- キャッシュレス化の波は不動産業界にも波及しています。
- 家賃をカード払い可にすることは、入居者にも大家さんにもメリットがありますが、手数料負担などのデメリットも。
- キャッシュフローを考慮したうえで、導入の可否を検討しましょう。
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目次
ますます進むキャッシュレス化は不動産にも
日本では生産性向上や消費の活性化を目指し、2025年の大阪・関西万博に向けてキャッシュレス決済の比率を40%まで伸ばすことを目標に、ポイント還元事業などによるキャッシュレス化を推進しています。将来的には世界最高水準の80%を目指す方向です。
ポータルサイトの検索条件にも登場し始めています
賃貸住宅の計画から管理までを請け負う大手建設・不動産会社では自社でクレジット決済代行会社を立ち上げるなど、今後、カードでの家賃支払い可能物件が増えていくでしょう。
家賃をカード払いにすることによって得られるメリット
入居者にとってのメリット
カードのポイント・マイルが貯まる
還元の内容はカードよってさまざまですが、貯まったポイントをショッピングに利用したり、マイルに交換して旅行費用に充てたり、なかにはポイントの代わりにキャッシュバックされるカードもあります。いずれにせよ、生活費の中でも金額の大きい家賃を毎月カード払いできれば、効率的にポイントやマイルを貯めることができるため、入居者にとってはメリットが大きいと言えるでしょう。
家賃の振り込み忘れを防止できる
うっかり家賃の振り込みを忘れてしまう…といった心配もなくなります。
家賃や初期費用を後払い・分割払いにできる
そんな時、カードで家賃を支払うことができれば、手元に現金がない場合でも翌月引き落としの後払いになるため安心です。敷金や礼金、仲介手数料など、金額の大きい初期費用を分割で支払うことができれば、一人暮らしのために賃貸物件を契約するハードルも下がるでしょう。
保証人や保証会社がいらない場合がある
カード会社によってはたまったポイントを保証料に充てることができる場合もあるため、保証会社に加入して保証料を支払うよりも費用の負担は小さくなります。
大家さんにとってのメリット
家賃滞納のリスクを抑制できる
万が一、口座の残高不足などによる遅滞があった場合でも、カード決済の利用代金はカード会社の立て替えとなるため、家賃が未収になる心配はありません。督促もカード会社側で行います。家賃保証サービス付きのカードなら、限度額を超えたなどの理由により決済不能となった場合でも家賃が保証されるため、より安心です。
入金管理の手間を削減できる
ほかの物件との差別化を図ることができる
大家さんが家賃をカード払いにする際に注意したいこと
カード払いをすることによって手数料が必要になる
たとえば、家賃を80,000円とした場合、実際に支払う手数料はこのようになります。
家賃 | 80,000円 | ||
---|---|---|---|
料率 | 3% | 5% | 7% |
決済手数料 | 2,400円 | 4,000円 | 5,600円 |
実際の家賃 | 77,600円 | 76,000円 | 74,400円 |
もし、家賃80,000円のアパートで5戸の入居者をカード払いにした場合、手数料率3%なら毎月12,000円、5%なら毎月20,000円、7%なら毎月28,000円と、料率によって手数料の金額にかなりの差が出ることがわかります。
カード払いの手数料を支払うのは誰?
ただし、決済手数料を消費者に請求することはカード会社の規約違反となりますから、手数料を家賃と一緒に徴収するのではなく、カード払い対応としたことで物件の価値が上がった分、家賃をアップするという考え方になります。
ただし、家賃をアップしたことによって近隣相場とかけ離れた金額になってしまっては入居者及び入居検討者が離れてしまいますから、家賃アップは慎重に検討しましょう。
入金までのタイムラグがある
カード払いの場合は、カード会社によって引き落とし日や入金日が異なります。ただし、当月締めの翌月の引き落としが基本ですから、決済日と同月に売上確定の処理をしたとしても、売上確定から20~30日後の入金となるのが一般的です。
銀行振り込みからカード払いに変更する際の流れ
管理会社へ事前連絡・相談をする
もし、管理会社ですでにカード決済を導入しているのであれば、管理会社へ集金を委託するという選択肢もあります。カード会社へ支払う手数料と管理会社へ追加で支払う管理料を比較したうえで、どちらを選択するか検討しましょう。
カード会社を比較・検討する
家賃だけでなく敷金・礼金などの初期費用や更新料、退去費用にも対応していたり、家賃保証が付帯していたりというサービス内容は、カード会社によって異なります。費用に関しても、手数料だけでなく初期費用や月額費用が発生する場合がありますし、売上確定や入金時期もカード会社によって違います。しっかりと内容を比較検討したうえで、カード会社を選択してください。
カードのブランドを調べる
入居者・銀行・カード会社へ連絡する
この時点で入居者への連絡と、銀行の口座振替停止の手続きを行います。口座振替をしていない場合、入居者側で自動送金の手続きをしていることもありますから、入居者に確認しておくとよいでしょう。
カード払いの決定後~事前準備をする
カード引き落としの開始~家賃が入金されるまで
売上確定処理の翌日入金となりますから、決済日の月末に売上が確定される場合は翌月の20日から月末頃に入金となります。売上確定が決済の翌月に設定されている場合は、入金は決済日の翌月末か翌々月の上旬となるのが一般的です。
複数のカード会社と契約する場合、売上確定日も入金日もさまざまでカード会社ごとに別の管理画面を利用することになりますが、決済代行会社を介した包括加盟店方式なら決済処理はすべて一元化されるため、管理の負担はほとんどありません。
まとめ
カード決済を導入することでどれくらいの費用が発生するのか、家賃アップはどこまで可能なのかなど、キャッシュフローをしっかりと考えたうえで、導入の可否を判断しましょう。
賃貸経営においてもキャッシュレス化の波が来ています。
家賃のカード払いを採用するかはプロと相談しながら検討しましょう。
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この記事の監修者
宅地建物取引士/二級建築士/既存住宅状況調査技術者/ホームステージャー
建築設計事務所、不動産会社、建設会社等での勤務を経て、現在は不動産・住宅・建設ライター、住宅営業、建設CADオペレーターとして活動。