- 所有物件の家賃が適正か否か不明な場合には、安易に家賃を下げる決断をしてはいけません!
- 不動産会社に相談したり、ポータルサイトなどで類似物件を調べたりすることで家賃相場は把握できます。
- 家賃を下げる前に、その他の空室対策がきちんとできているか確認することが大切です。
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目次
あなたの所有物件の家賃は適正でしょうか?
この問いに根拠をもって回答できないのであれば、家賃の見直しの前に、周辺類似物件をインターネットや不動産会社のチラシなどを参考にして、適正家賃であるか否かの調査が必要です。
そのうえで“適正家賃である”という結論に至った場合には、空室対策として安易に家賃を下げることはおすすめしません。
【参考】家賃相場の調べ方
家賃を簡単に下げてはいけない理由
1.家賃収入が減少する
それによって、アパートローンの返済や修繕など、賃貸経営における諸費用の支払いに支障が生じて、自己資金で補填をする必要が生じる可能性もあります。
2.既存入居者との賃料の不均衡
既存入居者との賃料の不均衡を生じさせないためにも、家賃を安易に下げることはおすすめをしません。
3.利回り・売却査定額の低下
想定表面利回り 10.8%=(6万円×12か月×6戸)÷4,000万円
一方、家賃を1万円下げた場合
想定表面利回り 9%=(5万円×12か月×6万円)÷4,000万円
つまり家賃を下げると、利回りも低下します。将来的に賃貸経営の出口戦略で売却を検討している場合、収益性の指標である利回りが低いと売却査定において不利に働きますので注意しましょう。
家賃・管理費の設定アイデア
1.家賃の下げ幅に注意する
賃貸経営におけるキャッシュフローが悪化する可能性もあるうえ、入居検討者から「訳あり物件」と認識されて敬遠される可能性もあります。
家賃値下げの検討をする場合には、周辺類似物件のうち、築年数や間取り、設備など、所有する賃貸物件と同じ条件の物件の家賃設定を調査して慎重に下げ幅を決めていきましょう。
2.入居者対策を意識する
・所有する賃貸物件の入居者ターゲットは、誰ですか?
・想定する入居者にとって魅力的な物件になっていますか?
・入居者ニーズを満たすために、必要な内装、設備は整っていますか?
このように、入居者対策を意識しながら、家賃の値下げを実行に移していきましょう。
初期費用が抑えられるよう、設定
たとえば、家賃を6万円に設定し、入居時に敷金・礼金を各々家賃1か月分に設定している場合、初期費用(前受家賃、敷金、礼金、仲介手数料)は24万円となります。これに火災保険などの諸費用が加わると、入居時の初期費用は30万円を超え可能性もあります。
しかし、家賃5万5千円、管理費(共益費)5千円とした場合、初期費用(前受家賃、敷金、礼金、仲介手数料)は2万円ほど安くなる計算となります。毎月の家賃収入は変わらないため、キャッシュフローへの影響は少なくなります。
入居者を大切にしよう
物件周辺には、大学や専門学校があり、そこに通う学生を入居者ターゲットにしていました。親元を離れ、不安を抱く学生にとっても、慣れない土地で生活できるだろうかと不安に思うご両親にとっても、この大家さんの取り組みは安心感を生み、築30年を超えた今でも、満室経営をされています。
3.ポータルサイト対策を意識する
検索価格帯が下がるように設定
現在、家賃5万円と設定していた場合、家賃5万円未満で検討している入居検討者に物件情報を見てもらうことはできません。
しかし、家賃4万4千円・共益費(管理費)6千円に設定すれば、毎月の家賃等収入を減少させることなく、家賃4万5千円未満で検討している入居検討者にも物件情報を見てもらうことができます。
4.仲介会社対策を意識する
広告費は、仲介会社から請求することはできず、大家さんからの要望があったときのみ、別途請求できます。また、仲介を依頼する契約類型には、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類があります。
一般媒介契約の場合、大家さんが他の不動産会社にも重ねて入居者募集の依頼をかけることができる一方、専任媒介契約、専属専任媒介契約はほかの不動産会社に重ねて依頼をすることはできません。
なお、専属専任媒介契約の場合は、大家さん自ら入居者を見つけることはできません。
家賃が下がった分を補えるように
また家賃の値下げは仲介手数料の減額につながるため、より力の入れ具合が弱くなることも考えられます。そのため、家賃の値下げを実行する際には、仲介会社との媒介契約を専任媒介契約とするというのも一案です。
さらに、別途広告を依頼し、広告費も支払うなど、家賃が下がった分を仲介会社が補えるように配慮し、入居者募集に力を入れてもらえるように対策を講じることも必要と言えるでしょう。
まとめ
そのうえで、家賃値下げを実行する際には、家賃の下げ幅や共益費(管理費)とのバランス、タイミングなど、管理会社や不動産会社とよく相談し、入居検討者にどうやったら振り向いてもらえるかを考えながら、慎重に進めていくように心掛けましょう。
空室対策としての家賃値下げはあくまでも最終手段。
その前にできることを管理会社と相談しましょう。
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この記事の監修者
AFP/社会福祉士/宅地建物取引士/金融広報アドバイザー
日本社会事業大学 社会福祉学部にて福祉行政を学ぶ。大学在学中にAFP(ファイナンシャルプランナー)、社会福祉士を取得。大学卒業後、アメリカンファミリー保険会社での保険営業を経て、(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わった。その後、2008年8月より独立し、現在、自社の代表を務める。