【大家さん必見】不動産トラブルに強い弁護士とは?費用相場も解説します

2024.08.28更新

この記事の監修者

逆瀬川 勇造
逆瀬川 勇造

AFP/2級FP技能士/宅地建物取引士/相続管理士

【大家さん必見】不動産トラブルに強い弁護士とは?費用相場も解説します

弁護士に相談すべき不動産トラブルの内容や、依頼するメリット・デメリット、費用相場などを分かりやすく解説します。

不動産売買や賃貸経営でトラブルが起きたら…
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目次

弁護士に相談するべきトラブルの内容とは

家賃滞納や入居者同士のいさかいなど賃貸経営ではトラブルがつきものです。トラブルをすべて自分で解決できればよいのですが、自分の力だけでは対応しきれない問題もあります。

トラブル解決のために法律の知識が必要になることや、訴訟などの法的な手続きが必要になるケースも多いものです。そんな時に頼るべき存在が弁護士です。どんなトラブルなら弁護士に相談すべきか、費用はどれくらいかかるのか…。

不動産でのトラブルといっても内容は多岐にわたるものです。トラブルの内容によって、管理会社や司法書士など頼るべき業者も異なってきます。ここでは、弁護士に相談すべきトラブルについて、「不動産売買」「賃貸経営」それぞれのタイミングでの具体的な内容を見ていきましょう。

不動産売買

アパートやマンションを購入する際や売却する際には大きな金額が動くため、トラブルも大きくなりがちです。契約などの法律が関わってくるケースも多いため、弁護士に頼るべき場面も多いでしょう。不動産売買で、弁護士に相談すべきトラブルには次のようなものがあります。

・購入したアパートやマンションに欠陥があった
・売買契約後の契約解除のトラブル
・欠陥がある物件の補償が受けられない
・売買契約書の不備
・購入した土地の境界線を巡って近隣とトラブルになる

賃貸経営

賃貸経営では入居者相手や管理会社などの業者相手にトラブルが起きるケースが多いものです。賃貸経営で弁護士を頼るべきトラブルには、次のようなものがあります。

・家賃滞納での訴訟や立ち退き手続き
・隣人トラブルの仲介
・敷金返還や原状回復費用についてのトラブル
・契約更新料のトラブル
・管理会社が契約内容どおりに管理業務をしてくれない
・サブリース契約でのトラブル

不動産トラブルを弁護士に相談するメリット・デメリット

不動産トラブルを弁護士に依頼するとなっても、「こんなことくらいで…」「費用が掛かりそう」などと躊躇される大家さんもいらっしゃるでしょう。弁護士に相談することには、メリット・デメリットがあるのできちんと把握したうえで適切に判断することが大切です。ここでは、メリット・デメリットについて見ていきます。

メリット

不動産トラブルを弁護士に相談するメリットには、次のようなことがあります。

・スムーズな解決が期待できる
弁護士に依頼する最大のメリットは、やはり問題のスムーズな解決が期待できることです。不動産トラブルでは、入居者といった個人相手だけでなく不動産会社などの業者を相手にしなければならないこともあります。対企業となると話し合いが進まない可能性も出てくるため、弁護士に相談することでスムーズな解決が期待できるのです。

・裁判の手続きや書類作成に対応してくれる
法律が関わってくるケースも多く、個人では対応が難しくなるものです。個人でトラブルを対応する場合は、時間も手間もかなり掛かり、賃貸経営と並行してするには大きな負担となります。しかし、弁護士であれば、トラブルに対して適切な処置やアドバイスでスムーズに解決に導いてくれるので、賃貸経営に集中できるでしょう。トラブルによっては訴訟などの法的な手続きや書類作成が必要になりますが、こちらも弁護士が代わりにしてくれるため、万が一、裁判沙汰になってもあわてずに対応できます

・トラブル相手への本気度を示せる
入居者の家賃滞納トラブルや、不動産会社と締結した管理委託契約の内容に関するトラブルなど、大家さん自身で解決を試みても相手に交わされてしまう場合もあるでしょう。しかし、弁護士に依頼して内容証明などを弁護士名義で送ると、相手もトラブルの重要性やこちらの本気度を理解し対応してくれる可能性が高くなります。

デメリット

弁護士に相談するデメリットには、次のようなことがあります。

・高い費用が掛かる
弁護士に依頼する際のデメリットには、費用が高額になるという点があります。弁護士依頼の場合、一般的に依頼する際の着手金や解決した際の成功報酬が掛かり、弁護士によって費用は大きく異なります。トラブルの内容によっては、費用が嵩んでしまい不動産経営での大きなマイナスになる場合もあるので注意しましょう。

・相手との関係性が悪化する
弁護士に依頼することで相手に敵対心が生まれる可能性もあります。依頼する弁護士の態度によっては相手の態度が硬化してしまうケースもあるでしょう。トラブル解決後も関係性が続く入居者や業者の場合、円満に解決できないと関係性が悪化してしまう可能性があります。

