入居者から壊れていない古い設備を「交換してほしい」と言われたら

2024.11.18更新

この記事の監修者

いしわた さとみ
いしわた さとみ

宅地建物取引士/二級建築士/既存住宅状況調査技術者/ホームステージャー

入居者から壊れていない古い設備を「交換してほしい」と言われたら

入居者から古い設備の交換を求められ悩んでいる大家さんに向け設備交換の義務や検討すべき状況やまずやるべきことを説明します。

この記事のポイント
  • 基本的に、大家さんには古い設備を交換する義務はありません。
  • 設置から10年以上経過している場合は設備交換の検討タイミング!
  • 設備の交換は費用対効果を考えたうえで行うことが大切です。
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目次

築古物件の古い設備の交換を希望されたら…

物件の築年数が古くなると、設備の古さも目立ち始めます。壊れているわけではなく、まだ十分に使用できるものであっても、最新設備との性能の違いは一目瞭然です。

今使用している設備が明らかに故障しているとわかる場合には、交換もやむをえないでしょう。問題となるのは、故障はしていないけれど「設備が古いのが気になるので、新しいものに交換してほしい」という入居者からの要望です。こんな時、大家さんはどこまで入居者の意見を聞き、受け入れるべきなのでしょうか。

基本的に大家さんは交換する義務はない

結論としては「古いから」という理由だけで、大家さんが設備を交換する必要はありません。その理由と、交換を検討すべき状況について以下で説明していきます。

故障していない場合は義務ではない

賃貸物件は、築年数や設備などのグレードに応じて家賃を設定しており、入居者もそれを承知のうえで賃貸契約を結んでいます。そのため、グレードを上げるための設備交換をお断りすることには何の問題もありません。

ただし、設備の交換を断ることで入居者との間にわだかまりができ、退去につながることもあるでしょう。よほど立地がよく入居希望の多い物件であれば問題ありませんが、そうでない場合には、設備を一新して入居者の満足度を高めるのも一案でしょう。とくに、長期にわたって居住している入居者の意向には、慎重な対応が求められます。

また、大家さん側での交換はできないけれど、入居者がどうしてもという場合には、入居者負担で交換してもらうという方法もあります。

どのような時に新品に交換を検討するべきか

入居者の満足度を高めるといっても、設置から5年や6年で設備を交換するというのは、やはり現実的ではありません。新品への交換を検討する時期として、どのようなタイミングが考えられるでしょうか。

住宅設備は2~3年で不具合が出始め、10年を超えると故障が増えるといわれています。交換時期としては15~25年が目安ですが、10年たって故障すると「修理部品がないから」と、交換を求められることも多いです。したがって、設置から10年以上経過している場合には新品への交換を検討してもよいでしょう。

年数とは関係なく、クリーニングをしてもエアコンが効かない場合、エアコンや給湯器の劣化により電気代やガス代が著しく高額になる場合も、交換が必要になることがあります。

古い設備を交換するなら故障する前に!

2020年4月、民法改正により第611条「賃借物の一部滅失等による賃料の減額等」の内容が「賃料減額請求制度」から「当然減額制度」に変更されました。

賃借物の一部が故障などにより使用できなくなった場合、入居者に過失がなければ、その分の家賃を減額できるというものです。

日本賃貸住宅管理協会が作成したガイドラインでは、ガス給湯器の故障によりガスが使えない場合、4日目から日割りで10%家賃が減額されます。エアコンが作動しない場合は4日目以降、1か月あたり5千円の家賃減額となります。

設備に関して不調の訴えがあった場合には、早めに現地を確認し、故障によって家賃が減額になる前に修理・交換をするようにしてください。

念のため、重要事項説明書の記載事項を再確認しよう

設備の交換を求められたら、まずは重要事項説明書の記載事項を確認します。「建物の設備の整備の状況(完成物件のとき)」という項目に記載された設備が故障した場合、大家さん側に修理・交換する義務があります。

以前の入居者の「残置物」に関しては重要事項説明書に記載されていないことがほとんどで、この場合、大家さん側には交換はもちろん、故障の際の修理の義務もありません。故障していない設備の場合は対応が異なるものの、「建物の設備」に該当するかどうかは必ず押さえておきましょう。

また、設備の型式や内容が重要事項説明書に記載のものと一致しない場合も、交換を余儀なくされることがあります。

もしも新品に交換することになったら

入居者の声を受け、設置から10年以上のエアコンを交換するとします。この場合、どのようなエアコンを設置すればよいのでしょうか。また費用はどれくらいかかるのでしょうか。だいたいの相場を把握しておきましょう。

費用対効果を踏まえて新品を選ぼう

「設備を交換してほしい」という入居者の要望に応える場合でも、型式やスペックまで入居者の意向を受け入れる必要はありません。あくまでも賃貸物件ですから、一般的なグレードのもので十分です。

家賃設定や居室の広さに応じて、グレードを選択してください。グレードの高いものを入れる場合には、家賃アップも視野に入れるとよいでしょう。

入居者の満足度を高めるためであっても、設備の交換は費用対効果を考えたうえで行うことが大切です。

設置工事の費用相場はどれくらい?

