大家さん視点で考える魅力的なリノベーションとは?事例とポイントをご紹介

2023.09.20更新

この記事の監修者

中村 裕介

中村 裕介

【資格】宅地建物取引士/保育士

大家さん視点で考える魅力的なリノベーションとは?事例とポイントをご紹介

所有物件でリノベーションを考えている大家さんへ、事例やポイントをターゲットやコンセプトと合わせてご紹介します。

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目次

リノベーションとリフォームの違い

リノベーションとリフォームにはどのような違いがあるのでしょうか。簡単に言えば、リノベーションは物件に新しい価値を付加するための工事であり、リフォームは原状回復、つまり元の状態に戻すための補修・修理という意味合いの工事のことです。ここからは、費用・期間・間取り・デザインの面から、リノベーションとリフォームの違いについて詳しく解説していきます。

違いの比較(1)【費用・期間】

リノベーションとリフォームは費用と期間という面で大きく異なります。リノベーションの場合、費用は1m2あたり平均10~15万円程度なので、例えば60m2の部屋の場合、工事費用はおよそ600~900万円程度になります。リフォームは補修・修理としての部分的な工事が多いため、工事内容によって費用はかなり異なります。

例えば6畳の部屋の壁紙の張り替えなら1,000円/m2、6畳の部屋で約4〜5万円、カーペット等を敷くリフォームなら約5万円程度、キッチンやトイレの設備交換であれば約50〜100万円程度はかかります。期間は工事内容によりますが、リノベーションは設計で2〜3ヶ月、工事で1〜2ヶ月はかかります。リフォームの場合、壁紙の張り替えであれば半日〜1日、キッチンやトイレの設備交換の場合、1週間程度です。

違いの比較(2)【間取り・デザイン】

リノベーションの場合、一旦すべてを解体してむき出しのスケルトンの状態にしてからの施工になることが多いです。間取りの変更や設備の移動ができるので、ターゲット層にアピールできる大幅なデザインの変更も可能です。一方リフォームの場合は、基本原状回復を目的としているので大きな間取りの変更や、イメージをガラリと変える内装デザインの変更はあまり行いません。

リノベーションする上で大切なこと

上述の通り、リノベーションは大きな費用がかかり、工事期間も長くかかりますが、リノベーションによって、築年数の古い物件でも現代風の間取りや最新の設備に変更することができます。物件に新しい価値を加えることで、ターゲット層にアピールすることができ、空室を減らすことにもつながります。また、物件の価値が上がることで、家賃の維持や値上げに繋がる可能性も広がります。

1. コンセプトをしっかり決める

リノベーションを成功させるためには、しっかりしたコンセプトに基づいて行われるかどうかによって決まります。ここでは、リノベーションのコンセプト事例についてご紹介していきます。

コンセプト重視のリノベーション事例(1)

リノベーションを行う際は、コンセプトを重視して内容を決めましょう。キッチンやトイレ、お風呂などの設備交換はかなりの費用がかかります。高価でスペックの高い設備を配置するよりも、ターゲットとする入居者のニーズに合った変更が大切です。

若年層の入居者がターゲットの場合、人気の高いウォークインクローゼットやシステムキッチンなどのスペックを意識したリノベーションが候補にあがります。たとえば、「日々の暮らしが楽しくなる部屋」をコンセプトとして、お風呂の床材をおしゃれな床タイルなどに変えるだけでも、お風呂に入る時間が心地よくなるものです。また、高齢の入居者をターゲットとし、「安心して暮らせる部屋」をコンセプトに設定した場合、おしゃれな床タイルでは滑りやすいので、滑りにくいゴムシートなどに変更して、手すりを設置した方が効果的となります。

コンセプト重視のリノベーション事例(2)

賃貸物件は同じような間取りや内装が多いので、個性を前面に出すリノベーションも、入居率アップには効果的です。「西海岸」をイメージとしたコンセプトのリノベーションであれば、打ちっ放しのコンクリートを活かしたカジュアルな内装にし、光と風が入りやすい間取りに変更し素敵な空間をつくることができます。また、「ナチュラル」を基調としたリノベーションであれば、床材や壁の素材として木材を使い、全体的な色調をベージュ系などのアースカラーに統一することで、自然で落ち着いた空間を演出することができます。

2. ターゲットを想定しておく

どのような入居者をターゲットとしているかで、リノベーションの内容は変わってきます。それぞれのターゲットに合わせたリノベーションの例について見ていきましょう。

ターゲット重視のリノベーション事例(1)

一人暮らしの女性をターゲットとしたリノベーションの場合、まずセキュリティ面の充実がポイントとなります。具体的にはオートロック、インターフォン、二重施錠などの防犯設備が充実していれば、入居希望者に効果的なアピールポイントとへと繋がります。また収納スペースの広さも注目される部分です。昔ながらの押入れから、女性に人気のクローゼットへの変更や、玄関スペースを広げて、大きな姿見を置いたり、ブーツを置けるような靴の収納スペースを増設したりする工事もよく行われます。水回りの設備については、長時間利用を想定して浴槽をゆったりしたサイズのものに取り替えるなど、リラックスして過ごせる空間づくりに変更することも有効です。

ターゲット重視のリノベーション事例(2)

高齢者夫婦をターゲットとしたリノベーションの場合、滑りにくい床材の採用をおすすめします。床材はタイルカーペットやクッションフロアのような、万一の転倒時のための衝撃吸収性、視力が低い人でも床の範囲がわかる視認性がアピールポイントになります。また、バリアフリーのためのトイレやお風呂の手すりの設置、和式トイレから洋式トイレへの変更や、ドアを開閉しやすい引き戸への変更することも、高齢の入居者が生活しやすい環境作りにつながります。

