機能性を重視すれば空室対策にも!目的別に窓リフォームのアイデアをご紹介

監修逆瀬川 勇造

  • 公開日:
  • 2021年03月26日
  • 更新日:
  • 2021年03月26日
機能性を重視すれば空室対策にも!目的別に窓リフォームのアイデアをご紹介
窓リフォームを空室対策につなげられることをご存じでしょうか。この記事では、窓リフォームを検討されている方に向けて、空室対策に有効な窓リフォームを工法ごとのメリット・デメリットなどをお伝えしながらご紹介していきます。所有されている物件に適した方法で、空室対策に有効な窓リフォームを検討されてみてはいかがでしょうか。

目次

たかが窓、されど窓。窓の質で物件の質がバレる!

賃貸経営を行っていると外壁の劣化や退去後にエアコンの整備・取り替えなどに意識を向けなければならず、またそれぞれに費用が発生します。そうした中、窓については後回しになってしまっている方も多いのではないでしょうか。窓の種類によっては結露で窓枠にカビが発生したり、窓を閉めているのに外部の音が入ってきたりなど、さまざまな問題が生じます。こうした結露やカビ、防音性などを気にする入居者は意外と多いものです。

「これくらいなら大丈夫…」と後回しにしてしまった結果、内見時に「いろいろと問題がある物件」と判断されて空室が増えてしまうようであれば賃貸経営に多大な影響を及ぼしかねません。また、カビが広がれば建物の寿命を縮めることにつながる可能性もあります。賃貸物件にとって窓はほかの設備と同じく重要な設備であり、場合によっては優先的に窓リフォームを検討すべきだと言えます。

窓をリフォームするメリット

窓リフォームを実施することで、さまざまなメリットが得られます。たとえば、シャッターをつけたり網付きのガラスにしたりすることで防犯性を向上させることができるでしょう。入居者としては、安心して住むためには防犯性が高いに越したことはありません。

また、防音ガラスにかえたり窓自体小さくしたりすることで防音性を高めることができます。賃貸物件では隣室の物音が気になるという方も多く、十分な防音性が確保できているだけで内見時に高い評価を受けられるケースも多いものです。さらに、断熱性・遮熱性の高いガラスやサッシに変えたり、小さい窓に変えたりすることで省エネ物件となり、電気代=ランニングコストを下げられることなど入居者に訴求できることもあります

窓にも建築基準法が適用されている

建築基準法上、窓には採光や換気、排煙、消防活動などさまざまな機能が予定されています。建物を建てる際には建築基準法に則って建物を建てる必要があり、当然のことながら窓にも建築基準法が適用されます。建築基準法上の基準以下の窓しかない居室を作った場合、その居室は「無窓居室」となりますが、「無窓居室」になってしまった場合、基本的にその部屋は納戸や書斎などとしてしか使えなくなる点に注意が必要です。

窓リフォームの方法、費用と工期

ここでは、窓リフォームにはどのような工法があるのか、また、リフォーム費用や施工期間などご紹介していきます。

カバー工法

カバー工法は既存のサッシの上から新しいサッシを被せる工法のことです。壁や床を補修する必要がなく、また、室内から施工可能なため2階以上の窓でも足場を組む必要がありません。施工期間は半日~2日ほどで済ませることができ、しかもローコストという特徴があります

具体的な費用はどのような窓を設置するかにより大きく異なりますが、たとえば180cm×170cmサイズの掃き出し窓をリフォームする場合、1カ所あたり10~20万円程度が相場と考えておくとよいでしょう。

一方で、既存のサッシの上に新しいサッシを被せることになるため、サッシの面積が大きくなり、窓ガラスの部分が小さくなるデメリットがあります。カバー工法による窓リフォームしたことで部屋が暗くなる点には注意が必要です。

はつり工法

はつり工法は既存のサッシを撤去し、新しいサッシと窓ガラスに交換する施工方法です。窓の周辺の壁を壊して作り直す必要があり、2階以上の窓の場合には足場を組まなければならないことが多いです。工事費用だけでも高くなりやすいのに加え、足場設置費用を合わせるとより高額になります。

