空室対策のための浴室リフォームで失敗しないためのポイントをご紹介

監修河野 陽炎

  • 公開日:
  • 2019年12月20日
  • 更新日:
  • 2020年12月21日
空室対策のための浴室リフォームで失敗しないためのポイントをご紹介
時間と費用をかけて行う浴室リフォームですから、失敗は絶対に避けたいものですよね。なかには、素材を変えたことが原因でカビが生えやすくなってしまったというケースもあり、そんな失敗を避けるためにも、リフォームをする際の最低限の知識は、しっかりと理解しておくことが大切です。この記事では、浴室リフォームを検討している大家さんにリフォームの方法や費用相場、リフォームをする際に気をつけておきたいことなどを失敗事例を紹介しながらお伝えしていきます。

目次

空室対策に浴室リフォームを検討しよう

入居者がお部屋探しをする際に、水回りはよく見られるポイントのひとつです。浴室もその中のひとつ。バランス釜や壁や床のタイルが剥がれていたり割れていたりすると、当然のことながら、内見時の印象は悪く見えるものです。浴室だけが入居の決め手とまでは言わないまでも、浴室の印象が悪いことで減点になることは大いに考えられます。

空室対策を目的としてリフォームを行うのは王道手段と言えますが、毎日利用するものですから、入居者のニーズをくみ取り浴室リフォームを検討していきましょう。

浴室リフォームのタイミング

浴室を構成するユニットバスや在来工法の浴槽、防水シートなどにも寿命があります。寿命がきて、傷みが目立つようになった部分をそのままにしておくと、入居希望者の印象が悪くなりますから、定期的な浴室リフォームを行うことが大切です。

寿命が近づいているというサインは次のような形で現れます。これらのサインが見られたら浴室をリフォームするタイミングです。

・コーキング部分の劣化
・排水溝から嫌な臭いがする
・浴槽や壁にヒビやサビが発生している
・浴室に使われているパーツの生産や販売が終了している

浴室リフォームで気をつけておきたいこと

浴室リフォームには時間も費用もかかります。特に費用面に関してはキャッシュフローにも影響してくることですから、事前に注意すべき点を押さえておくことが大切です。経年劣化や寿命に伴い、浴室リフォームをする場合であっても、改めて以下のことを念頭において検討していきましょう。

リフォームの目的を明確にする

浴室リフォームと言っても目的は大家さんによってさまざまですよね。

例:
・寿命が来た浴室を修復するため
・浴室が古いため入居が決まらないため空室対策として
・新しい浴室にすることで家賃アップを目指して

目的を明確にすれば、どのような工事が必要か、予算がどのくらいかかるかがわかり、予算に応じて妥協すべきポイントなども明らかになります。業者に言われるがまま、必要のない工事まで行ったり、高価すぎる素材を使ってしまったりすることがないよう、まずはリフォームの目的を明確にしましょう。

ターゲットを明確にする

ある程度お部屋の広さで入居者イメージはできているかもしれませんが、改めてどのような入居者をターゲットにしているお部屋なのか、大家さんご自身で明確にしておきましょう。たとえば、ファミリー向けのお部屋であれば、お子さんのお世話がしやすい広めの浴室を作り、床にはすべり止め効果のある素材を使うなど機能面を前面に出す方が第一印象がよさそうですよね。一方で、単身者やDINKSをターゲットとするならば、機能性よりはおしゃれで現代的なデザインが好まれるかもしれませんよね。

このように、改めてどのような人が、どのような生活パターンの人がこの部屋に住むのか、想定されるターゲットを明確にし、浴室リフォームの目的をさらに明確化していきましょう。

使用する素材とその特徴を確認する

浴槽、壁、天井、床などに使われる素材はさまざまです。たとえば、浴槽に使われる素材として次のようなものがあります。当然のことながらキャッシュフローに影響する部分になりますが、それぞれの特徴を知り、予算に合わせて選ぶことが大切です。以下はよく使われる素材の特徴をご紹介します。

FRP
毎日の手入れが簡単にすむことや、保温性に優れていること、耐久性も高いことから広く使われている素材です。各素材の中では価格も比較的安めです。カラーバリエーションが豊富で、作りたい浴室のイメージに合わせて選ぶことができます。