3. 建築構造や給排水設備の確認

マンションの築年数が古い場合、壁式構造という壁で建物を支えるタイプの物件が多いです。壁式構造の場合、建物を支えている壁を壊すことはできないので、間取り変更の自由度は下がります。また、パイプスペース(給排水菅を集約するスペース)の位置が決まっていることから、キッチンやトイレなどの位置を自由に動かせないという問題も出てきます。

なぜ建築構造が大切なのか

大幅な変更を行うリノベーションは、建物に与える影響が大きいです。建築構造は、耐震性の計算など、綿密な設計の上で決められているので、建物の構造上必要となる耐力壁を取り除くといった無理な工事はできません。リノベーションの前には、構造上変更がきかないポイントをきちんと確認しておきましょう。

4. 予算がどれくらい必要かを調べておく

リノベーションの費用は工事内容によって大きく異なります。リノベーションを成功させるためには必要となる予算を事前にきちんと調べておく必要があります。

予算配分の事例紹介(1)【良い事例】

予算配分のポイントは、リノベーションのコンセプトに基づいて優先度を決めることです。例えば上述した一人暮らしの女性向けのリノベーションの場合は、セキュリティ設備を最優先に、水回りや収納などの優先順位を決めてから、予算を決めていく必要があります。

また、設備のグレードによっても設備費用は変わってきます。そして、リノベーション費用の回収にかかる時間も重要なポイントになります。採用する設備のグレードについては、想定家賃と費用の収支バランスを考えて決めるようにしましょう。また、予算は上限ギリギリで組まずに、追加工事の必要が発生した時のための予備費を用意しておくことも大切です。

予算配分の事例紹介(2)【失敗事例】

リノベーションの予算配分でよくある失敗は、プランやコンセプトをきちんと決めていないことからおこります。具体的な失敗事例としては、あれもこれもと変更範囲を広げていき、無計画に設備のグレードを上げた結果、予算を超過してしまうことです。また、全体を考えずに部分的なリノベーションのみを行なった結果、全体の雰囲気とのバランスが悪くなり、結局追加工事を行なって予算オーバーになってしまうという例もあります。

予算組みの失敗は、リノベーション会社のスタッフとのコミュニケーション不足やミスなどからも起こります。これらの失敗は、最初の段階で大家としての意見・アイデアを業者に正確に伝え、共有し、余裕を持った予算を組むことで防ぐことが可能です。

収支シミュレーションを考える

リノベーションは基本的に大きな費用がかかる工事です。また工事開始後に排水管の不具合が見つかったり、石膏ボードが腐食していたりなどして追加工事の費用がかかることもあります。事前の打ち合わせを入念に行うことで想定外の追加工事が起こる可能性は減らすことができます。すべての工事の項目について、いくら費用がかかるのかをシミュレーションして、工事が予算内に収まるように準備しておきましょう。

リノベーションの効果

ここからはリノベーションを実施した場合の効果について解説していきます。

空室対策(入居率アップ)には?

リノベーションを行うことによって入居率のアップが期待できます。ターゲットとする入居者層のニーズに合った間取りや設備に変更することで物件の価値が上がり、ターゲットに向けたアピールができる他、物件が一新される効果でその他の入居者層にもアプローチすることが可能になります。

収益改善(家賃アップ)には?

リノベーションは収益改善にも役立ちます。入居率が上がることで家賃が入ることはもちろん、物件の価値が上がることによって家賃の値上げも期待することができます。ただし、リノベーション費用を早期に回収しようとして、賃貸物件の賃料相場とかけ離れた家賃を設定することは避けましょう。

リノベーションの費用対効果のポイント

リノベーションを行う際は費用対効果の高い工事を優先すると良いでしょう。具体的なポイントは以下の通りです。

一人暮らしの女性向けならオートロックや、二重施錠などセキュリティ系の工事を行う
女性は部屋探しの際に安全性を重視することが多いので、オートロックや、二重施錠などのセキュリティ系設備が充実しているとターゲット層にアピールできます。一度導入すればその後も継続して女性入居者向けにアピールできる設備なので、費用対効果は高いといえます。

高齢者向けなら転倒防止、バリアフリー設備を充実させる
高齢の入居者に対しては、システムキッチンなどの高価な設備の導入より、実用性のある手すりや滑り止めなどの設備がアピールポイントとなります。手すりや滑り止めの設置費用は階段やトイレ、浴槽など取り付ける場所によって異なりますが、例えば1階から2階への手すりの設置の場合、5万円前後と比較的安価に設置することが可能です。賃貸市場においてバリアフリー環境を整備した物件は希少なので、少ない投資で入居率のアップが期待できます。

ファミリー向けなら床材や壁材は耐久性の高いものや交換性の高いものを選ぶ
子供がいる場合、単身者に比べて床や壁へのダメージが大きくなる傾向があります。その場合、床材や壁材に耐久性の高いものや交換性の高いものを採用することで、退去時の原状回復費用を抑えることができます。

まとめ

リノベーションは上手く使えば入居率アップや家賃アップが期待できる一方、たくさんの費用がかかるので事前の入念なプランニングがとても大切です。ターゲットの入居者層のニーズを踏まえたうえで、費用対効果が高く、人気の高い工事を行うことがリノベーション成功の秘訣です。
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この記事の監修者

中村 裕介

中村 裕介

【資格】宅地建物取引士/保育士

1983年福岡生まれ。上海復旦大学卒。

商社、保育園、福祉施設での勤務を経て、現在は不動産と旅行系の記事を中心に手がけるライター兼不動産経営者。実際に店舗・住宅を提供している立場から、不動産に関する記事を執筆しています。

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