具体的な費用については、足場を考慮しない場合で180cm×170cmの掃き出し窓の交換費用が1カ所あたり30~50万円程度と考えるとよいでしょう。なお、施工期間は2日以上要しますし、足場を設置するとなれば設置と撤去でそれぞれ1日ほど見ておく必要があります

上記のようなデメリットがある一方で、はつり工法を選べばカバー工法のようにガラス部分が小さくなってしまう心配がありません。スケジュールや予算を見ながら、どちらの工法を選ぶか決めることが大切です。

そのほかの窓リフォームの方法

カバー工法やはつり工法以外にも、以下のような窓リフォームの方法があります。

・窓ガラスのみの交換
・内窓の設置
・窓サイズの変更

それぞれについて見ていきましょう。

窓ガラスのみの交換

既存のサッシを流用し、窓ガラスのみ交換する方法です。窓ガラスには大きく単板ガラスと複層ガラス(ペアガラス)に分けられます。複層ガラスにすることでガラスの強度や気密性・断熱性を高められるので、現在単板ガラスを利用している場合は複層ガラスへの変更を検討するとよいでしょう。

また、複層ガラスにはさらに金属膜をコーディングしたLow-E複層ガラスやガラスとガラスの間にアルゴンガスを入れてさらに断熱性を高めたもの、ガラスとガラスの間にブラインドを入れて遮熱性や視線防止効果を取り入れたものなどがあります。

費用相場としては、180cm×170cm以内の窓ガラスを交換するときで5~15万円程度と考えるとよいでしょう。上記にLow-e加工やアルゴンガス注入するとその分費用が高くなります。工事期間は1日見ておけば問題ありません。

内窓の設置

既存の窓の内側に内窓を施工する方法で、断熱性や防音性の向上を期待できます。窓の内側に窓を設置するだけなので大掛かりな工事が必要ありません。とくに分譲マンションの場合、窓は区分所有者だけではリフォームできないため、内窓を設置するだけの窓リフォームが選ばれることが多くなっています

内窓の設置費用は180cm×170cm以内の場合で8~15万円程度です。こちらも、より高性能な窓を設置する場合には費用が加算されます。なお、工事にかかる時間は2時間程度見ておけば問題ないでしょう。

窓サイズの変更

既存のサイズから窓を大きくしたり小さくしたりする方法です。窓を大きくするリフォームであれば、より開放感のある部屋にすることが可能ですが、窓を小さくするリフォームでは外気の影響を受けにくくできるため、省エネ性の高い部屋にできます。基本的に、窓サイズを変更するリフォームの場合、壁の工事が必要になるため大掛かりな工事となりやすい点に注意が必要です。

費用相場は、窓サイズを大きくするのか、小さくするのかなど工事内容によって大きく変わります。たとえば、窓とサッシの費用が15万円程度だった場合、設置費用で10万円程度に加えて、必要に応じて壁を壊すための費用や追加するための費用がかかると考えるとよいでしょう。場合によっては、100万円以上の費用がかかることもあります。

工期についても工事内容次第です。簡単な工事で済めば2~3日で済むケースもありますが、長くなると1週間以上の期間が必要になることもあります。

目的別に窓リフォームのアイデアをご紹介

ここでは、目的別におすすめの窓リフォームの方法をご紹介します。

防音対策を重視した窓リフォーム

まずは防音対策を重視した窓リフォームです。防音対策を重視した窓リフォームは、たとえば、交通量の多い道路に面している物件におすすめだといえるでしょう。また、小さな子供のいる世帯をターゲットとしている場合にもおすすめです。防音対策を重視した窓リフォームについては、以下のような方法があります。

・防音ガラス
・内窓の設置
・窓を小さくする

まずは防音性の高いガラスに変更する方法です。既存のガラスが単板ガラスであれば、複層ガラスにするだけで防音性能はアップします。また、ガラスとガラスの間を真空にすることで防音性を高めたり、ガラスの厚さを厚くすることで防音性をアップさせたりすることも可能です。

そのほか、既存の窓の内側に内窓を設置するだけであれば費用も手間も押さえて防音性をアップできます。また、窓のサイズを小さくして窓部分の面積を小さくすることで防音性アップにつなげることも可能です。

