空室対策に有効?家賃のカード払いで得られる大家さん側のメリットとは

2024.02.22更新

この記事の監修者

いしわた さとみ

いしわた さとみ

【資格】宅地建物取引士/二級建築士/既存住宅状況調査技術者/ホームステージャー

空室対策に有効?家賃のカード払いで得られる大家さん側のメリットとは

家賃のカード払いは大家さんにどのようなメリットがあるのか手数料や費用の問題の解決策。実際導入をする際の流れを解説します。

この記事のポイント
  • キャッシュレス化の波は不動産業界にも波及しています。
  • 家賃をカード払い可にすることは、入居者にも大家さんにもメリットがありますが、手数料負担などのデメリットも。
  • キャッシュフローを考慮したうえで、導入の可否を検討しましょう。

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目次

ますます進むキャッシュレス化は不動産にも

キャッシュレスとは、現金を使用せずに物品やサービスの購買・消費活動を行うことです。クレジットカードやデビットカード、電子マネーなどの種類があります。手元に現金がない場合でも、決済アプリをスマートフォンに入れておけばバーコードやQRコードを読み込んで支払えるなど、その手軽さが人気に拍車を掛けています。

日本では生産性向上や消費の活性化を目指し、2025年の大阪・関西万博に向けてキャッシュレス決済の比率を40%まで伸ばすことを目標に、ポイント還元事業などによるキャッシュレス化を推進しています。将来的には世界最高水準の80%を目指す方向です。

ポータルサイトの検索条件にも登場し始めています

不動産業界においても例外ではありません。大手ポータルサイトや、全国展開する大手不動産会社の物件情報サイトにも「家賃カード払い可」物件をピンポイントで探せるページがあったり、物件検索の条件に「家賃カード決済可」の項目があったりと、家賃をカードで支払うことのできる物件の人気が高まっていることがうかがえます。

賃貸住宅の計画から管理までを請け負う大手建設・不動産会社では自社でクレジット決済代行会社を立ち上げるなど、今後、カードでの家賃支払い可能物件が増えていくでしょう。

家賃をカード払いにすることによって得られるメリット

それでは、家賃をカード払いにすることで、入居者と大家さんそれぞれにどのようなメリットを得られるのでしょうか。

入居者にとってのメリット

ポイント制度や手軽さなど、入居者にとってカードで家賃を支払うことのメリットはかなり大きいといえます。具体的な内容を見ていきましょう。

カードのポイント・マイルが貯まる

ほとんどのカードは使用すると、利用額に応じてポイントが還元されます。

還元の内容はカードよってさまざまですが、貯まったポイントをショッピングに利用したり、マイルに交換して旅行費用に充てたり、なかにはポイントの代わりにキャッシュバックされるカードもあります。いずれにせよ、生活費の中でも金額の大きい家賃を毎月カード払いできれば、効率的にポイントやマイルを貯めることができるため、入居者にとってはメリットが大きいと言えるでしょう。

家賃の振り込み忘れを防止できる

毎月のこととはいえ、うっかり家賃の振り込みを忘れてしまう入居者は少なくありません。忙しい時期であれば、銀行に行く暇がなく、つい後回しになってしまうこともあるでしょう。カードの月額課金であれば、最初に登録手続きをするだけで、毎月銀行までお金を下ろしに行ったり、振り込みに行ったりという手間や時間がかかりません。

うっかり家賃の振り込みを忘れてしまう…といった心配もなくなります。

家賃や初期費用を後払い・分割払いにできる

たまたま出費が重なってしまった時など、手元にまとまった現金がないこともあるでしょう。賃貸を契約した月は、家賃だけでなく敷金や礼金、引っ越し代の支払いなどもあって大変です。そんな時、カードで家賃を支払うことができれば、手元に現金がない場合でも翌月引き落としの後払いになるため安心です。敷金や礼金、仲介手数料など、金額の大きい初期費用を分割で支払うことができれば、一人暮らしのために賃貸物件を契約するハードルも下がるでしょう。

保証人や保証会社がいらない場合がある

賃貸物件の契約に際しては、家賃滞納などのトラブル回避のために連帯保証人を立てるのが一般的です。しかし、保証人は身内であっても頼みにくいものですし、そもそも保証人を頼めるような相手がいないという人もいるでしょう。その場合は、保証会社に加入することで保証人不要となる物件もありますし、最近では家賃保証の付帯したカードも増えています。

