失敗しないためにも事前にチェック!賃貸物件の内装リフォームに関する注意点

監修河野 陽炎

  • 公開日:
  • 2019年09月10日
  • 更新日:
  • 2019年09月10日
失敗しないためにも事前にチェック!賃貸物件の内装リフォームに関する注意点
空室対策や補強工事などのために大家さんが内装リフォームを考えた時、気になるのがリフォーム費用や注意すべき点ではないでしょうか。この記事では、内装リフォームを検討している大家さんに向けて、内装リフォームの準備や行う際にチェックしておきたい注意点について、詳しくご紹介していきます。

目次

大家さんが内装リフォームを行うべき理由

大家さんが内装リフォームを行うべき理由は、大きく分けて2つあります。

・建物の傷み等の経年劣化の補修を行い、建物を良い状態に保つこと
・内装の印象を変更することで、空室率改善につなげること

この2つは、密接に繋がっており、劣化した内装をそのままにしておくと、入居希望者が内覧する際の印象が悪くなり、結果として空室が埋まりにくくなります。一方、手入れが行き届き、新しい設備や現代の家族構成に合う間取りが取り入れられている、現代のニーズに合った内装は入居希望者に与える印象も良く、空室が早く埋まるはずです。

目的を明確にしておこう

内装リフォームには費用や時間がかかりますので、やみくもに始めるのではなく、まず「どんな目的で行うのか」を明確にしましょう。

【例】
・現代のライフスタイルに合わせた間取りの変更で空室率を改善する
・よりよい設備、収納などを導入してライバル物件に差をつける
・キズ、ひび割れ、壁紙の剥がれを補修する
・寿命がきた設備を入れ替える

内装リフォームにかかった費用は、その後の家賃収入で回収することが理想です。空室だった部屋に入居してもらうことや、内装リフォームした部屋の家賃を数千円~数万円上げることで収益を増やす方法があります。どちらの状態を目指すのか、どのくらいの期間で回収したいのかを考え、リフォームに使う予算を決めましょう。

内装リフォームを行う上での不安点

内装リフォームで満足いく結果が得られるかどうか、不安になる大家さんも多いかと思いますが、どのような不安があるかを確認しましょう。

不安点1

一番の不安な点は費用面ではないでしょうか。「内装リフォームにかかった費用を、どのくらいの期間で回収できるのか?」「空室率の改善効果があるのか?」といったことも不安ですね。

不安点2

信頼できる業者が見つかるか、また、どのような業者なら信頼できるのかも心配でしょう。

不安点3

具体的にどのような工事が行われるのかも、できれば知りたいところです。業者から勧められた工事内容が本当に必要なものか、余計な工事まで盛り込まれてはいないかを判断できるようになりたいですね。

不安点4

内装リフォームを行う期間中は、その部屋は空室状態で収益がありません。そのため、内装リフォームにどのくらいの期間がかかるのか、工事後にスムーズに入居する人を迎え入れるにはどうすればいいかも検討しておきたいところです。

見落しがちな内装リフォームの注意点

内装リフォームは計画的に行うべきものですが、計画段階で見落としがちな注意点について知り、上記で説明した不安な点も解消できるよう、できる限りの対策を立てておきましょう。

1. 想定よりも費用が掛かる場合がある

内装リフォームのイメージを固めるために、インターネットや情報誌などで施工例や予算について調べるのはとてもよいことです。ただ、築年数、間取り、耐震性能、その他がまったく同じ条件の物件は存在しないため、「ネットで見た施工例とその予算を想定していたが、業者に見積もりをしてもらったら想像以上に費用がかかった」という可能性は出てきます。

【例】
・クロスの張り替えを業者に依頼したら、下地調整費用が思いのほかかかってしまった
・浴室ドアの交換を予定していたが、ドア枠ごと交換する必要があるとわかり、周辺の壁の一部を壊す費用も含めて費用がかさんでしまった
・キッチンの設備を入れ替えるとき、水道の配管工事やコンセントの移動などが必要と分かり、費用がかさむことが分かった

施工費・工事費なども忘れずに

インターネットで購入できる設備や資材の費用もチェックすることはできます。その費用には、施工費・工事費などが含まれているのか、それとも設備・資材などの費用のみなのかを確認しましょう。付帯工事が必要となったり、水漏れやシロアリの被害が進行していて追加工事が必要になったりするケースも考えられます。

2. 業者を簡単に決めてしまわないこと

リフォームを請け負う業者にも、工務店、設備工事会社、リフォーム専門業者などさまざまな分野の業者が存在します。複数の業者に見積もりを依頼し、担当者とも実際に話し合って、相性のよい業者を選ぶようにしましょう。

リフォーム内容にあった業者へ依頼を

大家さん自身が希望する工事を明確にした上で、その工事内容を得意とする業者に依頼できるのが望ましいですが、どのように業者を判断すればよいのでしょうか。業者と実際に打合せをするとき、チェックしておきたいポイントをご紹介します。

【業者との打合せでチェックしたいポイント】
・大家さんが希望する工事に関する実績がどのくらいあるか
・物件の状態を確認した上で、必要な工事とそうでない工事を明確に説明してくれるか
・見積書の内容に不明瞭な点はないか
・大家さんの希望通りに進められない点があるなら、納得いく説明をしてくれるか
・工事のメリット、デメリットの両方を説明してくれるか
・大家さんの疑問にわかりやすく答えてくれるか
・保証やアフターサービスが充実しているか

