その劣化、放置は危険!屋上防水の耐用年数と種類別工事費用を解説します

2023.09.29更新

この記事の監修者

弘中 純一

弘中 純一

【資格】宅地建物取引士/一級建築士

その劣化、放置は危険!屋上防水の耐用年数と種類別工事費用を解説します

賃貸マンションなど陸屋根の物件を所有する大家さん向けに、屋上防水のメンテナンスや防水工法の選択の仕方などについて解説します。

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目次

屋上防水のメンテナンスが必要な劣化症状とは

屋上防水は定期的なメンテナンスを行い、一定の防水性能を維持するよう管理しなければなりません。また点検により劣化症状を発見した場合は、予定していたメンテナンス時期を前倒して実施する判断が必要となります。

点検により発見できる劣化症状として以下のような現象を目にすることがあります。

1.防水層のひび割れや破断
2.防水層表面が膨れる
3.防水層が剥がれる
4.屋上面に水たまりが生じる
5.屋上直下の階に漏水が生じる

このような現象は防水工事の方法や素材によって程度の差はありますが、防水層の健全性を確認するには重要なポイントです。

防水層のひび割れ

防水層のひび割防水層の表面にひび割れが発生するのは、塗膜防水やFRP防水のトップコートが劣化した場合に生じます。

トップコートのみの劣化で防水層にひび割れが達していない場合はトップコートの塗り替えで対応できますが、防水層がひび割れしている場合は防水層の限界であり全面的な防水工事が必要です。

防水層表面が膨れる

防水層と屋上躯体との間に溜まった空気が外気温の影響により膨張し、防水層を膨らませる現象です。空気が溜まるのはシート防水や塗膜防水において、躯体との密着性に不備があったか、水分が防水層を浸透した結果と考えられます。

防水層が剥がれる

シート防水では複層になった各層の密着力が失われ、シートの接合部分の密着性が悪く剥がれる現象が起きます。剥がれが生じると防水性能は期待できず、全面的な防水工事が必要になります。

屋上面に水たまりが生じる

屋上面に水が溜まる現象が起きた場合は、屋上躯体に凹凸があったものか、防水層の浮きなどにより凹凸ができたものか判別する必要があります。

常時水が溜まる状態は防水層の劣化を早める原因ともなるので、原因を見きわめたうえで改善しなければなりません。

屋上直下の階に漏水が生じる

屋上直下の階に水が漏れる現象は防水性能が失われていることを表しており、建物としての性能や機能の面においても放置できるものではありません。

部分的な劣化が原因か、全面的に劣化が進んでいることも考えられ、劣化状況を確認したうえで早急な対応が必要です。

屋上防水の種類|耐用年数と補修の費用相場

屋上防水は一般的に次の工法の中から選択して行われています。
防水工法耐用年数工事費
ウレタン防水10~15年約7,000円/m2
シート防水10~20年約7,000円/m2
アスファルト防水15~25年約8,000円/m2
工事費は目安なので工事を行うエリアや施工会社により異なりますが、参考にしてください。それぞれの防水工法の概要について順に解説します。

ウレタン防水

液状のウレタン樹脂を塗布し塗膜を形成することにより防水性能を発揮させる工法です。屋上の躯体に直接塗布する「密着工法」と、密着工法で起きがちな「膨らみ」を防止するために、通気緩衝シートを屋上躯体に貼った上にウレタン樹脂を塗布する「通気緩衝工法」があります。

工事費用は「通気緩衝工法」のほうが高くなります。

現場での施工のため作業を行う職人の技量により品質に差が出ますが、複雑な形状をした屋根面などにも対応でき信頼性の高い工法です。

弘中 純一
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シート防水

塩化ビニル樹脂や加硫ゴムのシートを貼り付け、防水層を形成する工法です。

屋上躯体に直接貼り付ける「密着工法」と、「膨らみ」を防止するためのシートを敷きその上に固定用の金具を取り付け、防水シートを貼る「機械固定工法」があります。施工性がよく耐久性も高いので一般によく使われる工法です。

アスファルト防水

アスファルトを染みこませたシートを貼り防水層を形成する工法です。屋上躯体に粘着層のあるアスファルトルーフィングシートを、複数枚重ね合わせて貼る「常温工法」は熱を使わずできる工法です。

トーチバーナーを使いルーフィングシートの裏面のアスファルトを炙りながら貼り付ける「トーチ工法」はより密着性を高めることのできる工法です。

熱く溶かしたアスファルトを使いルーフィングシートを貼り付ける工法は「熱工法」と言いますが、信頼性は高いですがアスファルト特有の臭いが発生するため、住宅街などでは使用するケースが減っています。

耐用年数を延ばすには?