カード会社によってはたまったポイントを保証料に充てることができる場合もあるため、保証会社に加入して保証料を支払うよりも費用の負担は小さくなります。

大家さんにとってのメリット

次に、家賃のカード払いを導入した場合の、大家さん側のメリットについて見ていきましょう。

家賃滞納のリスクを抑制できる

継続課金の登録をすれば、毎月入居者の口座から自動で家賃が引き落とされるため、家賃の滞納を防止できるというのが大家さん側の最大のメリットです。万が一、口座の残高不足などによる遅滞があった場合でも、カード決済の利用代金はカード会社の立て替えとなるため、家賃が未収になる心配はありません。督促もカード会社側で行います。家賃保証サービス付きのカードなら、限度額を超えたなどの理由により決済不能となった場合でも家賃が保証されるため、より安心です。

入金管理の手間を削減できる

カード会社と直接契約する場合は入金のタイミングのそれぞれ異なりますが、決済代行会社を介することで、入金サイクルは1本化されます。入金情報はオンラインで確認できるため、従来のように家賃が入金されたかどうか何度も記帳して確認する必要がなく、経理業務が簡素化されます。

ほかの物件との差別化を図ることができる

家賃のカード払いに対応することは、空室対策としても有効です。金額の大きな家賃を毎月カードで決済することは、手数料など費用負担の増大も懸念され、大手不動産会社を除いてはまだまだ浸透していると言えない状況です。しかし、金額が大きいからこそ入居者にとってはカード払いのメリットが大きく、カード決済を導入することは、競合物件との差別化にもつながります。

大家さんが家賃をカード払いにする際に注意したいこと

もちろん、カード決済を導入することはメリットばかりではありません。ここからは、カード払いを検討するうえで大家さんが知っておくべき注意点をお伝えします。

カード払いをすることによって手数料が必要になる

消費者がカードで支払いをした場合、店舗側はクレジット決済手数料をカード会社へ支払わなければなりません。手数料の金額はカード会社や決済を導入する店舗・会社の業種によって異なります。コンビニや量販店の手数料は1~1.5%程度と低めに設定されており、一般的な小売店で3~5%程度、飲食店などは5~7%とやや割高になるようです。

たとえば、家賃を80,000円とした場合、実際に支払う手数料はこのようになります。

家賃80,000円
料率3%5%7%
決済手数料2,400円4,000円5,600円
実際の家賃77,600円76,000円74,400円

もし、家賃80,000円のアパートで5戸の入居者をカード払いにした場合、手数料率3%なら毎月12,000円、5%なら毎月20,000円、7%なら毎月28,000円と、料率によって手数料の金額にかなりの差が出ることがわかります。

カード払いの手数料を支払うのは誰?

前述したように、消費者がカードで決済した場合、店舗側がカード会社へ決済手数料を支払います。入居者が家賃をカードで支払う場合、クレジット決済を導入する大家さんまたは管理会社が、決済手数料を支払うことになります。手数料が経営上の負担になるのであれば、手数料額も含めて家賃を設定しましょう。

ただし、決済手数料を消費者に請求することはカード会社の規約違反となりますから、手数料を家賃と一緒に徴収するのではなく、カード払い対応としたことで物件の価値が上がった分、家賃をアップするという考え方になります。

ただし、家賃をアップしたことによって近隣相場とかけ離れた金額になってしまっては入居者及び入居検討者が離れてしまいますから、家賃アップは慎重に検討しましょう。

入金までのタイムラグがある

大家さんが自ら家賃を徴収する場合、入居者が振り込みしたら遅くとも翌営業日には口座へ入金されます。管理会社が集金を代行する場合には、入居者が家賃を振り込んでから大家さんの口座へ入金されるまでに、事務処理の期間として1~2週間ほどかかります。

カード払いの場合は、カード会社によって引き落とし日や入金日が異なります。ただし、当月締めの翌月の引き落としが基本ですから、決済日と同月に売上確定の処理をしたとしても、売上確定から20~30日後の入金となるのが一般的です。

