費用として数万円を考慮しておく必要があります。
申述書の記入と提出
2ページ目には相続放棄の申述の趣旨を記入します。相続の開始を知った日、相続放棄の理由、相続財産の概略が主な内容です。相続放棄の理由としては以下の選択肢が挙げられていますが、1~5に該当しない理由も記入することができるようになっています。
1.被相続人から生前に贈与を受けている
2.生活が安定している
3.遺産が少ない
4.遺産を分散させたくない
5.債務超過のため
相続放棄するときに気をつけること
親族に伝えるだけでは放棄できない
放棄の波及効果を知っておく
たとえば、父、子、父の妹がいる状態で、父が亡くなった時の法定相続人は子となります。この時、子が相続放棄をすると、法定相続人は父の妹となります。このように、相続放棄をした場合、後位の法定相続人に相続権利が移動して、後位の法定相続人に責任を負わせる可能性もあるため、あらかじめ相続放棄をする旨を伝えておくのが望ましいでしょう。
全ての法定相続人が放棄をした場合
つまり、相続放棄をしても、相続人、または相続財産管理人が決まるまでの間、相続放棄をした者に管理責任があるということです。相続放棄の際には、相続財産管理人の選任など管理についての検討も行っておく姿勢が必要です。
※相続財産管理人
家庭裁判所は,申立てにより,相続財産の管理人を選任します。相続財産管理人は,被相続人の債権者等に対して被相続人の債務を支払うなどして清算を行い,清算後残った財産を国庫に帰属させることになります。
相続財産管理人の報酬は、相続財産から支払われます。ただし,相続財産が少なくて報酬が支払えないと見込まれる時は,申立人から報酬相当額(10~20万円)を家庭裁判所に納め,それを財産管理人の報酬に充てることもあります。
相続放棄以外に相続不動産から手を放す方法
【売却】
売却をすれば、相続した不動産から手を放すこともできます。売却の方法については、地元の不動産会社に相談しながら検討されるとよいでしょう。
【寄付】
自治体、または個人や法人に寄付するという方法もあります。寄付によって、贈与税や所得税の負担が生じる場合もあります。
相続土地国庫帰属制度について
2023年4月27日に開始された、相続や遺贈で土地を取得した人が、一定の条件を満たせばその土地を国に引き取ってもらえる制度です。ただし、いらない土地なら何でも手放せる制度、というわけではなく、審査があり、建物がついている土地、管理に費用がかかる土地、担保権がついている土地などは対象外になりやすいことに注意が必要です。相続放棄はしたくないけど、土地だけ手放したい、という場合に検討の価値はあります。
まとめ
この記事の監修者
AFP/社会福祉士/宅地建物取引士/金融広報アドバイザー
日本社会事業大学 社会福祉学部にて福祉行政を学ぶ。大学在学中にAFP(ファイナンシャルプランナー)、社会福祉士を取得。大学卒業後、アメリカンファミリー保険会社での保険営業を経て、(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わった。その後、2008年8月より独立し、現在、自社の代表を務める。