ステンレス
耐久性と保温性に優れ、キズやサビに強いこと、手入れが簡単にすむこと、価格も安めであることが特徴です。

ホーロー
肌ざわりがよく、色も美しい仕上がりになりますが、表面にキズがつくとサビが生じる可能性があります。価格はFRPやステンレスに比べて高めです。

人造大理石
人造大理石の浴槽は、サイズや色合いなどの面で幅広い選択ができます。価格帯も幅広いため、予算に合わせて選ぶことができます。

タイル
在来工法の浴室に、タイル仕上げの浴槽を設置する場合は、浴槽の形や広さなどを自由に選ぶことができます。他の素材と合わせて浴槽を作ることもでき、予算に合わせた仕上げができます。

木材
日本の檜風呂をはじめ、木材でできた浴槽は高級感や肌ざわりのよさが特徴で、保温性も高いです。木材の品質や材質の選び方によって費用が変わることや、浴槽の寿命が短くなる点には注意が必要です。

業者選びは慎重に行う

リフォーム工事の費用には「定価」というものがありません。適正な価格を見極めるためにも、複数の業者に見積もり依頼をすることが大切です。リフォーム工事が完成するまで、信頼してお付き合いできる業者を見極めるためにも、複数社の担当者と話しましょう。

なお、安い見積もりを出す業者が必ずしも良心的な業者とは限りません。手抜き工事を行って工事費用を抑えたり、契約を結んだ後に追加料金を請求したりする業者の可能性もあります。安すぎる見積もりを出す業者の信頼性はよく見極めましょう。

浴室リフォームの方法と費用相場

浴室リフォームにはいくつかの方法がありますが、「全体のリフォーム」「部分リフォーム」に分けられます。工事内容の例をいくつか取り上げます。

浴室全体のリフォーム

ユニットバス入替
ユニットバスは、壁、天井、床が一体になっているお風呂のことです。

リフォーム工事の流れは次のようなものです。

1.既存のユニットバスを解体する
2.必要があれば電気、給排水の配置を見直したり、ドア枠を解体したりする
3.新しいユニットバスを組み立てる
4.ドア枠を解体した場合は修復する

工事期間は4日前後です。ユニットバスの価格は次の要素によって決まります。

・広さ(0.75坪、1坪、1.25坪、1.5坪など)
・グレード(ロー、ミドル、ハイ)
・オプション(追い炊き機能、残り湯利用機能、手すり、浴室TV、浴室スピーカーなど)

多く選ばれている価格帯は50~100万円のもので、工事費用として20~50万円かかります。

部分リフォーム

浴室の一部のみリフォームする方法は、全体のリフォームに比べて費用を抑えることができます。

浴槽のみのリフォーム

在来工法の浴槽を新しいものに交換する工事は、次のような工程で行われます。

1.古い浴槽を解体撤去する
2~10万円かかることが多いです。

2.新しい浴槽を置く場所の下地を調整する
2~5万円かかります。

3.必要があれば新しい浴槽を運び込むためにドア枠や周辺の壁を解体する

4.新しい浴槽を設置する
浴槽の費用は浴槽の材質や広さなど大きく変わり、安ければ数万円、高級なものは数百万円かかることもあります。浴槽の埋込工事を行う場合は、その費用で5~15万円かかります。

5.ドア枠や周辺の壁を修復する

工期は1~数日であり、必要な工事の内容に応じて変わります。

壁・床・天井のリフォーム

壁、床、天井の張り替えにより、浴室のイメージを大きく変えることができます。壁、床、天井をまとめて施工する場合は、トータルで約10~30万円のことが多く、素材のグレードによって価格が変わります。壁、床、天井を別に施工する場合に比べ、まとめて施工するほうがトータルでの費用は安くなります。

壁の張り替え費用
・パネル張り 10~30万円
・フィルム張り 8~20万円
・タイル 10~15万円

床の張り替え費用
・樹脂床材 5万円~
・タイル床材 10万円~
・木製床材 15万円~

天井の張り替え費用
・パネル張り 4~7万円
・フィルム張り 3~6万円

浴室リフォームにはまとまった費用が必要

浴室リフォームには、数万円~数百万円の費用がかかります。賃貸物件の築年数が経ち、複数の浴室をリフォームしなければならない時期が来ると、まとまった費用が必要になります。多額の費用をかけたのに失敗し、空室率が改善しなければ意味がありませんので、慎重に工事内容を決めましょう。

