目次
温水洗浄便座は賃貸物件でも必要不可欠な設備
ウォシュレット、ビューティトワレ、シャワートイレはご存じの通り、温水洗浄便座のことです。トイレに設置される設備としては、賃貸物件に付けるには贅沢品と感じられる方もいるかもしれません。
しかし、最近ではとくに築年数の浅い物件を中心に多くの賃貸物件で温水洗浄便座が導入されていることをご存じでしょうか。
しかし、最近ではとくに築年数の浅い物件を中心に多くの賃貸物件で温水洗浄便座が導入されていることをご存じでしょうか。
ポータルサイトの検索欄に項目がある
最近の人気を反映してか、大手不動産サイトで物件を検索しようとすると、検索欄に「温水洗浄便座」の項目があります。賃貸物件を探す人の中には、温水洗浄便座の有無で物件を選ぶ人もいるということでしょう。
築年数が浅いほど需要が高い
「温水洗浄便座」の検索項目を使って検索してみると、実際に多くの賃貸物件で導入されていることが分かります。
たとえば、スマイティで「東京都港区」の賃貸物件を検索すると物件数は8,959件です。一方、「東京都港区」で「温水洗浄便座付き」を検索すると物件数は6,871件となり、およそ77%以上の物件で導入されている計算です。(2024年8月時点)
これは、温水洗浄便座の需要の高さを表すと考えてよいでしょう。
たとえば、スマイティで「東京都港区」の賃貸物件を検索すると物件数は8,959件です。一方、「東京都港区」で「温水洗浄便座付き」を検索すると物件数は6,871件となり、およそ77%以上の物件で導入されている計算です。(2024年8月時点)
これは、温水洗浄便座の需要の高さを表すと考えてよいでしょう。
温水洗浄便座の取り付け費用相場
温水洗浄便座の取り付けは、自分で取り付ける方法と、便座だけ購入して業者に設置をお願いする場合、すべて業者に依頼する場合の3通りあります。それぞれメリット・デメリットがあり、費用相場を表にまとめると、以下のようになります。
メリット | デメリット | 価格相場(便座本体費用除く) | |
---|---|---|---|
自分で取り付ける | ・費用がかからない | ・状況次第では自分では取り付けできないこともある | 無料 |
施主支給 | ・商品を自分で選べる ・商品に手数料がかからない | ・業者が対応していない場合がある ・取り付け費用が割高になることがある | 5千~1万円 |
業者に依頼 | ・安心 | ・費用がかかる | 1万~2万円 |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
自分で取り付ける場合
自分で取り付ける場合のメリットは費用を安くできることで、設置するだけであれば無料で取り付けることが可能です。ただし、コンセントが足りない場合や止水栓に問題がある場合には自分では工事できないこともあるでしょう。
なお、温水洗浄便座本体の価格は安いものだと1万円程度、高いものだと10万円を超えるものもあります。
なお、温水洗浄便座本体の価格は安いものだと1万円程度、高いものだと10万円を超えるものもあります。
施主支給の場合
自分で温水洗浄便座を購入してきて、業者に取り付けのみ依頼するパターンです。業者にすべてまかせる場合、温水洗浄便座の費用に業者側の手数料も上乗せされていることが多いですが、施主支給であればそうした手数料がかからず、ホームセンターなどで温水洗浄便座を割安に用意できる点や自由に選べる点がメリットでしょう。
一方、業者によっては取り付け工事のみには対応していないケースや、取り付け費用が割高になるケースがある点にも注意が必要です。
一方、業者によっては取り付け工事のみには対応していないケースや、取り付け費用が割高になるケースがある点にも注意が必要です。
業者に頼む場合
すべて業者にまかせる場合、コンセントを増設するケースや止水栓に問題があるケースなどを含めて、すべておまかせできる点がメリットでしょう。仕上がりもプロ仕様で安心できます。
一方で、取り付けに費用がかかり、また工事内容が多くなるほど費用が高くなっていく点にも注意が必要です。
一方で、取り付けに費用がかかり、また工事内容が多くなるほど費用が高くなっていく点にも注意が必要です。
コンセントが必要
温水洗浄便座を設置するには、コンセントを設置しなければなりません。トイレにはコンセントが設置されているのが一般的で、温水洗浄便座設置時にはそのコンセントを利用すれば問題ありませんが、場合によってはコンセントを増設しなければならないこともある点に注意が必要です。
温水洗浄便座の取り付け方法
ここでは、DIYで温水洗浄便座を取り付ける方法を解説します。具体的な流れは以下の通りです。
1.事前確認
2.工具・温水洗浄便座本体を購入する
3.便座を取り外す
4.固定プレートを取り付ける
5.給水管を取り外す
6.分岐金具を取り付ける
7.止水栓を開ける
8.本体を取り付ける
それぞれ見ていきましょう。
1.事前確認
2.工具・温水洗浄便座本体を購入する
3.便座を取り外す
4.固定プレートを取り付ける
5.給水管を取り外す
6.分岐金具を取り付ける
7.止水栓を開ける
8.本体を取り付ける
