フリーレントのトラブル回避に絶対必要?違約金について詳しく解説します

2024.01.10更新

この記事の監修者

逆瀬川 勇造

逆瀬川 勇造

【資格】AFP/2級FP技能士/宅地建物取引士/相続管理士

フリーレントのトラブル回避に絶対必要?違約金について詳しく解説します

フリーレントを採用しながら入居者募集を行っている大家さんに違約金の設定方法やトラブル回避策を事例を交えながら紹介します。

この記事のポイント
  • 入居後1~3カ月程度の家賃を無料にするフリーレントは空室対策に有効な手段の1つです。
  • 一方でトラブルに発展することも…。「違約金の設定」と「契約時の説明」は忘れずに!
  • フリーレント導入前には不動産会社などプロに相談することをおすすめします。

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目次

空室対策に有効と言われるフリーレントとは

フリーレントとは、入居後の1~3カ月程度の家賃を無料とするもので空室対策の1つです。昔から事務所や店舗の賃貸ではよく見られていましたが、居住用賃貸に関しては2000年頃から表れ始め、今では不動産情報サイトで検索すると結構な数がヒットします。

スマイティでもフリーレントの検索条件は利用されており、東京23区で調べると、物件数259,916件に対し、フリーレント可の物件は18,899件と約7%がフリーレントを条件にしています(2021年7月20日現在)。

入居者からすると引越し費用や敷金、礼金など何かと出費の多い時期の家賃支払いが免除されるためメリットが大きく、フリーレントを実施していることが入居の決め手となる場合もあるでしょう。

大家さんからすると、同じく空室対策の1つである家賃の値下げは、それを聞きつけた他の部屋の入居者から家賃の値下げ要求につながるうえ、次の募集の際にも値下げした家賃が基準とせざるを得なくなります。一方、フリーレントは、最初の1~3カ月程度の家賃を無料にするだけなので利用しやすいと言えます。

ただし、フリーレントには、短期間で退去されてしまうと損失が大きいという問題もあるため、ほとんどの場合、フリーレントを実施する際には違約金の定めをします

フリーレントに違約金は必要不可欠

フリーレントを実施したものの、フリーレント期間が空けて数カ月で退去されてしまっては、大家さんの負担が大きくなってしまいます。たとえば、フリーレント期間6カ月の物件で、入居から1年後に退去されてしまった場合だと、6カ月分の家賃しか受け取れないことになります。場合によっては、フリーレント期間終了と同時に退去してしまうようなことも考えられるでしょう。

そのため、フリーレントでは契約書の条文に期間内に契約した場合の違約金の定めを盛り込むのが一般的です。たとえば、3年以内の退去の場合、フリーレントで免除した分の賃料を違約金として支払うこと、といった条文を盛り込みます。上記のように、フリーレント6カ月の物件で1年後に退去した場合、入居者は退去時にフリーレント期間の6カ月分の家賃を支払う必要があります

違約金は損害賠償金

違約金は、大家さんが入居者から中途解約されたことにともない失った利益を補てんするために受け取るものであることから、損害賠償金としての扱いになります。

フリーレントのトラブル事例

フリーレントに関しては、残念ながら入居者とトラブルに発展してしまうケースもあります。ここでは、そのうちいくつかの事例をご紹介します。

違約金を設定していなかった

これはトラブルというより、大家さん側のミスではありますが、2カ月のフリーレント条項を設けたものの、違約金を設定しておらず、6カ月程度で解約されてしまった事例です。入居者側は適切に退去しており、当然のことながら、後から2カ月分の違約金を請求することはできません

契約内容を説明していなかった

フリーレントに関し、契約内容(主に違約金)について説明していなかったことで、トラブルに発展してしまうケースがあります。トラブルを未然に防ぐためにも、契約時にはフリーレントの違約金についてしっかり説明するようにしましょう。

しかしながら、説明したのにも関わらず、入居者が「把握していなかった」ことが原因でクレームに発展するケースもあります。そうした場合、基本的には契約書の内容に従う必要があります。つまり、契約書に違約金に関する条項が書いてあれば問題ありません

トラブル回避のために大家さんがするべきこと

ここでは改めて、フリーレントによる無用なトラブルを回避するために大家さんがするべきことについて解説します。

契約書に特約事項を追記する

まず、フリーレントを実施するのであれば、短期間で退去されて、大家さんが損失を受けてしまわないよう、違約金について記載するようにしましょう。違約金については、契約書に特約事項で追記すればよいですが、その際には以下の項目を記載します。

