家具付き物件の需要はどれくらい?検討中の大家さんにポイントや注意点を交えてご紹介します

2024.07.23更新

この記事の監修者

逆瀬川 勇造
逆瀬川 勇造

AFP/2級FP技能士/宅地建物取引士/相続管理士

家具付き物件の需要はどれくらい?検討中の大家さんにポイントや注意点を交えてご紹介します

家具付き物件にすることを検討されている大家さんに向けて家具付き物件の需要やメリット・デメリット、注意点などお伝えします。

この記事のポイント
  • 学生や単身赴任の方に需要アリ!大学近くやオフィス街からアクセスのよい立地なら家具付き物件の採用を検討してみても良いでしょう。
  • 家具付きにすることで空室対策になりますが、初期費用のほか修繕や買い換える費用もかかってくる点には注意が必要。
  • 家具を揃えるのにいくらの費用がかかり、どの程度回収できるか?費用対効果を考えながら取り入れることをおすすめします。

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目次

家具付き物件ってご存じですか?

海外では家具付き物件は珍しくなく、特に国内外問わず、人の移動が多い国や、高校卒業後は子どもが親元から離れて自立するのが当たり前という国では、家具付き物件が多く出回っています。

家具家電付き物件も!

最初から、ソファやベッド、カーテンが備え付けられている賃貸物件だとありがたいと感じる入居者の方も多いでしょう。

こうした家具だけではなく、中には冷蔵庫や電子レンジなど生活に必要な家電まで備え付けられている物件もあります。これらの家具や家電は料理や洗濯など、生活してくうえで欠かせないものなので、一定の需要は期待できます。

家具付き物件の需要ってどれくらい?

これまで日本ではあまり多くなかった家具付き物件も、少しずつ増えてきており、主な理由として、単身者が住まいとして選ぶのに「シェアハウス」という選択肢が出てきたことや、ネットで中古品を売買することが当たり前になり、「新品ではなく誰かが使用したものでも構わない」と思う人が増えたことなどが理由として考えられるでしょう。

それでもまだ、家具付き物件はマイナーであることに変わりはありません。大家さんが家具付き物件として貸し出すことを考えるのであれば、ご自身の物件が、どんなエリアや年代層に需要があるのかを深く考えることが大切だといえます。

どんな人たちに需要があるのか

日本ではまだマイナーである家具付き物件ですが、学生や単身赴任の方に需要があります。学生の場合、親元から離れて一人暮らしをする際、家具を一からそろえるのはお金もかかり手間になるほか、期間が限られている場合もあるので卒業後の進路により、2年や4年で不要となってしまう場合もあります。

また、単身赴任の場合、数か月から数年しか住まないことが多いため、家具や家電を購入しても退去する時に処分に困ってしまうためです。

家具付き物件の需要が高い立地や物件

家具付き物件を考えているのであれば、学生や単身赴任の方が多く住む立地や物件かどうかを考えるとよいでしょう。

具体的には、大学の近くやオフィス街からアクセスのよい立地、また学生の借りやすい価格設定の物件や、地方であれば都会から単身赴任でくるサラリーマン向けの物件などが当てはまるでしょう。

大家さんが家具付き物件にする理由とは

実際のところ日本において、家具付き物件はまだ主流であるとはいえません。そうした中、大家さんがお持ちの賃貸を家具付き物件にする理由としては、他の賃貸物件との差別化が挙げられます。

例えば、単身赴任の方が赴任先で賃貸物件を探す際、同じ価格帯であれば家具付き物件を選ぶ可能性は高いといえるでしょう。それは、数か月後・数年後には自宅に帰ることが決まっていることがあるからです。

家具付き物件のメリット

家具付き物件にするメリットとしては、空室対策につながるということが挙げられます。先述の通り、学生や単身赴任の方など一定の層の方にとって、家具付き物件は高い需要があります。

とくに単身者向けの物件を所有していて、うまく入居者を集められていないケースや、周辺の競合物件に家具付き物件が多く見られるケースで導入を検討するとよいでしょう。

所有している賃貸物件の立地やターゲットをよく調べ、空室対策として家具付きにすることを考えてみることには一定の効果を期待できます。

家具付き物件のデメリット

一方、デメリットとしては家具を揃えるだけの費用がかかってしまうことです。1棟物件をお持ちの大家さんの場合、家具付きにする部屋数の分だけ家具をそろえる費用がかかってしまいますし、汚れたり壊れたりした場合は修繕や買い換える費用がかかってしまいます。