銀行振り込みからカード払いに変更する際の流れ

カード決済に興味がある、家賃を銀行振り込みからカード払いに変更したいという大家さんのために、ここからはクレジット決済導入の流れを説明していきます。

管理会社へ事前連絡・相談をする

大家さんが直接家賃を徴収している場合でも、カード払い対応とする旨を管理会社から入居者へ周知してもらう必要があります。入居者募集時の物件情報にも「カード払い可」と追記しなければなりませんから、まずは管理会社へ連絡してください。もし、管理会社ですでにカード決済を導入しているのであれば、管理会社へ集金を委託するという選択肢もあります。カード会社へ支払う手数料と管理会社へ追加で支払う管理料を比較したうえで、どちらを選択するか検討しましょう。

カード会社を比較・検討する

カード決済を導入することが決まったら、まずは毎月の家賃引き落としが可能なカード会社を探します。

家賃だけでなく敷金・礼金などの初期費用や更新料、退去費用にも対応していたり、家賃保証が付帯していたりというサービス内容は、カード会社によって異なります。費用に関しても、手数料だけでなく初期費用や月額費用が発生する場合がありますし、売上確定や入金時期もカード会社によって違います。しっかりと内容を比較検討したうえで、カード会社を選択してください。

カードのブランドを調べる

カードで家賃を支払う場合、新規でカードを作らせるのではなく、入居者の手持ちのカードを使用できることが理想です。カード会社によって利用できるブランドも異なりますから、きちんと調べておきましょう。VISA、JCB、Mastercardなど国内シェアの高いカードブランドはひと通り利用できるようにしておくと、入居検討者にもアピールしやすいでしょう。

入居者・銀行・カード会社へ連絡する

カード決済を導入するためには、カード会社の加盟店となるための審査が必要です。審査基準はカードのブランドによって異なりますが、直接契約ではなく決済代行会社を仲介することで、申請にかかる手間や時間などの負担を軽減できます。申し込みからだいたい1ヶ月程度で結果が出ます。初期費用がある場合には、審査をとおった時点で初期費用を支払い、契約をしてサービス開始となります。

この時点で入居者への連絡と、銀行の口座振替停止の手続きを行います。口座振替をしていない場合、入居者側で自動送金の手続きをしていることもありますから、入居者に確認しておくとよいでしょう。

カード払いの決定後~事前準備をする

入居者からカード払いへの変更依頼があれば、インターネットの管理画面か端末機から継続課金に必要な情報を登録し、運用開始となります。このような初期設定や手続きが必要となるのは初回決済時のみで、以降は自動決済となるため、入金管理の手間は一切かかりません。

カード引き落としの開始~家賃が入金されるまで

カード会社によって、引き落としの時期も家賃が入金されるタイミングも異なります。
売上確定処理の翌日入金となりますから、決済日の月末に売上が確定される場合は翌月の20日から月末頃に入金となります。売上確定が決済の翌月に設定されている場合は、入金は決済日の翌月末か翌々月の上旬となるのが一般的です。

複数のカード会社と契約する場合、売上確定日も入金日もさまざまでカード会社ごとに別の管理画面を利用することになりますが、決済代行会社を介した包括加盟店方式なら決済処理はすべて一元化されるため、管理の負担はほとんどありません。

まとめ

今後、日本でもキャッシュレス化はますます進み、現金を持たない生活がトレンドとなっていくことは想像に難くありません。家賃のカード払いに対応することは現段階では「差別化」となりますが、今後はカード払いが当たり前の時代になっていくことも考えられます。だからといって、何でも安易に取り入れていくのは危険です。

カード決済を導入することでどれくらいの費用が発生するのか、家賃アップはどこまで可能なのかなど、キャッシュフローをしっかりと考えたうえで、導入の可否を判断しましょう。

賃貸経営においてもキャッシュレス化の波が来ています。
家賃のカード払いを採用するかはプロと相談しながら検討しましょう。

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いしわた さとみ

いしわた さとみ

【資格】宅地建物取引士/二級建築士/既存住宅状況調査技術者/ホームステージャー

建築設計事務所、不動産会社、建設会社等での勤務を経て、現在は不動産・住宅・建設ライター、住宅営業、建設CADオペレーターとして活動。

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