賃貸借期間

まず、賃貸借期間を記載します。期間中に解約がなされた場合、違約金が発生する旨を特約条項で記載します

賃料・共益費の起算日

契約書でフリーレントについて記載する場合、その表現方法には主に2つの方法があります。1つ目は、賃料の起算日をフリーレント期間終了後から開始するように記載する方法です。この場合、特約条項には「賃料免除」についての記載はありません。なお、共益費については賃貸借期間の最初から支払うよう設定するのが一般的です。たとえば、賃貸借期間が2018年4月1日~2020年3月31日で、フリーレント期間3カ月の場合、以下のように記載します。

賃貸借期間2018年4月1日~2020年3月31日
賃料の起算日2018年7月1日
共益費の起算日2018年4月1日
特約条項賃貸借期間中に解約された場合違約金を支払うものとする

2つ目は、賃料・共益費の起算日を賃貸借期間の初めからとし、特約条項で賃料の免除について記載する方法です。1つ目と同じ条件の場合、以下のように記載します。

賃貸借期間2018年4月1日~2020年3月31日
賃料の起算日2018年4月1日
共益費の起算日2018年4月1日
特約条項2018年4月1日から7月31日までの間は賃料の支払いを免除する
特約条項賃貸借期間中に解約された場合違約金を支払うものとする

違約金の金額

違約金に関する特約条項では違約金の金額について記載します。
基本的には、賃料×フリーレント期間の月数の額ですので、その金額を記載します。

入居者への説明を忘れずに行う

フリーレントでのトラブル事例でもご説明しましたが、フリーレントに関しては、「違約金の説明を聞いていなかった」として、トラブルに発展することが少なくありません

入居者募集を管理会社に委託している場合、実際に説明するのは担当者なので、入居者への説明を忘れないように伝えておきましょう。なお、契約書に書いていれば基本的には問題ありませんが、心配であれば別紙で覚書のようなものを作成して、押印してもらうことも検討してみるとよいでしょう

よくある質問

ここでは、フリーレントに関するよくある質問をご紹介します。
フリーレントのメリット・デメリットは?
フリーレントをつけることで他物件との差別化が図れるほか、入居者へのアピール材料としての効果が期待でき、入居者を早く見つけることにつなげられます。一方で、フリーレントを多用してしまうと収益が下がり、経営悪化につながる可能性がある点はデメリットの1つです。詳しくはこちらの記事を参照ください。
フリーレントを採用する際に考慮すべきことは?
空室直後にフリーレントを採用して契約が成立した場合、フリーレントなしでも契約が成立していた可能性があることを考えるとフリーレントの効果をあまり感じることができません。また、空室期間が長く続いているときにフリーレントを採用すると、家賃収入が得られない期間を長引かせることになってしまいます。フリーレントは、空室期間やキャッシュフローなどを考慮しながら、採用するタイミングを検討することが大切です。
フリーレント期間の会計処理はどうする?
フリーレント期間の会計処理の方法は「フリーレント期間中は計上しないパターン」と「賃料総額を賃貸期間で分割して計上するパターン」の2つに分類されます。会計処理の複雑さや手間などを考慮すると前者の方が会計処理がスムーズです。なお、計上方法については、税理士の方とも事前に確認することをおすすめします。
詳しくはこちらの記事を参照ください。

まとめ

フリーレントの違約金についてお伝えしました。フリーレントは空室対策として有効ですが、違約金を設定しないと短期間で退去されて大家さんが損をしてしまう可能性があります。また、違約金を設定した際のトラブルとして多いのが、入居者が「違約金について聞いていなかった」とクレームに発展するケースです。説明の有無については立証が困難で、実際には契約書の内容で判断されることになりますので、契約書に記載しておくことが大切です。

管理会社の担当者にも、入居者への説明を徹底してもらうように話すとともに、あまりにトラブルが重なるようであれば、契約書とは別に覚書を作成して押印をもらうなどの対策をするのもよいでしょう。

フリーレントは空室対策の有効な手段のひとつ。
一方でトラブルも多いため、事前にプロに相談することをおすすめします。

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逆瀬川 勇造

逆瀬川 勇造

【資格】AFP/2級FP技能士/宅地建物取引士/相続管理士

明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。大学在学中に2級FP技能士資格を取得。大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
●また、具体的なご相談事項については、各種の専門家(税理士、司法書士、弁護士等)や関係当局に個別にお問合わせください。

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