それぞれ見ていきましょう。
1.事前確認
まずは、取り付けるトイレの寸法と購入を検討する温水洗浄便座の内容を確認しておきましょう。
具体的には、以下の3つのポイントを押さえておくことが大切です。
・便器タイプと寸法確認
・止水栓確認
・部品確認
便器タイプについては、ロータンク式や隅付ロータンク式などいくつかの種類があり、寸法も異なるため確認が必要です。また、止水栓とロータンクの位置関係も重要で、購入する商品ごとにどの程度の長さが必要になるのかなどを事前に確認しなければなりません。
そのほか、温水洗浄便座を設置する際に、ねじを留めるスパナがなかったり給水ホースの長さが合わなかったりする場合には、別途購入する必要があるでしょう。
具体的には、以下の3つのポイントを押さえておくことが大切です。
・便器タイプと寸法確認
・止水栓確認
・部品確認
便器タイプについては、ロータンク式や隅付ロータンク式などいくつかの種類があり、寸法も異なるため確認が必要です。また、止水栓とロータンクの位置関係も重要で、購入する商品ごとにどの程度の長さが必要になるのかなどを事前に確認しなければなりません。
そのほか、温水洗浄便座を設置する際に、ねじを留めるスパナがなかったり給水ホースの長さが合わなかったりする場合には、別途購入する必要があるでしょう。
2.工具・温水洗浄便座本体を購入する
事前準備で確認した内容に沿って、工具と温水洗浄便座を購入しましょう。複数の部屋に取り付ける場合は、工具を使いまわすことも可能です。
3.便座を取り外す
準備が済んだら温水洗浄便座の取り付けを始めます。まずは、工具を使って便座裏にあるナットを外し、便座を取り外します。
4.固定プレートを取り付ける
次に、固定プレートを取り付けます。上からバッキン、ワッシャ、ナットの順に取り付け、固定していきましょう。
5.給水管を取り外す
次は、給水管を取り外す作業です。給水管から水が出ないよう、止水栓を閉めてから給水管を取り外します。なお、止水栓を閉めても給水管に残った水が漏れるため、床に雑巾を置いておくようにしましょう。
6.分岐金具を取り付ける
給水管を取り外したら、分岐金具を取り付けます。止水栓と分岐金具の間にパッキンを入れ、ナットを締めて分岐金具を取り付け、さらに分岐金具からウォシュレットをつなぐ給水ホースを取り付けましょう。
7.止水栓を開ける
給水ホースを取り付けたら止水栓を開けます。万が一水が漏れるようであれば止水栓をもう一度閉めて、問題の個所を直します。
8.本体を取り付ける
最後に、温水洗浄便座本体を便座に取り付け、コンセントを差し込めば完成です。
温水洗浄便座取り付けの注意点
ここでは、温水洗浄便座取り付けの注意点として、以下3つをご紹介します。
3点ユニットバスは要注意
3点ユニットバスに付いているトイレに温水洗浄便座を取り付ける際には、注意が必要です。温水洗浄便座は電気商品なので、湿気に弱いのです。3点ユニットでも設置可能なタイプを選ぶようにしましょう。
衛生用品なので入退去時の対応が必要
温水洗浄便座は衛生用品ということもあり、入居者によっては他人の温水洗浄便座を嫌がることもあります。入退去時には撤去したり取り替えしたりしなければならないこともある点に注意が必要です。
なお、温水洗浄便座を設置されていないトイレの場合で、入居者が設置した温水洗浄便座を退去時に残していくことがあります。
この場合、次の入居者が外してほしいといった場合、別途工事費用がかかってしまうこともあります。こうした場合に備えて、あらかじめ原状回復時の取り決めをしておくことが大切でしょう。
なお、温水洗浄便座を設置されていないトイレの場合で、入居者が設置した温水洗浄便座を退去時に残していくことがあります。
この場合、次の入居者が外してほしいといった場合、別途工事費用がかかってしまうこともあります。こうした場合に備えて、あらかじめ原状回復時の取り決めをしておくことが大切でしょう。
漏水の不安あり
温水洗浄便座は漏水が起こることがあります。温水洗浄便座から水漏れが起こった場合、いくつかの原因が考えられますが、分岐金具を設置することが原因で起こることも多いようです。
とくに、自分で設置したようなケースではナットの締め込みが甘くないかなど、しっかり確認しておきましょう。また、パッキンが経年劣化して漏水につながるケースも多いため、定期的に確認することが大切です。
とくに、自分で設置したようなケースではナットの締め込みが甘くないかなど、しっかり確認しておきましょう。また、パッキンが経年劣化して漏水につながるケースも多いため、定期的に確認することが大切です。
温水洗浄便座の種類と選び方
温水洗浄便座にはいくつかの種類がありますが、どのような観点で選ぶとよいのでしょうか?ここでは、それぞれの種類と選び方のポイントをご紹介します。
温水貯蔵方式で電気代が変わる
温水洗浄便座が温水を出す方式は温水貯蔵方式と呼ばれ、「瞬間式」と「貯湯式」があります。瞬間式は水を出す時に瞬間的に水を加熱するもので、内臓タンクがないのが特徴です。省スペースなうえに水を保温する電気代が不要なため、電気代を安く抑えることができます。