弁護士に依頼する際の費用相場

弁護士に依頼すると費用が高額になることを心配する方も多いでしょう。弁護士費用について把握していないと、高額な費用を請求されてしまうという可能性もあるので注意が必要です。弁護士に依頼する際には、次のような費用が掛かります。 

・相談料:無料~1万円
・着手金:10万円~30万円
・成功報酬:利益の10~20%
・そのほか費用(日当・交通費などの実費・手数料)

トラブルについて弁護士に相談する際、まずは相談料が発生します。相談料は1時間につき5,000円~1万円程度が目安となるでしょう。弁護士への相談後、実際に依頼する際に着手金が発生します。

着手金は依頼の成功に関わらず必ず発生する費用で、10万円~30万円が相場です。弁護士依頼の場合、依頼の成功に伴い成功報酬が必要になります。成功報酬は、成功で得た利益に対して一定の割合で掛かってくるのが一般的で、失敗した場合では発生しません。

また、上記以外にも必要書類の印紙代や郵送代・弁護士の交通費や調査代などの実費や手数料も発生する場合もあります。弁護士への費用は、トラブルの内容や相談先の弁護士によっても異なるので事前に確認するようにしましょう。また、賃貸経営で弁護士を依頼した場合は必要経費として処理できます

弁護士費用をおさえる方法はある?

初回相談料が無料というケースも多いものです。費用をできる限りおさえたい方は、無料相談を活用するとよいでしょう。また、費用が心配な場合は公的な機関である「法テラス」の利用もおすすめです

トラブル解決のための適切な相談先を案内してくれる法テラスであれば、無料の法律相談もできます。条件を満たせば弁護士費用の建て替え制度も利用できるので、弁護士依頼の第一歩として検討するとよいでしょう

弁護士に相談する時のコツ

トラブルはなるべく早期に解決したいものです。弁護士に相談する前に、次のようなことを準備しておくとトラブルの解決がスムーズに進みます。

・トラブルがいつ・どのような内容で起きたのかをメモしておく
・当事者とのやり取りを記録しておく
・対処したことを記録しておく
・対処してほしいことをまとめておく

弁護士にトラブル内容を正確に伝えることで、スムーズな解決が期待できます。「いつ」「どんな内容」「どんな対応」などトラブルに関わる内容をできるだけ記録しておきましょう。この時、日付や日時も記録しておくことで、後になっても事実関係を把握しやすくなります。

また、弁護士に相談する際、最初の相談は時間が決められています。対処してほしいことなどをまとめておくことで、限られた時間を有効に活用できるでしょう。

弁護士を選定する際のポイント

数多くの弁護士事務所が存在しているため、どの弁護士事務所に相談すればいいのか悩むものです。弁護士事務所を選定する際のポイントには、次の3つがあります。

・複数の弁護士事務所を比較すること
・費用に関して細かく確認すること
・相談内容に合った弁護士を選定すること

複数の弁護士事務所を比較すること

依頼する際には、複数の弁護士事務所を比較することが大切です。弁護士費用やどんな依頼が得意なのかは事務所によって異なります。無料相談などを活用して、弁護士費用の確認や実績などを比較して選ぶようにしましょう。

費用に関して細かく確認すること

弁護士費用は、弁護士によって大きく異なります。不動産トラブルでは問題が複雑なことも多く、費用が高額になる可能性も高いものです。トラブル内容や解決方法にも費用が左右されるので、どのような解決方法があるか相談することをおすすめします。

また、成功報酬は自分にとっては成功ではない場合でも、契約内容によっては支払わなければならないことがあるため、成功の定義を理解しておくことが大切です。どのような条件が成功になるのかを契約時にしっかり確認しておきましょう

相談内容に合った弁護士を選定すること

弁護士によって得意とするトラブル内容や実績は異なるため、自分が解決したいトラブル内容に強い弁護士を選ぶことが大切です。売買トラブルなら法律だけでなく税金の知識も必要でしょう。

また、トラブルの相手が不動産会社などの法人なのか、入居者などの個人なのかでも相談すべき弁護士も変わってきます。弁護士を選ぶ際には、その弁護士の専門性や実績を調べたうえで判断することが大切です

まとめ

不動産トラブルを弁護士に依頼するメリット・デメリットや費用相場についてお伝えしました。賃貸経営では、不動産トラブルが起こる可能性が高く、弁護士に依頼することで適切な解決を期待できます。

しかし、弁護士に依頼すると費用が高額になる可能性もあるので、事前に費用を確認しトラブル内容に合った弁護士を選ぶことが大切です。この記事を参考に、いざという時の相談先として弁護士を活用できるようにして、安心して賃貸経営していきましょう。

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逆瀬川 勇造
逆瀬川 勇造

AFP/2級FP技能士/宅地建物取引士/相続管理士

明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。大学在学中に2級FP技能士資格を取得。大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
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