なお、リフォームを行う際にはリフォームローンも活用可能です。キャッシュフローの観点では、一括、分割それぞれにメリットはあると思いますので、ご自身の状況に合わせて検討してみましょう。リフォームローンについては以下の記事で詳しくご紹介しています。

浴室リフォームの失敗事例

浴室リフォームをした結果、カビなどのトラブルが生じるようになったり、せっかく導入した設備が使われなかったり、失敗といえる事例もあります。以下では、よくある失敗事例をご紹介していきますね。

事例1:カビが発生しやすく手入れが大変になった

浴室の気密性や耐熱性を高め、寒さを感じにくい浴室にしたい、と考えてリフォームをしたけれど、結果として浴室にカビが生えやすくなり、それだけに手入れが大変になってしまうケースがあります。リフォームによって温度や湿度がカビの繁殖に適した状態になったり、水はけが悪く、床面に水分や汚れがたまりやすい状態になったりすると、リフォーム前よりもカビが生えやすくなります。

カビが目立つようになる条件は、主に次の4つです。

・温度が20~30度
・湿度が70%以上
・水分が存在すること
・カビにとって栄養となるものがあること(人間の皮脂、垢、石鹸カスなど)

タイルで仕上げた浴室は、目地の部分に水や石鹸カスがたまりやすいため、カビが目立つこともあります。最新のシステムバスには、防カビ効果を高めたものもありますので、カビが生えにくいものを選びましょう。また、換気扇や浴室暖房乾燥機などは入居者から見てもあると嬉しい設備ですから、予算が許すのであれば、検討してみましょう。

事例2:高額な設備を入れたが入居者に喜ばれていない

ジェットバスやミストサウナ付き室暖房乾燥機などを導入すると、入居者に喜ばれる場合もあります。しかし、ジェットバスの手入れが大変なため、多忙な日々を送るサラリーマンやOLは使わなくなってしまう場合も。子育てで忙しい家庭では、浴室暖房乾燥機は使っても、ミストサウナ機能までは使用しないというケースもあります。ターゲットを明らかにし、必要な設備は導入し、必要以上の設備はつけないようにすることも大切です。

事例3:戸建て用とマンション用のユニットバスの違いを知らなかった

ユニットバスには、戸建て用とマンション用があります。ユニットバスの「高さ」は、戸建て用のほうが大きいことが多いので、誤って戸建て用のユニットバスを選ぶと、結果的にはマンションの浴室に収まらない、というトラブルが起こります。

メーカーのショールームなどで商品選びをするときは、必ず「マンション用」のものを選びましょう。カタログにも「戸建て用」「マンション用」の別は必ず記載されているので、ご確認ください。信頼できるリフォーム業者とともに浴室リフォームを行う場合には、このようなミスは起こりにくいかもしれませんが、必ずご確認ください。

リフォーム内容は細かく確認しましょう

浴室には寿命があるので、マンションやアパートの複数の浴室をリフォームしなければならない時期が来ると、まとまった費用がかかります。費用を無駄にかけすぎず、快適性や安全性を高めて空室率の改善につなげるためにも、リフォーム内容を細かく確認しましょう。

確認すべきこと
・入居者ターゲットに合う浴室はどのようなものか?
・現在の浴室のうち改善すべき部分はどこか?
・業者が出した見積もりには、必要な工事内容がすべて入っているか?

まとめ

浴室リフォームは、空室率の改善につなげるためには、業者任せにせず、大家さん自身も正しい知識を持って、信頼できる業者とともに進めていくことが大切です。想定している入居者ターゲットや、浴室のどのような部分をリフォームしたいのか、どの部分が物件の人気を下げているのかをリフォーム業者に伝え、納得のいく工事ができるよう話し合うことが、リフォーム成功のカギです。

失敗しないためにも正しい知識を持つことが大切!
まずは、浴室リフォームのプランを立ててみませんか?

河野 陽炎

監修河野 陽炎

【資格】3級FP技能士

3級FP技能士資格を持つライター、コラムニストとして、生命保険や医療保険、金融、経済などの執筆実績が多い。次々と発売される商品や、改正の相次ぐ税制、法律が1人の生活者にどう影響を与えるかの視点を大切にする。

●紹介されている情報は執筆当時のものであり、掲載後の法改正などにより内容が変更される場合があります。情報の正確性・最新性・完全性についてはご自身でご確認ください。
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