快適性も建物寿命もアップする、断熱リフォームの種類と費用を解説!

監修いしわた さとみ

  • 公開日:
  • 2021年01月18日
  • 更新日:
  • 2021年04月01日
快適性も建物寿命もアップする、断熱リフォームの種類と費用を解説!
日本の住まいの断熱性能は、世界最低レベルともいわれています。昨今、国の方針により住宅の断熱性能も向上しつつありますが、築古物件になると、冷暖房がきかないほど夏暑く、冬寒いという建物も珍しくないでしょう。地球温暖化による夏の熱中症や真冬のヒートショックなど、寒暖差による健康への影響も少なくありません。所有物件の資産価値向上や空室対策の一環としてリフォームをご検討中の大家さんに向けて、この記事では断熱リノベーションの必要性や有効性について説明していきます。

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目次

快適な住まいに欠かせない断熱性とは

日本で最初に省エネルギー基準が制定されたのは、1980年(昭和55年)。これを旧省エネルギー基準といいます。1992年に改正があり、住宅における断熱基準が強化されました。これが新省エネルギー基準です。さらに、1999年には住宅の省エネルギー基準が全面改正。これが、義務化の待たれる次世代省エネルギー基準です。

2013年には、次世代省エネ基準から実に13年ぶりの改正が行われ、外皮(外壁・屋根・窓など建物の外周部分)の性能に関する基準の見直しと、設備性能・太陽光発電の利用といった一次エネルギー消費量の基準が設けられました。

こうした省エネルギー基準の見直しと並行して、2000年には住宅の品質確保の促進等に関する法律が制定。住宅性能表示制度が導入されるなど、さまざまな取り組みが進められています。

寒暖差の解消

断熱性の高い住まいは、夏の暑さや冬の寒さを軽減し、一年をとおして快適な居住環境を保つことができます。ヒートショックなどの健康被害を受けにくくなるのもメリットですが、そのためには建物全体の断熱性を高め、居室ごとの寒暖差を解消する必要があります。

室内結露の解消

居室ごとの寒暖差は、壁内結露や天井・床下結露の原因にもなります。そこからカビやダニが発生し、シックハウスなどの健康被害を誘発することもあれば、湿気によって構造部分が腐食するなど、建物の耐久性にも影響します。

結露防止には、建物全体の断熱性を上げるとともに、下地や断熱材などの継ぎ目に気密テープを貼るなどして、建物の隙間を埋める必要があります。気密の悪い家は、換気口からの給気よりも隙間から空気の流入があり、換気効率が下がります。気密性を高めることで空気の流れをつくり、計画的に換気することも可能になります。

冷暖房効率アップ

気密性の低い建物は、いくら断熱をしっかりしても外気が室内へ侵入し、中の空気が外へ逃げてしまうため、冷暖房効率が悪くなってしまいます。断熱性と気密性を高めた魔法瓶のような建物なら、冷暖房効率もアップし、光熱費の節約につながります。

つまり、高気密高断熱の住まいは、省エネ性が高く環境にも優しいのです。

「内断熱」と「外断熱」。断熱工法の違い

断熱工法には、大きくわけて「内断熱」と「外断熱」の2種類があります。

「内断熱」は建物の内側を断熱する工法で、躯体の中(柱と柱の間)に断熱材を充填するため、「充填断熱工法」ともいわれています。グラスウールなどの繊維系断熱材を使用するのが一般的ですが、発泡ウレタンなどの吹き付けも近年よく使用されています。

一方「外断熱」は建物の外側を断熱する工法で、躯体と外装材の間に断熱材を施工します。「外張り断熱工法」ともいわれています。発泡プラスチック系の断熱材が使用されることが多く、柱・梁部分の断熱欠損がないことと、小屋裏や床下・壁内を含め建物全体を断熱できることで、結露のリスクはより少なくなります。ただし、「内断熱」に比べるとコストはやや高くなります。

また、近年では内断熱と外断熱を併用した付加断熱(ダブル断熱)も少しずつ普及しています。

断熱リフォームの種類と費用、工期

冬、暖房で温めた室内の空気が外へ流出する割合は、窓からが52%ともっとも多く、次いで壁、換気、床、屋根となっています。それに対し、夏の外気が室内へ流入する割合は、窓からが74%と大部分を占め、壁、換気、屋根、床という順になっています。

このような熱の移動の仕方や、建物の状態、費用対効果を考えながら、断熱リフォームを検討してみましょう。
施行内容費用工期
内窓・サッシの交換約8~50万円/1か所1~2日程度
壁断熱約3万円/平米2週間~1か月程度
床断熱約5~8千円/平米1週間~10日程度
天井断熱約5~8千円/平米1週間~10日程度
外壁・屋根塗装約5千円~/平米1~4週間程度

内窓、サッシの交換

アルミサッシに単板ガラスの窓を使用している場合、窓を交換するか内窓を設置することで、断熱性は大幅にアップします。もっとも手軽で効果的なのは、既存のサッシの室内側に内窓を設置する方法です。仕上がりもきれいで、気密性も向上します。一般的なサイズの引き違い窓なら、工事費はサッシ本体と工事費で1か所につき10万円前後で、工期は1か所あたり1~2時間程度です。

