ターゲットや築年数を見極めて検討しよう!空室対策にも繋がるDIY可物件

監修花 惠理

  • 公開日:
  • 2020年05月14日
  • 更新日:
  • 2020年05月14日
ターゲットや築年数を見極めて検討しよう!空室対策にも繋がるDIY可物件
賃貸経営をしている大家さんの中には、空室対策で悩んでいる方も多いのではないでしょうか。賃貸住宅が借り手市場の今、対策の1つとしてご紹介したいのが、物件を借主が自由にカスタマイズすることができるDIY可物件にすることです。この記事では、DIY可物件のメリットやデメリット、大家さん目線での注意点などをお伝えしていきます。合わせて、DIY可物件を見極めるヒントとアピール方法などもまとめました。

目次

空室対策でお悩みの大家さんへ

大家さんが抱えている代表的なお悩みの1つ「空室対策」。所有物件が空室になると、その期間、空室分の家賃収入が入らないことになります。その空室が長期化すると、賃貸経営をするうえで大きな問題となってしまいます。

今回ご紹介したい「DIY可物件」による空室対策は、築年数が経過している物件をお持ちの大家さんや、原状回復にお金をかけたくないという大家さんにおすすめしたい対策です。

空室対策の主な方法

まずは、DIY可物件について解説する前に、DIY可物件にする以外の主な空室対策についてお伝えします。一般的な空室対策としては、以下のような方法が考えられます。

・家賃などの条件変更
・ネット広告の見直し
・仲介会社への営業
・設備追加
・リフォーム

など

無料でできるものから費用がかかるものまで、有効な対策が複数ありますが、どの対策が一番効果的なのかは、所有する物件によって異なります。近隣のライバル物件の分析を行って差別化につなげられるよう、所有する物件に適した方法で検討、実行していくようにしましょう。

需要が高まりつつあるDIY可物件、とは?

DIYとは「Do It Yourself」の略語で、直訳すると「自分でやる」という意味になります。したがって、ここでのDIYは設備の追加や修繕、リフォームなどを専門業者に依頼するのではなく、入居者がご自身で行うことを指します。ですので、今回ご紹介していくDIY可物件とは、「入居者自身が自由に部屋をカスタマイズできる物件」を意味します。。

賃貸でも持ち家のように自分好みに自由にリフォーム・リノベーションできるので、DIY可物件は若い人を中心に人気を集めてきています。自分たちで住まいを整えることによって、愛着が湧き、その物件に長く住んでもらえるといったメリットも見逃せないでしょう。

国土交通省も賃貸流通を促進

国土交通省では2016年から、空き家対策の一環で「DIY可賃貸借」の普及を進めています。活用にあたってのガイドブック「DIY型賃貸借のすすめ」を作成し、公開しています。この資料ではDIY型賃貸借のメリットやできることが紹介されていたり、DIY型賃貸借を行うときの契約時に注意するポイントなどが解説されていたりします。詳細は、国土交通省のWebサイトをご覧ください。

DIY可物件はどんな層に人気?

DIY可物件では、退去時の原状回復を要求しない物件が多数存在します。そういった物件を希望する入居者層は、「こだわりのインテリアでオリジナルの部屋をつくりたい」「自分好みの空間を手作りで実現したい」といった希望をもつ人たちです。ライフスタイルや個性を重視し、より快適な生活環境を求めている人たちに需要があると考えられます。

DIY可物件にすることによって期待される効果

DIY可物件にすることで、上記でご紹介した「DIY可物件を希望する層」に入居を検討してもらえるようになります。また、「DIYを本格的にやりたい!」という入居者が現れれば、原状回復前・修繕前の状態で借り手が見つかる可能性もあります。いずれにせよ、今までターゲットとしていた層とはまったく別の入居希望者層の目に留まりやすいという効果が期待できます。

DIY可物件のメリット・デメリット

ここでは、DIY可物件として入居者を募集することの、メリットとデメリットを解説します。空室対策としてDIY可物件にしようか悩んでいる大家さんは、ぜひ参考にしてみてください。

メリット

DIY可物件として募集するメリットの1つとして、ターゲット層が広がることが挙げられます。DIY可物件を求めている入居希望者は、「DIY可物件」に限定して物件を探していることが多いでしょう。したがって、これまで物件に見向きもしていなかった層の目に留まり、結果的に客付けにつながる可能性が出てくるのです。また、築年数が古いというだけで敬遠されていた物件でも、DIY可物件に変更することでマイナス要素を補って、他物件との差別化が図れるようになります。

