空室対策に効果的?コンセプト型賃貸について解説します

監修逆瀬川 勇造

  • 公開日:
  • 2019年08月31日
  • 更新日:
  • 2019年08月31日
空室対策に効果的?コンセプト型賃貸について解説します
入居者が物件探しのときに注目するポイントは、家賃、立地、間取りなど様々です。中には、家賃が少し高くても楽器を演奏できる物件を選ぶ人や、立地が少し悪くても趣味を楽しむための空間を確保できる物件を好む人など、どのような物件かを重視する人もいます。この記事では、コンセプト型賃貸を検討している大家さんに、どのように物件のコンセプトを決めていけばよいか、コンセプト型賃貸の種類を含めてお伝えしていきます。

目次

入居者はコンセプト型賃貸に興味がある?

大家さんが賃貸経営を続けていく限り、空室対策についてはずっと考えていかなければなりません。今後、少子高齢化や人口減少、住宅供給過多状態が継続していくことで賃貸経営はより厳しくなっていくことが予想されます。そうした中、ただ住むだけの住宅だけでなく、市場のニーズをとらえた賃貸物件を提供する「コンセプト型賃貸」が増えてきています。

コンセプト型賃貸とは、一定の趣味嗜好やデザインセンスに基づいて作られた賃貸物件のことで、通常の賃貸物件より賃料はやや割高になることが多いものの、他の賃貸物件と差別化することができます。

コンセプト型賃貸が空室対策になる

コンセプト型賃貸では一つの趣味嗜好をコンセプトに賃貸物件を作ることから、入居者にとっては「本当に住みたい物件に住める」といったことや「同じ趣味嗜好を持つ住人と出会える」といったことを感じやすく、他の賃貸物件にはない動機を入居者に与えることができます。

ただし、どのようなコンセプトの賃貸物件をつくり、賃料設定をどうするかについては、賃貸物件の建つエリアも含めてターゲットとなりうる層と、その趣味嗜好を入念に調査することが重要です。また、入居者は基本的に「少しでも賃料を安くしたい」と思っており、コンセプト型賃貸に住むことのメリットと、賃料の割高分とのバランスをうまく取る必要があります。

コンセプト型賃貸の種類

コンセプト型賃貸には具体的にどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、代表的なものとして以下の3つをご紹介します。

・趣味をコンセプトにした賃貸
・ライフスタイルをコンセプトにした賃貸
・デザインをコンセプトにした賃貸

趣味をコンセプトにした賃貸

一つの趣味嗜好をコンセプトに居室の一部や共用部分に特別なスペースを設けるタイプのコンセプト型賃貸には、例えば、バイク好きや車好きに向けて居室の一部をガレージにしたり、マンションの地下に巨大なワインカーブを設置したりといったものがあります。趣味を軸とした賃貸物件では、自分の趣味を存分に楽しみたいという入居者にアピールすることが可能です。

入居者は「多少高くとも特別な家に住みたい」と思っている方が多く、趣味を充足させるスペースにこだわることで高い賃料でも入居者を集めることが可能になるでしょう。

とはいえ、高い賃料でも支払える高所得者を狙い、都心の一等地を選ぶなど、エリアごとの賃料ニーズを把握しておくことも大切です。

ライフスタイルをコンセプトにした賃貸

次はライフスタイルをコンセプトにした賃貸住宅です。例えば、音大生やミュージシャン向けに高い遮音性を持つ物件にしたり、美大生や画家向けにアトリエスペースのある物件にしたり、体育大生やアスリート向けにトレーニング施設のある物件にしたりといったことが考えられます。

音大生やミュージシャンであれば「家で楽器練習したい」といったことや「夜中でも音楽鑑賞したい」といった需要があるでしょう。そうした需要に応えるため、特別な性能や施設、スペースを設けた賃貸物件です。

大学生をターゲットに含めることもあり、必要な設備を整えつつ、できるだけ賃料を安く抑えたほうがよいでしょう。また、共有施設を設けるなど入居者同士のコミュニケーションの取れる物件にすると、高い効果を得られやすいです。

デザインをコンセプトにした賃貸

最後はデザインをコンセプトにした賃貸住宅です。「スタイリッシュ」な物件や「北欧風」、「カリフォルニア風」、「カフェ風」など、一定のデザインで外観や内装を統一します。有名ブランドと点を組んで提供されている賃貸物件もあり、一般的な賃貸物件よりおしゃれな物件に住んでみたいという方に向けてアピールすることが可能です。

コンセプト型賃貸物件の中で「オシャレ」をテーマにした物件に興味のある方は多く、そうした方に興味を持ってもらえる物件にする必要があるため、普通の賃貸物件ではできないようなデザインにすることが大切だと言えるでしょう。もしくは、あまりお金をかけずに一定のコンセプトで内装を作り上げ、相場とそう変わらない賃料で賃貸物件を提供するのも一つの方法です。

ソフト面に特化したコンセプト型賃貸

「ライフスタイルをコンセプトにした賃貸」でお伝えしたように、コンセプト型賃貸では同じ趣味嗜好、ライフスタイルを持つ人が集まりやすく、横のつながりを得られるように工夫をするとコンセプト型賃貸の高い効果が期待できます。

具体的には入居者同士のコミュニケーションを促すための定例交流会などのイベントや、共有施設を設けるとよいでしょう。これは、上記でご紹介したそれぞれのコンセプト型賃貸と組み合わせてもよいですし、交流会やイベントを開催するだけであればお金をかけずに、普通の賃貸物件を「入居者同士が交流できるコンセプト型賃貸」に変えることもできます。

コンセプト型賃貸にする上での注意点

コンセプト型賃貸はうまくいけば効果の高い空室対策とすることができます。しかし、コンセプト型賃貸にするには通常の賃貸物件を用意するより高額な費用がかかります。また、入居者側としても高い賃料を支払うのにはそれなりのメリットがないといけません。こうしたことから、コンセプト型賃貸にするのであれば最初に入居者ターゲットを明確に絞り込み、それに適したプランニングをする必要があります。

まとめ

賃貸物件の空室対策となりうるコンセプト型賃貸についてお伝えしました。コンセプト型賃貸をうまく活用できれば高い効果を得られやすいですが、一方で賃料を高くせざるを得ないこともあります。また、ターゲット設定に失敗すると費用ばかりかかり、一方で大きな効果は得られなかった、ということにもなりかねません。どのような層をターゲットにどのようなコンセプト型賃貸を提供するのか、明確に絞り込んでいくことが大切です。
逆瀬川 勇造

監修逆瀬川 勇造

【資格】AFP(2級FP技能士)/宅地建物取引士/相続管理士

明治学院大学 経済学部 国際経営学科にてマーケティングを専攻。

大学在学中に2級FP技能士資格を取得。
大学卒業後は地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より父親の経営する住宅会社に入社し、住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。

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