【注目】リフォーム瑕疵保険

リフォーム工事を実際に行った後に、工事に欠陥が見つかった場合、保険金を受け取ることができる「リフォーム瑕疵保険」という制度があります。屋根、壁等の既存住宅の一部、またはキッチン、浴槽等の既存住宅と一体となった設備にかかる改修工事や設置工事が対象です。

この保険を利用するなら、大家さんはリフォーム業者に「リフォーム瑕疵保険に加入して欲しい」とお願いしましょう。そして、保険契約を結んだ証拠となる書類を確認した上で工事契約を結びます。工事終了後には、保険内容を記載した書面をリフォーム業者から受けとります。もしリフォーム業者が倒産した場合でも、保険内容を記載した書面があれば補償を受けることができます。

3. 見積り書は不明点が無いようにする

リフォーム業者と正式に契約する前に、複数の業者に見積書を出してもらい比較検討しましょう。見積書で分からないポイントがあれば業者に確認し、不明点がないようにします。

金額はもちろん、内容も詳しく確認

見積書で金額を確認することはもちろんですが、より正確に工事計画や資金計画を立てるため見積内容についても確認する必要があります。

上記でも説明しましたが、見積書内の不明な点は担当者に確認して、すべて明らかにしておくことが大切です。その際、理解できるよう丁寧に説明してくれる業者かどうかもチェックしておきましょう。また、見積内容は希望する工事内容が漏れなく記載されているかも確認しておかなければなりません。不足がある場合は、後に追加料金が発生してしまう可能性があるためです。

なお、納得いく業者を選定するためにも、見積もりは必ず複数の業者に依頼するようにしましょう。

4. 部分的なリフォームを行う場合の落とし穴

内装に使われている資材は、寿命がそれぞれ異なる場合もあり、入居者のライフスタイルによっては、部屋ごと、資材ごとに傷みの進み具合が異なるケースもあります。

しかし、壁紙(クロス)や天井、床などで、傷みが目立つ部分だけを取り換えた場合、新しい部分と古い部分の違いが目立ち、新しい部分の色だけが他から浮いて見える可能性があります。あまりにも違いが大きいと、結局は全体的なリフォームを改めて行うことになりかねません。

全体的に行うか、部分的に行うか

先述のような事態に陥らないためにも、部分的なリフォームを行うなら、古い部分からあまりにも浮き上がることがないような壁紙や床材を選ぶなどの工夫が必要です。コストの面でも、部分リフォームの結果が気に入らず、2度のリフォームを行うことで割高になってしまう可能性があります。部分リフォームで満足のいく結果が得られるのかを、事前に十分検討した上で、全体か部分リフォームかを決めましょう。
【確認】セルフリフォームを行う際の注意点
大家さん自身が工具や資材を用意し、気になる部分をリフォームするという方法もあります。コストが抑えられる点が一番の魅力ですが、仕上がりや安全性に自信が持てないなら、プロに依頼することをおすすめします。

内装リフォームで押さえておきたいポイント

ここでは、空室率改善を実現するための内装リフォームを行うために、押さえておきたいポイントをご紹介します。

・費用対効果を考えて行う

内装リフォームには費用がかかります。あまり多額の費用をつぎ込むと、家賃収入で回収するまでに時間がかかります。また、入居者のニーズを把握して、内装リフォームによって入居希望者の心をつかめる可能性が高い部分から、優先的に取り掛かることも大切です。

・工事期間を把握しておく

内装リフォームを行っている期間中は、その部屋が空室の状態が続きます。どのような工事が必要で、工事にかかる期間はどのくらいなのかを把握しましょう。入居者の退去に伴う内装リフォーム工事は、入居者との話し合いで退去日が決まったら、できるだけ早く取り掛かってもらえるよう、早めに相談をしておきましょう。空室状態が続いている部屋の内装リフォームでも、「リフォームする」と決めたら、早めに動き出すことです。

リフォーム業者にも繁忙期や閑散期があり、「依頼すればすぐに、工事を始めてもらえるのか?」「業者側の繁忙期で、工事を始めるまでに時間がかかってしまうのか?」が異なります。閑散期に業者に依頼すれば、値引き交渉などがやりやすいというメリットはありますが、閑散期を待つことで物件の空室状態が長引いてしまうようなら、家賃収入が得られないデメリットのほうが大きくなってしまいます。

大家さんにとって有利な条件で工事を依頼するためにも、信頼できるリフォーム業者に、早めに相談することが大切です。

・リフォーム後の流れも考えておく

リフォームが終了した後は、できるだけ早く新しい入居者と契約できるのが理想ですよね。工事完了の時期がいつごろかを把握し、入居者募集広告をいつから出すのか、内覧者への対応をどうするかなどを、不動産会社と話し合っておきましょう。部屋がリフォーム中であっても、共用部分や物件全体の状態を知るために、内覧したいと希望する人はいることを想定しておきましょう。

まとめ

内装リフォームに関する注意点についてお伝えしてきました。内装リフォームを行う目的は大家さんによって異なるものですが、建物修理のほか、空室改善や収益改善についてもしっかりと考慮しておきたいものです。まずは、現在の問題点を明確にした上で、工事内容を決めることから始めましょう。そして、目的に合ったリフォームを行うため、施工業者に大家さん自身の希望を明確に伝え、綿密な計画を立てることをおすすめします。
河野 陽炎

監修河野 陽炎

【資格】3級FP技能士

3級FP技能士資格を持つライター、コラムニストとして、生命保険や医療保険、金融、経済などの執筆実績が多い。次々と発売される商品や、改正の相次ぐ税制、法律が1人の生活者にどう影響を与えるかの視点を大切にする。

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