防犯対策を重視した窓リフォーム

次は防犯対策を重視した窓リフォームです。特に一人暮らしの女性をターゲットとするような物件では費用対効果が高いといえます。防犯対策を重視した窓リフォームとしては、以下のようなことが考えられます。

・内窓の取り付け
・シャッターの取り付け
・防犯設備の取り付け

防犯対策としては内窓やシャッターの取り付けのほか、鍵を暗証番号方式のものに変更することも可能です。

防火対策を重視した窓リフォーム

防火対策を重視した窓リフォームについては、特に隣家との距離が近いような物件におすすめします。防火対策を重視した窓にすることで、安心して住みやすいという印象を与えられ、他の物件と差別化を図ることができ、あらゆる入居者層にアピールすることが可能です。防火対策を重視した窓リフォームには以下のような方法があります。

・網入りガラスに変更する
・防火ガラスに変更する

網入りガラスはガラスの中に網の入ったガラスのことで、火災が発生してガラスが熱で割れてもバラバラに飛び散りにくい性質を持っています。一方の防火ガラスとは熱に強い素材で作られたガラスのことで、火災時にも割れにくいです。防火対策という点では防火ガラスの方が性能が高いと言えますが、一般的に網入りガラスより防火ガラスの方が高コストとなりやすい点に注意が必要でしょう。

断熱効果を重視した窓リフォーム

断熱効果を重視した窓リフォームは住みやすいだけでなく、電気代を節約できることからランニングコストの節減にも役立ちます。経済的に優しいためやはりファミリー層をターゲットにするケースでおすすめです。断熱効果を重視した窓リフォームには以下のようなものが考えられます。

・Low-e複層ガラスに変更する
・樹脂サッシに変更する
・小さい窓に変更する

断熱効果を重視するのであれば、Low-E複層ガラスやアルゴンガス入り複層ガラスなど断熱性の高いガラスに変更することが考えられます。また、アルミサッシより樹脂サッシの方が断熱性能を高めやすく、サッシを変更する方法もあります。そのほか、窓自体を小さくすることで外気の影響が及ぶ範囲を小さくすることも可能です。

結露対策を重視した窓リフォーム

結露対策を重視した窓リフォームは、複層ガラスにすることをおすすめします。結露は暖かい室内の空気が、外気の影響を受けて冷たくなった窓ガラスに触れることで発生します。既存のガラスが単板ガラスという場合、複層ガラスに変更することで窓ガラスが外気の影響を受けにくくなり、結露を防ぐことにつなげることができます。また、内窓を設置することでも結露対策が可能です。

結露対策を重視した窓リフォームは、陽の当たりにくい北側に面している物件や風通しの悪い物件などで特におすすめできるリフォームだといえます

依頼をする際は信頼できるリフォーム会社に

窓リフォームは施工の質によって仕上がりが大きく変わりやすいです。たとえば、同じ窓ガラスを施工するのでも、施工不良で外から隙間が生まれてしまったような場合では、断熱性や気密性など十分な効果を期待できないこともあります。

また、窓ガラスのサイズを変更するようなリフォームをする場合、壁を壊すこともあるなど建物の構造に大きな影響を及ぼしかねません。窓リフォームを依頼する会社を選ぶには、複数の業者に相見積もりを取り、対応がしっかりしているか確認するなどして慎重に選んでいくことが大切です

まとめ

窓リフォームについて、工法ごとのメリット・デメリットや、目的別におすすめのリフォーム方法をお伝えしました。この記事でお伝えした通り、窓リフォームを実施することで採光性や気密性、断熱性、防犯性、防火性などさまざまな機能を向上させることができ、競合物件と差別化して空室対策とすることも十分可能です。ただし、窓リフォームは工法によっては建物の構造にも影響を及ぼすこともあるため、依頼するリフォーム会社を選ぶ際には慎重に進めることをおすすめします。
逆瀬川 勇造

監修逆瀬川 勇造

【資格】AFP(2級FP技能士)/宅地建物取引士/相続管理士

明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。

大学在学中に2級FP技能士資格を取得。
大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。

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