たとえばエアコンの設置費用は、14畳までの広さであれば1万円前後が目安となります。ただし、2階以上の階でベランダがない物件の場合には、別途、室外機の壁掛け工事が必要となります。足場の有無によって、かかる費用は異なります。

配管の化粧カバーは必須ではありませんが、屋外の場合はカバーをすることで配管の劣化防止にもつながります。長さ2~3メートルで5千円程度です。

このほか、電圧を切り替えたり、ブレーカーを交換したりする必要がある場合には、電気工事が必要です。費用としては、数千円から1万円程度です。ベランダがあれば、エアコン本体+標準取付工事2万円程度で設置できると考えてよいでしょう。

撤去の費用相場はどれくらい?

エアコン交換には、新規エアコンの設置費用のほか、既存エアコンの取り外し工事や、エアコンを解体し、分別して再利用するためのリサイクルにかかる費用が発生します。

取り外しの費用はだいたい5千円前後。リサイクル料金は、運搬費も含め数千円です。ただし、室外機がベランダ置きではなく壁掛けになっている場合には、設置の時と同様に追加費用が発生します。

また、故障したエアコンは、冷媒ガスを内部に閉じ込めるポンプダウンができないため、取り外しの際に残留ガスを回収する作業が必要になります。数千円から1万円程度は追加でかかると考えておいてください。

必要経費として経費計上を忘れずに!

エアコン交換にかかった費用が20万円未満の場合、修繕費として経費計上します。20万円以上かかった場合でも、経年劣化によるものの原状復帰とみなされれば修繕費として処理できます。

費用が20万円以上、かつ既存のエアコンに比べて明らかにグレードの高いものを設置した場合は資本的支出とみなし、減価償却します。

その際、エアコン1か所につき10万円以上20万円未満の工事に関しては「一括償却資産」として3年で償却できます。

大家さんが青色申告をしている場合には、「少額減価償却資産」として、その年に一括償却することも可能です。いずれにしても、交換でかかった費用を少しでも取り戻すため、経費計上して節税することを忘れないでください。

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よくある質問

ここからは、設備を交換する際のよくある質問について、お応えしていきます。
退居した入居者の残置物だった場合、交換に応じる?撤去費用は誰負担?
交換に応じるか応じないかの判断は、入居時にどこまで残置物について説明してあるかによって異なります。貸主側の修理・交換の対象ではない旨を伝えてあるのであれば、交換に応じる必要はありません。

撤去費用も入居者側で負担してもらいましょう。説明していなかった場合、トラブルは避けられません。無用なトラブルをなくすには、もとの所有者が退去したあと残置物を居室の設備として重要事項説明書に明記し、修理や交換についても大家さんが責任を持つことが最善です。
入居者負担で設備を交換する場合、大家さんがすべきことはある?
大家さんはまず重要事項説明書の内容を確認します。現状この設備がどういう扱いになっているのか、修理・交換は借主・貸主のいずれが負担することになっているのか。

設置から10年を超えているなど、タイミングによっては大家さんの負担で交換した方がよい場合もあります。入居者負担で設置した設備は、あとあとトラブルの原因になることもあります。退去後の設備の取り扱いについても明確にし、きちんと書面を交わしておきましょう。
入居者が新品のエアコンに交換した場合に退去時の原状回復費は発生する?
この場合、入居者に原状回復の義務は発生しません。ただし、入居者が退去の際にエアコンを外して持って行く場合には、取り外してあった既存のエアコンの設置費用も負担してもらう必要があります。これら費用負担については、前もって書面で定めておくようにしてください。
住宅設備の交換は保険適用する?
落雷、台風といった自然災害が原因でエアコン室外機や給湯器が故障した場合には、交換にも火災保険が適用されます。ただし、対象となるのはあくまでも災害による故障なので、経年劣化による不調や故障には保険は適用されません。

入居者が家財保険や個人賠償責任保険に加入している場合、入居者の不注意による設備の破損・汚損による交換にも保険が適用されますが、*単なる老朽化や経年劣化による故障の場合は、保険適用外となります。

まとめ

築年数がたち、建物が古くなると、入居者から壊れていない設備の交換を求められることも出てくるでしょう。そんな時、入居者の要望に応えるべきなのか、どのように立ち回るべきなのか、大家さんとしてこの記事を参考に、ご一考いただければと思います。

基本的には、その時の状況やタイミング、費用対効果に応じて判断することになりますが、入居者負担で設備を交換する際には、残置物があとあとトラブルのもとになることも少なくありません。退去時の取り扱いについて、費用負担なども含めきちんとルールを定めておくことが大切です。

入居者とのトラブルを回避するために
大家さんがとるべき対応についてプロの意見を聞いてみましょう。

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いしわた さとみ
いしわた さとみ

宅地建物取引士/二級建築士/既存住宅状況調査技術者/ホームステージャー

建築設計事務所、不動産会社、建設会社等での勤務を経て、現在は不動産・住宅・建設ライター、住宅営業、建設CADオペレーターとして活動。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
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