また、借主と取り交わす賃貸借契約の内容にもよりますが、入居中の修繕を入居者に行ってもらうことが可能です。将来、入居者が転居することになったとしても、魅力的にカスタマイズされた部屋が資産価値を上げてくれるかもしれません。DIY可物件に変更する場合は、賃貸借契約の内容をよく吟味する必要があるでしょう。(※契約に関する内容は、後の項目をご覧ください。)

デメリット

DIY可物件にするデメリットとしては、退去後に次の借り手が見つかりにくいことが挙げられます。前の入居者が自分好みの部屋を作っていますから、DIY可を求めていない入居者層や、自分らしい部屋にDIYしたい入居者層のどちらにも求められない部屋となってしまう可能性があります。

また、募集条件によっては一般的な入居希望者(DIY可を求めていない人)に避けられてしまう場合があります。こういった側面から見ると、一定の機会損失を招いてしまう恐れもあるでしょう。

また、修繕や工事にかかる費用を入居者に負担してもらうこととなりますので、周辺相場よりも安い賃料設定にするケースも見受けられます。そのため、通常よりも安い家賃で貸し出すことになる可能性があることも、デメリットの1つといえます。

DIY可物件にするための注意点

DIY可物件にする場合は、いくつか注意点があります。検討される大家さんは、ご一読の上、判断するようにしましょう。

DIY可物件にした場合の契約書について

DIY可物件にする場合、借主と結ぶ賃貸借契約の内容をきちんと練っておく必要があります。DIY可物件にすることによって起こりうるトラブルに対応するため、原状回復と修繕義務、工事に関する損害賠償責任などの内容を明文化することをおすすめします。

なお、国土交通省のWebサイトでは、大家さん向けにDIY型賃貸借に関する契約書式例を公開しています。気になる方は一度、内容を参照してみてください。

工事内容を事前に把握しておく

借主が行う予定の工事の詳細を、必ず事前に確認しておきましょう。工事内容によっては、資格を持った専門業者に依頼する必要があったり、騒音を伴う工事であれば近隣に迷惑がかかったりする恐れがあります。

また、借主の工事内容を把握していないと、大家さんの知らないうちに他の入居者や近隣住民とトラブルに発展してしまう可能性も考えられます。どのような工事を行うのか、工事にあたり時間帯や曜日などのルールを設けるなど、事前に借主と話し合いをしておくとよいでしょう。

一般社団法人HEAD研究会から、「DIYのできる賃貸」が必要とするガイドラインも公開されています。参考にしてみてはいかがでしょう。

空室対策として最大限物件アピールしよう

空室対策としてDIY可物件にするのであれば、DIYを望む入居者層に最大限アピールしていくことが大切です。DIY可物件であることをアピールする方法としては、次のようなものが考えられます。

・賃貸ポータルサイトでの条件設定
・ネット広告で大きく謳って募集を行う
・DIY可物件に強い不動産会社へ仲介依頼をする
・DIY可物件を多数掲載しているサイトへ掲載依頼を行う
・管理会社に条件緩和を伝え、積極的に売り込む

所有物件の特徴と照らし合わせて、DIY可物件を求めている人たちに伝わるような戦略を考えてみましょう。内容によっては、管理会社と相談しながら進めることをおすすめします。

まとめ

近年、DIY可物件は空室対策の1つとして注目を集めていますが、所有物件をDIY可物件に変更するには、メリット・デメリットの両面が存在しています。とくに初めて取り組むときには専門家の知識が必要です。空室対策としてDIY可物件にするか悩んでいる大家さんは、担当の管理会社やDIY可物件の取り扱いに強い不動産会社に相談してみましょう。
花 惠理

監修花 惠理

【資格】宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士/ファイナンシャルプランナー2級

大学卒業後、不動産会社や住宅メーカーの不動産部に勤務し、不動産賃貸・売買契約の他、社宅代行、宅地造成などの業務に携わる。現在は、不動産や金融関係の執筆をするWebライターとして大手メディアなどに多数寄稿。

初心者にもわかりやすい言葉で解説しています。また、将来に備えて夫婦で不動産投資や株式投資を行っています。

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