一方、貯湯式は内臓タンクに水を溜めるタイプで、水を保温するため電気代が高くなってしまいます。ただし、貯湯式は価格が安く、瞬間式は価格が高いという点に注意が必要です。
一方、貯湯式は内臓タンクに水を溜めるタイプで、水を保温するため電気代が高くなってしまいます。ただし、貯湯式は価格が安く、瞬間式は価格が高いという点に注意が必要です。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
瞬間式 | ・電気代が安い ・省スペース | ・価格が高い |
貯湯式 | ・電気代が高い | ・価格が安い |
操作パネルの場所
温水洗浄便座には操作パネルの場所にも「一体型」と「リモコン型」の違いがあります。一体型は便座に操作パネルがくっついているタイプのもので、手ごろな価格ですが掃除しにくいというデメリットがあります。
一方、リモコン型は便座とは独立して設置可能なタイプで、壁に設置するため操作しやすいというメリットがありますが、壁に穴を開ける必要があるという点に注意が必要です。
一方、リモコン型は便座とは独立して設置可能なタイプで、壁に設置するため操作しやすいというメリットがありますが、壁に穴を開ける必要があるという点に注意が必要です。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
一体型 | ・安い | ・掃除しにくい |
リモコン型 | ・操作しやすい | ・高い ・壁に穴を開けなければならない |
とくに、リモコン型は壁に穴を開けなければならないというデメリットが大きく、賃貸物件では一体型が採用されるケースが多くなっています。
さまざまな機能をチェック
そのほか、商品によってはリズム洗浄や温風、脱臭など特殊な機能を備えていることがあります。どんな機能があるとよいか、また人気の機能はどんな機能かなど押さえたうえで導入する温水洗浄便座を決めるとよいでしょう。
おすすめの温水洗浄便座
最後に、おすすめの温水洗浄便座をご紹介します。
【貯湯式一体型】パナソニック・ビューティ・トワレ DL-ENX10
「パナソニック・ビューティ・トワレ DL-ENX10」は貯湯式、一体型ということもあり、安価で導入しやすいのがポイントだといえるでしょう。一方で、低価格でありながら洗浄の強さを弱から強に自動的に繰り返す「リズム洗浄」が採用されているなど、機能面も注目です。
メーカー | パナソニック |
---|---|
商品名 | ビューティ・トワレ DL-ENX10 |
【瞬間式温水洗浄便座】東芝 クリーンウォッシュ SCS-S301
「東芝 クリーンウォッシュ SCS-S301」は瞬間式、一体型の温水洗浄便座です。使う分だけ、水を瞬時に温める、瞬間式のため電気代も安く抑えられるのがポイントだといえるでしょう。入居者に対してもランニングコスト面のメリットを訴求できます。
メーカー | 東芝 |
---|---|
商品名 | クリーンウォッシュ SCS-S301 |
【貯湯式リモコン型】INAX CW-KA21
「INAX CW-KA21」は貯湯式、リモコン型の温水洗浄便座です。リモコン型でありながら、相場価格は3万前後(※変動あり)と価格は抑えめ。壁に穴を開けなければならないというデメリットはありますが、操作性の高いリモコン型に魅力を感じる方もいるでしょう。なお、同じ系列で一体型の商品も出されています。
メーカー | INAX |
---|---|
商品名 | CW-KA21 |
【瞬間式リモコン型】TOTOアプリコット F1 TCF4713R
「TOTOアプリコット F1 TCF4713R」は瞬間式、リモコン型の温水洗浄便座です。相場価格は約5万円と、今回ご紹介したほかの商品と比べると高めの価格設定ですが、電気代を安く抑えられるのに加え、操作性の高いリモコン型となっています。リズム洗浄やマッサージ洗浄など、豊富な機能が使える点もポイントです。
メーカー | TOTO |
---|---|
商品名 | アプリコット F1 TCF4713R |
まとめ
温水洗浄便座について、費用相場や取り付け方法、おすすめの商品などについて紹介しました。とくに、築年数の浅い物件を中心に温水洗浄便座を導入した物件は多くなっており、大手不動産情報サイトの検索項目にも登場するなど、需要は高まっています。
現在、所有物件で温水洗浄便座を導入していないという方でも、今後は空室対策として導入を検討しなければなればならないこともあるでしょう。その際には、この記事の内容を参考にしてください。
現在、所有物件で温水洗浄便座を導入していないという方でも、今後は空室対策として導入を検討しなければなればならないこともあるでしょう。その際には、この記事の内容を参考にしてください。
この記事の監修者
逆瀬川 勇造
AFP/2級FP技能士/宅地建物取引士/相続管理士
明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。大学在学中に2級FP技能士資格を取得。大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。