家具を揃えた分だけ家賃を高くすることができれば、費用の問題は多少解決できますが、その分、周りの物件と比較しての差別化や空室対策の効果は薄れてきてしまいます。

なお、もう一つのデメリットとしては、入居者の入居期間が短くなってしまいやすいことが挙げられます。家具付き物件は、学生や単身赴任の社会人が住まれることが多いため、2~4年程度で退去していってしまう可能性が高いです。

もちろん、空室が続くよりはよいですが、家具付き物件に特化してしまうと上記のようなデメリットが生じてしまう可能性があることも考えながら、検討する必要があります。

家具付き物件の費用対効果とは?

物件を家具付きにするのであれば、費用対効果を見極めることが大切です。家具を揃えるのにいくらの費用をかけて、どの程度回収できるかを計算するということです。

なお、費用対効果を考えるのであれば、家具の仕入れ費用を安く抑えるという方法もあります。リサイクルショップやネットオークションを利用するなど、安く家具を仕入れるようにするとよいでしょう。

どんな家具がそろっている?

家具付き物件に変更する場合、どんな家具をそろえたら需要が高まるのか迷ってしまう方もいると思います。家具付き物件としてアピールする場合、部屋の中にあるとよいものとしては、以下のようなものが挙げられます。

・ベッド
・ソファ
・ライティングデスク
・テレビ

また、以下のような家具・家電があると「そのまま住める」ことをアピールすることができます。

・冷蔵庫
・炊飯器
・洗濯機
・電子レンジ
・カーテン

【注意】故障した場合は大家さんが負担に?

通常の賃貸物件の場合、入居者が自分で購入した家具や家電が故障した場合、当然のことながら入居者自身が負担をします。一方、水道管や換気扇など、もともと賃貸物件に備わっている物件が故障した場合、基本は大家さんが負担する場合が多いです。

家具付き物件の場合も、設備の故障と同じことが言えます。つまり、家具付き物件に備わっている家具や家電が故障した場合、高い確率で大家さんが負担することになります。

とくに、物件内の複数戸を家具付きにしている場合には、故障した際の負担額も大きくなってしまいます。

家具付き物件にするのであれば、家具家電含めた管理費用や、買い替え費用がどのくらいかかるのかを事前に想定しておくことが大切だといえるでしょう。そして、家具や家電が故障した場合に備えて、家財保険に入っておくのも一つの方法です。

家具付き物件にしたら家賃はどれくらいアップできる?

家具付き物件にした場合、そうでない物件と比べて家賃はどの程度アップできるのでしょうか?

地域にもよりますが、例えば東京都内の場合、物件内容や立地条件が同程度の物件と比較すると、家具付き物件は2~3割程度高く設定されていることが多いようです。元々の家賃が7万円の物件を家具付きにする場合、単純に計算すると1.4~2.1万円程度アップできるということになります。

仮にソファとベッド、テレビ、ダイニングテーブルセットを20万円で揃えた場合、おおよそ1年程度で回収できる計算となります。

もちろん、家賃をアップすると、空室対策効果は薄れてしまいますし、退去時に細かな清掃が必要になったり、買い換えの必要が生じたりといった問題もあるため、これらを含めてどのくらいの家賃設定にするかをよく考えることが大切です。

まとめ

家具付き物件について、日本における需要や家具付き物件にする際のメリット・デメリットなどお伝えしました。空室対策の1つとして有効な家具付き物件ですが、どの程度の効果があるのか、物件のターゲットや周りの費用対効果をしっかり計算することが大切です。

空室対策で悩んでいる大家さんは、本記事の内容を参考に家具付き物件を始めることを検討してみてはいかがでしょうか。

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費用対効果を検証したうえで導入してみてはいかが?

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逆瀬川 勇造
逆瀬川 勇造

AFP/2級FP技能士/宅地建物取引士/相続管理士

明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。大学在学中に2級FP技能士資格を取得。大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
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