アルミサッシを樹脂サッシに交換する場合、窓枠だけ残して上から新たな窓枠を設置するカバー工法と、壁を切断して窓枠ごと取り外す壁カット工法があります。カバー工法なら1か所10~20万円程度、壁カット工法では30~50万円になります。

このほか、サッシのガラスだけを複層ガラスに交換する方法もあります。一般的なサイズの掃き出し窓なら5~15万円程度でできますが、サッシがアルミのままでは内窓設置や窓交換ほどの断熱効果は得られません。

壁断熱

新築時に断熱材を入れた建物であっても、経年劣化によって断熱材が機能を失っている場合があります。その場合は、壁をはがして新たに断熱材を入れ直すことになります。断熱材の材料費のほか、壁の解体、補修、下地、仕上げなどの工事が発生するため、1平米あたり1万円程度はみておくとよいでしょう。

外断熱の場合は外壁の解体が必要なので、1平米あたり3万円程度になります。工期は2週間から、長いと1か月ほどかかる場合もあります。

床断熱

省エネルギー基準が制定される前の古い建物では、壁には断熱材が入っていても床は断熱していないということも少なくありません。この場合は、1階の床下に断熱材を入れるだけでも、寒さを軽減することができるでしょう。施工方法としては、点検口から床下にもぐって断熱材を入れる方法と、床をはがして断熱材を入れる方法があります。床をはがさずに施工するのであれば、1平米あたり5,000円程度。床をはがす場合は、解体、床下地、仕上げ工事を含め、1平米あたり8,000円程度になります。施工方法や建物の規模にもよりますが、工期は1週間から10日間ほどみておくとよいでしょう。

天井断熱

夏は屋根面へ直射日光が当たることで屋根の表面温度が上がり、建物の中まで熱が伝わってしまいます。天井を断熱すれば、室内へ熱が流入することを防止できるため、夏の暑さを軽減できます。また、暖かい空気は上へ、上へと逃げていくため、冬場は天井を断熱することによって室内の暖気が外へ流出しにくくなります。

多くの場合、点検口から天井裏へ入ることができるため、天井をはがして施工する必要はありません。施工方法としては、骨組みの間に断熱材を敷き込む敷き込み工法と、綿状の断熱材を専用の装置で吹き込んで敷き詰める吹き込み工法があります。吹き込み工法なら、複雑な骨組みを気にせず均一に断熱材を敷き詰めることができるため、より断熱効果を得やすくなります。敷き込み工法なら費用は平米あたり5,000円程度、吹き込み工法で平米あたり8,000円程度です。工期は床断熱と同様、施工方法や建物の規模にもよりますが、1週間から10日間程度が目安です。

外壁・屋根塗装

建物内部の工事が難しい場合には、外壁や屋根に熱伝導を抑える塗料を塗って断熱する方法があります。金属製の外壁材や屋根材を使用している建物であれば、断熱塗装だけでもある程度の効果を実感できるでしょう。費用は、安価な塗料であれば平米あたり2,000円台で塗装できますが、耐用年数も10年程度と短いものが多いです。平米あたり5,000円程度の塗料であれば、15年から20年は効果が持続します。工期は1~4週間程度です。

また、断熱塗料と似たもので遮熱塗料というものがあります。遮熱塗料は夏の温度上昇を抑えるには効果的ですが、冬の寒さを防ぐことはできないため、注意が必要です。

断熱リノベーションの補助金

国がエネルギー政策を推進していることもあり、住宅の断熱リフォームにはさまざまな補助金や優遇制度が用意されています。

ここでは、賃貸住宅向けの補助金について説明していきます。

次世代省エネ建材支援事業

一戸建て・集合住宅の省エネへの投資促進を目的とした補助制度です。短期間で施工可能な高性能断熱パネルや調湿建材など、付加価値のある省エネ建材を用いた断熱リフォームに対して支援されます。

■補助対象製品
断熱パネル、潜熱蓄熱建材、窓、断熱材、玄関ドア、調湿建材

■補助金額
補助対象となる次世代建材の施工にかかる費用の2分の1以内。
1住戸あたり125万円が上限となります(下限は1住戸あたり20万円)。

2020年度の受付はすでに終了していますが、次年度以降も同様の支援が行われると考えられます。2021年の募集をあらかじめチェックし、計画的にリフォームを行うようにしてください。

まとめ

断熱リフォームは、見た目の印象が大きく変わるわけでもなく、費用をかけたわりにはリフォームしたという実感も薄いかもしれません。しかし、住まいの省エネに対する人々の意識が高まっている昨今、断熱リフォームは賃貸住宅としての大きな差別化につながると同時に、結露を防ぐなど建物の長寿化にもつながります。大がかりな工事をしなくても、二重サッシにするだけでも断熱効果は十分得られますし、補助金の申請も可能です。管理会社・リフォーム会社とも相談のうえ、建物の状態に応じた断熱リフォームを検討してみてはいかがでしょうか。

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いしわた さとみ

監修いしわた さとみ

【資格】宅地建物取引士/2級建築士/既存住宅状況調査技術者/ホームステージャー

建築設計事務所、不動産会社、建設会社等での勤務を経て、現在は不動産・住宅・建設ライター、住宅営業、建設CADオペレーターとして活動。実家は建築屋。主婦で3児の母。

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