防水層は雨、雪、風、紫外線など過酷な環境の中にあるため、少しずつ劣化していきます。材質や工法により耐用年数がありますが、適切なメンテナンスを実施することにより耐久性を保つことが可能です。

ひび割れや剥がれ、膨れや破れは早めに修繕

防水層に生じるひび割れや剥がれ、膨れや破れを見つけた時には早めに部分的な補修を行います。これらの現象が起きる原因はいろいろありますが、施工時点で下地に水分が残っているケースや、プライマーがしっかりと塗られていなかったなどにより起こりうるものです。

またシートの継目は剥がれやすい部分であり、わずかな剥がれ部分から雨水が浸入すると周辺にまで剥がれが生じてしまいます。防水層全体にまでこのような劣化が進まないうちに、部分的な補修をすることにより防水層本来の耐用年数まで性能を維持させることが可能です。

トップコートは5年ごとの塗り替えがおすすめ

塗膜防水で施工されるトップコートは防水層を保護する目的のものですが、日常的に紫外線を浴び降雨時には弱酸性の雨水にさらされています。そのため劣化がもっとも早く生じる部分です。

劣化がはじまるとトップコートの表面に「チョーキング現象」が生じます。手のひらで表面をこすると白い粉が付着するのですぐわかるのですが、チョーキングはただちに防水層の劣化を意味するわけではありませんが、劣化状態を確認する目安になります。

トップコート表面にひび割れが生じるようになると、塗膜としての性能が期待できないこともあり、トップコートの塗り替えを行う必要があります。塗膜防水の定期的なメンテナンスとしては、5年ごとにトップコートの塗り替えをすることが望ましいです。

ルーフドレン周りの清掃

ルーフドレン周りにゴミが堆積すると排水口の流れを悪くさせ、屋根面に水が溜まる頻度や時間が多くなります。雨水が溜まると防水層表面の劣化や防水層内部への浸水などにより、防水層の寿命を短くさせる原因となります。

ルーフドレン周りの点検は目視で簡単にできることなので、建物管理のルーティンとし年に数回は定期点検を実施することをおすすめします。

弘中 純一
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屋上防水工事を成功させるポイント

屋上防水は「雨から建物を守る」重要な役割を持っています。信頼のおける施工会社を見つけ適正な価格で工事を依頼しなければなりませんが、防水工事を納得のいく形で終わらせるには注意したいポイントがあります。

防水専門工事の実績を確認

防水工事は現場での作業になり天候の影響を受ける工事です。施工時のちょっとしたミスが防水性能に影響を与える可能性も高く、豊富な経験と高度な技能が要求される種類の工事です。

そのため現場での作業員や監督の力量により工事の質が左右されやすく、実績のある信頼性の高い施工業者に依頼することが重要となります。

防水は特別な資格を必要とする工事ではありませんが、国家資格である「防水施工技能士」や民間資格である「防水施工管理技術者」の有資格者が在籍する施工会社は、信頼性のある業者を選ぶ際の目安の1つになるでしょう。

弘中 純一
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複数の業者から選択

施工会社を決めるためには工事見積を依頼し、工事費を確認したうえで工事契約しますが、工事見積は1社だけではなく複数の会社に依頼することが重要です。

施工会社によって工事費は異なるのが一般的ですが、その理由は防水工事資材の仕入れ価格や現場作業員の人件費の違い、会社全体の管理コストの違いなどが工事費の見積に影響します。

複数の会社から見積を出してもらうことにより、工事単価の違いや会社の姿勢、そして担当者の人柄など会社を選ぶにあたり重要な情報を集めることができます。複数の会社から同時に見積書の提出をしてもらえる「リフォーム一括相談サービス」などの便利な方法があるので、ぜひ活用して間違いのない会社選びをしてほしいものです。
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よくある質問

屋上防水工事に関して疑問に感じることなどを、Q&Aにまとめてあります。ぜひ参考にしてください。
屋上防水のDIYは可能?
最近は「DIY」がブームにもなっており、ホームセンターにはさまざまな資材や工具などが売られ、自身で行える作業方法なども詳しく知ることができるようになっています。

しかしながら防水工事は専門性の高い工事であり、知識や経験のない方が「DIY」で行っても、十分な性能を発揮することが難しいものです。不可能とは言いませんがやはり専門会社にまかせるべき工事になります。
溝に生えた雑草は抜いてもいい?
屋上の排水口周りには植物の養分になるような土やゴミなどが堆積することもあり、雑草が育つケースもあります。防水層表面で根が止まっている場合はあまり問題ないですが、雑草の根が防水層内部に達している場合は抜いてしまうと防水層を傷める可能性があります。

屋上に生えた雑草は抜かずに切り取ったうえで除草剤をかけ、枯れたことを確認したうえで上から防水工事を行います。
屋上防水工事は必要経費になる?
屋上防水工事は工事の内容や工事費より、「必要経費」か「資本的支出」に分かれます。

国税庁が定めた修繕費の判定のための形式基準では次のようになっています。

・工事金額が60万円未満
・修繕費が前期末の固定資産取得価額のおおむね10%相当額以下

上記のいずれかに該当すると「必要経費」とすることができますが、不明な場合は税務署や税理士に確認することをおすすめします。

まとめ

屋上防水工法は大きく3種類の方法があり、さらに作業の方法による種類もあり、屋上防水の知識を簡単に身に付けることは難しいかもしれません。専門性の高い工法なので建築工事に関わる工事の中では、適切な対応や完成度の高い施工能力が求められます。

一度工事を行うと10年以上は安心できる保証があり、万が一雨漏りがあっても素早く対応できる会社を見つけることが大切です。信頼できる会社を探すなら「リフォーム一括相談サービス」がおすすめです。

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弘中 純一

弘中 純一

【資格】宅地建物取引士/一級建築士

宅建取引士・一級建築士として住宅の仕事に関り30年。住宅の設計から新築工事・リフォームそして売買まで、あらゆる分野での経験を活かし、現在は住まいのコンサルタントとして活動中。さまざまな情報が多い不動産業界で正しい情報発信に努めている。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
●また、具体的なご相談事項については、各種の専門家(税理士、司法書士、弁護士等)や関係当局に個別にお問合わせください。